剣と魔法の世界で冒険はそこそこにして色々なお仕事の女の子達がはちゃめちゃにえっちなことになるお話

アレ

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1章 ギルドの受付嬢とお金持ち冒険者のお話

1:窓口

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ここは港湾要塞都市アストリナ。古きドワーフ族が切り開いたという灰色の巨石を積み上げた城壁が、三日月型の湾を取り囲むようにそびえ立っています。潮風に混じって、魚介の匂い、鍛冶場の鉄を打つ音、そして酒場の喧騒が微かに届くこの街は、帝国と共和国の狭間にあって、常に緊張と活気に満ちています。東方からの絹や香辛料を積んだキャラバン、西方からの鉄鉱石や木材を運ぶ船団が絶えず行き交い、その富を狙う輩もまた後を絶ちません。

北に目を向ければ、峻険な黒曜石の山脈が連なり、その向こうには忌まわしき魔王領が広がっています。月に幾度かは、翼を持つガーゴイルの群れが夜襲を仕掛けてきたり、地底から湧いたゴブリンの小隊が下水道を通じて侵入を試みたりと、気の休まる暇もありません。ですが、このアストリナはただの交易都市ではありません。街の至る所に設置された巨大なバリスタや投石機、そして城壁に刻まれた古代ルーン文字による防護結界が、鉄壁の守りを固めているのです。だからこそ、一攫千金の名声や、あるいはただ日々の糧を求める腕っぷしの冒険者たちが、まるで蜜に群がる蟻のように、この欲望渦巻く街へと吸い寄せられてくるのでした。

はい! ……なんて、まるで吟遊詩人の口上みたいですね。
でも、あながち間違ってもいなですよ。
この街の日常は、いつだって刺激と危険に満ちているのです!

皆さん、こんにちは! 
わたし、リーゼ。リーゼ・シルバーリング。
このアストリナの冒険者ギルドで、受付嬢をしています。
「リーゼさん」って呼んでくださいね!


ええ、あの、カウンターの内側で依頼書を捌いたり、達成報告を確認したりする、あれです。
「依頼を投げて待っているだけの簡単な仕事だろ? エルフのお嬢ちゃんにはお似合いだ」なんて、時折、無骨なドワーフの戦士さんや、血気盛んな人間の剣士さんに揶揄われることもるけど、とんでもないですよ! 
ギルドのおしごとは、依頼の等級分けから、報酬の査定、情報収集、時には冒険者同士のいざこざの仲裁まで、本当に沢山あるんですよ!
それに、持ち込まれる魔物の素材の鑑定だって馬鹿にならないんです。毒腺の位置を間違えれば大惨事ですし、希少な部位を見落とせばギルドの損失ですからね。この尖った耳は伊達じゃないんです。長生きの耳長族としての長年の経験が、こういう細やかな仕事に活きているんです!あっ、年令は聞かないでください。女性に年齢を聞くのはルール違反ですよ!

わたしの見た目? うーん、そうですねぇ、自分でも言うのもなんですが、このシルバーブロンドの髪と、エルフらしいすらりとした手足は、それなりに……うん、気に入ってはいるんですよ?
だからこそ、ギルドの顔として、いつも身だしなみには気をつけてます。ちょっとスカートが短い気もするけど、これはマスターの趣味らしいです…

今日は、太陽神アウグストゥスを称える月、その第三水曜日。わたしにとっては、依頼受付と完了報告の確認を担当する日です。昨日のうちに、主だった依頼――例えば、「廃坑に出没するコボルトの群れの討伐」や「呪われた沼地からの薬草採取」といったものは、顔なじみのベテラン冒険者のパーティーがごっそりと請け負っていきました。ですから、今のギルドホールは、まるで嵐が過ぎ去った後の森のように静まり返っています。高い天井から吊るされた魔法灯の柔らかな光が、磨き上げられたオーク材の床に長い影を落とし、壁際に並べられた依頼掲示板の羊皮紙が、時折吹き込む風にカサリと音を立てるだけ。カウンターの中にはわたしと、新人のミリア、そして記録係のトーマス老人くらいしかいません。

「あら、あなた」
不意に背後からかけられた穏やかな声に、わたしは振り返りました。そこには、少し猫背気味に書類の束を抱えた、わたしの愛する旦那様が立っていました。
『お疲れ様、リーゼ。今日の依頼の集計はもう終わったのかい?』
「ええ、ほとんど片付きました!あなた。今日は静かなものですよ!」

この人は、わたしの夫、グンナル。かつては「疾風のグンナル」と呼ばれ、その二振りの長剣でオークの首を薙ぎ払い、グリフォンの背に乗って空を駆けたと噂されるほどの凄腕の冒険者でした。わたしたち耳長族――ええ、人間の方々がそう呼ぶ、わたしたちエルフのことです――とは、時の流れの感じ方が違います。彼と出会った頃の、あの精悍で頼もしい姿は、今では少しばかり影を潜めています。三十年の歳月は、彼の黒かった髪に白いものを増やし、頑健だった身体を病がちなものへと変えてしまいました。今はギルドの事務長として、裏方の仕事に専念しています。
『ひるあんどんの事務長さん、また奥さんに甘えてるのかい?』
なんて、時々若い冒険者がからかう声も耳にしますが、とんでもない! 彼は誰よりも思慮深く、そして何より、わたしにとっては、この世で一番優しい旦那様なんですよ!
『そうか。それなら少し早いが、昼餉にしないか? 今日は市場で新鮮な川魚が手に入ったんだ。君の好きなハーブで焼いてみようと思うんだが』
「やった、嬉しい!」
彼はにかっと笑うと、昔と変わらない優しい手つきで、わたしの頭をそっと撫でました。その温もりに、わたしの胸はいつもキュンと高鳴るのです。……ええ、たとえ夜の閨では、昔のような激しさが少しばかり……いえ、何でもありません!
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