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第55話:聖女の力の発露
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翌朝。中央厨房は、昨夜の何事もなかったかのように活気に満ちていた。
「うう……頭が痛い。昨夜のワインは少し効きすぎたな」
「全くだ。目が覚めたら朝だった。警備の持ち場を放棄してしまったとは……団長に知られたら大変なことになる」
眠り薬入りのワインを飲んでしまった料理人や騎士たちは、ひどい二日酔いのような症状に悩まされながらも、それぞれの仕事に戻っていた。誰も自分たちが薬で眠らされていたなどとは夢にも思っていない。
私が厨房に到着した時も、皆少し顔色は悪かったが、歓迎の宴の準備のために必死に手を動かしていた。
「おはようございます、皆さん。昨夜は差し入れがあったそうですね」
私が声をかけると、料理長がバツの悪そうな顔で頭を掻いた。
「おお、アリア姫。申し訳ない。リンドブルムの王女様からの差し入れだと聞いて、つい頂いてしまいましてな。おかげでこの様です」
「ふふ。たまには息抜きも必要ですよ」
私はそう言って笑い、自分専用の調理スペースへと向かった。
テーブルの上には、昨日の夕方に私が準備しておいたメインディッシュの材料がきちんと置かれている。美しい牛肉、色とりどりの野菜、そして特製のデミグラスソースもどきが入った壺。
(よし、異常なし、っと)
私は全ての材料の状態を確認し、満足げに頷いた。
これから作るのは、歓迎の宴のメインを飾るにふさわしいビーフシチューだ。帝国の皆への感謝と、そして姉様との和解へのほんの少しの期待を込めて。
私はまず新しいダマスカス包丁を手に取った。職人さんたちの魂が宿った、私の最高の相棒。その柄を握ると、不思議と心が落ち着き集中力が高まっていくのを感じる。
牛肉の塊に包丁を入れる。スッ、と何の抵抗もなく刃が肉の繊維を断ち切っていく。私はそれを一口大より少し大きめの、贅沢な大きさに切り分けていった。
次に野菜の準備。人参、玉ねぎもどき、そして芋によく似た根菜を、それぞれゴロゴロとした大きさにカットしていく。
全ての材料を切り終えた後、私は、いよいよシチューの心臓部であるソースの壺に手を伸ばした。
昨夜、イザベラの邪悪な呪いが混ぜ込まれた、あの壺に。
私は何の疑いもなくその壺の蓋を開けた。そして味を確認するために、小さなスプーンでソースを一口すくった。
(ん……?)
口に含んだ瞬間、私はほんのわずかな違和感を覚えた。
ソースの味そのものは完璧だ。私が昨日作った濃厚でコクのある最高の味。
しかし、その奥に、ほんの、本当に髪の毛一本ほどの微かな『苦味』と『えぐみ』を感じたのだ。
(きのせい、かしら……?)
それは他の誰かが食べても絶対に気づかないであろう、ごくごく僅かな違和感。しかし自分の料理の味を誰よりも知り尽くしている私だからこそ感じ取ることができた、小さなノイズ。
(少し寝かせすぎたのかしら。それともハーブの分量を間違えた…?)
