悪役令嬢はBL作家「処刑覚悟で萌えますわ!」~婚約者の王子様ごめんなさい、あなたをネタに小説書いてます~

すえつむ はな

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第三章 BL小説の存在、世に知られる

079 公爵令嬢の父の思い

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「アルフレッド殿下を、なるべく形式ばった形ではない場を設けて、ランズダウン邸にお呼びする機会を増やすのです」

「それで?」

「アルフレッド殿下とお嬢様は、単に周りが決めただけの許嫁いいなずけではなく、心の通い合った恋人同士でもある、ということを旦那様と奥様にご認識いただくのです」

「なるほど。二人が既にキスまで済ませた仲だと……」

 ニヤリと笑みを浮かべたメルヴィンに、シルヴィアが慌てて訂正する。

「いえ、そこまで具体的にお教えしなくて結構。とにかく『恋人同士の雰囲気』に気付いていただくのが、肝要なのです」

 いくら相手が王子殿下とはいえ、両親から見て想像以上に男女の仲が進んでいると知られれば、よい印象を持たれない。
 特に父親である公爵は、メリーローズがいつまでも無垢な少女のままでいることを、無意識のうちに望んでいるはずだ。

 シルヴィアは公爵家や学院で学んだ心理学の知識を駆使して、そのように考えた。

 アルフレッドとメリーローズのカップルに同情的でいてもらうには、手を繋ぐか繋がないかの清らかな関係であると思わせることが、今後の展開に有利に働く。

 そう説明すると、メルヴィンは驚きながらも肯首した。

「素晴らしいよ、シルヴィア。君の作戦でいこう」

メルヴィンの賛成を取り付け、シルヴィアは早速アルフレッドをお茶の時間に招待するようお願いした。

「次の休日、つまり日曜の午後のお茶の時間です。お嬢様が珍しくご自宅にいらっしゃるとなれば、公爵様も奥様もお茶の席に着かれるでしょう。一家団欒でいらっしゃる場に、アルフレッド殿下をお招きするのです」

「わかった。彼には俺から誘っておくよ。もしアルフレッドに用事があって来られない場合は、君に伝えればいいんだね」

「はい。よろしくお願いいたします」



 はたしてアルフレッドは、ランズダウン公爵家の午後のお茶の席にとやってきたのであった。

 突然次の週末と言われたアルフレッドは、実は他にも予定があったのだが、公務などの仕事ではなかった為、無理やりスケジュールを空けるという強行である。

「そういうことは、もっと早くに言って欲しいなあ」

 そうぼやきつつも、自分とメリーローズの将来の為とあって、いそいそとやって来たのであった。
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