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12章 クールな受付嬢も暑さでとろとろに溶けてしまうお話
267:本音
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用意された、あまりにも破廉恥な下着を身に着ける時の、背徳的な高揚感。細い黒い紐が、柔らかな肌に食い込む感触。そして、その上から、まるで少女が着るような可愛らしいパジャマを羽織るという、倒錯的なギャップ。そのすべてが、二人の理性を、少しずつ、しかし確実に麻痺させていくのでした。
ダイニングテーブルに並べられた料理は、まるで王侯貴族の晩餐のように豪華絢爛でした。
霜降り猪のソテーには、月光茸の濃厚なソースが添えられ、その隣には、七色に輝く「虹色岩塩」でシンプルに味付けされた、近海で獲れたばかりの白身魚のカルパッチョ。そして、朝露を吸ったばかりのような、瑞々しい南国のフルーツが、大皿に山と盛られています。二人が寝ている間に市場で購入してきたようです。
「…なんだか、悔しいですわね」
「ほんとですよぉ。マスターったら、こんなことまでできるなんて、ずるいですぅ♡♡♡♡♡」
セレスさんとリーゼさんは、不満を口にしながらも、その目はテーブルの上のご馳走に釘付けでした。昼間の激しい「運動」で、お腹はぺこぺこです。空腹には、どんなプライドも勝てません。
アシュワース氏が、この料理の中に、特別な「スパイス」を仕込んでいることなど、二人は知る由もありませんでした。それは、彼がこの日のために特別に調合した、遅効性の魔導薬『真実の霊薬』。古代魔術の秘儀を用いて、真実しか語れなくなるという呪いを、無味無臭の霊薬に封じ込めた、彼の傑作の一つです。特に、セレスさんのような、プライドが高く、素直でない相手を篭絡するためには、これ以上ないほど効果的な秘薬でした。
「それにしても、この島は不思議な場所ですねぇ、マスター?」
食事をしながら、リーゼさんが口火を切りました。
「ええ。三つの月が見えるというのも、大陸の文献では読んだことがありましたが、実際に目にすると、その光景は圧巻です」
セレスさんが続きます。
「ふむ。この南の群島国家ソル・マレイは、はるか古代に、我々が手にするものとは異なる魔術文明が栄えた場所だと言われている。夜空に浮かぶ三つの月は、それぞれが強大な魔力の源であり、この島の生態系や、人々の信仰に、深く関わっているのだ」
アシュワース氏は、ワイングラスを傾けながら、まるで大学教授のように語り始めます。
「実は、この別荘へ戻る途中、海岸沿いの林の奥に、微かだが、極めて古い結界の魔力を感じた。おそらく、この島の古代遺跡の一つが、今もなお眠っているのだろう。明日は、少し探検に行ってみようかと思っている」
「えー、探検ですかぁ? わたしは、もっとビーチで、のんびりしたいですぅ♡♡♡♡♡」
「わたくしも、ご遠慮させていただきますわ。得体のしれない遺跡など、危険すぎます」
リーゼさんとセレスさんが、気乗りのしない返事をすると、アシュワース氏は「そうか。では、私一人で行くとしよう」と、楽しそうに笑いました。
やがて、豪華な食事も終わりに近づいた頃、アシュワース氏は、おもむろにキッチンから、一本の豪奢なボトルを取り出してきました。
「これは、魔術師ギルドの、あの食えない教授…アウレリウスから、無理やりふんだくってきた、とっておきの年代物のワインだ。『星屑の雫』というらしい。一口飲めば、魔力の循環が活性化し、極上のリラックス効果が得られるという代物だ」
その言葉に、二人は一瞬、警戒の色を浮かべます。
(また、何か変な薬でも入っているのでは…)
しかし、アシュワース氏が、毒見とばかりに、自らのグラスにワインを注ぎ、実に美味そうにそれを飲み干すのを見て、その警戒心もすぐに解けてしまいました。まさか、自分たちが食べた料理の方に、すでに薬が盛られていたとは、夢にも思わなかったのです。
芳醇な香りと、舌の上でとろけるような甘美な味わい。楽しい会話と、極上のワイン。気がつけば、三人の前には、空になったボトルが三本も転がっていました。
そして、ついに、その時は訪れます。
アシュワース氏が仕込んだ、『真実の霊薬』の効果が、ついに発現し始めたのです。
「さて、二人とも。昼間の続きを、そろそろ始めようじゃないか」
唐突な、しかし、あまりにも予想通りの提案。
セレスさんは、反射的に、氷のような声で、彼を罵倒しようとしました。
(ふざけないでください! あなたのような破廉恥な上司と、これ以上、付き合ってなどいられ…)
しかし、彼女の唇から、実際に紡ぎ出された言葉は、その思考とは、まったく正反対のものでした。
「はい、マスター♡♡♡♡♡お待ちしておりましたわ♡♡♡♡♡今すぐ、このパジャマを破り捨てて、わたくしのこの身体を、あなたの好きになさってください♡♡♡♡♡昼間のように、優しく、そして激しく…♡♡♡♡♡わたくしのお腹が、あなたの赤ちゃんでいっぱいになるまで、たっぷりと、その特別な胤を、中に注ぎ込んでくださいぃ♡♡♡♡♡♡おねがい、しますぅ♡♡♡♡♡」
