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2章 人妻魔術師の冒険とはっちゃめちゃになるお話
41:仲間
幾度となく愛を交わし、意識の淵を彷徨った末、エレナは糸の切れた操り人形のように、ぐったりと気を失っていた。乱れた茶色の髪は汗で額や頬に張り付き、半開きの唇からは、はぁ、はぁ、と浅く熱っぽい寝息が漏れている。その白い肌は、男たちの体液でぬらぬらと光り、あるいは乾いてこびりつき、豊満な乳房やしなやかな腹、そして滑らかな太腿の至る所に、昨夜の激しい情事の痕跡が、まるで戦場に残された傷跡のように生々しく刻まれていた。
『…ふぅ』
ガラハッドは、満足感と、オークの軍団と一日中戦い続けたかのような深い疲労感と共に、重々しい息を吐いた。彼は、エレナの無防備な寝顔を、複雑な表情で見下ろしている。それは、獲物を征服し尽くしたという達成感と、目の前で無垢な寝息を立てる女への、不器用ながらも芽生え始めた庇護欲が入り混じった、彼自身にも御しがたい感情だった。
『へっへっへ。こいつは傑作だ。あの気位の高そうだった魔術師様が、俺たちの「名剣」の前じゃ、ただの雌犬同然だったとはな』
ロキは、床に散らばった自身の衣服を拾い上げながら、いつもの下卑た笑みを浮かべた。しかし、その声には、単なる嘲りだけではない、ある種の畏敬にも似た響きが混じっていた。エレナが示した、底なしの性欲と、快楽に溺れながらも二人の男を同時に相手取ってみせたその妖婦のような姿は、酸いも甘いも噛み分けたはずのこの斥候にとっても、驚嘆に値するものであったのだ。
二人は、言葉を交わすでもなく、互いの考えを察したようだった。このまま、この女を汚れたままにしておくのは、後味が悪い。あるいは、自分たちの獣じみた行為の痕跡を、この世から消し去りたいという、無意識の罪悪感が働いたのかもしれない。
ガラハッドは、無言で自身の革袋から、羊皮紙を丸めた小さな巻物を取り出した。それは「清掃のスクロール」と呼ばれる、ごく低級な浄化魔術が封じられた魔法の道具だった。巻物を解くと、微かな魔力を帯びた術式が描かれており、これを破ることで誰でも簡単に浄化の奇跡を発動させることができる。水場のない旅先や、血生臭い戦闘の後始末に重宝されるため、冒険者の間ではポピョンのように普及しており、比較的安価に手に入れることができた。
ロキが、ガラハッドからスクロールを受け取ると、エレナの傍らで、躊躇なくそれを引き裂いた。ビリ、という乾いた音と共に、羊皮紙は淡い翠色の光の粒子となって霧散し、清浄な風がふわりと巻き起こる。その風は、エレナの汚れた身体を、まるで母親が赤子を労るかのように優しく包み込んだ。
次の瞬間、奇跡が起こった。エレナの肌や髪にこびりついていた、白く濁った精液や、汗の汚れ、そして乱れたシーツに広がっていたおびただしい染みが、光の粒子に触れると、シュワシュワと音を立てながら、まるで陽光に溶ける朝霧のように、跡形もなく消え去っていく。むせ返るようだった背徳的な匂いも、清らかな風にかき消され、後には洗い立てのシーツのような、清潔な香りだけが残った。乱れに乱れたエレナの衣服も、魔力の風に撫でられると、まるで時間を巻き戻すかのように、元の折り目正しい状態へと戻っていく。
ほんの数瞬の後には、先ほどまでの淫靡な狂宴の痕跡は完全に消え失せ、そこにはただ、小奇麗な魔術師の旅服をまとった美しい女性が、安らかに眠っているかのような光景だけが残されていた。
