剣と魔法の世界で冒険はそこそこにして色々なお仕事の女の子達がはちゃめちゃにえっちなことになるお話

アレ

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9章 狩人も冒険ではちゃめちゃになってしまうお話

156:初体験

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「……おい、起きろ」

低く、そして不愛想な声。
おぞましいスライムの粘液の中に浮かんでいたはずのシャイラさんの意識は、その声に導かれるように、ゆっくりと、しかし確かに浮上していきました。最初に感じたのは、唇に残る、ひんやりとした薬草の強い苦味と、微かな、しかし確かな誰かの肌のぬくもり。そして、すぐ間近から聞こえる、荒々しいけれど静かな呼吸音でした。

「ん……んぅ……」

鉛のように重いまぶたを、なんとかこじ開けます。ぼやけた視界に最初に映ったのは、見慣れない、ごつごつとした木の天井。そして、ランプの頼りない灯りに照らされた、この数日ですっかり見慣れてしまった男の、人相の悪い顔でした。

「……おじ、さん……?」
「気がついたか」

そこは、山間の集落の、古びた宿屋の一室。シャイラさんは、自分が寝台の上に寝かされていることに気づきました。おじさんは、彼女の顔を覗き込むようにして、その場に屈みこんでいます。どうやら、彼が口移しで、ギルドから支給された高価な回復薬、『静心の霊薬』を飲ませてくれていたようです。その事実を理解した瞬間、シャイラさんの小麦色の頬が、かあっと熱くなるのを感じました。

「一体、何が……アタシ、夢を……」
「夢じゃない。魔物の精神干渉だ」

おじさんは、ぶっきらぼうに、しかし淡々と状況を説明し始めました。
やはり、あの晩餐のシチューには、精神防御を低下させる薬物が混入されていたようです。シャイラさんの様子がおかしいことに気づいたおじさんは、眠らずに警戒を続けていました。案の定、真夜中過ぎ、宿の主人をはじめとした村人たちが、虚ろな目をして、斧や鍬を手に、この部屋に押し入ろうとしてきたのです。彼らは完全に、廃墟の魔物に操られていました。

「あんたを起こそうとしたが、一向に起きん。完全に魂を持っていかれてた。仕方ないから、先にそいつらを無力化しておいた。命に別条はない。全員、昏睡状態にして、縛り上げてある。峰打ちってやつだ」

おじさんは、まるで散歩の途中で小石を蹴飛ばしたかのように、大したことではないという口調で言いますが、シャイラさんは息を呑みました。複数の人間を、物音一つ立てずに制圧する。それは、並大抵の腕利きにできることではありません。この男の戦闘技術は、自分が想像していたレベルを遥かに超えている。
どうやら魔物の計画は、まず夢の中でシャイラさんの精神を籠絡し、完全に抵抗できなくした上で、操った村人たちを使って、その肉体を廃墟まで運ばせる、という算段だったようです。もし、おじさんがいなければ、今頃自分は……。ぞっと背筋が凍るのを感じました。

しかし、安堵したのも束の間、シャイラさんは自らの身体を蝕む、より深刻で、絶望的な異常に気づきます。

「あ……♡ んぅ……♡♡♡」

身体の奥が、熱い。熱くて、熱くて、たまらないのです。まるで、体中の血液が沸騰し、骨の髄までが淫らな疼きに満たされているかのよう。下腹部の奥からは、じゅわ、じゅわと、止めどなく蜜が溢れ出し、宿が用意してくれた木綿の寝間着のズボンを、じっとりと濡らしていきます。

(だめ……♡ おかしい……♡♡ 霊薬を、飲んだはずなのに……♡♡♡)

『静心の霊薬』は、あくまで外部からの精神干渉や、瘴気による汚染を中和し、鎮静させるためのもの。しかし、今のシャイラさんを苛むこの異常な発情は、もはや外部からの影響ではありません。夢の中で、あの古の魔物によって注ぎ込まれた、液状の魂。それが、彼女の肉体に、魂に、分かちがたく融合してしまった結果なのです。それは、もはや呪いと呼ぶべき、永続的な状態異常。彼女の魂そのものが、常に雄を求め、交わりを渇望する淫らなものへと、根源から変質させられてしまったのでした。

「ん゛ッ♡♡♡♡♡こ、こんな、いやらしいからだに……♡♡♡♡♡」

故郷に残してきた、愛しい許嫁のフィンの顔が、脳裏をよぎります。しかし、その心優しく、華奢な少年の面影はすぐに、目の前にいる、ごつごつとした岩のような男の顔に上書きされてしまいました。彼の逞しい腕。分厚い胸板。そして、あの夜、夢の中で自分を貫いた、おぞましくも美しい、巨大な雄蕊の記憶。

「あ゛ッッ♡あ゛ん゛♡♡♡ん゛ん゛~~~~!!!!」

もう、我慢の限界でした。
理性の最後の糸が、ぷつん、と音を立てて切れ落ちます。

「ごめ、なさい……っ♡♡♡」

涙ながらに謝罪の言葉を口にしながら、シャイラさんの身体は、本能の命じるままに動いていました。彼女は、まるで俊敏な肉食獣のようにしなやかな動きで寝台から飛び起きると、不意を突かれたおじさんを、その華奢な身体からは想像もつかないほどの力で、寝台の上へと押し倒したのです。

「アタシ……もう、だめみたい……♡♡♡♡♡」

ランプの頼りない灯りが、古びた宿屋の一室をぼんやりと照らし出していました。壁にかけられた鹿の剥製のガラスの目が、まるでこの背徳的な劇の観客であるかのように、無機質な光をたたえています。シャイラさんの潤んだ金色の瞳には、ただ目の前の男の姿だけが、燃え盛る欲望の炎に揺らめきながら映っていました。
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