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3章 受付嬢も冒険者になってえっちな冒険に挑むお話
45:虜囚
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どれほどの時間が過ぎたのでしょうか。
ふと意識が浮上した時、私はひんやりとした石の床に座り込んでいました。辺りは薄暗く、湿った土と黴の匂いが鼻をつきます。どうやら、どこかの牢獄の一室のようです。
手足を動かそうとしても、ぴくりとも動きません。それどころか、声を出そうとしても、喉がひゅうと微かな音を立てるだけでした。けれど不思議なことに、心は湖の水面のように静まり返っています。恐怖も、不安も、何も感じません。
首筋に、冷たくて重い感触がありました。見ようとしても首が動かないので確かめられませんが、どうやら下品な作りの鉄の首輪をはめられているようです。
その時、目の前の鉄格子の向こうで、二人の男が話しているのが聞こえました。一人は岩のように大柄で、顔中に深い傷跡を持つ、いかにも盗賊の親玉といった風貌の強面の男。もう一人は、痩せぎすで、蛇のようにねちっこい視線をこちらに向ける、魔法使いらしき男です。
「だんなぁ。やっとこさ効きやしたぜ。やっぱり耳長の嬢ちゃんにゃあ、催眠魔法も一筋縄ではいかねぇ。ちっとばかし骨が折れやすねぇ」
魔法使いの男が、げへげへと下品な笑い声を立てました。
「がたがた言うな。報酬はきっちり支払ってんだろうが」
親方と呼ばれた男が、不機嫌そうに答えます。
「へいへい。それにしても、どうするんですかい? 荷物だけかすめときゃいいものを、わざわざシスターなんぞさらってきてからに」
「こいつぁ一人で、でっけえ荷物を抱えてたからよ。おまけに、身なりもそこらの修道女たぁ違う。高そうな服を着てやがった。こいつをネタに教会をゆすりゃあ、たんまりふんだくれるって寸法よ」
「なるほどねぇ。それで、どこのどいつか聞き出そうって魂胆ですかい? 別に催眠なんぞ使わなくても、普通に聞けばよかったんじゃねぇですかい。ていうか、持ち物に教会の身分証がありましたぜ。名前は『リセ』。荷の中身は薬品と旅支度。まあ、どこぞの教会に薬を届けるお使いの途中ってとこでしょうな」
「……まあいい。ついでに色々と吹き込んで、心も体もこっちのもんにしちまえば、後々もっと楽しめるってもんだ。バチは当たるめぇよ」
「……当たるとは思いますけどねぇ。まあ、あっしは構いやせんが。じゃあ、どうぞ。尋問でも洗脳でも、お好きになすってくださいまし」
魔法使いはそう言うと、興味を失ったように壁に寄りかかりました。
親方の男が鉄格子の鍵をじゃらりと開け、私の前にずかずかと入ってきます。そして、私の目の前に無骨な椅子を置いてどっかりと腰を下ろし、その獰猛な目を私に向けました。
「シスター。あんたの名前はなんだ」
男の威圧的な声が、牢内に響きます。私の唇が、私の意志とは関係なく、勝手に震え始めました。
「…わ、たし…の、なまえ、は……リ、ゼ……」
「どこから来た」
「…あすとりな、の…まち……」
「目的は何だ」
「…おくすりを…ヴェールウッドの街の、きょうかいに…とどける、ため、です…」
私の答えを聞いて、後ろで控えていた魔法使いが呆れたように声を上げました。
「なんちゅうか、普通ですね。ただのパシリじゃねぇですかい。こいつ、本当に人質の価値なんざあるんですかねぇ?」
「うるせえ! …おい、シスター。何か、てめえの秘密を言ってみやがれ!」
親方が、苛立ったように怒鳴ります。秘密。私の、秘密……。
「…あのひとへのお土産に…せ、りょくのつく…お酒を、買おうと、おもって……ました……。そうしたら…あのひとも…もっと、ながもち…するんじゃないかなって…」
「…ほう? シスター、てめえ、亭主持ちか。…続けろ」
男の目の色が変わりました。ねっとりとした好奇の色が、私を頭のてっぺんから爪先まで、舐めるように這い回ります。
「は、ひ……。けっこんして、よんじゅうねんに、なります…。でも、さいきん、あのひとは…たんぱくで……。わ、わたしは……もっと、いやらしく…せめられるほうが、すき、なんです……♡ あ……♡ いまのは、ひみつ、ですぅ……♡」
「…シスター…てめえのその秘密とやらを、もっと詳しく話してみろ」
