悪役令嬢はBL作家「処刑覚悟で萌えますわ!」~婚約者の王子様ごめんなさい、あなたをネタに小説書いてます~

すえつむ はな

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最終章 BLよ、永遠なれ

166 公爵令嬢の裁判、混乱を極める

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「裁判を続ける」

 沈着なヒューストンの声に、傍聴席も落ち着きを取り戻す。

「あー、被告メリーローズ・ランズダウン。『確認したい』ということで発言を許したが、今のやり取りでその確認は終わったとみてよろしいかな?」

「はい。満足です」

「では罪状とその認否を確認する。メリーローズ・ランズダウン、同性愛について記述された本の執筆を認める。よろしいか?」

「はい、認めます」

「シルヴィア・マコーリー。メリーローズ・ランズダウンの執筆補助及び出版社への取次、これを認めるか?」

「いえ、BL小説の執筆はわたくしが……」

 シルヴィアの最後の抵抗は、ヒューストンによって遮られた。

「次。キンバリー・アシュビー・ボイル。同性愛の本……ああ、BLだったか、そのBL本を出版したことを認めるか?」

「はい、認めます。でも、ランズダウン公爵令嬢に脅されたわけではなく、自分の意思で出版いたしました」

「よろしい。次、セルマ・モリスン。BL本を販売したことを認めるか?」

「はい、認めます。キンバリーと同じく、自分の意思で販売いたしました。脅されたことはございません」

「次、ウォルター・モリスン。同じくBL本の販売を認めるか?」

「はい」

 ダン!
 木槌が鳴らされ、ヒューストンが皆を見まわした。

「では、これで被告人たちの陳述を終える。次、彼らを弁護しようという者はいるか? ただしローデイル王国の法に基づき、近親者の発言は認められないものとする」

(へえ、前世の世界みたいな、職業としての『弁護士』はいないのね)

 メリーローズは考えた。

(これはなかなか、被告にとって厳しいわね。まあ、わたくしは助けて欲しいとか思っていないから、別にいいんだけど……)

 あくまで自分が書いたと主張するシルヴィアや、自分の意思で罪を犯したと認めたキンバリーたちがどうなるのか、それが気になる。

 すると、ヒューストンが更に言葉を続けた。

「弁護人の他、この事件に関する証言者があれば発言を認める」

 それを聞いた大司教の表情に明るさが蘇った。

(そうだ、そうだ。危うく大切な『証言者』を忘れるところだった)

 大司教は立ち上がると、自慢の声を響かせて発言する。

「私はここに『証言者』を連れてきている。ブロムリー公爵に助けを求めてきたフェ……」

 そこまで言ったところで、法廷のドアが乱暴に開けられ、ブロムリー公爵と魔力持ちのアンガスが勢いよく現れた。

「ブロムリー公爵、あなたが証言者か。責任ある地位の者として、規律に乗っ取り、もう少し静かに入廷してくれないかね?」

 ヒューストンが注意したが、実際ブロムリー公爵はそうしたくても、できなかったのである。
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