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その他短編
大きなトカゲにちょっかいを出したら、ボロボロになりました。私は木から降りれません。
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キリッとした眉、力強い目をした茶髪の男の子ムー。柔らかな細い眉に大きな目をした紺色の髪の女の子チー。二人は大きなトカゲにちょっかいを出し、追いかけられることになった。二人は逃亡。そこからトカゲの動きを止めるまたは撃破を試みた。だが、興奮状態のそれにはまったく意味がなかった。危機的状態の二人。そこでムーは風の精ウィンの力を借り、空に飛んだ。これで一安心と思いきや、トカゲは巨大なエネルギーを二人に向けて放とうとしている。いち早くに危険なことに気づいたウィンは二人を残してサッとその場を去った。浮いていた二人は空から地へと落ちていった。その上を直線的な光が通った。それはトカゲが放ったエネルギーである。
「大丈夫か? チー」
「大丈夫だよ。ムー」
現在ムーとチーは木の枝に引っかかっていた。地面に落ちて大怪我、最悪死ぬところであっただろう。それが木の葉っぱがクッションとなったことで助かったみたいだ。細かな傷ができており、ところどころボロボロみたいだが、命に別状はなさそうである。
「チー。とりあえず、ここから降りるぞ」
「ムー。あれを呼ぼうよ」
「呼びかけに答えないから無理だ。先に俺が降りるからその後を降りてこい」
ムーは木の枝を移動し、無事地面へと着地した。チーは動かずに軽やかに枝を渡っていくムーをじっと見つめている。
「おい、後ついてこいって言っただろ?」
ムーはチーに向かって、大きな声を出した。それに対してチーはムーに向けて言う。
「ムーみたいに動けないって。あんな猿みたいにさぁ~」
「チー、馬鹿にしてるだろ?」
「すごいなーって褒めてるよ?」
「ぜってー嘘」
チーはニヤニヤと笑みを浮かべていた。その様子にムーはうろんげな表情をしている。
「ちっ、一生そこで寝てろ! 馬鹿!」
「えっ!? そ、それは困る!」
チーに背を向け、スタスタと歩き出したムー。それを見て焦っているのだろう。「待って!」とチーは声を上げた。それでも振り返ることのないムー。チーは木の枝に立つ。
「ムーーー!!! 行くよーー!!!」
突然、チーは大きな声でムーを呼んだ。それをうるさく思ったのだろうか。それとも、驚いたのだろうか。ムーはすぐさま振り返った。そして、見てしまう。
「はっ!? おい、馬鹿やろーー!! 何やってんだーーーー!!!!」
チーは木から飛び降りていたのである。ムーは急いで駆けるが、歩いてしまって距離も開いているため、きっと間に合わないだろう。
「ウィン! 俺は逃げたこと怒らないからあのアホをなんとかしろーー!!」
「了解した。ムーも大変だな。ほらよっと」
再び現れたウィン。掛け声を合図に、勢いよく落ちていたチーはゆっくりと地へと向かっていく。何かに包まれているようだった。トサッとチーが地面に着いた。ギュッと目を瞑っていた。
「おい、アホ。何してんだよ!!」
ムーの不機嫌そうな声に目を開けて、キョロキョロと辺りを見回すチー。次にどこにも異常がないかと自分の体をペタペタと触っている。
「あ、生きてる!! 良かったぁぁぁぁぁぁぁ」
ホロリと涙を流し、ほっと一息吐くチーにムーは一言。
「良かったじゃねーんだよ!!」
ポカっと頭を叩いた。その様子を見ていたウィンは「やれやれ」と首を左右に振った。
「なんでそんなに怒ってるの!!」
「フツーに怒るわ! アホ!! 危ないだろーがっ!!」
「そ、それは……だって、お、置いていかれたくなかったんだもん。……てか、元を言えばウィンのせいなんだからね!!」
チーは一瞬しゅんとした様子を見せたが、ウィンを目にすると怒りの矛先が彼に向いた。
「僕が君とムーを落としてなかったらあのエネルギーに当たってたと思うけど」
「そ、そうかもしれないけどっ! そうじゃない!! あんたが消えなければ良かったのよ。空が危ないなら普通に地面に下ろしなさい!!」
「え、やだよ。それにもう終わったことでしょ。生きてるんだから、いちいち突っかかってくるなよな」
「……このくそやろー」
「はっ? 高貴な僕に向かって今なんて言ったの? それに助けてもらったのに感謝もなし? 生意気な馬鹿女」
