305 / 370
13章 ボクっ娘魔術師奥様がとろとろえっちの報告をするおはなし
297:依頼
しおりを挟む
「ねぇ、テオドア……聞いてる?」
月の光だけが差し込む寝室。ボクは君の腕に抱かれながら、その胸にそっと指先で円を描く。今日の任務で火照った肌に、ひんやりとしたシーツが気持ちいい。遠くで聞こえる港の喧騒も、この部屋までは届かない。聞こえるのは、愛しいきみの規則正しい心音と、ボクの少し上ずった吐息だけ。
「……ふふ、ちゃあんと聞いてくれてるんだね。じゃあ、今日の報告、始めちゃうよ?君が一番好きな、ボクが他の男の人にめちゃくちゃにされちゃうお話。君のために、ぜぇんぶ、記録してきたんだから……♡」
指先を君の胸板からそろりと滑らせ、自らのパジャマのボタンへと運ぶ。一つ、また一つと外していくたびに、今回の出来事が鮮明に蘇って、肌の下がじんじんと疼きだす。
◇◇◇
ことの始まりは、先日の冒険者ギルド。ポーションの在庫が心許なくなってきたからね。ちょっとした稼ぎになればと掲示板を眺めていたんだ。そしたら、目に飛び込んできたのが『ゴブリン前哨基地の掃討』っていう、ちょっと骨の折れそうな依頼。報酬は悪くない。でも、さすがに魔術師一人じゃ危険すぎる。躊躇していると、ギルドの受付嬢……確か、セレスさんだったかな。あの氷みたいな無表情を少しも崩さずに、こう言ったんだ。
「その依頼でしたら、ちょうど腕利きの戦士が一人、パートナーを探しておりますが」
彼女が示した先にいたのが、あの男……ガラハッドだった。
岩みたいな筋肉の塊。顔には生々しい戦傷が幾筋も走ってて、お世辞にも趣味のいい男とは言えない。前にエレナが組んだっていう、あの脳筋戦士だ。彼はボクの姿を上から下まで、品定めするみたいに粘つく視線で舐め回して、にやりと笑った。
「ほぅ、魔術師の嬢ちゃんか。足手まといになんなよ?」
カチンときたけど、ぐっと堪えた。こういう手合いをどうあしらうかなんて、ボクはよく知ってる。だから、にっこり笑ってやったんだ。
「あら、ご心配なく。あなたこそ、ボクの魔法に巻き込まれて、黒焦げにならないでくださいね?」
男は一瞬きょとんとして、それから堰を切ったように腹を抱えて笑い出した。洞窟みたいなギルドのホールに、野太い笑い声が反響する。
「がっはっは!そいつは傑作だ! まさか魔術師サマからそんな風に言われるたぁな!」
まぁ、そんなこんなで、即席パーティーの結成さ。ボクはわざとらしくため息をついて、こう名乗ってやったんだ。
「リノア・ナハティガル。水と雷、それから少しばかりの闇を操る魔術師です。足手まどいにはなりませんよ、戦士さん?」
「ナハティガル、だと……?」
ガラハッドの目が、値踏みするように細められる。その名字に聞き覚えがあったんだろうね。アストリナの冒険者なら誰もがお世話になる、あのポーション屋……『月影の雫』。その屋号と、目の前にいるボクの姿が、彼の脳内でようやく結びついたみたいだった。彼の視線が、さっきよりもねっとりと、いやらしくボクの全身を舐め回す。まるで、店の棚に並んだ高級ポーションの瓶でも吟味するように。
「へっ、あの店の奥さんかよ。そりゃあ、腕は確かだろうぜ」
その言い方には、ボクの魔術の腕前と、店のポーションの効能と……それから、女としてのボクの価値、そのすべてを天秤にかけるような響きがあった。
冒険の準備は、彼の無骨さを象徴するようだった。ギルドの売店で、彼は回復薬やら解毒薬やらを、まるで石ころでも扱うみたいに革袋に放り込んでいく。一方でボクは、今回の任務で主軸に据える水と雷の魔術媒体、その純度と魔力伝導率を指先で確かめながら、慎重にポーチに収める。そんなボクの姿を、ガラハッドはずっと見ていた。ボクが屈むたびに強調される胸の谷間や、ローブのスリットからちらりと覗く太ももを、そのぎらついた瞳で執拗に追いかけていたんだ。その視線はあまりに無遠慮で、まるで肌の上をざらついた指で直接撫でられているような不快感と……ほんの少しの、背徳的な期待がない交ぜになった奇妙な感覚をボクに与えた。
前哨基地はアストリナから丸一日馬車を走らせた先にある。その日のうちに街を出て、街道を北へと進んだ。夕暮れ時、森の手前で野営することになった。パチパチと音を立てて燃える焚き火を挟んで、彼と向かい合う。彼は無言で干し肉をナイフで削ぎ、それを無造作に口に放り込んでは、時折ボクに視線をよこす。その視線が、火の光に照らされたボクの揺れる胸や、ローブのスリットから覗く脚に突き刺さるのを感じて……ふふ、正直に言うとね、テオドア……ちょっとだけ、ぞくぞくしちゃったんだ♡
「んっ……♡」
ほら、思い出しただけで、きゅぅって……子宮の奥が締まっちゃう。君の腕の中で、こんなにはしたなく疼いてる。
