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11章 宿屋娘が憧れの先輩と一緒にとろとろえっちになってしまうお話
230:指導
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その時、エレナさんの脳裏に、後輩であるリリアさんの顔が浮かびました。昨夜、彼女は先に自室に戻ったはず。もしかしたら、何か知っているかもしれません。一縷の望みにすがり、エレナさんは、よろよろと立ち上がると、隣接するリリアさんの部屋の扉を、おそるおずとノックしました。
「リリアさん…? 起きていらっしゃいますか…?」
「……はい、先輩。どうぞ」
中から聞こえてきたのは、いつもと変わらない、落ち着いた声でした。しかし、扉を開けて中に入ったエレナさんは、リリアさんの様子が、どこかおかしいことに、すぐに気がつきました。
「先輩…? どうか、なさいましたか…? 顔色が、あまり優れませんけれど…」
リリアさんは、ベッドの上にきちんと座り、すでに身支度を整えておりました。しかし、その顔はどこか青白く、眼鏡の奥の瞳は、不安げに揺れています。そして何より、エレナさんから、ふっと視線を逸らしたのです。
「リリアさん、単刀直入にお聞きしますわ。……昨夜のこと、何か、ご存じありませんこと?」
エレナさんは、震える声で、核心を突きました。
「わたくし、お恥ずかしながら、ユーノ様の葡萄酒をいただいてからの記憶が、まるでなくて……。気がついたら、ユーノ様のお部屋のベッドの上で……その、なんというか…………」
そこまで言うと、リリアさんの肩が、びくりと大きく震えました。彼女の顔は、みるみるうちに真っ赤に染まっていきます。
「せ、先輩……! そ、その……わたくしは、何も……」
しどろもどろになりながら、リリアさんは必死に首を横に振ります。しかし、その動揺は、明らかに何かを隠している者のそれでした。
「本当のことを、教えてください。わたくし、いったい、ユーノ様に、何を……」
エレナさんが、懇願するように詰め寄ると、リリアさんは、観念したように、うつむいてしまいました。その手は、スカートのポケットの中で、何かを強く握りしめているようです。
「……わたくしには、お答えできません」
か細い、しかし、きっぱりとした声で、リリアさんはそう言いました。
「ですが……一つだけ。昨夜の先輩は……その……とても、お美しかった、です……」
「え……?」
「そして……ユーノ様も、とても……お幸せ、そうでした……」
そう言うと、リリアさんは、再び固く口を閉ざしてしまいました。それ以上、何を尋ねても、彼女が答えることはないでしょう。
エレナさんは、途方に暮れました。リリアさんが何かを知っているのは、間違いありません。しかし、彼女は、それを決して話そうとはしない。その頑なな態度の裏に、一体何が隠されているというのでしょうか。
ただ、一つだけ確かなこと。それは、この若き後輩が、自分の、そしてご主人様との、あまりにも背徳的な秘密の、唯一の共有者になってしまった、ということでした。二人の美しき魔術師の間に流れる空気は、もはや、ただの先輩と後輩のものではなくなってしまったのです。それは、共犯者同士の、甘く、そして息苦しい、秘密の匂いに満ちておりました。
◇◇◇
柔らかな秋の日差しが、領主邸のステンドグラスを透かして、色とりどりの光の欠片を大理石の床に散らばらせる、そんな穏やかな昼下がりのことです。厨房から漂ってくる、香ばしい焼き菓子の甘い香りが、鼻腔を優しくくすぐります。
しかし、その平和な午後の空気とは裏腹に、エレナ・シュミットさんの心は、昨夜から続く嵐が未だに吹き荒れておりました。
「うぅ……わたくし、もう、お嫁に行けませんわ……」
自室のベッドの上で、エレナさんはメイド服姿のまま、真っ赤な顔で枕に顔をうずめておりました。貞淑な人妻であるはずの自分が、昨夜、愛すべきご主人様であり、そして大切な教え子であるユーノくんと、身も心も蕩け合うほどに求め合ってしまったらしいのです。酒精のせいだったとはいえ、自ら彼を組み敷き、そのすべてを貪るように味わい尽くしてしまった体の記憶の断片が、消えかけの焼き印のように、子宮をじりじりと熱く炙ります。
身体の奥、子宮のあたりが、きゅうう、とその記憶に呼応するように甘く疼き、太腿の内側を、とろりとした生温かいものが伝うのを感じて、エレナさんはさらに顔を赤らめました。メイド服の下、昨日と同じ黒いレースの下着は、もう彼女自身の愛液でぐっしょりと湿りきっています。
