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第一章 異世界でBL作家誕生
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シルヴィアと軽口を叩いていたメリーローズだったが、実はもうすぐやってくる高等学院への入学に対し、緊張感が高まっていた。
入学すれば、ゲームヒロインであるミュリエルと、いやでも顔を合わせることになる。
そのとき、どんな対応をすべきなのか。
保身を一番に考えるなら、「触らぬ神に祟りなし」。
近付かないのが一番だ。
しかし放っておけば、彼女はゲームの「攻略対象」と恋愛を始めることになる。
「ダメ、ダメよ。アルたんが女と恋に落ちるなんて、認められない……!」
ついでに言えば、ミュリエルが「アルたんのダーリン候補たち」と恋愛するのも認めたくない。
「わがままなのは、わかってる。……でも! アルたんは! アルたんを幸せにしてくれるダーリンと! 結ばれなければならないのですっ!」
「また、わけのわからないことを」
ペンを握りしめたまま、立ち上がって青年の主張をするメリーローズを、シルヴィアが腐す。
「今のところ、その『アルたん』と婚約しているのは、お嬢様なのですが」
「あら、わたくしはアルたんにダーリンができたら、すぐにでも婚約を解消する用意があるわ!」
「別に用意なんてしてませんが?」
突っ込むのに疲れているのに、お嬢様が間髪入れずにボケをかましてくる。
突っ込み休憩が欲しいと切実に思うシルヴィアであった。
もし万が一、メリーローズが「アルフレッド様との婚約を解消します」などという宣言をしたら、国家的大混乱を起こすだろう。
王太子でこそないが、王位継承権第二位の地位にあるアルフレッド王子の結婚相手は、当人同士の恋愛感情など無視し、政治的力学によって決定されている。
いくら本人が婚約を解消すると言っても、簡単に認められるはずがない。
そう言ってメリーローズを説得したところ、反論されてしまった。
「そうでもないわ。だってここは乙女ゲームの世界だもの」
メリーローズの説明によると、平民出身のヒロイン・ミュリエルが、恐れ多くもアルフレッド王子と恋に落ち、結ばれることも可能なのだそうだ。
「まあ、そのときには、元々の婚約者であるわたくしは『アルフレッド殿下の許嫁として相応しくない』と断罪されて、厄介払いされるんだけどね」
「そんな……! あんまりです!」
二人の婚約が政略的なものとはいえ、アルフレッド王子はメリーローズを大切にしてくれていると感じていて、結婚後もそれなりに幸せな家庭を築いてくれるだろうと期待していたのだ。
あのアルフレッド王子が、そんなひどい裏切りをするなど、信じられない。
「あら、心配してくれてありがとう。でもね……私はもう、覚悟しているの。アルフレッド様に捨てられる未来を」
「お嬢様……(ホロリ)」
「アルフレッド様が私を捨てて、素敵な男性の胸に抱かれる日を」
「この腐れ令嬢(ギリリ)」
シルヴィアが罵倒すると、なぜかメリーローズの表情が輝いた。
「まあ! よくわかったわね! 前世ではBLを嗜む女性を『腐女子』とか『貴腐人』って呼んでいることを!」
「いえ、知りませんて」
シルヴィアは脱力しかけた体に活を入れつつ、本題に戻す。
「学院に入ったら、何が起こるのですか? どんな問題があるのでしょう? お願いですから、茶化さずにわたくしにもわかるよう、ご説明をお願いいたします」
「そうね……」
メリーローズはシルヴィアの目を見つめる。
「高等学院入学後の、作戦を立てましょう」
入学すれば、ゲームヒロインであるミュリエルと、いやでも顔を合わせることになる。
そのとき、どんな対応をすべきなのか。
保身を一番に考えるなら、「触らぬ神に祟りなし」。
近付かないのが一番だ。
しかし放っておけば、彼女はゲームの「攻略対象」と恋愛を始めることになる。
「ダメ、ダメよ。アルたんが女と恋に落ちるなんて、認められない……!」
ついでに言えば、ミュリエルが「アルたんのダーリン候補たち」と恋愛するのも認めたくない。
「わがままなのは、わかってる。……でも! アルたんは! アルたんを幸せにしてくれるダーリンと! 結ばれなければならないのですっ!」
「また、わけのわからないことを」
ペンを握りしめたまま、立ち上がって青年の主張をするメリーローズを、シルヴィアが腐す。
「今のところ、その『アルたん』と婚約しているのは、お嬢様なのですが」
「あら、わたくしはアルたんにダーリンができたら、すぐにでも婚約を解消する用意があるわ!」
「別に用意なんてしてませんが?」
突っ込むのに疲れているのに、お嬢様が間髪入れずにボケをかましてくる。
突っ込み休憩が欲しいと切実に思うシルヴィアであった。
もし万が一、メリーローズが「アルフレッド様との婚約を解消します」などという宣言をしたら、国家的大混乱を起こすだろう。
王太子でこそないが、王位継承権第二位の地位にあるアルフレッド王子の結婚相手は、当人同士の恋愛感情など無視し、政治的力学によって決定されている。
いくら本人が婚約を解消すると言っても、簡単に認められるはずがない。
そう言ってメリーローズを説得したところ、反論されてしまった。
「そうでもないわ。だってここは乙女ゲームの世界だもの」
メリーローズの説明によると、平民出身のヒロイン・ミュリエルが、恐れ多くもアルフレッド王子と恋に落ち、結ばれることも可能なのだそうだ。
「まあ、そのときには、元々の婚約者であるわたくしは『アルフレッド殿下の許嫁として相応しくない』と断罪されて、厄介払いされるんだけどね」
「そんな……! あんまりです!」
二人の婚約が政略的なものとはいえ、アルフレッド王子はメリーローズを大切にしてくれていると感じていて、結婚後もそれなりに幸せな家庭を築いてくれるだろうと期待していたのだ。
あのアルフレッド王子が、そんなひどい裏切りをするなど、信じられない。
「あら、心配してくれてありがとう。でもね……私はもう、覚悟しているの。アルフレッド様に捨てられる未来を」
「お嬢様……(ホロリ)」
「アルフレッド様が私を捨てて、素敵な男性の胸に抱かれる日を」
「この腐れ令嬢(ギリリ)」
シルヴィアが罵倒すると、なぜかメリーローズの表情が輝いた。
「まあ! よくわかったわね! 前世ではBLを嗜む女性を『腐女子』とか『貴腐人』って呼んでいることを!」
「いえ、知りませんて」
シルヴィアは脱力しかけた体に活を入れつつ、本題に戻す。
「学院に入ったら、何が起こるのですか? どんな問題があるのでしょう? お願いですから、茶化さずにわたくしにもわかるよう、ご説明をお願いいたします」
「そうね……」
メリーローズはシルヴィアの目を見つめる。
「高等学院入学後の、作戦を立てましょう」
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