剣と魔法の世界で冒険はそこそこにして色々なお仕事の女の子達がはちゃめちゃにえっちなことになるお話

アレ

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10章 危ないお店に潜入したら当然のごとくぐちょぐちょえっちになってしまうお話

192:売人

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 その男、レイスの存在が、妙に小雪の神経を逆撫でする。先ほどの店長とのやり取り。「品」「連れて行く」。その言葉の断片は、小雪のシノビとしての耳ざとさが正確に捉えていた。明らかに、自分はこの男に「商品」として目をつけられたのだ。誘拐された娘たちを追う任務は、いよいよ核心に近づいているのかもしれない。しかし、その核心に触れるということは、自分がこの得体の知れない、血と鉄の匂いを放つ男の手に完全に落ちることを意味する。

 恐怖が、まるで氷の針のように背筋を冷たく這い上がる。だが、それと同時に、若き主君に与えられた妙薬に蝕まれた身体の奥底では、全く別の感情が、毒蛇のように鎌首をもたげていた。生命力を根源から活性化させ、魔力循環を常に暴走寸前の状態に保つこの呪わしい媚薬は、彼女の神経網を剥き出しにし、恐怖すらも背徳的な快感へと転化させるのだ。未知の状況、抗いがたい力を持つ雄への完全な服従。それがもたらすであろう、魂ごと蕩かされるような快楽への、倒錯した好奇心と期待感。

 男が時折こちらに向ける、爬虫類を思わせる冷たい視線。その視線は、物理的な質量を持っているかのように重く、粘り気を帯びて小雪の全身にまとわりつく。その視線に射抜かれるたび、小雪の子宮の奥がきゅう、と甘く疼き、下腹部にじわりと熱が集まってくるのを、どうすることもできなかった。

 不意に、レイスが手にした黒曜石のグラスを、ゴツン、と無造作にテーブルへ置いた。そして、腹の底から響くような低い声で、小雪を呼んだ。

「おい、ユキ。こっちへ来い」

 その声には、有無を言わせぬ絶対的な威圧感があった。それは、抵抗や交渉といった選択肢の存在そのものを否定する、支配者の声であった。小雪は内心の激しい動揺を押し殺し、努めて平静を装いながら、男のテーブルへと歩み寄る。男は、懐から分厚い札束を取り出すと、まるで汚れた雑巾でも放るかのように、無造作にテーブルの上へと叩きつけた。このスラムの酒場では決して見ることのない、帝国中央銀行が発行した高額紙幣の束。その紙質は上等な羊皮紙のようで、偽造防止のために練り込まれた微細な魔銀の粉が、魔法の灯りの下で鈍くきらめいている。

「今夜、俺の相手をしろ。これで足りるか?」

 男の言葉は単調で、感情が一切読み取れない。だが、その欲望で濁った目が、ねっとりと小雪の身体を、まるで皮を剥ぎ、肉を削ぎ、骨の髄まで味わい尽くすかのように舐め回している。その視線は、熱した鉄の棒のように小雪の肌を焼き、身体の芯から急速に熱を発生させた。硬く尖った乳首が、薄い給仕服の上からでも分かるほどに主張し始め、秘裂からはじゅわ、と生温かい蜜が堰を切ったように滲み出す。

 小雪は、助けを求めるように店長へと視線を送った。しかし、店長はバツが悪そうに目を逸らし、小さく頷くだけだった。まるで、「話はついている、下手に逆らうな」とでも言うように。閉店間際の薄暗い店内。他の客はもういない。逃げ場など、どこにもないのだ。

 男の風体、店長の態度、そして先ほどの会話。この男が、消えたウェイトレスたちの事件、そしてその背後にあるであろう盗賊団と深く関わっていることは、ほぼ間違いないだろう。この男の相手をすれば、あるいは奴らのアジトに潜入する糸口が見つかるかもしれない。誘拐された女性たちを救い出すための、大きな一歩になるはずだ。任務のためだ。そう自分に言い聞かせる。

 しかし、同時に、腹の底から湧き上がる屈辱感も無視できなかった。金で買われ、物のように扱われる。かつての自分なら、決して許容できなかったはずだ。シノビとしての、一人の女としてのプライドが、音を立てて傷つけられる痛み。だが、その痛みすらも、妙薬と度重なる陵辱によって歪められた身体は、奇妙な興奮へと転化させてしまう。この危険な男に、徹底的に支配され、蹂躙されることへの、抗いがたい期待感。任務、プライド、そして背徳的な欲望。三つの感情が渦を巻き、小雪の心を激しく揺さぶる。

 小雪は、ふぅ、と小さく熱い息を吐くと、意を決して顔を上げた。そして、これ以上ないほど蠱惑的な、それでいてどこか挑戦的な笑みを唇に浮かべ、男の冷たい目を見つめ返す。声のトーンを甘く、媚びるように変えて、囁いた。

「♡あらあら、おじさまぁ? わたくしを、そんなはした金で買おうなんて…♡ もしかして、わたくしの価値、お分かりになってらっしゃらないのかしらぁ…?♡ それとも、ただのケチんぼさん♡? 」

 わざとらしく首を小さく傾げ、潤んだ瞳で上目遣いに男を見つめる。短いスカートの裾から覗く、滑らかな太ももを、これ見よがしにゆっくりと組み替えてみせた。挑発するような態度。しかし、その瞳の奥には、男の反応を窺う不安と、これから始まるであろう未知の辱めへの期待の色が、ゆらゆらと揺らめいていた。

 男は、小雪の予想外の反応に、一瞬だけ虚を突かれたような顔をしたが、すぐにその爬虫類のような冷たい目に、面白がるような昏い光が宿った。にやり、と口の端を醜悪に吊り上げると、こともなげにもう一つ、さらに分厚い札束を取り出し、先の束の上に音もなく重ねた。まるで、小雪の浅はかな抵抗など、全てお見通しだとでも言うように。

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