チーの一言はウィンの気に触ったのだろう。またウィンの言葉にムッとした表情のチー。二人の間にはパチパチと火花が散っているように見える。どうやら不穏な雰囲気になりかけているらしい。
「はぁ、なんでお前らが喧嘩しそうになってんだよ。ちっ、まだ終わってないってのに」
今度、やれやれと首を振ったのは一体誰であったか。ムーはチーに拳骨をした。その後、ウィンの小さな体を握り潰した。
「大人しくしてろ」
冷ややかな声がその場を支配した。
「大丈夫か? チー」
「大丈夫だよ。ムー」
現在ムーとチーは木の枝に引っかかっていた。地面に落ちて大怪我、最悪死ぬところであっただろう。それが木の葉っぱがクッションとなったことで助かったみたいだ。細かな傷ができており、ところどころボロボロみたいだが、命に別状はなさそうである。
「チー。とりあえず、ここから降りるぞ」
「ムー。あれを呼ぼうよ」
「呼びかけに答えないから無理だ。先に俺が降りるからその後を降りてこい」
ムーは木の枝を移動し、無事地面へと着地した。チーは動かずに軽やかに枝を渡っていくムーをじっと見つめている。
「おい、後ついてこいって言っただろ?」
ムーはチーに向かって、大きな声を出した。それに対してチーはムーに向けて言う。
「ムーみたいに動けないって。あんな猿みたいにさぁ~」
「チー、馬鹿にしてるだろ?」
「すごいなーって褒めてるよ?」
「ぜってー嘘」
チーはニヤニヤと笑みを浮かべていた。その様子にムーはうろんげな表情をしている。
「ちっ、一生そこで寝てろ! 馬鹿!」
「えっ!? そ、それは困る!」
チーに背を向け、スタスタと歩き出したムー。それを見て焦っているのだろう。「待って!」とチーは声を上げた。それでも振り返ることのないムー。チーは木の枝に立つ。
「ムーーー!!! 行くよーー!!!」
突然、チーは大きな声でムーを呼んだ。それをうるさく思ったのだろうか。それとも、驚いたのだろうか。ムーはすぐさま振り返った。そして、見てしまう。
「はっ!? おい、馬鹿やろーー!! 何やってんだーーーー!!!!」
チーは木から飛び降りていたのである。ムーは急いで駆けるが、歩いてしまって距離も開いているため、きっと間に合わないだろう。
「ウィン! 俺は逃げたこと怒らないからあのアホをなんとかしろーー!!」
「了解した。ムーも大変だな。ほらよっと」
再び現れたウィン。掛け声を合図に、勢いよく落ちていたチーはゆっくりと地へと向かっていく。何かに包まれているようだった。トサッとチーが地面に着いた。ギュッと目を瞑っていた。
「おい、アホ。何してんだよ!!」
ムーの不機嫌そうな声に目を開けて、キョロキョロと辺りを見回すチー。次にどこにも異常がないかと自分の体をペタペタと触っている。
「あ、生きてる!! 良かったぁぁぁぁぁぁぁ」
ホロリと涙を流し、ほっと一息吐くチーにムーは一言。
「良かったじゃねーんだよ!!」
ポカっと頭を叩いた。その様子を見ていたウィンは「やれやれ」と首を左右に振った。
「なんでそんなに怒ってるの!!」
「フツーに怒るわ! アホ!! 危ないだろーがっ!!」
「そ、それは……だって、お、置いていかれたくなかったんだもん。……てか、元を言えばウィンのせいなんだからね!!」
チーは一瞬しゅんとした様子を見せたが、ウィンを目にすると怒りの矛先が彼に向いた。
「僕が君とムーを落としてなかったらあのエネルギーに当たってたと思うけど」
「そ、そうかもしれないけどっ! そうじゃない!! あんたが消えなければ良かったのよ。空が危ないなら普通に地面に下ろしなさい!!」
「え、やだよ。それにもう終わったことでしょ。生きてるんだから、いちいち突っかかってくるなよな」
「……このくそやろー」
「はっ? 高貴な僕に向かって今なんて言ったの? それに助けてもらったのに感謝もなし? 生意気な馬鹿女」
チーの一言はウィンの気に触ったのだろう。またウィンの言葉にムッとした表情のチー。二人の間にはパチパチと火花が散っているように見える。どうやら不穏な雰囲気になりかけているらしい。
「はぁ、なんでお前らが喧嘩しそうになってんだよ。ちっ、まだ終わってないってのに」
今度、やれやれと首を振ったのは一体誰であったか。ムーはチーに拳骨をした。その後、ウィンの小さな体を握り潰した。
「大人しくしてろ」
冷ややかな声がその場を支配した。
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