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第1章 家族
レオン・クラン・カスティリア がまた出会う
しおりを挟む「…ふふ、それではお茶会に戻りましょう。」
そうして何事もなかったかのように椅子に座りティーカップを傾ける姿を見て、私は信じられなかった。
その心に不服は募るものの、大人しく座り彼女の出方を待った。
「アリナ様は相変わらず、お身体が弱いですわね。心配ですわ。公務など務まるのかしら。」
そんな、安すぎる心配入らないのだが。
公務ができない貴方が言うか。
お父様がドミニカ様には任せられないと判断し公務を一切任していない。それを本人は私が特別だからと勘違いしているようだが。
全く、その自信は何処からくるのやら。
「それに、ソフィア様も部屋から出てこないし…レオン様は大丈夫ですか?」
「…大丈夫とは何がでしょうか?」
「ほら、お寂しく感じませんこと?そうですわね…私のことを母と思い、その寂しさを埋めても良いのですよ?どうぞ、遠慮なさらないでくださいまし。」
いえ、どちらかと言うと貴方を穴に埋めたいと思っておりますので遠慮しておきます。
「…お優しいですね。ご配慮ありがとうございます。」
ニコニコと貼り付けた笑顔のまま答え、早くこのお茶会という名の無駄な時間を終わらせようと思っていた。
そこに1人の少女が近づいてくる。
「おかあさま~!!!」
淑女とは到底思えない程の大声をあげ、ドタドタと走ってきている。
ピンク色の髪にピンクの瞳で少しふくよかな少女はそのまま思い切り、ドミニカ様に抱きついた。
「あら、ラベンナ。王子様の前ですよ。もっと着飾って来なきゃだめでしょう?」
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彼女の顔をじっと見ても答えが出ない。
帰ったら父上に聞いてみなければ…
なんとなく察しているだろうが、私は今日初めて後宮に立ち寄った。
今まで父上と母上に絶対に近づくなと言われていたが、今日ばかりは仕方がない。
今日は、私の社交デビューの日なのだ。
まぁ、社交デビューと言ってもまだ5歳なのでまともなことはしないだが、仮にも第1王子なので皆の見本に立たなければならない。
なので、例えどんなに嫌でも建前だけ、後宮に足を運ばなければならない理由があったのだ。
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