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第三章 BL小説の存在、世に知られる
100 公爵令嬢、狼狽する
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ヴァイオラに余計なお願いをしたせいで、仲間内での自分の信頼度が急降下してしまったことを知らず、メリーローズは意気揚々と生徒会室に戻った。
「ただいまあ!」
「おい、メリー。大丈夫だったのか? さっきの女性は学長の側近の女だろう?」
「大丈夫ですわ。あの方はヘザーさんのお知り合い。実は学長側に入り込んだ間者ですの」
「ええーーーーっ?」
「ま、待ってくれ。ヘザーの間者ってことか?」
「その通り!」
「おお、わが婚約者ヘザーよ。君はどこまで有能なんだ?」
アルフレッドが笑ってアーネストの肩を叩いた。
「君がヘザーを好きなのはわかったから、先に作戦を練ろう!」
メリーローズがヴァイオラから聞いた話を皆に説明した後、シルヴィアが皆の前に一歩出た。
「今日見た限り、彼らが仕込んだのは、手品の仕掛けのようなものではなく、わたくしたちが用意したのと同じ式神です。どのような演出でミュリエルさんを聖女に仕立てるかどうかはわかりませんが、あれを使うことが分かれば、対応は可能です」
「そうなのか?」
メルヴィンの質問に、シルヴィアが眼鏡のブリッジを押し上げて微笑んだ。
「あの式神は何で出来ていますか?」
「……あ!」
翌朝、生徒会メンバーは早朝に生徒会室へと集合した。
ミュリエルは学長室に、午前九時に呼ばれている。
その前に最終確認しておくための集合である。
「おはよう……あれ?」
「僕たちが一番乗りだったみたあだね」
メルヴィンとアルフレッドが連れ立ってやってきた。
「うっす!」
「おはよう、諸君」
フィルバートとアーネストも来た。
「おはようございます」
「おはようございます、みなさん」
「今日は、よろしくお願いいたします」
エルシー、ヘザー、ミュリエルも揃った。ところが……
「皆さま、おはようございます!」
「おはようございます」
メリーローズとシルヴィアが最後に入って来た瞬間、三人娘の空気が変わる。
「……おはようございます……」
「お、おは……」
それを感じ取ったメリーローズの声が止まった。
「何? どうかした?」
アルフレッドが和ませるようと声を掛けると、はぐらかすようにミュリエルが笑い返す。
「いいえ、ちょっと緊張していて……」
「大丈夫、俺たちがついているからな!」
「ありがとう、フィルバート先輩」
フィルバートとミュリエルのカップルを前に、メリーローズは戸惑いを隠せなかった。
メリーローズは「ちょっと」とシルヴィアの袖を引き、廊下へと誘い出す。
「皆、なんだか変じゃない?」
「はい。ミュリエル嬢、エルシー嬢、ヘザー様。女子三名の雰囲気がおかしかったですね」
メリーローズは焦った顔で、シルヴィアの両肩を掴み揺すった。
「そうよね? わたくしの気のせいじゃないわよね? 何があったというの!」
「反対にお聞きしたいのですが、お嬢様、何かやらかしましたか?」
「やらかしてなんか、いないわよ! ヴァイオラへの対応も完璧! ……だったはず、よ……」
言いながら、声が段々小さくなるメリーローズに、シルヴィアが問い詰める。
「お嬢様の『完璧』は、当てになりません。さ、ヴァイオラさんとどんなお話をしたのか、一言一句漏らさず、お教えくださいませ」
まだぶつぶつと「完璧だったはずなのに……」と言いつつも、思い出せる限り、昨日の会話をシルヴィアに聞かせる。
「ふーむ……」
「どう思う?」
「これだけでは、はっきりしたことは申せませんが……」
「……はっ! もしかして、わたくしが異世界からの転生者だと、バレた?」
