悪役令嬢はBL作家「処刑覚悟で萌えますわ!」~婚約者の王子様ごめんなさい、あなたをネタに小説書いてます~

すえつむ はな

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第三章 BL小説の存在、世に知られる

062-2

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 やってきた別荘地は王都から半日ほど馬車で移動した場所にあり、丘陵地が点在する風光明媚な土地だ。
 近くには、いくつか他の貴族の別荘もある。

 メリーローズたちが馬車を降りて荷物を下ろしていると、ブロムリー公爵令嬢が取り巻きの令嬢を連れて歩いているのが見えた。

「この近くに、ブロムリー公爵の別荘もあるようだね」

 メルヴィンがメリーローズに囁いた。

「ごきげんよう、ミルドレッド様」

 このまま無視するのもどうかと思い、声をかけてみる。

「あ……メリーローズ様、……メルヴィン様、……アルフレッド様も……。ご、ごきげんよう……」

 相変わらず蚊の鳴くような声で、取り巻きの少女(確かクローディア・パクストン伯爵令嬢だった)の後ろにさっと隠れながら、挨拶を返してきた。

「相変わらず、彼女は大人しいねえ」

 そう言い交わすメルヴィンとアルフレッドの後ろで、シルヴィアは別のところに注目していた。

(やけに荷物が大きいな)

 見たところ、ミルドレッドと一緒にいるのはクローディアとおつきの者としかいない。
 その割には、メリーローズと同じくらい大きな荷物を持ってきていた。

(何に使うのだろう?)

 とはいえ、シルヴィアの興味もそこまでだった。

 メルヴィンとアルフレッドが、メリーローズの荷物を持ち上げて、「どこに置けばいい?」だの、「荷物を開けるのを手伝おうか?」などと、無邪気に言ってきたのである。

「コホン! コホン!」

 大袈裟に咳払いすると、彼らから荷物を取り上げた。

「えー、女性の荷物の中には、男性に見られたくないものもあるものでございます。例えば……下着、とか……」

「あ、ご、ごめん。気がつかなくて」

「デリカシーに欠けていたね。悪かったよ」

 二人ともモテ男の割には、普段女性と恋愛をした経験があまりないせいだろうか、意外と女性の扱いに不慣れである。

 とはいえ今回はそれが上手く働いて、BL本から遠ざけることができた。
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