剣と魔法の世界で冒険はそこそこにして色々なお仕事の女の子達がはちゃめちゃにえっちなことになるお話

アレ

文字の大きさ
233 / 370
12章 クールな受付嬢も暑さでとろとろに溶けてしまうお話

276:観光

しおりを挟む
翌朝。
小鳥のさえずりと、窓から差し込む、南国特有の、力強くも優しい太陽の光で、リーゼさんとセレスさんは、ほとんど同時に目を覚ましました。

「「…………」」

二人は、言葉もなく、ただ、お互いの顔を見つめ合います。
昨夜の、あまりにも背徳的で、淫らな記憶。薬のせいで、ところどころ曖昧ではありますが、自分の身体が、この破廉恥な上司によって、骨の髄まで蹂躙され尽くしたという事実は、全身を支配する、気怠い、しかしどこか心地よい疼きが、何よりも雄弁に物語っていました。

特に、セレスさんの顔は、羞恥と屈辱で、耳まで真っ赤に染まっています。昨夜、自らの口から飛び出した、あまりにも素直で、だらしない懇願の数々。その記憶が、彼女の脳裏に鮮明に蘇り、氷のプライドを、粉々に打ち砕いていました。

その時、リビングの方から、からん、と、金属のぶつかる、無機質な音が聞こえてきました。二人が、おそるおそるベッドルームの扉を開けると、そこには、信じがたい光景が広がっていたのです。

「うむ。よし、準備万端だな!」

アシュワース氏は、まるでこれから楽しい遠足にでも出かける子供のように、目を輝かせ、満足げに頷いていました。その服装は、冒険者ギルドのマスターというよりは、どこかの裕福な商人が、趣味の狩猟に出かけるかのような、動きやすく、しかし上質な素材で作られた、機能的な探検服です。

そして、彼の隣には、四体の、異様な存在が、静かに控えていました。
二体は、黒曜石を削り出して作られたかのような、漆黒の戦闘用ゴーレム。その身体は、人間の三倍はあろうかというほどの巨躯を誇り、まるで昆虫のように、六本の腕が、その背中から生えています。それぞれの腕には、剣や斧、そして魔術的な輝きを放つ盾といった、異なる武器が握られており、その全身からは、ただそこにいるだけで、周囲の空間を歪ませるほどの、圧倒的な魔力が放たれていました。
もう二体は、その戦闘用ゴーレムとは対照的に、ブリキの人形のように、どこか愛嬌のある姿をした、小型のお手伝いゴーレムでした。しかし、その丸い瞳の奥では、青白い光が高速で明滅しており、一見しただけでは分からないほどの、高度な情報処理能力を秘めていることが窺えます。

「マスター…。これは、いったい…?」
セレスさんが、かろうじて言葉を紡ぎ出すと、アシュワース氏は、得意げに胸を張りました。
「なに、ただの護衛と荷物持ちだ。私は、戦闘はからきしだからな。これくらいは用意しておかねば、安心して遺跡探検もできん」
「…遺跡探検、ですか。本気で、例の得体のしれない場所へ行くおつもりで?」
セレスさんの声には、明らかに棘が含まれていました。昨夜の出来事で、『真実の霊薬』の効果は完全に切れ、彼女は、いつもの「氷のセレス」モードへと、完全に戻っていたのです。
「当たり前だろう? これほどの古代文明の痕跡を前にして、何もしないなど、魔導具師の名が廃るというものだ」

アシュワース氏は、楽しそうに笑うと、二人に、小さな包みを差し出しました。
「君たちは、この島の観光でもしてくるといい。これは、私からのプレゼントだ。昨日とは、少し違うデザインにしておいたぞ」
包みの中身は、やはり、挑発的なデザインの水着でした。しかし、昨日のものよりは、ほんの少しだけ布面積が多く、上から薄手のシャツでも羽織れば、なんとか人前に出ても、ギリギリ許されるかもしれない、という絶妙なデザインです。
「日焼け止めか? 心配するな。昨日、私が君たちの全身に、たっぷりと塗り込んでやった、あの特製のクリームの効果は、最低でも五日は持続する。もちろん、いやらしい効果も、な」
にやり、と人の悪い笑みを浮かべるアシュワース氏に、セレスさんは、ぐっと言葉を詰まらせます。リーゼさんはといえば、その言葉に、ぽっと頬を染めながらも、その瞳は、好奇心と期待に、きらきらと輝いていました。

「ああ、そうだ。もし、浜辺で、この島の元気な若者たちに会うことがあったら、私からよろしく伝えておいてくれたまえ。彼らには、たまに『世話』になっているからな」

そう意味深に言い残すと、アシュワース氏は、四体のゴーレムを引き連れて、まるで子供のように、意気揚々と別荘を出て行ってしまいました。

◇◇◇

残された二人は、アシュワース氏が用意した、簡素な地図を頼りに、この島の中心にあるという、大きな市場へとやってきました。
そこは、アストリナの、整然と区画整理された市場とは、まったく違う、生命力と混沌に満ち溢れた空間でした。
むせ返るような香辛料の匂い。見たこともない、極彩色の果物を売りさばく、褐色の肌の商人たちの、陽気なだみ声。そして、大陸では決して聞くことのない、軽快で、どこか物悲しい旋律を奏でる、弦楽器の音色。そのすべてが、二人の感覚を、心地よく、そして少しだけ不安に刺激します。

観光客の姿も、思いのほか多く見受けられましたが、そんな喧騒の中でも、プラチナブロンドの髪を持つエルフの美女と、紫色の髪を持つ氷のような美女の二人組は、やはり、嫌でも人々の注目を集めてしまいました。特に、リーゼさんにとっては、その注目は、毒以外の何物でもありませんでした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...