満足した二人は、清らかになったエレナを、改めてそっとベッドの中央に寝かせ、剥がれ落ちていた掛け布団を、胸元まで優しくかけてやった。そして、彼ら自身は、英雄の凱旋後とは思えぬほど質素に、硬い木の床にごろりと転がり、まるで戦場で野営するかのように雑魚寝を決め込んだ。彼らのいびきが、静かになった部屋に響き渡るまで、そう時間はかからなかった。
『…ふぅ』
ガラハッドは、満足感と、オークの軍団と一日中戦い続けたかのような深い疲労感と共に、重々しい息を吐いた。彼は、エレナの無防備な寝顔を、複雑な表情で見下ろしている。それは、獲物を征服し尽くしたという達成感と、目の前で無垢な寝息を立てる女への、不器用ながらも芽生え始めた庇護欲が入り混じった、彼自身にも御しがたい感情だった。
『へっへっへ。こいつは傑作だ。あの気位の高そうだった魔術師様が、俺たちの「名剣」の前じゃ、ただの雌犬同然だったとはな』
ロキは、床に散らばった自身の衣服を拾い上げながら、いつもの下卑た笑みを浮かべた。しかし、その声には、単なる嘲りだけではない、ある種の畏敬にも似た響きが混じっていた。エレナが示した、底なしの性欲と、快楽に溺れながらも二人の男を同時に相手取ってみせたその妖婦のような姿は、酸いも甘いも噛み分けたはずのこの斥候にとっても、驚嘆に値するものであったのだ。
二人は、言葉を交わすでもなく、互いの考えを察したようだった。このまま、この女を汚れたままにしておくのは、後味が悪い。あるいは、自分たちの獣じみた行為の痕跡を、この世から消し去りたいという、無意識の罪悪感が働いたのかもしれない。
ガラハッドは、無言で自身の革袋から、羊皮紙を丸めた小さな巻物を取り出した。それは「清掃のスクロール」と呼ばれる、ごく低級な浄化魔術が封じられた魔法の道具だった。巻物を解くと、微かな魔力を帯びた術式が描かれており、これを破ることで誰でも簡単に浄化の奇跡を発動させることができる。水場のない旅先や、血生臭い戦闘の後始末に重宝されるため、冒険者の間ではポピョンのように普及しており、比較的安価に手に入れることができた。
ロキが、ガラハッドからスクロールを受け取ると、エレナの傍らで、躊躇なくそれを引き裂いた。ビリ、という乾いた音と共に、羊皮紙は淡い翠色の光の粒子となって霧散し、清浄な風がふわりと巻き起こる。その風は、エレナの汚れた身体を、まるで母親が赤子を労るかのように優しく包み込んだ。
次の瞬間、奇跡が起こった。エレナの肌や髪にこびりついていた、白く濁った精液や、汗の汚れ、そして乱れたシーツに広がっていたおびただしい染みが、光の粒子に触れると、シュワシュワと音を立てながら、まるで陽光に溶ける朝霧のように、跡形もなく消え去っていく。むせ返るようだった背徳的な匂いも、清らかな風にかき消され、後には洗い立てのシーツのような、清潔な香りだけが残った。乱れに乱れたエレナの衣服も、魔力の風に撫でられると、まるで時間を巻き戻すかのように、元の折り目正しい状態へと戻っていく。
ほんの数瞬の後には、先ほどまでの淫靡な狂宴の痕跡は完全に消え失せ、そこにはただ、小奇麗な魔術師の旅服をまとった美しい女性が、安らかに眠っているかのような光景だけが残されていた。
満足した二人は、清らかになったエレナを、改めてそっとベッドの中央に寝かせ、剥がれ落ちていた掛け布団を、胸元まで優しくかけてやった。そして、彼ら自身は、英雄の凱旋後とは思えぬほど質素に、硬い木の床にごろりと転がり、まるで戦場で野営するかのように雑魚寝を決め込んだ。彼らのいびきが、静かになった部屋に響き渡るまで、そう時間はかからなかった。
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