月の光だけが差し込む寝室。ボクは君の腕に抱かれながら、その胸にそっと指先で円を描く。今日の任務で火照った肌に、ひんやりとしたシーツが気持ちいい。遠くで聞こえる港の喧騒も、この部屋までは届かない。聞こえるのは、愛しいきみの規則正しい心音と、ボクの少し上ずった吐息だけ。
「……ふふ、ちゃあんと聞いてくれてるんだね。じゃあ、今日の報告、始めちゃうよ?君が一番好きな、ボクが他の男の人にめちゃくちゃにされちゃうお話。君のために、ぜぇんぶ、記録してきたんだから……♡」
指先を君の胸板からそろりと滑らせ、自らのパジャマのボタンへと運ぶ。一つ、また一つと外していくたびに、今回の出来事が鮮明に蘇って、肌の下がじんじんと疼きだす。
◇◇◇
ことの始まりは、先日の冒険者ギルド。ポーションの在庫が心許なくなってきたからね。ちょっとした稼ぎになればと掲示板を眺めていたんだ。そしたら、目に飛び込んできたのが『ゴブリン前哨基地の掃討』っていう、ちょっと骨の折れそうな依頼。報酬は悪くない。でも、さすがに魔術師一人じゃ危険すぎる。躊躇していると、ギルドの受付嬢……確か、セレスさんだったかな。あの氷みたいな無表情を少しも崩さずに、こう言ったんだ。
「その依頼でしたら、ちょうど腕利きの戦士が一人、パートナーを探しておりますが」
彼女が示した先にいたのが、あの男……ガラハッドだった。
岩みたいな筋肉の塊。顔には生々しい戦傷が幾筋も走ってて、お世辞にも趣味のいい男とは言えない。前にエレナが組んだっていう、あの脳筋戦士だ。彼はボクの姿を上から下まで、品定めするみたいに粘つく視線で舐め回して、にやりと笑った。
「ほぅ、魔術師の嬢ちゃんか。足手まといになんなよ?」
カチンときたけど、ぐっと堪えた。こういう手合いをどうあしらうかなんて、ボクはよく知ってる。だから、にっこり笑ってやったんだ。
「あら、ご心配なく。あなたこそ、ボクの魔法に巻き込まれて、黒焦げにならないでくださいね?」
男は一瞬きょとんとして、それから堰を切ったように腹を抱えて笑い出した。洞窟みたいなギルドのホールに、野太い笑い声が反響する。
「がっはっは!そいつは傑作だ! まさか魔術師サマからそんな風に言われるたぁな!」
まぁ、そんなこんなで、即席パーティーの結成さ。ボクはわざとらしくため息をついて、こう名乗ってやったんだ。
「リノア・ナハティガル。水と雷、それから少しばかりの闇を操る魔術師です。足手まどいにはなりませんよ、戦士さん?」
「ナハティガル、だと……?」
ガラハッドの目が、値踏みするように細められる。その名字に聞き覚えがあったんだろうね。アストリナの冒険者なら誰もがお世話になる、あのポーション屋……『月影の雫』。その屋号と、目の前にいるボクの姿が、彼の脳内でようやく結びついたみたいだった。彼の視線が、さっきよりもねっとりと、いやらしくボクの全身を舐め回す。まるで、店の棚に並んだ高級ポーションの瓶でも吟味するように。
「へっ、あの店の奥さんかよ。そりゃあ、腕は確かだろうぜ」
その言い方には、ボクの魔術の腕前と、店のポーションの効能と……それから、女としてのボクの価値、そのすべてを天秤にかけるような響きがあった。
冒険の準備は、彼の無骨さを象徴するようだった。ギルドの売店で、彼は回復薬やら解毒薬やらを、まるで石ころでも扱うみたいに革袋に放り込んでいく。一方でボクは、今回の任務で主軸に据える水と雷の魔術媒体、その純度と魔力伝導率を指先で確かめながら、慎重にポーチに収める。そんなボクの姿を、ガラハッドはずっと見ていた。ボクが屈むたびに強調される胸の谷間や、ローブのスリットからちらりと覗く太ももを、そのぎらついた瞳で執拗に追いかけていたんだ。その視線はあまりに無遠慮で、まるで肌の上をざらついた指で直接撫でられているような不快感と……ほんの少しの、背徳的な期待がない交ぜになった奇妙な感覚をボクに与えた。
前哨基地はアストリナから丸一日馬車を走らせた先にある。その日のうちに街を出て、街道を北へと進んだ。夕暮れ時、森の手前で野営することになった。パチパチと音を立てて燃える焚き火を挟んで、彼と向かい合う。彼は無言で干し肉をナイフで削ぎ、それを無造作に口に放り込んでは、時折ボクに視線をよこす。その視線が、火の光に照らされたボクの揺れる胸や、ローブのスリットから覗く脚に突き刺さるのを感じて……ふふ、正直に言うとね、テオドア……ちょっとだけ、ぞくぞくしちゃったんだ♡
「んっ……♡」
ほら、思い出しただけで、きゅぅって……子宮の奥が締まっちゃう。君の腕の中で、こんなにはしたなく疼いてる。
0
あなたにおすすめの小説
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる