54 / 61
第五十三話:遺されたデータと新たな座標
しおりを挟む
実験室の静寂は、砕けたガラスや破壊された機器の残骸が転がる床の上で、ひどく重苦しく感じられた。相沢が光の粒子となって消えた空間には、もう何も残っていない。ただ、俺の手の中にある小さなデータチップだけが、彼が確かに存在し、苦しみ、そして何かを託そうとした証だった。
「…行こう」
俺は、深い疲労と、それ以上に重い感情を押し殺し、仲間たちに声をかけた。感傷に浸っている暇はない。ここは敵地の真っ只中であり、いつアトラス社の増援が来てもおかしくない。
セバスチャンが迅速に指示を出す。
「レン様、栞様、ミナ様は先行し、脱出経路の安全確保を。私が殿を務めます。神崎様は、私のすぐ前へ」
彼の判断は的確だった。レンたちは頷き、警戒しながらも素早く動き出す。俺はセバスチャンに支えられるようにして立ち上がり、相沢が落としたデータチップを慎重にポケットにしまい込んだ。
研究セクションを出て、地下通路を戻る。道中、新たな警備兵やキメラに遭遇することはなかった。おそらく、リーダーと主力キメラが倒されたことで、施設全体の指揮系統が混乱しているのだろう。あるいは、セバスチャンが言っていたように、リンドバーグ家による外部からのハッキングが、敵の動きを鈍らせているのかもしれない。
それでも、俺たちは警戒を緩めなかった。破壊された隔壁、散乱する戦闘の痕跡。それらが生々しく残る通路を、息を殺して進む。
道中、レンが俺の隣に並び、低い声で言った。
「…譲。さっきの…相沢とかいう奴のことだが…」
「……」
「…辛いだろうが、お前は間違ってない。あいつは…敵だった。そして、最後は…お前に何かを託そうとしていたように見えた」
レンなりの、不器用な慰めの言葉だったのかもしれない。あるいは、彼自身も、家との確執や過去のしがらみの中で、似たような痛みを抱えているのかもしれない。
「…ああ。分かってる」
俺は短く答えた。今は、それ以上の言葉を交わす気にはなれなかった。
栞とミナも、時折心配そうに俺を振り返る。彼女たちの無言の気遣いが、今はありがたかった。
地下排水路まで戻り、侵入時とは逆のルートで地上へと脱出する。森の中を抜け、待機させていた装甲車両に乗り込んだ時には、東の空が白み始めていた。
フロンティアへの帰路は、行きとは打って変わって重い沈黙に包まれていた。誰もが、今回の潜入作戦で経験したこと、目にしたものの重さを、それぞれの胸の中で受け止めようとしていた。
研究工房に戻ると、俺たちはまず、それぞれの疲労を癒すために休息を取ることにした。シャワーを浴び、仮眠を取る。だが、俺の眠りは浅く、相沢の最後の言葉と表情が、何度も夢の中に現れた。
数時間後、少しだけ回復した俺は、工房のメインコンソールに向かい、あのデータチップを挿入した。他のメンバーも、いつの間にか集まってきており、固唾を飲んでモニターを見守っている。
データチップの暗号化は強固だったが、高村研究室由来のものと思われる、俺にも馴染みのあるプロトコルが使われていた。俺は、『法則干渉ツール』と自身の知識を組み合わせ、慎重にアクセスを開始する。
数分の解析の後、ついにデータへのアクセスに成功した。モニターに表示されたのは、膨大な量の研究データと、いくつかの個人的な記録ファイルだった。
「これは…!」
研究データは、高村教授が進めていた『時空制御理論』の核心部分だった。そこには、時間と空間の相互作用、多次元構造、そして…プライマル・コードやグラビティ・コードにも繋がる、世界の根源的な法則に関する、驚くべき理論が記述されていた。それは、現代物理学の遥か先を行く、まさに異次元の知見だった。
(先生は…ここまで到達していたのか…!)
