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真実・僕とボクに関わる話(終)
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双子であったというのは事実。そこに嘘はない。胎の中で成長することができず、ボクの全ては暁人に持っていかれた。精神は残ったけれど。このせいなのか、うっすらと覚えてきたのかはわからない。しかし、暁人は無意識ではあるけど、違和感を感じていたのだろう。隣に誰かいたってさ。そう思っていたからずっと探し続けてきたのだろう。ボクはずっと僕の中にいたというのにおかしなことだ。もうボクを探すなよ。ボクは僕なんだから。半分と半分はくっついて、一人になったんだから。そう言ったのはボクなんだけど、なんか寂しいと思うのはボクだけかな。ボクだけじゃないといいな、とそう思う。
「楪」は「譲葉」であった。譲葉から双子が生まれることはない。二人は一人となるために互いを喰べた。精神が残っていたもう一人の本来の持ち主の器を奪うこともあった。ただ時々、自ら持っている葉を譲る者がいるるらしい。自分はもういなくなった者だからと、精神を欠けていたものを埋めさせるように。半分が半分のままであればもろいままであるけれど、半分が半分のところへ帰るのならばそれは丈夫になったといえよう。それゆえ、器を奪った者は短命てまあるという。これが愚かであるとは言えない。きっと、もう一人も生きたいと生を望んでいただろうから。自分としては生きたいともう一人にはなりたくないと思ったのだろうから。
さて、長々と語ったが、真実を話そうか。譲葉は呪われている。ある仲の良い双子の兄弟が嘘をつき、神様を欺いたことで怒りを買った。というわけではなく、悪戯をしたらしい。それが些細な悪戯だったとかとんでもない悪戯だったとか言われているが、そのどちらだったのかはわからない。神様は非常にご機嫌ななめだった。そのため、人の兄弟がしたことは許されなかった。
一人が一人として生きることができないように仕向けられた。それゆえに、双子として一人一人が生まれることはできないのだ。
「楪」は「譲葉」であった。譲葉から双子が生まれることはない。二人は一人となるために互いを喰べた。精神が残っていたもう一人の本来の持ち主の器を奪うこともあった。ただ時々、自ら持っている葉を譲る者がいるるらしい。自分はもういなくなった者だからと、精神を欠けていたものを埋めさせるように。半分が半分のままであればもろいままであるけれど、半分が半分のところへ帰るのならばそれは丈夫になったといえよう。それゆえ、器を奪った者は短命てまあるという。これが愚かであるとは言えない。きっと、もう一人も生きたいと生を望んでいただろうから。自分としては生きたいともう一人にはなりたくないと思ったのだろうから。
さて、長々と語ったが、真実を話そうか。譲葉は呪われている。ある仲の良い双子の兄弟が嘘をつき、神様を欺いたことで怒りを買った。というわけではなく、悪戯をしたらしい。それが些細な悪戯だったとかとんでもない悪戯だったとか言われているが、そのどちらだったのかはわからない。神様は非常にご機嫌ななめだった。そのため、人の兄弟がしたことは許されなかった。
一人が一人として生きることができないように仕向けられた。それゆえに、双子として一人一人が生まれることはできないのだ。
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