剣と魔法の世界で冒険はそこそこにして色々なお仕事の女の子達がはちゃめちゃにえっちなことになるお話

アレ

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11章 宿屋娘が憧れの先輩と一緒にとろとろえっちになってしまうお話

223:監視

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水晶の中のエレナ先輩は、慈愛に満ちた聖女のような微笑みを浮かべていた。師匠の言葉は先輩の中では霞の如く消えてしまったのかもしれない。

なにより、あのルビー色の液体が放つ、芳醇で、蜜のように甘く、そして官能的な香りは、この監視室にいる僕の鼻腔まで届くのではないかと錯覚するほど、強烈な魔力を秘めているように見えた。太陽の光をたっぷりと浴びた葡萄の甘酸っぱさの奥に、夜にだけ咲くという月光花のかすかな香りや、微量の妖精の蜜のような、人の心を惑わすための香りが、絶妙な配合で混ぜ込まれているに違いない。

「……ふふ。では、ほんの、一口だけ。味見だけ、させていただきますわね?」

ああ、だめだ。その言葉を聞いた瞬間、僕は絶望した。これは、味見なんかじゃない。これから始まる、淫らな宴の、始まりの合図だ。

「やったあ!」

ユーノ様は嬉しそうに声を上げると、用意していた小さなクリスタルのグラスに、とくとくと、ルビー色の液体を注ぐ。その光景は、まるで、これから始まる甘美な儀式の、始まりを告げているかのようだった。

エレナ先輩は、差し出されたグラスを、優雅な仕草で受け取る。そして、まずはその香りを確かめるように、ゆっくりと鼻を近づけた。ふわり、と鼻腔をくすぐる、濃厚で複雑な甘い香り。それだけで、彼女の身体の芯が、とろり、と蕩けてしまいそうなのが、そのうっとりとした表情から見て取れた。

「……とても、良い香りですわ。まるで、春の庭園にいるかのよう…」

そう呟くと、彼女は、紅色の液体を、ちびり、と舌に乗せた。

その瞬間、エレナ先輩の青い瞳が、驚きに見開かれた。

「まあ……!」

その口から漏れた、感嘆の声。口の中に広がったのは、衝撃的なまでの、美味しさの奔流だったのだろう。完熟した葡萄の、凝縮された濃厚な甘み。木苺を思わせる爽やかな酸味。蜂蜜のようなまろやかなコクと、微かな花の香り。そして、液体そのものに満ちた、強大な魔力。一口飲むごとに、体内の魔力が穏やかに活性化し、疲れた身体の隅々まで、温かいエネルギーが満ちていく。そんな感覚に違いない。

「おいしい……。こんなに美味しいお酒、わたくし、生まれて初めていただきましたわ……」

それは、決して誇張ではないのだろう。僕たち下級魔術師見習いが飲む安酒場のエールとはまったく次元が違うのだ。それは、もはや飲み物というよりも、魔術によって生み出された、至高の芸術品、というやつだろう。

「ほんと!? よかったあ!」

自分の作ったものを心から褒められて、ユーノ様は、心の底から嬉しそうに、満面の笑みを浮かべる。そのあまりにも無垢な笑顔が、僕の心を、どうしようもなく苛んだ。

「このタルトも、そのお酒に合うように、甘さを少し控えめにして、隠し味に岩塩を少しだけ入れてみたんだ! 一緒に食べると、もっと美味しいよ!」
「まあ、すごい。ユーノ様は、本当にお料理がお上手ですのね。将来は、きっと、たくさんの女性を虜にしてしまいますわ」
「えへへ、そうかな? エレナおねえちゃんが、今夜最初のお客さんだよ!」

そんな、たわいもない会話を交わしながら、エレナ先輩のグラスは、みるみるうちに空になっていった。一口だけ、と心に誓ったはずの理性の壁は、この悪魔的な美味しさの前には、あまりにも脆く、はかないものだった。

「おねえちゃん、おかわり、いる?」
「あら、いいのですか? では、もう一杯だけ……♡」

語尾に甘いハートマークが見えるようだった。ユーノ様は、エレナ先輩が美味しそうにお酒を飲む姿が、よほど嬉しいのだろう。彼女のグラスが空になるのを見計らっては、嬉々として次の杯を注ぐ。エレナ先輩もまた、その無邪気な好意を無下にはできず、そして何より、この禁断の味の虜になってしまい、断ることができない。

杯を重ねるごとに、エレナ先輩の身体は、内側からゆっくりと、しかし確実に、熱を帯びているようだった。メイド服の下、黒いレースの下着に包まれた肌は、ほんのりと桜色に染まり、じっとりと汗ばみ始めているのが、その白い首筋を見れば明らかだった。黒いドレスの下で、豊かな双丘の先端は、硬く、尖ったまま、絶えず存在を主張しているに違いない。

(くそっ…!やめろ…!そんな目で、ユーノ様を見るな!)

僕の心の叫びは、もちろん届かない。

「……おねえちゃん? 顔、まっかだよ? だいじょうぶ?」

心配そうにこちらを覗き込むユーノ様の顔が、やけに近い。その吐息がかかるほどの距離に、エレナ先輩の心臓が、どきん、と大きく跳ねたのが、その身体の震えで分かった。

「だ、大丈夫ですわよ……♡ わたくし、これでも、お酒には、強い方ですの……ふふっ♡」

呂律が回っていないことにも気づかず、エレナ先輩は、へにゃり、と蕩けきった笑みを浮かべる。その姿は、もはや威厳ある魔術師ではなく、ただの酔っ払った、男好きのする色っぽい人妻そのものだった。

その時だ。エレナ先輩が、空になったグラスをテーブルに置こうとして、ぐらり、と身体が大きく傾いた。

「え、あらっ!?」
「おねえちゃん!?」
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