私は首を傾げた。原因が分からない。しかし、このままでは最高の状態で料理を出すことはできない。
私は少しだけ考えた後、一つの決断をした。
「もう一度、火を入れ直しましょう」
私はソースの入った壺を大きな銅鍋に移し替えた。そして新しい魔導熱源コンロの上に置き、ごくごく弱火でゆっくりと加熱を始めた。
その時、私自身も全く予期していなかった現象が起きた。
私が鍋の取っ手にそっと手を触れた、その瞬間。
私の体の中から温かい、柔らかな何かが流れ出していくのを感じた。それは私の意思とは関係なく、私の手を通して銅鍋へと、そして鍋の中のソースへと、静かに、しかし確実に注ぎ込まれていく。
鍋の中のソースが、ほんの一瞬だけ、ごくごく微かに淡い黄金色の光を放ったように見えた。
(……気のせい、よね)
私は疲れているのだろうと、軽く頭を振った。
しかし、鍋の中では確かに奇跡が起きていた。
私の体から発せられた聖属性魔力【生命賛歌】。その万物を浄化し、生命力を活性化させる絶対的な聖なる力が、ソースの中に潜んでいたイザベラの邪悪な呪い『苦渋の粉塵』を、完全に無力化し消滅させていたのだ。
呪いの成分は分解され、ただの無害な物質へと還っていく。
しばらくして、私は再びソースの味を確かめてみた。
「……!」
私は驚いて目を見開いた。
あの微かな違和感が完全に消え失せている。それどころか味が昨日よりもさらに奥深く、まろやかになっている。まるで一晩寝かせたカレーのように、全ての素材の旨味が完璧に調和し溶け合っていた。
「よかった……。火を入れ直したのが良かったのね」
私は自分の機転を褒めながら安堵のため息をついた。
自分の体に宿る規格外の力に、私自身が全く気づいていない。その無自覚さが、イザベラの完璧なはずだった計画をいとも容易く打ち砕いてしまったのだ。
一方、その頃。イザベラは自室で宴の時間を今か今かと待ちわびていた。
彼女は侍女を使って、中央厨房の様子をそれとなく探らせていた。
「どう? 何か変わったことはあった?」
「いえ、特に……。アリア様は今、シチューの最後の仕上げをしておられるようですが、至って順調なご様子です」
侍女の報告に、イザベラは満足げに微笑んだ。
(順調、ですって? ふふ、愚かね。自分の料理が毒の塊になっているとも知らずに)
彼女の頭の中では、すでに宴の光景が鮮明に再生されていた。
アリアが自信満々にシチューを差し出す。それを食べた皇帝や貴族たちが、一口食べた途端に顔を歪め皿を突き返す。そして次々と腹を押さえて苦しみ出す。
阿鼻叫喚の地獄絵図。
その中心で、顔面蒼白になって震える愚かな妹の姿。
(最高だわ……! これ以上の娯楽があるかしら!)
彼女は扇で口元を隠し、くつくつと喉を鳴らして笑った。
何も知らないとは、恐ろしいことだ。
そして同時に、滑稽なことでもある。
彼女が思い描く悲劇のヒロインが自分自身であることに、彼女はまだ気づいていない。
運命の女神はどちらに微笑むのか。
その答えは、もうすぐ明らかになる。
夜の帳が下り、歓迎の宴の始まりを告げるファンファーレが王城に鳴り響いた。
「うう……頭が痛い。昨夜のワインは少し効きすぎたな」
「全くだ。目が覚めたら朝だった。警備の持ち場を放棄してしまったとは……団長に知られたら大変なことになる」
眠り薬入りのワインを飲んでしまった料理人や騎士たちは、ひどい二日酔いのような症状に悩まされながらも、それぞれの仕事に戻っていた。誰も自分たちが薬で眠らされていたなどとは夢にも思っていない。
私が厨房に到着した時も、皆少し顔色は悪かったが、歓迎の宴の準備のために必死に手を動かしていた。
「おはようございます、皆さん。昨夜は差し入れがあったそうですね」
私が声をかけると、料理長がバツの悪そうな顔で頭を掻いた。
「おお、アリア姫。申し訳ない。リンドブルムの王女様からの差し入れだと聞いて、つい頂いてしまいましてな。おかげでこの様です」
「ふふ。たまには息抜きも必要ですよ」
私はそう言って笑い、自分専用の調理スペースへと向かった。
テーブルの上には、昨日の夕方に私が準備しておいたメインディッシュの材料がきちんと置かれている。美しい牛肉、色とりどりの野菜、そして特製のデミグラスソースもどきが入った壺。
(よし、異常なし、っと)
私は全ての材料の状態を確認し、満足げに頷いた。
これから作るのは、歓迎の宴のメインを飾るにふさわしいビーフシチューだ。帝国の皆への感謝と、そして姉様との和解へのほんの少しの期待を込めて。
私はまず新しいダマスカス包丁を手に取った。職人さんたちの魂が宿った、私の最高の相棒。その柄を握ると、不思議と心が落ち着き集中力が高まっていくのを感じる。
牛肉の塊に包丁を入れる。スッ、と何の抵抗もなく刃が肉の繊維を断ち切っていく。私はそれを一口大より少し大きめの、贅沢な大きさに切り分けていった。
次に野菜の準備。人参、玉ねぎもどき、そして芋によく似た根菜を、それぞれゴロゴロとした大きさにカットしていく。
全ての材料を切り終えた後、私は、いよいよシチューの心臓部であるソースの壺に手を伸ばした。
昨夜、イザベラの邪悪な呪いが混ぜ込まれた、あの壺に。
私は何の疑いもなくその壺の蓋を開けた。そして味を確認するために、小さなスプーンでソースを一口すくった。
(ん……?)
