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その他短編
天使 前編
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【あらすじ】
想像の天使とは異なる彼ら。――どんな天使が現れるのだろうか。
少年は天使に会った。天使は、白い服を着ていて、白い羽があり、光っている。――、そんな存在ではなかった。少年があった天使は生反対の天使。黒い服を着ていて、黒い羽があり、光ってはいない。むしろ、雰囲気が暗い天使。そんな天使と少年が話す。
(要素:天使、神、教会、男の子、前・中・後編、ファンタジー)
【本編】
天使は本当に存在した。
ある日、僕は天使に会った。天使は、白い服を着ていて、白い羽があって、光り輝いていた。神聖で清らかな天使、……などではなかった。想像していた天使とは、全て異なっていた。黒い服を着ていて、黒い羽があって、暗いオーラを放っている。その空気は、僕が悪い影響を受けそうなくらいだ。
僕は、教会で育てられている十歳の子ども、孤児だ。名前は、ヨウト。教会で配給されている服を着ているため、汚れてはいない。むしろ、綺麗なほうである。食事には不満があるけれど、肉が食べられる日が決まっているのみで、肉が食べられないわけではないので、本当に少し不満があるくらいだ。ある意味で、普通の人間である僕みたいな存在の前に、何故この天使は現れたのだろう。
「それとも、僕が幻を見ているだけ? 僕の目がおかしくなった? いや、ここが教会だからか? でも、こんな街はずれにある教会に現れる存在だろうか?」
天使は暗い雰囲気を纏い、憂鬱そうにゆったりとこちらに向かってきた。
「子どもよ、何を一人で騒いでいる。うるさい子どもは嫌いだ。ここは、教会であるのだから、我らのような存在が現れてもおかしくはない。おかしいのは、その存在を見えるお前だ」
天使って優しくて慈悲の心を持っている存在ではなかったか。こんなぶっきらぼうで、人と対話するのに、いかにも迷惑という表情を浮かべるものだろうか。それに、僕がおかしいってなんだよ。失礼な天使だ。
「なぁ、お前って天使なのか? 天使って白い服を着て、白い羽をがあって、光を纏っている存在じゃないのか? 僕は、お前を一応天使と呼んではいるが、疑っているぞ? あと、初めて会った奴におかしいとか言うなよな、イラっとする。」
目の前で溜息をついているこの天使は、僕と話すことがとても嫌そうに見える。
「人間は、皆同じ姿をしているのか。だいたい、天使は白い服や羽を身に着けていない。光を纏うなんてもってのほかだ。我らにだって、自由な意思や表現がある。しかし、人間のように掟もある。白い色や光というものは、人間が勝手にイメージしている天使なだけであろう」
またもや、この天使は溜息を吐く。しかも、僕の意見を無視しやがった。全ての天使が僕らが想像している外見をしているとは限らないことは分かった。また、僕は、天使たちの性格が目の前にいるような感じの面倒くさがりではないことを内心祈る。
「じゃあ、実際には、どんな天使がいるんだよ。お前みたいに暗い天使ばかりでは、ないよな? いやだぞ、天使がゾンビみたいな根暗やろうなんて……」
天使の片眉がつりあがる。
「子どもよ、我を根暗だというのか? 加えて、我とゾンビを同じに扱うとは、初対面なのに失礼な子どもだ。一応、我らも死者を弔っているのだから、ゾンビがでてきたら我らの弔いも足りなかったことになるから勘弁だ。」
いやいや、お前の事情なんて聞いてない。どんな、天使がいるのかを確認したのに、質問に答えろよ。僕が述べたことを無視したし、お前も初対面の人間相手に失礼なことを言ったし、僕だけがなぜお前に悪い評価をつけられるのか。理不尽だ。
「お前、同族から嫌われているだろう。だって、人のことは無視するし、暗いし、笑わないし、おまけに、性格が悪そうだしな」
僕は、目の前の天使に自分が考えた、最上級の嫌味を言った。その皮肉は、意味のないものとなる。もう一人の天使が現れたせいで……。
「こんな、古臭い教会が気に入っているのですね。貴方は、よくこの場所にいます。人間界に行った時にいる場所の多くがこの教会です。ですが、困ります。貴方は、天使の中では王族と言われる、位の高い方なんですから。ほら、帰りますよ」
言葉は丁寧な天使ではあるが、こいつも嫌味なやつだ。この教会が古臭いって……。事実かもしれないけど、もっと他に言い方があるはずだ。根暗天使のお世話役は豪華絢爛で見ているだけで眩しい。根暗天使とお世話役の天使、二人が一緒にいる。それを相乗することで雰囲気がプラマイゼロになるから、ずっと一緒にいればいいのにと僕は思った。
