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10章 危ないお店に潜入したら当然のごとくぐちょぐちょえっちになってしまうお話
193:売人
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「フン…面白い女だ。いいだろう。これでどうだ? お前のその生意気な口を、今夜、俺のモノで塞いでやる」
圧倒的な財力と、揺るぎようのない絶対的な自信。小雪は、自分の仕掛けた駆け引きが、いとも簡単に見透かされ、赤子の手をひねるように弄ばれたことを悟った。だが、不思議と悔しさは感じなかった。むしろ、この男の底知れない力に、抗いがたい魅力を感じ始めている自分に気づく。
心の中で、故郷に残した許嫁の、朴訥で優しい顔が浮かび、罪悪感が鋭いナイフのように胸を刺す。ごめんなさい。小さく、誰にも聞こえないように呟き、その思いを振り払うように、小雪は男の前に跪いた。そして、テーブルに置かれた男の、ゴツゴツとして傷だらけの手に、そっと自らの手を重ねる。そのまま、男の節くれだった指の甲に、恭しく、そしてどこか官能的に、濡れた唇を寄せた。それは、シノビとしての矜持を捨て、ただの「雌」として雄に傅く、完全な服従の証に他ならなかった。
男は満足そうに鼻を鳴らすと、小雪の顎を掴み、乱暴に引き寄せた。そして、有無を言わさず、その唇を貪るように奪う。
「♡ん゛ぅ…っ♡♡」
男の唇は乾いていて、まるで古びた革のように荒々しい。しかし、その奥から侵入してくる舌は、驚くほど熱く、巧みであった。それはまるで、獲物の急所を知り尽くした毒蛇のように、小雪の舌を捕らえ、絡め取り、口内の敏感な粘膜という粘膜を執拗に擦り上げていく。男の唾液が、小雪のそれと混じり合い、くちゅ、くちゅ、と卑猥な水音が響き渡った。濃い酒精と、男自身の獣のような匂いが、小雪の思考をじわじわと蕩かしていく。身体の芯から熱い痺れが駆け上り、膝ががくがくと震えだした。乳首は硬く尖り、給仕服の薄い布地の上からでも分かるほどにその存在を主張している。秘裂からは、もう止めどなく蜜が溢れ出し、太ももを濡らし始めていた。男の支配を受け入れる準備が、急速に整っていく。
「♡ん゛ーッ♡ん゛ん゛♡ん゛、ぅ♡は、あ゛ッ♡ん゛、ぐぅ♡♡♡おじ、さまぁ…♡♡♡」
くぐもった嬌声が、唇の隙間から漏れ出す。それは、抵抗ではなく、むしろ更なる支配を求めるような、甘く蕩けた響きを帯びていた。
◇◇◇
男は一足先に「特別室」へと向かった。その逞しい背中を見送りながら、小雪は言いようのない不安と、それに相反する身体の疼きに、ただ立ち尽くすしかなかった。閉店後の片付けは、どこか上の空だった。床を掃き、テーブルを拭き、エールで汚れたグラスを洗う。その単純な作業の間も、思考は先ほど別れた男――レイスのことばかりを考えてしまう。あの爬虫類のように冷たく、感情の読めない目。全身から発散される、血と鉄と死が混じり合った危険な匂い。そして、有無を言わせぬ絶対的な威圧感。これまでの客とは明らかに違う。彼は、この赤煙亭の、そしてその背後にあるであろう盗賊団という闇の、核心にいる人物に違いない。任務はいよいよ佳境だ。しかし、それは自分がより深く、より抗いがたい危険にその身を投じることを意味していた。