「それは百パーセント、ありえません」
「じ。じゃあ……わたくしがBL本の作者だとバレた?」
「だとしたら、むしろ敬愛の眼差しで見てくるでしょう」
「そっかなー……」
「ただいまあ!」
「おい、メリー。大丈夫だったのか? さっきの女性は学長の側近の女だろう?」
「大丈夫ですわ。あの方はヘザーさんのお知り合い。実は学長側に入り込んだ間者ですの」
「ええーーーーっ?」
「ま、待ってくれ。ヘザーの間者ってことか?」
「その通り!」
「おお、わが婚約者ヘザーよ。君はどこまで有能なんだ?」
アルフレッドが笑ってアーネストの肩を叩いた。
「君がヘザーを好きなのはわかったから、先に作戦を練ろう!」
メリーローズがヴァイオラから聞いた話を皆に説明した後、シルヴィアが皆の前に一歩出た。
「今日見た限り、彼らが仕込んだのは、手品の仕掛けのようなものではなく、わたくしたちが用意したのと同じ式神です。どのような演出でミュリエルさんを聖女に仕立てるかどうかはわかりませんが、あれを使うことが分かれば、対応は可能です」
「そうなのか?」
メルヴィンの質問に、シルヴィアが眼鏡のブリッジを押し上げて微笑んだ。
「あの式神は何で出来ていますか?」
「……あ!」
翌朝、生徒会メンバーは早朝に生徒会室へと集合した。
ミュリエルは学長室に、午前九時に呼ばれている。
その前に最終確認しておくための集合である。
「おはよう……あれ?」
「僕たちが一番乗りだったみたあだね」
メルヴィンとアルフレッドが連れ立ってやってきた。
「うっす!」
「おはよう、諸君」
フィルバートとアーネストも来た。
「おはようございます」
「おはようございます、みなさん」
「今日は、よろしくお願いいたします」
エルシー、ヘザー、ミュリエルも揃った。ところが……
「皆さま、おはようございます!」
「おはようございます」
メリーローズとシルヴィアが最後に入って来た瞬間、三人娘の空気が変わる。
「……おはようございます……」
「お、おは……」
それを感じ取ったメリーローズの声が止まった。
「何? どうかした?」
アルフレッドが和ませるようと声を掛けると、はぐらかすようにミュリエルが笑い返す。
「いいえ、ちょっと緊張していて……」
「大丈夫、俺たちがついているからな!」
「ありがとう、フィルバート先輩」
フィルバートとミュリエルのカップルを前に、メリーローズは戸惑いを隠せなかった。
メリーローズは「ちょっと」とシルヴィアの袖を引き、廊下へと誘い出す。
「皆、なんだか変じゃない?」
「はい。ミュリエル嬢、エルシー嬢、ヘザー様。女子三名の雰囲気がおかしかったですね」
メリーローズは焦った顔で、シルヴィアの両肩を掴み揺すった。
「そうよね? わたくしの気のせいじゃないわよね? 何があったというの!」
「反対にお聞きしたいのですが、お嬢様、何かやらかしましたか?」
「やらかしてなんか、いないわよ! ヴァイオラへの対応も完璧! ……だったはず、よ……」
言いながら、声が段々小さくなるメリーローズに、シルヴィアが問い詰める。
「お嬢様の『完璧』は、当てになりません。さ、ヴァイオラさんとどんなお話をしたのか、一言一句漏らさず、お教えくださいませ」
まだぶつぶつと「完璧だったはずなのに……」と言いつつも、思い出せる限り、昨日の会話をシルヴィアに聞かせる。
「ふーむ……」
「どう思う?」
「これだけでは、はっきりしたことは申せませんが……」
「……はっ! もしかして、わたくしが異世界からの転生者だと、バレた?」
「それは百パーセント、ありえません」
「じ。じゃあ……わたくしがBL本の作者だとバレた?」
「だとしたら、むしろ敬愛の眼差しで見てくるでしょう」
「そっかなー……」
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