「なっ…!?♡♡ わ、わたくしは、何を…♡♡♡♡♡」
自らの口から飛び出した、あまりにも淫らで、恥知らずな懇願に、セレスさんの顔が、さっと青ざめます。しかし、一度動き出した口は、もう止まりません。
ダイニングテーブルに並べられた料理は、まるで王侯貴族の晩餐のように豪華絢爛でした。
霜降り猪のソテーには、月光茸の濃厚なソースが添えられ、その隣には、七色に輝く「虹色岩塩」でシンプルに味付けされた、近海で獲れたばかりの白身魚のカルパッチョ。そして、朝露を吸ったばかりのような、瑞々しい南国のフルーツが、大皿に山と盛られています。二人が寝ている間に市場で購入してきたようです。
「…なんだか、悔しいですわね」
「ほんとですよぉ。マスターったら、こんなことまでできるなんて、ずるいですぅ♡♡♡♡♡」
セレスさんとリーゼさんは、不満を口にしながらも、その目はテーブルの上のご馳走に釘付けでした。昼間の激しい「運動」で、お腹はぺこぺこです。空腹には、どんなプライドも勝てません。
アシュワース氏が、この料理の中に、特別な「スパイス」を仕込んでいることなど、二人は知る由もありませんでした。それは、彼がこの日のために特別に調合した、遅効性の魔導薬『真実の霊薬』。古代魔術の秘儀を用いて、真実しか語れなくなるという呪いを、無味無臭の霊薬に封じ込めた、彼の傑作の一つです。特に、セレスさんのような、プライドが高く、素直でない相手を篭絡するためには、これ以上ないほど効果的な秘薬でした。
「それにしても、この島は不思議な場所ですねぇ、マスター?」
食事をしながら、リーゼさんが口火を切りました。
「ええ。三つの月が見えるというのも、大陸の文献では読んだことがありましたが、実際に目にすると、その光景は圧巻です」
セレスさんが続きます。
「ふむ。この南の群島国家ソル・マレイは、はるか古代に、我々が手にするものとは異なる魔術文明が栄えた場所だと言われている。夜空に浮かぶ三つの月は、それぞれが強大な魔力の源であり、この島の生態系や、人々の信仰に、深く関わっているのだ」
アシュワース氏は、ワイングラスを傾けながら、まるで大学教授のように語り始めます。
「実は、この別荘へ戻る途中、海岸沿いの林の奥に、微かだが、極めて古い結界の魔力を感じた。おそらく、この島の古代遺跡の一つが、今もなお眠っているのだろう。明日は、少し探検に行ってみようかと思っている」
「えー、探検ですかぁ? わたしは、もっとビーチで、のんびりしたいですぅ♡♡♡♡♡」
「わたくしも、ご遠慮させていただきますわ。得体のしれない遺跡など、危険すぎます」
リーゼさんとセレスさんが、気乗りのしない返事をすると、アシュワース氏は「そうか。では、私一人で行くとしよう」と、楽しそうに笑いました。
やがて、豪華な食事も終わりに近づいた頃、アシュワース氏は、おもむろにキッチンから、一本の豪奢なボトルを取り出してきました。
「これは、魔術師ギルドの、あの食えない教授…アウレリウスから、無理やりふんだくってきた、とっておきの年代物のワインだ。『星屑の雫』というらしい。一口飲めば、魔力の循環が活性化し、極上のリラックス効果が得られるという代物だ」
その言葉に、二人は一瞬、警戒の色を浮かべます。
(また、何か変な薬でも入っているのでは…)
しかし、アシュワース氏が、毒見とばかりに、自らのグラスにワインを注ぎ、実に美味そうにそれを飲み干すのを見て、その警戒心もすぐに解けてしまいました。まさか、自分たちが食べた料理の方に、すでに薬が盛られていたとは、夢にも思わなかったのです。
芳醇な香りと、舌の上でとろけるような甘美な味わい。楽しい会話と、極上のワイン。気がつけば、三人の前には、空になったボトルが三本も転がっていました。
そして、ついに、その時は訪れます。
アシュワース氏が仕込んだ、『真実の霊薬』の効果が、ついに発現し始めたのです。
「さて、二人とも。昼間の続きを、そろそろ始めようじゃないか」
唐突な、しかし、あまりにも予想通りの提案。
セレスさんは、反射的に、氷のような声で、彼を罵倒しようとしました。
(ふざけないでください! あなたのような破廉恥な上司と、これ以上、付き合ってなどいられ…)
しかし、彼女の唇から、実際に紡ぎ出された言葉は、その思考とは、まったく正反対のものでした。
「はい、マスター♡♡♡♡♡お待ちしておりましたわ♡♡♡♡♡今すぐ、このパジャマを破り捨てて、わたくしのこの身体を、あなたの好きになさってください♡♡♡♡♡昼間のように、優しく、そして激しく…♡♡♡♡♡わたくしのお腹が、あなたの赤ちゃんでいっぱいになるまで、たっぷりと、その特別な胤を、中に注ぎ込んでくださいぃ♡♡♡♡♡♡おねがい、しますぅ♡♡♡♡♡」
「なっ…!?♡♡ わ、わたくしは、何を…♡♡♡♡♡」
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