間違われて僕は呪われていた

間違えられて、間違えられた

　後輩くんに新しい彼女ができて、さらに時が経った。一週間くらい。
　学校で、偶然後輩くんに会い、衝撃の告白をされた。後輩くんから聞いて知った驚きの事実だ。

　藁人形に貼り付けた紙に書いた名前は、「佐藤直人」だったらしい。「佐藤直紀」と言ったくせに、なんで「佐藤直人」と書くんだよ。どうやったら、間違えられるんだよ。

　マジでいっぺん死んでこい！ あのクソチャラチャラした※※※※※※男！　さっさと彼女と別れて、ウジ虫のようになっとけ。部屋の隅でキノコでも栽培してろっ！！

　後日、僕は後輩くんのために、学校中に後輩くんの仮彼女の名前をたくさん流しておいた。だから、今頃後輩くんは何股もをかけている最低男になっているはずだ。
　――何をされようが、知ったことか。僕は後輩くんに、誠心誠意心を込めて謝ってもらってないからな。まあ、謝ってもらっても許す気はないけど。

　ある場所では、顔が腫れ上がっている男が「先輩～～っ！！　殺す！！」と叫んでいた。
　またある場所では――。
「呪い男になんか負けるかっ！　お札ふだをたくさんもらってきたんだから、お前の呪いなんか効かねーよ」
　お札をニマニマ見つめていた男がいたという。