悪役令嬢はBL作家「処刑覚悟で萌えますわ!」~婚約者の王子様ごめんなさい、あなたをネタに小説書いてます~

すえつむ はな

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第三章 BL小説の存在、世に知られる

124 公爵令嬢の兄、怒る

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 告発者を募る貼り紙を出しても、一向に情報が集まらない状況に業を煮やし、学長はさらなる手に出ることを考える。

「校内の一斉捜査をしようと思う」

 職員会議の席で、その案を提出した。

 学院内の教室はもとより、学生寮の中も、ロッカー、クローゼット、机の引き出しに至るまで、持ち物を全てチェックするというものだ。
 さすがにそこまで学生のプライベート、しかもこの件にまったく関わっていない学生のものまでが、全て他人の目に晒されることになると、反対する職員も半数近くいる。

 しかし、学長はそれを一蹴した。

「考えてもみなさい! ことはこのローデイル王国の法律で禁止されている禁忌本なのですぞ! そんな汚らわしいものを、この学院の複数の学生が所持していることは、調べがついております。……しかも、このことは大司教様もご存じなのです!」

 ここで、職員一同にざわめきが起こる。
 大司教――国教である『大精霊教』の聖職者をまとめるトップ――も、このことを知っている……となると、生半可な対応では許されない。

 ランドルフは最後まで反対意見を貫いたが、一斉捜査の実施が可決された。

 その後、職員会議室にメルヴィンとアルフレッドが呼び出される。
 学生代表として生徒会長と副会長に対し、告知するためだ。

「ちょっと、お待ちください!」

 この件を聞かされたメルヴィンが、声を荒げる。

「生徒会長として、承知できかねます!」

「僕もです、学長」

 アルフレッドは声こそ穏やかだったが、その手は怒りに震えていた。

「我々、王立高等学院の学生は、自立を重んじられてきたはずです。学生の半数は十八歳以上で成人を迎えております。個人個人の意思が尊重されるべきではないですか?」

「そんなことを言っている場合ではない!」

 机をダン! と叩き、学長が二人をねめつけた。

「いいか! 同性愛は法律に反しているのだ。その同性愛の物語が書かれた本は、所持しているだけでも法律違反だ! 言わば犯罪者だ! 犯罪者を炙り出すのに、学生の意思や自立などと甘いことを言っていられる場合か!」

「は……犯罪者……? あなたはご自分の学院の学生を、犯罪者だと仰るのですか!」

 メルヴィンは食い下がったが、学長もまた意地になる。

「犯罪を犯しているのだから、犯罪者だ。違うかね?」

「もしそうなら、なぜその学生が犯罪を犯すことになったのか、それをまず聞くべきではないですか? そして止めるよう、説得すべきではないのですか?」

「ええい! 話にならん!」
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