口に含んだ瞬間、私はほんのわずかな違和感を覚えた。
ソースの味そのものは完璧だ。私が昨日作った濃厚でコクのある最高の味。
しかし、その奥に、ほんの、本当に髪の毛一本ほどの微かな『苦味』と『えぐみ』を感じたのだ。
(きのせい、かしら……?)
それは他の誰かが食べても絶対に気づかないであろう、ごくごく僅かな違和感。しかし自分の料理の味を誰よりも知り尽くしている私だからこそ感じ取ることができた、小さなノイズ。
(少し寝かせすぎたのかしら。それともハーブの分量を間違えた…?)
私は首を傾げた。原因が分からない。しかし、このままでは最高の状態で料理を出すことはできない。
私は少しだけ考えた後、一つの決断をした。
「もう一度、火を入れ直しましょう」
私はソースの入った壺を大きな銅鍋に移し替えた。そして新しい魔導熱源コンロの上に置き、ごくごく弱火でゆっくりと加熱を始めた。
その時、私自身も全く予期していなかった現象が起きた。
私が鍋の取っ手にそっと手を触れた、その瞬間。
私の体の中から温かい、柔らかな何かが流れ出していくのを感じた。それは私の意思とは関係なく、私の手を通して銅鍋へと、そして鍋の中のソースへと、静かに、しかし確実に注ぎ込まれていく。
鍋の中のソースが、ほんの一瞬だけ、ごくごく微かに淡い黄金色の光を放ったように見えた。
(……気のせい、よね)
私は疲れているのだろうと、軽く頭を振った。
しかし、鍋の中では確かに奇跡が起きていた。
私の体から発せられた聖属性魔力【生命賛歌】。その万物を浄化し、生命力を活性化させる絶対的な聖なる力が、ソースの中に潜んでいたイザベラの邪悪な呪い『苦渋の粉塵』を、完全に無力化し消滅させていたのだ。
呪いの成分は分解され、ただの無害な物質へと還っていく。
しばらくして、私は再びソースの味を確かめてみた。
「……!」
私は驚いて目を見開いた。
あの微かな違和感が完全に消え失せている。それどころか味が昨日よりもさらに奥深く、まろやかになっている。まるで一晩寝かせたカレーのように、全ての素材の旨味が完璧に調和し溶け合っていた。
「よかった……。火を入れ直したのが良かったのね」
私は自分の機転を褒めながら安堵のため息をついた。
自分の体に宿る規格外の力に、私自身が全く気づいていない。その無自覚さが、イザベラの完璧なはずだった計画をいとも容易く打ち砕いてしまったのだ。
一方、その頃。イザベラは自室で宴の時間を今か今かと待ちわびていた。
彼女は侍女を使って、中央厨房の様子をそれとなく探らせていた。
「どう? 何か変わったことはあった?」
「いえ、特に……。アリア様は今、シチューの最後の仕上げをしておられるようですが、至って順調なご様子です」
侍女の報告に、イザベラは満足げに微笑んだ。
(順調、ですって? ふふ、愚かね。自分の料理が毒の塊になっているとも知らずに)
彼女の頭の中では、すでに宴の光景が鮮明に再生されていた。
アリアが自信満々にシチューを差し出す。それを食べた皇帝や貴族たちが、一口食べた途端に顔を歪め皿を突き返す。そして次々と腹を押さえて苦しみ出す。
阿鼻叫喚の地獄絵図。
その中心で、顔面蒼白になって震える愚かな妹の姿。
(最高だわ……! これ以上の娯楽があるかしら!)
彼女は扇で口元を隠し、くつくつと喉を鳴らして笑った。
何も知らないとは、恐ろしいことだ。
そして同時に、滑稽なことでもある。
彼女が思い描く悲劇のヒロインが自分自身であることに、彼女はまだ気づいていない。
運命の女神はどちらに微笑むのか。
その答えは、もうすぐ明らかになる。
夜の帳が下り、歓迎の宴の始まりを告げるファンファーレが王城に鳴り響いた。
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