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12章 クールな受付嬢も暑さでとろとろに溶けてしまうお話
277:観光
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(あぁ…♡♡♡♡♡みんなの、視線が…♡♡♡♡♡わたしの、この身体を、なめるように見てる…♡♡♡♡♡)
彼女の下腹部に刻まれた淫紋『蕩婦の嘆き』が、市場にいる男たちの、屈託のない、しかし生々しい欲望に、びんびんに反応してしまっていたのです。じわり、と秘裂から蜜が滲み出し、薄手のスカートの生地が、肌に張り付くのを感じて、リーゼさんの足取りは、どんどんおぼつかなくなっていきます。
「少し、休憩しませんか、リーゼさん。あなたの顔、真っ赤ですわよ」
セレスさんの、心配そうな、しかしどこか呆れたような声に、リーゼさんは、こくこくと頷きました。
◇◇◇
二人が、市場の片隅にある、色とりどりの果物をその場で絞ってくれる、ジュースの屋台で一息ついていると、その時は、唐突に訪れたのです。
「ねぇ、お姉さんたち。二人だけで、寂しくない? 俺たちと、もっと楽しいこと、しない?」
声をかけてきたのは、日に焼けた褐色の肌に、悪戯っぽい笑みを浮かべた、地元の若者たちでした。その肉体は、日々の漁で鍛え上げられたのか、無駄なく引き締まり、その瞳は、若さ特有の、怖いもの知らずな光に満ちています。それは、アストリナの、打算と計算にまみれた冒険者たちの視線とは、まったく質の違う、純粋で、だからこそ、抗いがたいほどの、生々しい欲望の光でした。
「…ご遠慮させていただきます。わたしたちは連れがおりますので」
セレスさんは、氷のような声で、きっぱりと拒絶の言葉を口にします。しかし、その隣で、リーゼさんは、とろとろに蕩けきった青い瞳で、若者たちをうっとりと見つめていました。
(あぁ…♡♡♡♡♡この人たちなら、きっと、マスターみたいに、わたしを、めちゃくちゃにしてくれる…♡♡♡♡♡)
もはや、彼女の頭の中は、お持ち帰りされる気、満々です。若者たちが、そんなリーゼさんの反応を見逃すはずもありませんでした。彼らの一人が、セレスさんの注意を巧みに逸らしながら、そっと、リーゼさんの手に、小さな、黒い錠剤を握らせたのです。
「これ、この島でしか採れない、特別な『元気が出るおまじない』。お連れさんのジュースに、こっそり混ぜてみなよ。きっと、もっと楽しくなれるからさ」
その、悪魔の囁き。リーゼさんは、一瞬だけ、ためらいました。しかし、目の前の若者の、抗いがたい魅力と、セレスさんを、自分と同じ、快楽に溺れる「雌」に引きずり込みたいという、倒錯した友情が、その罪悪感を、いとも簡単に上回ってしまったのです。
彼女は、若者から受け取った黒い錠剤を、セレスさんの背後で、素早く、そして巧みに、彼女の、鮮やかなピンク色をしたフルーツジュースの中へと、ぽとり、と落としました。錠剤は、シュワシュワと音を立てて、あっという間にジュースの中に溶けていきます。
「さあ、セレスさん♡♡♡♡♡そんなに難しい顔をしていないで、この美味しいジュースを飲んで、元気を出してくださいな♡♡♡♡♡」
リーゼさんの、無邪気な笑顔。その裏に隠された、恐ろしい企みなど、セレスさんが知る由もありません。彼女は、リーゼさんへの絶対的な信頼と、この南国の開放的な雰囲気に当てられて、何の疑いもなく、そのピンク色の液体を、ごく、ごくと、喉へと流し込んでしまいました。
その、数秒後。
セレスさんの身体から、ふっ、と、まるで魂が抜け落ちるかのように、力が失われます。視界が、甘い薔薇色に染まっていき、耳元で聞こえる市場の喧騒が、まるで水の中にいるかのように、遠く、ぼんやりとしたものになっていきました。
「…あれ…?♡♡♡なんだか、身体が、ふわふわ、する…♡♡♡♡♡」
それが、彼女の、最後の言葉でした。
若者たちは、ぐったりと意識を失ったセレスさんの身体を、手際よく抱きかかえると、リーゼさんに向かって、にやりと、共犯者の笑みを浮かべます。
「さあ、行こうか、お姉さん。もっと、静かで、楽しい場所へ」
リーゼさんは、これから始まるであろう、背徳的な宴を想像し、恍惚の表情で、こくりと頷きました。二人の美しい人妻は、市場の喧騒の中へと、まるで神隠しにでもあったかのように、その姿を消していったのです。彼女たちが連れていかれた先が、この島の若者たちが、大陸から来た女を「もてなす」ために用意された、特別な「ヤリ部屋」であることなど、知る由もなく…。
◇◇◇
セレスさんの意識が、ゆっくりと浮上してきます。最初に感じたのは、むせ返るような甘い香り。大陸では嗅いだことのない、濃厚な花の蜜と、熟れた果実が発酵したかのような、人の理性を蕩かす香りでした。そして、全身を支配する、経験したことのないほどの熱っぽさと、身体の芯から湧き上がってくる、抗いがたい疼き。
(…わたしは、いったい…?)
ぼんやりとする頭で記憶の糸をたぐり寄せ、脳裏に蘇ったのは、市場の喧騒と、リーゼさんの無邪気な笑顔、そして、鮮やかなピンク色のフルーツジュースの味でした。そこまで思い出した瞬間、セレスさんは、自分の置かれた状況を完全に理解します。
(…やられた…!)