不安に心が軋む。だが、それとは裏腹に、身体は奇妙な期待に打ち震えていた。若き主君に与えられた妙薬の影響か、あるいはこの数日間の度重なる陵辱によって、心身が歪められてしまったのか。あの男に支配されることへの、倒錯した興奮が腹の底からマグマのように湧き上がってくるのを止められない。思い出されるのは、先ほどの濃厚で暴力的な口づけ。男の乾いた唇の感触、侵入してきた舌の熱さ、唾液の味、そして獣のような匂い。それらを思い出すだけで、子宮の奥がきゅうと疼き、秘裂からはじゅわりと蜜が滲み出す。早く、あの男の元へ行きたい。もっと、めちゃくちゃにされたい。そんな、シノビとしても女としてもあるまじき背徳的な衝動が、小雪の全身を駆け巡っていた。
清掃を終え、小雪は意を決して上階へと続く薄暗い階段を上った。一歩踏み出すごとに、心臓の鼓動が早鐘のように胸を打つ。特別室の、ささくれだった木の扉の前に立ち、震える手でノックをする。中からは、低い声で「入れ」とだけ返ってきた。
息を飲み、扉を開ける。部屋の中央には、ベッドに腰掛けたレイスの姿があった。男は、小雪が来るのを待ちきれなかったとばかりに、すでに衣服を脱ぎ捨て、その逞しい肉体を惜しげもなく晒していた。使い古された革鎧の下に隠されていたのは、歴戦の傭兵であることを物語る、筋肉質で引き締まった身体だった。分厚い胸板はまるで岩盤のようで、硬質に隆起した腹筋は、さながら攻城兵器に耐えうる城壁のようだ。
しかし、それ以上に小雪の目を引いたのは、全身に刻まれた無数の傷跡であった。古い剣創、焼け爛れたような痕、そして最も目を引くのは、左肩から胸にかけて刻まれた、古代魔術文明の呪印を思わせる幾何学的な紋様。それは、ただの傷ではない。封じられた魔物の怨念か、あるいは古代遺跡の防衛機構が放った呪詛の痕跡か。エンブレス周辺の火山地帯には、古代の魔法文明の遺跡が点在し、そこには危険な魔物や、古代の呪いを守るガーディアンが存在すると言われている。あるいは、この男はそのような遺跡探索を生業とするトレジャーハンターなのかもしれない。それとも、もっと単純に、盗賊団同士の抗争や、自警団との戦闘で負った傷なのだろうか。その鋭い目つきと相まって、男がこれまでくぐり抜けてきたであろう修羅場を、その肉体は雄弁に物語っていた。
圧倒的な財力と、揺るぎようのない絶対的な自信。小雪は、自分の仕掛けた駆け引きが、いとも簡単に見透かされ、赤子の手をひねるように弄ばれたことを悟った。だが、不思議と悔しさは感じなかった。むしろ、この男の底知れない力に、抗いがたい魅力を感じ始めている自分に気づく。
心の中で、故郷に残した許嫁の、朴訥で優しい顔が浮かび、罪悪感が鋭いナイフのように胸を刺す。ごめんなさい。小さく、誰にも聞こえないように呟き、その思いを振り払うように、小雪は男の前に跪いた。そして、テーブルに置かれた男の、ゴツゴツとして傷だらけの手に、そっと自らの手を重ねる。そのまま、男の節くれだった指の甲に、恭しく、そしてどこか官能的に、濡れた唇を寄せた。それは、シノビとしての矜持を捨て、ただの「雌」として雄に傅く、完全な服従の証に他ならなかった。
男は満足そうに鼻を鳴らすと、小雪の顎を掴み、乱暴に引き寄せた。そして、有無を言わさず、その唇を貪るように奪う。
「♡ん゛ぅ…っ♡♡」
男の唇は乾いていて、まるで古びた革のように荒々しい。しかし、その奥から侵入してくる舌は、驚くほど熱く、巧みであった。それはまるで、獲物の急所を知り尽くした毒蛇のように、小雪の舌を捕らえ、絡め取り、口内の敏感な粘膜という粘膜を執拗に擦り上げていく。男の唾液が、小雪のそれと混じり合い、くちゅ、くちゅ、と卑猥な水音が響き渡った。濃い酒精と、男自身の獣のような匂いが、小雪の思考をじわじわと蕩かしていく。身体の芯から熱い痺れが駆け上り、膝ががくがくと震えだした。乳首は硬く尖り、給仕服の薄い布地の上からでも分かるほどにその存在を主張している。秘裂からは、もう止めどなく蜜が溢れ出し、太ももを濡らし始めていた。男の支配を受け入れる準備が、急速に整っていく。
