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15章 宿屋娘が憧れの先輩と一緒にどろどろえっちになってしまうお話
335:作戦
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秋の夜は、まるで上質な黒のベルベットのように滑らかで、しんと静まり返っておりました。銀色に輝く月が、領主邸のステンドグラスを通して、室内へと細く長い光の筋を落としています。その光は、空気中を舞う微かな埃をきらきらと照らし出し、まるで夜の妖精が踊っているかのようでした。
そんな静寂に包まれたユーノくんの私室では、ランプの柔らかな光が、二つの影を壁に大きく映し出しておりました。一つは、まだあどけなさを残す、愛らしいご主人様、ユーノくんの影。そしてもう一つは、そのご主人様に寄り添うように座る、豊満でしなやかな、美しき家庭教師、エレナさんの影です。
「――ですからユーノ様。この古代ドワーフ語のルーン、『鉄槌』と『炎』の組み合わせは、単に『燃える槌』という意味だけではありませんの。文脈によっては、『鍛冶の神への祈り』という、もっと神聖な意味合いを持つことがあるのですわ」
エレナさんは、古びた羊皮紙に書かれた複雑な文字を、白魚のような指先でなぞりながら、優しく、そして丁寧に解説を続けております。その声は、耳に心地よいアルトで、聞いているだけで心が安らぐようでした。彼女の膝の上には、半分ほどまで読み進められた、分厚い古代ドワーフ言語の教本が置かれています。
しかし、その落ち着いた声とは裏腹に、エレナさんの心の中は、穏やかではいられませんでした。なぜなら、彼女の隣に座るユーノくんとの距離が、家庭教師と生徒のそれとしては、あまりにも、あまりにも近すぎたからです。彼の小さな肩が、エレナさんの柔らかな二の腕に、こつん、と触れるたびに、メイド服の薄い生地越しに、彼の体温がじわりと伝わってきます。そのたびに、エレナさんの心臓は、どきり、と大きく跳ねるのでした。
(まあ……♡ なんて、可愛らしい……♡)
ランプの光に照らされた、ユーノくんの真剣な横顔。絹のように艶やかな金色の髪、長い睫毛に縁取られた大きな青い瞳。そのすべてが、エレナさんの母性を、そしてそれとは少し違う、もっと甘く疼くような感情を、どうしようもなく掻き立てるのです。
その感情に、さらに拍車をかけているのが、彼女が手にしているクリスタルのグラスでした。中には、ユーノくんが「秘密の葡萄酒」と呼ぶ、琥珀色に輝く液体が満たされています。現領主が地下の貯蔵庫に隠していたという、数年ものの逸品。それは、ただの葡萄酒ではありません。瓶に刻まれた、微かに光を放つルーン文字が、魔法の力によってその芳醇さを極限まで高められた、神々の飲み物であることを物語っていました。
一口、また一口と、その悪魔的なまでに美味な液体を喉に流し込むたびに、エレナさんの身体は内側からゆっくりと、しかし確実に熱を帯びていきます。思考は心地よく麻痺し、頬はほんのりと桜色に染まり、黒いレースの下着に包まれた肌は、じっとりと汗ばみ始めておりました。
(いけませんわ、エレナ。アウレリウス様との約束を、もうお忘れになって?♡)
脳裏に、師の呆れた顔が浮かびます。しかし、この心地よい酩酊感と、隣に座る愛らしいご主人様から放たれる甘い匂いの前には、そんな理性など、あまりにも無力でした。エレナさんは、記憶を失わないように、ゆっくりと、味わうように飲むことを心掛けてはおりましたが、その誓いがいつまで保つかは、彼女自身にもわかりません。
◇◇◇
その頃、隣の使用人室では。
リリアさんは、息を殺して、掌に浮かべた小さな黒曜石の水晶玉を、食い入るように見つめておりました。
「…………♡」
水晶玉の表面には、まるでそこにあるかのように鮮明に、エレナさんとユーノくんが仲睦まじくお勉強に励む姿が映し出されています。これは、彼女が最も得意とする遠見の魔術。本来は、敵地の斥候や、迷宮の構造を把握するために用いる高等魔術ですが、今のリリアさんにとっては、自らのどす黒い好奇心と、どうしようもない独占欲を満たすための、背徳的な道具でしかありませんでした。
隣の部屋と言え魔術的な防御結界が幾重にも張られた領主邸の内部を、こうして鮮明に覗き見るためには、相当な集中力と魔力が必要です。リリアさんの額には、玉のような汗が浮かび、眼鏡の奥の瞳は、爛々と妖しい光を放っていました。
(ああ……先輩ったら、なんて、はしたない……♡)
水晶玉に映る、エレナさんの蕩けきった表情。ユーノくんの肩に、なまめかしく寄りかかるその姿。そのすべてが、リリアさんの心を、嫉妬と羨望の炎で焼き尽くしていきます。
(わたくしだって……♡ わたくしだって、ユーノ様の、お側に……♡)
メイド服のスカートの下、彼女の指は、いつの間にか自らの秘裂へと伸びておりました。赤いレースのパンティは、もう溢れ出した蜜でぐっしょりと重くなり、その中心にある硬く尖った秘芯を、指先がく、くり、と優しく刺激します。