「は、ひぃ♡ ……あいを、ささやかれながら…えっちに、いじめられるのが、すき、ですぅ♡♡ いっぱいいっぱい、いじめてもらってから…おくに、だされると…ほんとうに、しあわせを、かんじますの……♡♡♡ でも、あのひとは、もう、そんなげんきは、ないみたいで…。これも、ひみつ、ですぅ……♡」
「…親方。なんか、おかしくねぇですかい、こいつ。本当にシスターなんですかね?」
「黙ってろ! ……決めた! おい、魔法使い! アレを持ってこい!」
親方は何かを決心したように叫びました。
「へっ? 親方、まさかアレを使っちまうんですかい? まあ、この耳長の嬢ちゃんには、あれくらいやらねえと効果がねえかもしれやせんが……」
魔法使いは心底呆れたという顔をしながらも、部屋の奥から一本の禍々しい杖を持ってきました。黒曜石を削り出したかのようなその杖は、まるで闇そのものが凝り固まったかのように、どす黒い魔力を絶えず滲み出させています。見ているだけで、吸い込まれそうな邪悪な気配でした。
親方はその杖を受け取ると、にたりと下品な笑みを浮かべて立ち上がりました。
「シスター。今日からてめえは、俺たち盗賊団の愛人だ。俺たちが、その飢えた体を、たっっぷりと愛してやる。だから、シスターも、その愛に応えるんだぞ。いいな?」
私の体が、びくん、と大きく震えました。愛人。この人たちの。その言葉が、なぜかとても甘美な響きをもって、私の心に染み渡っていきます。
「俺たちからの、最初の愛の証だ。ありがたく受け取りやがれ!」
親方はそう言うと、私に向かって黒い杖を振りかざしました。杖の先端から、どす黒い魔力の塊が撃ち出され、それは一直線に私の下腹部へと吸い込まれていきます。
「ん゛あ゛ッ♡♡!? っ、あ゛ッ♡♡♡♡」
熱い。 熱くて、気持ちいい。 まるで灼けた鉄の杭を、子宮の奥の奥まで直接ねじ込まれたかのような、強烈な衝撃と快感が全身を駆け巡りました。びくん、びくんと、私の体が勝手に痙攣します。
「この『淫紋』がありゃあ、てめえは俺たちの愛を、より強く、深く、感じることができるだろうよ。感謝しろ、シスター」
親方の言葉が、まるで神の御言葉のように、私の魂に直接刻み込まれていくのを感じました。そうだ、私は感謝しなければ。この方たちの、深い愛に。
「…は、ひぃ♡♡♡ おやかた、さま…♡♡ ありが、とう…ございますぅ……♡♡♡ みなさんの、あいに、こたえられるように…わたし、がんばり、ますぅ……♡♡♡♡♡」
催眠と魔力によって蕩けきった頭で、私はうっとりとそう答えていました。
(ステータス:淫紋(従属・発情)を獲得しました)
ふと意識が浮上した時、私はひんやりとした石の床に座り込んでいました。辺りは薄暗く、湿った土と黴の匂いが鼻をつきます。どうやら、どこかの牢獄の一室のようです。
手足を動かそうとしても、ぴくりとも動きません。それどころか、声を出そうとしても、喉がひゅうと微かな音を立てるだけでした。けれど不思議なことに、心は湖の水面のように静まり返っています。恐怖も、不安も、何も感じません。
首筋に、冷たくて重い感触がありました。見ようとしても首が動かないので確かめられませんが、どうやら下品な作りの鉄の首輪をはめられているようです。
その時、目の前の鉄格子の向こうで、二人の男が話しているのが聞こえました。一人は岩のように大柄で、顔中に深い傷跡を持つ、いかにも盗賊の親玉といった風貌の強面の男。もう一人は、痩せぎすで、蛇のようにねちっこい視線をこちらに向ける、魔法使いらしき男です。
「だんなぁ。やっとこさ効きやしたぜ。やっぱり耳長の嬢ちゃんにゃあ、催眠魔法も一筋縄ではいかねぇ。ちっとばかし骨が折れやすねぇ」
魔法使いの男が、げへげへと下品な笑い声を立てました。
「がたがた言うな。報酬はきっちり支払ってんだろうが」
親方と呼ばれた男が、不機嫌そうに答えます。
「へいへい。それにしても、どうするんですかい? 荷物だけかすめときゃいいものを、わざわざシスターなんぞさらってきてからに」
「こいつぁ一人で、でっけえ荷物を抱えてたからよ。おまけに、身なりもそこらの修道女たぁ違う。高そうな服を着てやがった。こいつをネタに教会をゆすりゃあ、たんまりふんだくれるって寸法よ」
「なるほどねぇ。それで、どこのどいつか聞き出そうって魂胆ですかい? 別に催眠なんぞ使わなくても、普通に聞けばよかったんじゃねぇですかい。ていうか、持ち物に教会の身分証がありましたぜ。名前は『リセ』。荷の中身は薬品と旅支度。まあ、どこぞの教会に薬を届けるお使いの途中ってとこでしょうな」
「……まあいい。ついでに色々と吹き込んで、心も体もこっちのもんにしちまえば、後々もっと楽しめるってもんだ。バチは当たるめぇよ」