彼女の下腹部に刻まれた淫紋『蕩婦の嘆き』が、市場にいる男たちの、屈託のない、しかし生々しい欲望に、びんびんに反応してしまっていたのです。じわり、と秘裂から蜜が滲み出し、薄手のスカートの生地が、肌に張り付くのを感じて、リーゼさんの足取りは、どんどんおぼつかなくなっていきます。
「少し、休憩しませんか、リーゼさん。あなたの顔、真っ赤ですわよ」
セレスさんの、心配そうな、しかしどこか呆れたような声に、リーゼさんは、こくこくと頷きました。
◇◇◇
二人が、市場の片隅にある、色とりどりの果物をその場で絞ってくれる、ジュースの屋台で一息ついていると、その時は、唐突に訪れたのです。
「ねぇ、お姉さんたち。二人だけで、寂しくない? 俺たちと、もっと楽しいこと、しない?」
声をかけてきたのは、日に焼けた褐色の肌に、悪戯っぽい笑みを浮かべた、地元の若者たちでした。その肉体は、日々の漁で鍛え上げられたのか、無駄なく引き締まり、その瞳は、若さ特有の、怖いもの知らずな光に満ちています。それは、アストリナの、打算と計算にまみれた冒険者たちの視線とは、まったく質の違う、純粋で、だからこそ、抗いがたいほどの、生々しい欲望の光でした。
「…ご遠慮させていただきます。わたしたちは連れがおりますので」
セレスさんは、氷のような声で、きっぱりと拒絶の言葉を口にします。しかし、その隣で、リーゼさんは、とろとろに蕩けきった青い瞳で、若者たちをうっとりと見つめていました。
(あぁ…♡♡♡♡♡この人たちなら、きっと、マスターみたいに、わたしを、めちゃくちゃにしてくれる…♡♡♡♡♡)
もはや、彼女の頭の中は、お持ち帰りされる気、満々です。若者たちが、そんなリーゼさんの反応を見逃すはずもありませんでした。彼らの一人が、セレスさんの注意を巧みに逸らしながら、そっと、リーゼさんの手に、小さな、黒い錠剤を握らせたのです。
「これ、この島でしか採れない、特別な『元気が出るおまじない』。お連れさんのジュースに、こっそり混ぜてみなよ。きっと、もっと楽しくなれるからさ」
その、悪魔の囁き。リーゼさんは、一瞬だけ、ためらいました。しかし、目の前の若者の、抗いがたい魅力と、セレスさんを、自分と同じ、快楽に溺れる「雌」に引きずり込みたいという、倒錯した友情が、その罪悪感を、いとも簡単に上回ってしまったのです。
彼女は、若者から受け取った黒い錠剤を、セレスさんの背後で、素早く、そして巧みに、彼女の、鮮やかなピンク色をしたフルーツジュースの中へと、ぽとり、と落としました。錠剤は、シュワシュワと音を立てて、あっという間にジュースの中に溶けていきます。
「さあ、セレスさん♡♡♡♡♡そんなに難しい顔をしていないで、この美味しいジュースを飲んで、元気を出してくださいな♡♡♡♡♡」
リーゼさんの、無邪気な笑顔。その裏に隠された、恐ろしい企みなど、セレスさんが知る由もありません。彼女は、リーゼさんへの絶対的な信頼と、この南国の開放的な雰囲気に当てられて、何の疑いもなく、そのピンク色の液体を、ごく、ごくと、喉へと流し込んでしまいました。
その、数秒後。
セレスさんの身体から、ふっ、と、まるで魂が抜け落ちるかのように、力が失われます。視界が、甘い薔薇色に染まっていき、耳元で聞こえる市場の喧騒が、まるで水の中にいるかのように、遠く、ぼんやりとしたものになっていきました。
「…あれ…?♡♡♡なんだか、身体が、ふわふわ、する…♡♡♡♡♡」
それが、彼女の、最後の言葉でした。
若者たちは、ぐったりと意識を失ったセレスさんの身体を、手際よく抱きかかえると、リーゼさんに向かって、にやりと、共犯者の笑みを浮かべます。
「さあ、行こうか、お姉さん。もっと、静かで、楽しい場所へ」
リーゼさんは、これから始まるであろう、背徳的な宴を想像し、恍惚の表情で、こくりと頷きました。二人の美しい人妻は、市場の喧騒の中へと、まるで神隠しにでもあったかのように、その姿を消していったのです。彼女たちが連れていかれた先が、この島の若者たちが、大陸から来た女を「もてなす」ために用意された、特別な「ヤリ部屋」であることなど、知る由もなく…。
◇◇◇
セレスさんの意識が、ゆっくりと浮上してきます。最初に感じたのは、むせ返るような甘い香り。大陸では嗅いだことのない、濃厚な花の蜜と、熟れた果実が発酵したかのような、人の理性を蕩かす香りでした。そして、全身を支配する、経験したことのないほどの熱っぽさと、身体の芯から湧き上がってくる、抗いがたい疼き。
(…わたしは、いったい…?)
ぼんやりとする頭で記憶の糸をたぐり寄せ、脳裏に蘇ったのは、市場の喧騒と、リーゼさんの無邪気な笑顔、そして、鮮やかなピンク色のフルーツジュースの味でした。そこまで思い出した瞬間、セレスさんは、自分の置かれた状況を完全に理解します。
(…やられた…!)
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