「んっ…♡♡ はぁっ…♡♡」
声が漏れないよう、必死に自らの唇を噛み締めるリリアさん。その瞳は、水晶玉に映る光景から、一瞬たりとも離れることができません。これから始まるであろう、甘美で背徳的な儀式を、一瞬たりとも見逃すまいと。
そんな静寂に包まれたユーノくんの私室では、ランプの柔らかな光が、二つの影を壁に大きく映し出しておりました。一つは、まだあどけなさを残す、愛らしいご主人様、ユーノくんの影。そしてもう一つは、そのご主人様に寄り添うように座る、豊満でしなやかな、美しき家庭教師、エレナさんの影です。
「――ですからユーノ様。この古代ドワーフ語のルーン、『鉄槌』と『炎』の組み合わせは、単に『燃える槌』という意味だけではありませんの。文脈によっては、『鍛冶の神への祈り』という、もっと神聖な意味合いを持つことがあるのですわ」
エレナさんは、古びた羊皮紙に書かれた複雑な文字を、白魚のような指先でなぞりながら、優しく、そして丁寧に解説を続けております。その声は、耳に心地よいアルトで、聞いているだけで心が安らぐようでした。彼女の膝の上には、半分ほどまで読み進められた、分厚い古代ドワーフ言語の教本が置かれています。
しかし、その落ち着いた声とは裏腹に、エレナさんの心の中は、穏やかではいられませんでした。なぜなら、彼女の隣に座るユーノくんとの距離が、家庭教師と生徒のそれとしては、あまりにも、あまりにも近すぎたからです。彼の小さな肩が、エレナさんの柔らかな二の腕に、こつん、と触れるたびに、メイド服の薄い生地越しに、彼の体温がじわりと伝わってきます。そのたびに、エレナさんの心臓は、どきり、と大きく跳ねるのでした。
(まあ……♡ なんて、可愛らしい……♡)
ランプの光に照らされた、ユーノくんの真剣な横顔。絹のように艶やかな金色の髪、長い睫毛に縁取られた大きな青い瞳。そのすべてが、エレナさんの母性を、そしてそれとは少し違う、もっと甘く疼くような感情を、どうしようもなく掻き立てるのです。
その感情に、さらに拍車をかけているのが、彼女が手にしているクリスタルのグラスでした。中には、ユーノくんが「秘密の葡萄酒」と呼ぶ、琥珀色に輝く液体が満たされています。現領主が地下の貯蔵庫に隠していたという、数年ものの逸品。それは、ただの葡萄酒ではありません。瓶に刻まれた、微かに光を放つルーン文字が、魔法の力によってその芳醇さを極限まで高められた、神々の飲み物であることを物語っていました。
一口、また一口と、その悪魔的なまでに美味な液体を喉に流し込むたびに、エレナさんの身体は内側からゆっくりと、しかし確実に熱を帯びていきます。思考は心地よく麻痺し、頬はほんのりと桜色に染まり、黒いレースの下着に包まれた肌は、じっとりと汗ばみ始めておりました。
(いけませんわ、エレナ。アウレリウス様との約束を、もうお忘れになって?♡)
脳裏に、師の呆れた顔が浮かびます。しかし、この心地よい酩酊感と、隣に座る愛らしいご主人様から放たれる甘い匂いの前には、そんな理性など、あまりにも無力でした。エレナさんは、記憶を失わないように、ゆっくりと、味わうように飲むことを心掛けてはおりましたが、その誓いがいつまで保つかは、彼女自身にもわかりません。
◇◇◇
その頃、隣の使用人室では。
リリアさんは、息を殺して、掌に浮かべた小さな黒曜石の水晶玉を、食い入るように見つめておりました。
「…………♡」
水晶玉の表面には、まるでそこにあるかのように鮮明に、エレナさんとユーノくんが仲睦まじくお勉強に励む姿が映し出されています。これは、彼女が最も得意とする遠見の魔術。本来は、敵地の斥候や、迷宮の構造を把握するために用いる高等魔術ですが、今のリリアさんにとっては、自らのどす黒い好奇心と、どうしようもない独占欲を満たすための、背徳的な道具でしかありませんでした。
隣の部屋と言え魔術的な防御結界が幾重にも張られた領主邸の内部を、こうして鮮明に覗き見るためには、相当な集中力と魔力が必要です。リリアさんの額には、玉のような汗が浮かび、眼鏡の奥の瞳は、爛々と妖しい光を放っていました。
(ああ……先輩ったら、なんて、はしたない……♡)
水晶玉に映る、エレナさんの蕩けきった表情。ユーノくんの肩に、なまめかしく寄りかかるその姿。そのすべてが、リリアさんの心を、嫉妬と羨望の炎で焼き尽くしていきます。
(わたくしだって……♡ わたくしだって、ユーノ様の、お側に……♡)
メイド服のスカートの下、彼女の指は、いつの間にか自らの秘裂へと伸びておりました。赤いレースのパンティは、もう溢れ出した蜜でぐっしょりと重くなり、その中心にある硬く尖った秘芯を、指先がく、くり、と優しく刺激します。
「んっ…♡♡ はぁっ…♡♡」
声が漏れないよう、必死に自らの唇を噛み締めるリリアさん。その瞳は、水晶玉に映る光景から、一瞬たりとも離れることができません。これから始まるであろう、甘美で背徳的な儀式を、一瞬たりとも見逃すまいと。
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