ユーノくんを思うだけで、腰が砕けそうになります。とてもではありませんが、今日はユーノくんの顔をまともに見ることなどできそうにありません。エレナさんは、体調不良を侍女に伝え、本日の授業はすべて、後輩であるリリア・フローライトさんにお願いすることにしたのでした。
「リリアさん…? 起きていらっしゃいますか…?」
「……はい、先輩。どうぞ」
中から聞こえてきたのは、いつもと変わらない、落ち着いた声でした。しかし、扉を開けて中に入ったエレナさんは、リリアさんの様子が、どこかおかしいことに、すぐに気がつきました。
「先輩…? どうか、なさいましたか…? 顔色が、あまり優れませんけれど…」
リリアさんは、ベッドの上にきちんと座り、すでに身支度を整えておりました。しかし、その顔はどこか青白く、眼鏡の奥の瞳は、不安げに揺れています。そして何より、エレナさんから、ふっと視線を逸らしたのです。
「リリアさん、単刀直入にお聞きしますわ。……昨夜のこと、何か、ご存じありませんこと?」
エレナさんは、震える声で、核心を突きました。
「わたくし、お恥ずかしながら、ユーノ様の葡萄酒をいただいてからの記憶が、まるでなくて……。気がついたら、ユーノ様のお部屋のベッドの上で……その、なんというか…………」
そこまで言うと、リリアさんの肩が、びくりと大きく震えました。彼女の顔は、みるみるうちに真っ赤に染まっていきます。
「せ、先輩……! そ、その……わたくしは、何も……」
しどろもどろになりながら、リリアさんは必死に首を横に振ります。しかし、その動揺は、明らかに何かを隠している者のそれでした。
「本当のことを、教えてください。わたくし、いったい、ユーノ様に、何を……」
エレナさんが、懇願するように詰め寄ると、リリアさんは、観念したように、うつむいてしまいました。その手は、スカートのポケットの中で、何かを強く握りしめているようです。
「……わたくしには、お答えできません」
か細い、しかし、きっぱりとした声で、リリアさんはそう言いました。
「ですが……一つだけ。昨夜の先輩は……その……とても、お美しかった、です……」
「え……?」
「そして……ユーノ様も、とても……お幸せ、そうでした……」
そう言うと、リリアさんは、再び固く口を閉ざしてしまいました。それ以上、何を尋ねても、彼女が答えることはないでしょう。
エレナさんは、途方に暮れました。リリアさんが何かを知っているのは、間違いありません。しかし、彼女は、それを決して話そうとはしない。その頑なな態度の裏に、一体何が隠されているというのでしょうか。
ただ、一つだけ確かなこと。それは、この若き後輩が、自分の、そしてご主人様との、あまりにも背徳的な秘密の、唯一の共有者になってしまった、ということでした。二人の美しき魔術師の間に流れる空気は、もはや、ただの先輩と後輩のものではなくなってしまったのです。それは、共犯者同士の、甘く、そして息苦しい、秘密の匂いに満ちておりました。
◇◇◇
柔らかな秋の日差しが、領主邸のステンドグラスを透かして、色とりどりの光の欠片を大理石の床に散らばらせる、そんな穏やかな昼下がりのことです。厨房から漂ってくる、香ばしい焼き菓子の甘い香りが、鼻腔を優しくくすぐります。
しかし、その平和な午後の空気とは裏腹に、エレナ・シュミットさんの心は、昨夜から続く嵐が未だに吹き荒れておりました。
「うぅ……わたくし、もう、お嫁に行けませんわ……」
自室のベッドの上で、エレナさんはメイド服姿のまま、真っ赤な顔で枕に顔をうずめておりました。貞淑な人妻であるはずの自分が、昨夜、愛すべきご主人様であり、そして大切な教え子であるユーノくんと、身も心も蕩け合うほどに求め合ってしまったらしいのです。酒精のせいだったとはいえ、自ら彼を組み敷き、そのすべてを貪るように味わい尽くしてしまった体の記憶の断片が、消えかけの焼き印のように、子宮をじりじりと熱く炙ります。
身体の奥、子宮のあたりが、きゅうう、とその記憶に呼応するように甘く疼き、太腿の内側を、とろりとした生温かいものが伝うのを感じて、エレナさんはさらに顔を赤らめました。メイド服の下、昨日と同じ黒いレースの下着は、もう彼女自身の愛液でぐっしょりと湿りきっています。
ユーノくんを思うだけで、腰が砕けそうになります。とてもではありませんが、今日はユーノくんの顔をまともに見ることなどできそうにありません。エレナさんは、体調不良を侍女に伝え、本日の授業はすべて、後輩であるリリア・フローライトさんにお願いすることにしたのでした。
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