「……当たるとは思いますけどねぇ。まあ、あっしは構いやせんが。じゃあ、どうぞ。尋問でも洗脳でも、お好きになすってくださいまし」
魔法使いはそう言うと、興味を失ったように壁に寄りかかりました。
親方の男が鉄格子の鍵をじゃらりと開け、私の前にずかずかと入ってきます。そして、私の目の前に無骨な椅子を置いてどっかりと腰を下ろし、その獰猛な目を私に向けました。
「シスター。あんたの名前はなんだ」
男の威圧的な声が、牢内に響きます。私の唇が、私の意志とは関係なく、勝手に震え始めました。
「…わ、たし…の、なまえ、は……リ、ゼ……」
「どこから来た」
「…あすとりな、の…まち……」
「目的は何だ」
「…おくすりを…ヴェールウッドの街の、きょうかいに…とどける、ため、です…」
私の答えを聞いて、後ろで控えていた魔法使いが呆れたように声を上げました。
「なんちゅうか、普通ですね。ただのパシリじゃねぇですかい。こいつ、本当に人質の価値なんざあるんですかねぇ?」
「うるせえ! …おい、シスター。何か、てめえの秘密を言ってみやがれ!」
親方が、苛立ったように怒鳴ります。秘密。私の、秘密……。
「…あのひとへのお土産に…せ、りょくのつく…お酒を、買おうと、おもって……ました……。そうしたら…あのひとも…もっと、ながもち…するんじゃないかなって…」
「…ほう? シスター、てめえ、亭主持ちか。…続けろ」
男の目の色が変わりました。ねっとりとした好奇の色が、私を頭のてっぺんから爪先まで、舐めるように這い回ります。
「は、ひ……。けっこんして、よんじゅうねんに、なります…。でも、さいきん、あのひとは…たんぱくで……。わ、わたしは……もっと、いやらしく…せめられるほうが、すき、なんです……♡ あ……♡ いまのは、ひみつ、ですぅ……♡」
「…シスター…てめえのその秘密とやらを、もっと詳しく話してみろ」
「は、ひぃ♡ ……あいを、ささやかれながら…えっちに、いじめられるのが、すき、ですぅ♡♡ いっぱいいっぱい、いじめてもらってから…おくに、だされると…ほんとうに、しあわせを、かんじますの……♡♡♡ でも、あのひとは、もう、そんなげんきは、ないみたいで…。これも、ひみつ、ですぅ……♡」
「…親方。なんか、おかしくねぇですかい、こいつ。本当にシスターなんですかね?」
「黙ってろ! ……決めた! おい、魔法使い! アレを持ってこい!」
親方は何かを決心したように叫びました。
「へっ? 親方、まさかアレを使っちまうんですかい? まあ、この耳長の嬢ちゃんには、あれくらいやらねえと効果がねえかもしれやせんが……」
魔法使いは心底呆れたという顔をしながらも、部屋の奥から一本の禍々しい杖を持ってきました。黒曜石を削り出したかのようなその杖は、まるで闇そのものが凝り固まったかのように、どす黒い魔力を絶えず滲み出させています。見ているだけで、吸い込まれそうな邪悪な気配でした。
親方はその杖を受け取ると、にたりと下品な笑みを浮かべて立ち上がりました。
「シスター。今日からてめえは、俺たち盗賊団の愛人だ。俺たちが、その飢えた体を、たっっぷりと愛してやる。だから、シスターも、その愛に応えるんだぞ。いいな?」
私の体が、びくん、と大きく震えました。愛人。この人たちの。その言葉が、なぜかとても甘美な響きをもって、私の心に染み渡っていきます。
「俺たちからの、最初の愛の証だ。ありがたく受け取りやがれ!」
親方はそう言うと、私に向かって黒い杖を振りかざしました。杖の先端から、どす黒い魔力の塊が撃ち出され、それは一直線に私の下腹部へと吸い込まれていきます。
「ん゛あ゛ッ♡♡!? っ、あ゛ッ♡♡♡♡」
熱い。 熱くて、気持ちいい。 まるで灼けた鉄の杭を、子宮の奥の奥まで直接ねじ込まれたかのような、強烈な衝撃と快感が全身を駆け巡りました。びくん、びくんと、私の体が勝手に痙攣します。
「この『淫紋』がありゃあ、てめえは俺たちの愛を、より強く、深く、感じることができるだろうよ。感謝しろ、シスター」
親方の言葉が、まるで神の御言葉のように、私の魂に直接刻み込まれていくのを感じました。そうだ、私は感謝しなければ。この方たちの、深い愛に。
「…は、ひぃ♡♡♡ おやかた、さま…♡♡ ありが、とう…ございますぅ……♡♡♡ みなさんの、あいに、こたえられるように…わたし、がんばり、ますぅ……♡♡♡♡♡」
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