悪役令嬢はBL作家「処刑覚悟で萌えますわ!」~婚約者の王子様ごめんなさい、あなたをネタに小説書いてます~

すえつむ はな

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第三章 BL小説の存在、世に知られる

124-2

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 翌日、掲示板に一斉取り締まりの実施と、メルヴィンに三日間の謹慎を命じる張り紙が掲示された。

「メルヴィン、ごめん。最後まで庇いきれなくて」

 アルフレッドが申し訳なさそうに呟いて、メルヴィンの肩に手を置く。

「いいさ。俺がつい、カッとなってしまったせいだからな」

 メルヴィンは三日も登校できなくなるので、その間家で勉強できるよう、教科書をまとめているところだった。

「これでよし! と。じゃ、ロナルド、ジョン、家に戻るか」

「はい」

「へい」

 ロナルドはたかだか三日ほど家にこもるために、沢山の本をまとめているメルヴィンに、改めて驚いていた。

(俺なら、三日間ボーッと寝てるか遊んでるかして、過ごしてしまうだろうな。でもメルヴィン様は、違うんだ)

 ロナルドが感心している横で、もう一人メルヴィンを見直している人物がいた。

(いつもは飄々として……というか、すっとぼけたところがあるし、そのとぼけ方がときに無神経に感じられる方だけど……)

 シルヴィアである。
 なかなか辛辣である。

(学生を代表して、学長に食ってかかるような男だとは思わなかった)

 それから、アルフレッドがメルヴィンの肩に手を置いた瞬間、邪気を発した主人の背中を、こっそりどついておいた。

 * * *

 結局、一斉捜査は行われたが、メルヴィンが身を挺して反対したおかげで、女子寮でのクローゼット内の確認はなくなった。
 下着を職員の前に表に引っ張り出されなくなって、女子学生たちはますますメルヴィンに傾倒する。

「メルヴィン様が謹慎になったのは、学生のプライベートを守ろうとされたからなのですって!」

「メルヴィン様が守ってくださらなかったら、わたくしたち下着を見られてしまうところだったそうよ」

「破廉恥ねえ」

 BL本に関して、本来後ろ暗いところのある女子学生たちだったが、怪しい本はヘザーを介して全部遠くに隠してしまっているので、余裕である。
 所持品をチェックしている職員たちの後ろで、聞こえよがしにメルヴィンを褒めたたえていた。


 こうして捜査の甲斐もなく、怪しい本は一切見つけることができなかった。

 しかしだからといって、学長の気が収まるわけではない。
 むしろ火に油を注ぐことになってしまうのだった。
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