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第三章 BL小説の存在、世に知られる
088-2
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「あの、ソーントン先生」
「ランドルフでいいよ」
「はい、あの、ランドルフ。今この学院で『魔法学』を教えているランドルフに、聞きたいことがあるんです」
「私は本来『魔法学』は専門じゃない。君も知っているだろう?」
「はい。でも、この学院の中では一番魔法に詳しいと思って。あと僕にとってランドルフは信頼出来る方だと思っているので、相談したいことがあるんです」
そこまでフェリクスが話したところで、アルフレッドがカウチを指し示した。
「立ったままでは何ですから、お座りください」
言われた通りランドルフがカウチに移動しているとき、シルヴィアはまたもメリーローズが邪気を発しているのに気付く。
(なぜっ? 今の会話のどこに邪念の涌き出る要素がっ?)
どこかといえば、ここである。
(そうね。確かに『立ったまま』で3○は難しいわね。ふふ……)
油断も隙もないのである。
「ランドルフ。質問なのですが、魔法で一時的でも、人を操る方法があると聞いたのですが、ご存知ですか?」
フェリクスの言葉に、ランドルフが驚いた。
「なぜ、それを?」
ランドルフの言葉を受けて、生徒会メンバーにもどよめきが起きた。
「じゃあやっぱり、そういう魔法があると確認されているんですね」
「……ああ。しかしあまり知られないよう秘匿されていたはずなのだが、誰からそれを聞いた?」
「はい。わたくしです」
シルヴィアが手を挙げた。
「わたくしが、魔術を教えてくれた曾祖母から教わったものでございます」
「マコーリー君か。マコーリー領はローデイル王国建国の前からあの辺りに住んでいた一族の、古い土地だったな。なるほど、そこで伝わってきた術を伝授されていたんだね」
「……よくご存じですね」
「一応は『魔法学』の教師だからね」
「専門外などと仰ってましたが、さすがですね」
シルヴィアの答えにも、しかしランドルフは厳しい表情を見せる。
「…………確認したいのだが、この話を知っているのはここにいる者だけだな?」
ランドルフの様子に不穏なものを感じたメルヴィンが、一同を代表して答えた。
「はい。そして、他に同様の魔法が伝えられているかどうかを確認したくて、ソーントン先生をお呼びしたのです」
「わたくしは曾祖母からその術を教わったとき『術の方法を教えはするが、決して使わないように』ときつく申し伝えられておりました。そのせいか、つい最近までこの魔法の存在を忘れていたのですが、ふと思い出したとき、悪用されてしまえば大変なことになる、と気付いたのです」
「ランドルフでいいよ」
「はい、あの、ランドルフ。今この学院で『魔法学』を教えているランドルフに、聞きたいことがあるんです」
「私は本来『魔法学』は専門じゃない。君も知っているだろう?」
「はい。でも、この学院の中では一番魔法に詳しいと思って。あと僕にとってランドルフは信頼出来る方だと思っているので、相談したいことがあるんです」
そこまでフェリクスが話したところで、アルフレッドがカウチを指し示した。
「立ったままでは何ですから、お座りください」
言われた通りランドルフがカウチに移動しているとき、シルヴィアはまたもメリーローズが邪気を発しているのに気付く。
(なぜっ? 今の会話のどこに邪念の涌き出る要素がっ?)
どこかといえば、ここである。
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フェリクスの言葉に、ランドルフが驚いた。
「なぜ、それを?」
ランドルフの言葉を受けて、生徒会メンバーにもどよめきが起きた。
「じゃあやっぱり、そういう魔法があると確認されているんですね」
「……ああ。しかしあまり知られないよう秘匿されていたはずなのだが、誰からそれを聞いた?」
「はい。わたくしです」
シルヴィアが手を挙げた。
「わたくしが、魔術を教えてくれた曾祖母から教わったものでございます」
「マコーリー君か。マコーリー領はローデイル王国建国の前からあの辺りに住んでいた一族の、古い土地だったな。なるほど、そこで伝わってきた術を伝授されていたんだね」
「……よくご存じですね」
「一応は『魔法学』の教師だからね」
「専門外などと仰ってましたが、さすがですね」
シルヴィアの答えにも、しかしランドルフは厳しい表情を見せる。
「…………確認したいのだが、この話を知っているのはここにいる者だけだな?」
ランドルフの様子に不穏なものを感じたメルヴィンが、一同を代表して答えた。
「はい。そして、他に同様の魔法が伝えられているかどうかを確認したくて、ソーントン先生をお呼びしたのです」
「わたくしは曾祖母からその術を教わったとき『術の方法を教えはするが、決して使わないように』ときつく申し伝えられておりました。そのせいか、つい最近までこの魔法の存在を忘れていたのですが、ふと思い出したとき、悪用されてしまえば大変なことになる、と気付いたのです」
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