想像の天使とは異なる彼ら。――どんな天使が現れるのだろうか。
少年は天使に会った。天使は、白い服を着ていて、白い羽があり、光っている。――、そんな存在ではなかった。少年があった天使は生反対の天使。黒い服を着ていて、黒い羽があり、光ってはいない。むしろ、雰囲気が暗い天使。そんな天使と少年が話す。
(要素:天使、神、教会、男の子、前・中・後編、ファンタジー)
【本編】
天使は本当に存在した。
ある日、僕は天使に会った。天使は、白い服を着ていて、白い羽があって、光り輝いていた。神聖で清らかな天使、……などではなかった。想像していた天使とは、全て異なっていた。黒い服を着ていて、黒い羽があって、暗いオーラを放っている。その空気は、僕が悪い影響を受けそうなくらいだ。
僕は、教会で育てられている十歳の子ども、孤児だ。名前は、ヨウト。教会で配給されている服を着ているため、汚れてはいない。むしろ、綺麗なほうである。食事には不満があるけれど、肉が食べられる日が決まっているのみで、肉が食べられないわけではないので、本当に少し不満があるくらいだ。ある意味で、普通の人間である僕みたいな存在の前に、何故この天使は現れたのだろう。
「それとも、僕が幻を見ているだけ? 僕の目がおかしくなった? いや、ここが教会だからか? でも、こんな街はずれにある教会に現れる存在だろうか?」
天使は暗い雰囲気を纏い、憂鬱そうにゆったりとこちらに向かってきた。
「子どもよ、何を一人で騒いでいる。うるさい子どもは嫌いだ。ここは、教会であるのだから、我らのような存在が現れてもおかしくはない。おかしいのは、その存在を見えるお前だ」
天使って優しくて慈悲の心を持っている存在ではなかったか。こんなぶっきらぼうで、人と対話するのに、いかにも迷惑という表情を浮かべるものだろうか。それに、僕がおかしいってなんだよ。失礼な天使だ。
「なぁ、お前って天使なのか? 天使って白い服を着て、白い羽をがあって、光を纏っている存在じゃないのか? 僕は、お前を一応天使と呼んではいるが、疑っているぞ? あと、初めて会った奴におかしいとか言うなよな、イラっとする。」
目の前で溜息をついているこの天使は、僕と話すことがとても嫌そうに見える。
「人間は、皆同じ姿をしているのか。だいたい、天使は白い服や羽を身に着けていない。光を纏うなんてもってのほかだ。我らにだって、自由な意思や表現がある。しかし、人間のように掟もある。白い色や光というものは、人間が勝手にイメージしている天使なだけであろう」
またもや、この天使は溜息を吐く。しかも、僕の意見を無視しやがった。全ての天使が僕らが想像している外見をしているとは限らないことは分かった。また、僕は、天使たちの性格が目の前にいるような感じの面倒くさがりではないことを内心祈る。
「じゃあ、実際には、どんな天使がいるんだよ。お前みたいに暗い天使ばかりでは、ないよな? いやだぞ、天使がゾンビみたいな根暗やろうなんて……」
天使の片眉がつりあがる。
「子どもよ、我を根暗だというのか? 加えて、我とゾンビを同じに扱うとは、初対面なのに失礼な子どもだ。一応、我らも死者を弔っているのだから、ゾンビがでてきたら我らの弔いも足りなかったことになるから勘弁だ。」
いやいや、お前の事情なんて聞いてない。どんな、天使がいるのかを確認したのに、質問に答えろよ。僕が述べたことを無視したし、お前も初対面の人間相手に失礼なことを言ったし、僕だけがなぜお前に悪い評価をつけられるのか。理不尽だ。
「お前、同族から嫌われているだろう。だって、人のことは無視するし、暗いし、笑わないし、おまけに、性格が悪そうだしな」
僕は、目の前の天使に自分が考えた、最上級の嫌味を言った。その皮肉は、意味のないものとなる。もう一人の天使が現れたせいで……。
「こんな、古臭い教会が気に入っているのですね。貴方は、よくこの場所にいます。人間界に行った時にいる場所の多くがこの教会です。ですが、困ります。貴方は、天使の中では王族と言われる、位の高い方なんですから。ほら、帰りますよ」
言葉は丁寧な天使ではあるが、こいつも嫌味なやつだ。この教会が古臭いって……。事実かもしれないけど、もっと他に言い方があるはずだ。根暗天使のお世話役は豪華絢爛で見ているだけで眩しい。根暗天使とお世話役の天使、二人が一緒にいる。それを相乗することで雰囲気がプラマイゼロになるから、ずっと一緒にいればいいのにと僕は思った。
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