悪役令嬢はBL作家「処刑覚悟で萌えますわ!」~婚約者の王子様ごめんなさい、あなたをネタに小説書いてます~

すえつむ はな

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第三章 BL小説の存在、世に知られる

075-3

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「な、なるほどね」

 女子たちの勢いに押されながらも、メルヴィンが頷いた。

「それより、話を戻していいかい?」

「勿論ですわ」

 アルフレッドの言葉に、メリーローズが代表して話を促す。

 * * *

 ブロムリー公爵勢力を押しやり、エメラインが女王に就任した後、しばらくはまつりごとも上手くいき、国民の支持も増え安泰な日々が続いた。

 その間、宰相や大司教の要求ともバランスを取りながら、財政を立て直し、ローデイル王国を繁栄に導くことに成功する。

 しかしここにきて、女王が病に罹った。

 このことがブロムリー公爵派に知られたら、政務に就くことが出来ないと言われ、女王の座を退かなければいけなくなるかも知れない。

 女王の病気の件は、ごく一部だけで伏せられ極秘扱いとなる。

 * * *

「それでも、どうしても秘密は漏れ出てしまうものだ。女王の異変について、ブロムリー公爵も何か嗅ぎつけている気配がある、らしい」

「そうだね。僕も、何も知らされていなかったとはいえ、母上に何かあるのかな? ぐらいには薄々感じてはいた。母上とお会い出来る回数が、極端に減ってしまったし」

 アルフレッドの説明に、フェリクスも記憶をたどる。

「お会いできるときは、お元気そうなんですか?」

 ミュリエルが質問すると、フェリクスは迷いながらも頷いた。

「そうだね、お元気そうに見えたよ。でも、なんとなく笑顔が減ったな……とか、そんなことは感じてたな」

 フェリクスが答えると、アルフレッドがその背景を説明する。

「母上の病状は、良かったり悪かったりで、ずーっと寝込むような状況ではないそうだ。だから調子のいいときは政務にも就くし、議会や宴席に顔を出すこともある」

「それなら、わたくしたち下位の貴族や平民は、ご病気なんてまったく気が付かないですね」

 エルシーの言葉に、王室とは距離があるアーネストやヘザー、平民のミュリエルとフィルバートが同意した。

「一応王室に近いはずの俺やメリーも、全然気が付かなかったからな」

 メルヴィンが苦笑する。

「母上の病気は、精神的なものなのだそうだ」

「精神的……?」

 メリーローズの呟きに、アルフレッドが頷く。

「そう、意識がはっきりしているときは、今まで通りの母なんだが、一度発作が起きると、あらぬことを言ったり、人格が変わったり、辻褄があわなくて意味のわからないことを口走られると聞いた。ただ、その内容までは僕も教えてもらえていない」

「それは……心配だな」

 メルヴィンの言葉に、沈黙が落ちる。

 確かにそれでは、政務に就くのも大変だろう。
 調子が良いからといって議会に顔を出して、途中でもし発作を起こしたら大事である。

 そんな中、シルヴィアは気になる言葉にひっかかった。

(人格が変わる……)

 メリーローズが前世の記憶を取り戻したときのことを、思い出したのだ。

(とはいえお嬢様のときは、人格が破綻するほどの状態ではなかった。もし仮に陛下がお嬢様と同様転生者だとしても、それほどの状況にはなるまい)

 頭に浮かんだ可能性を、一旦棚上げする。


「えーっとお、それで女王陛下のご病気と、ミュリエルさんの聖女と、どうつながるんですか?」

 アデレイドが緊張感をなくす声で質問した。

「そうだね。確かにこのままの説明では、わかりにくいね」

 アルフレッドが苦笑して頷く。

「母上のご病気がもしブロムリー公爵派に知られたら、女王退位を迫られることになると予想しているんだ」
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