「♡ん゛ーッ♡ん゛ん゛♡ん゛、ぅ♡は、あ゛ッ♡ん゛、ぐぅ♡♡♡おじ、さまぁ…♡♡♡」
くぐもった嬌声が、唇の隙間から漏れ出す。それは、抵抗ではなく、むしろ更なる支配を求めるような、甘く蕩けた響きを帯びていた。
◇◇◇
男は一足先に「特別室」へと向かった。その逞しい背中を見送りながら、小雪は言いようのない不安と、それに相反する身体の疼きに、ただ立ち尽くすしかなかった。閉店後の片付けは、どこか上の空だった。床を掃き、テーブルを拭き、エールで汚れたグラスを洗う。その単純な作業の間も、思考は先ほど別れた男――レイスのことばかりを考えてしまう。あの爬虫類のように冷たく、感情の読めない目。全身から発散される、血と鉄と死が混じり合った危険な匂い。そして、有無を言わせぬ絶対的な威圧感。これまでの客とは明らかに違う。彼は、この赤煙亭の、そしてその背後にあるであろう盗賊団という闇の、核心にいる人物に違いない。任務はいよいよ佳境だ。しかし、それは自分がより深く、より抗いがたい危険にその身を投じることを意味していた。
不安に心が軋む。だが、それとは裏腹に、身体は奇妙な期待に打ち震えていた。若き主君に与えられた妙薬の影響か、あるいはこの数日間の度重なる陵辱によって、心身が歪められてしまったのか。あの男に支配されることへの、倒錯した興奮が腹の底からマグマのように湧き上がってくるのを止められない。思い出されるのは、先ほどの濃厚で暴力的な口づけ。男の乾いた唇の感触、侵入してきた舌の熱さ、唾液の味、そして獣のような匂い。それらを思い出すだけで、子宮の奥がきゅうと疼き、秘裂からはじゅわりと蜜が滲み出す。早く、あの男の元へ行きたい。もっと、めちゃくちゃにされたい。そんな、シノビとしても女としてもあるまじき背徳的な衝動が、小雪の全身を駆け巡っていた。
清掃を終え、小雪は意を決して上階へと続く薄暗い階段を上った。一歩踏み出すごとに、心臓の鼓動が早鐘のように胸を打つ。特別室の、ささくれだった木の扉の前に立ち、震える手でノックをする。中からは、低い声で「入れ」とだけ返ってきた。
息を飲み、扉を開ける。部屋の中央には、ベッドに腰掛けたレイスの姿があった。男は、小雪が来るのを待ちきれなかったとばかりに、すでに衣服を脱ぎ捨て、その逞しい肉体を惜しげもなく晒していた。使い古された革鎧の下に隠されていたのは、歴戦の傭兵であることを物語る、筋肉質で引き締まった身体だった。分厚い胸板はまるで岩盤のようで、硬質に隆起した腹筋は、さながら攻城兵器に耐えうる城壁のようだ。
しかし、それ以上に小雪の目を引いたのは、全身に刻まれた無数の傷跡であった。古い剣創、焼け爛れたような痕、そして最も目を引くのは、左肩から胸にかけて刻まれた、古代魔術文明の呪印を思わせる幾何学的な紋様。それは、ただの傷ではない。封じられた魔物の怨念か、あるいは古代遺跡の防衛機構が放った呪詛の痕跡か。エンブレス周辺の火山地帯には、古代の魔法文明の遺跡が点在し、そこには危険な魔物や、古代の呪いを守るガーディアンが存在すると言われている。あるいは、この男はそのような遺跡探索を生業とするトレジャーハンターなのかもしれない。それとも、もっと単純に、盗賊団同士の抗争や、自警団との戦闘で負った傷なのだろうか。その鋭い目つきと相まって、男がこれまでくぐり抜けてきたであろう修羅場を、その肉体は雄弁に物語っていた。
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