悪役令嬢はBL作家「処刑覚悟で萌えますわ!」~婚約者の王子様ごめんなさい、あなたをネタに小説書いてます~

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第三章 BL小説の存在、世に知られる

076 公爵令嬢、怒る 2

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 * * *

 もし万が一、女王が政務に就くことも難しい病気に悩まされている、とブロムリー公爵派に知られたら、当然退位すべきという論調に持ち込まれるだろう。

 そうなれば、まだ婚約者も決まっていないヴィンセント王太子が、そのまま問題なく次の国王の座に就くことが困難になることは必至だ。

 ミュリエルに関しては、元々は『奇跡のバラ』を咲かせて女王の病気を治すことを期待されていたのだが、ここにきて彼女を『聖女』に祀り上げ、ヴィンセント王太子の婚約者にしてはどうか、という案が持ち上がってくる。

 そこまで整えておかねば、前回女王と王位を争ったように、王族の縁戚の誰かが次期国王としてブロムリー公爵派に推されるだろう。

 * * *

「あのー」

 再びアデレイドが手を挙げる。

「ブロムリー公爵たちが国王にしたいと思う方が王様になったら、本当に今よりこの国が悪くなっちゃうんでしょうか? もしかしたら、ならなかったりしませんか?」

「そうだねえ、誰が次期国王候補になるかもわからないから、それは何とも言えないな」

「アデレイド、さすがに現女王陛下のご子息に失礼じゃない?」

 メリーローズは注意するが、アルフレッドがそれを止めた。

「いや、大事なことだよ。アデレイド嬢はなかなかに鋭いね」

「ええっ? 本当ですかあ?」

「その方がどんな政治を行うかなんて、まだ誰にもわからない。もしかしたら、善政を敷いてくださるかも知れない。ただ……」

 アルフレッドが言い淀む。

「何か、不安があるんすか?」

 フィルバートの質問に、沈んだ声で答えた。

「はっきりしたことは言えないが、もしかしたらこの学院に通う女子学生の多くが退学になるかも知れない」

「なんですって?」

 一番反応が早く、声も大きかったのはシルヴィアである。

「それに、フィルバートやミュリエルといった平民の学生も同様に退学になると予想出来る」

「どうしてですか?」

 ここまで一番落ち着いていたヘザーの声に焦りが混ざっていた。

「元々この学院の門戸を広げて、色々な学生が勉強できるように取り計らったのが母上なんだ。それまでは高位貴族の男子学生しか入学が許されていなかったけれど、女子や、フィルバートたちのような平民でも勉強したいと希望し、試験に受かれば入学できるようになった。……そのときも、ブロムリー公爵がかなり強く反対したらしい。『伝統を壊すつもりか?』ってね」

「でも、ブロムリー公爵の娘だって、今この学院にいるじゃないですか。彼女も退学にするの?」

 エルシーの疑問は尤もである。
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