そして、個人的な記録ファイル。それは、相沢自身が遺したものだった。彼が『ノア』に接触した経緯、協力する中で抱いた葛藤、そして改造され、意識を奪われていく過程での、断片的な苦悩の記録。
『…譲、すまない…。僕は、道を踏み外した…。だが、このままでは終われない…。ノアの目的は…世界の『再編』…いや、それは破壊だ…。彼らは、古代の力を悪用し、世界を…自分たちの都合の良い形に作り変えようとしている…。高村先生の理論も、そのために…』
『…僕の意識は、もう長くは保たないだろう…。だが、この情報だけは、君に託さなければ…。ノアの計画…その中核となる『アーク計画』…その座標データが、このチップの深層部に隠されているはずだ…。僕にはもう、それを解読する力は残っていないが…君なら…』
『…最後に…もう一度だけ…君と…話したかった…』
記録は、そこで途切れていた。
俺は、モニターに映し出された相沢の言葉を、ただ呆然と見つめていた。涙が、再び溢れてくるのを止められなかった。彼は、最後まで親友であろうとしていた。そして、最後の最後に、世界を救うための情報を、俺に託そうとしていたのだ。
「…相沢…」
他のメンバーも、言葉を失っていた。相沢の苦悩と、託された情報の重さに、誰もが打ちのめされていた。
「『ノア』…世界の再編…『アーク計画』…」
セバスチャンが、低い声で呟いた。彼の表情も、いつになく険しい。
「座標データ…? それを見つけ出せば、ノアの本拠地や、計画の核心に迫れるかもしれないということか?」
レンが、怒りと決意の入り混じった表情で言った。
「だが、そのデータはチップの深層部に隠されている…解読できるのか、譲?」
栞が、心配そうに俺を見た。
俺は、涙を拭い、モニターに向き直った。相沢が遺した最後の希望。それを無駄にするわけにはいかない。
「…やってみるしかない。高村先生の理論、クロノスの刻印から得た知識、そして俺の『法則干渉』。それらを総動員すれば、あるいは…」
俺は、データチップの深層解析を開始した。それは、これまでのどのハッキングよりも複雑で、高度な作業になるだろう。だが、俺にはもう、迷いはなかった。
解析作業は、再び数日間に及んだ。工房には、静かな、しかし確かな決意に満ちた空気が流れていた。レンたちは、俺の解析作業をサポートしつつ、それぞれが今回の経験を糧にして、新たな訓練や研究に取り組んでいた。セバスチャンは、リンドバーグ家の情報網を駆使し、『ノア』に関するさらなる情報収集と、アトラス社への牽制を続けている。
そして、ついに。
「…見つけたぞ!」
俺は、歓喜とも疲労ともつかない声を上げた。データチップの暗号化された深層領域から、一つの座標データと、いくつかの断片的なキーワード(『揺り籠』、『始祖粒子』、『調律の日』など)を抽出することに成功したのだ。
座標が示す場所は…フロンティアから遠く離れた、未踏の極地。あるいは、地図に載っていない、隠された場所か。
「これが、『ノア』の…『アーク計画』の場所…?」
俺たちは、モニターに表示された座標データを、固唾を飲んで見つめていた。
それは、新たな冒険の始まりを示す座標であると同時に、世界の運命を左右する、最終決戦の地へと繋がる道標なのかもしれない。
遺されたデータは、俺たちに新たな道を示した。過去への決着、そして未来への選択。俺たちの戦いは、ここからさらに激化し、世界の真実へと迫っていく。その先に待ち受けるものが何であれ、俺たちは進むしかない。託された意志と、自らの法則を信じて。物語は、最終章へと向かう、大きな転換点を迎えた。
「…行こう」
俺は、深い疲労と、それ以上に重い感情を押し殺し、仲間たちに声をかけた。感傷に浸っている暇はない。ここは敵地の真っ只中であり、いつアトラス社の増援が来てもおかしくない。
セバスチャンが迅速に指示を出す。
「レン様、栞様、ミナ様は先行し、脱出経路の安全確保を。私が殿を務めます。神崎様は、私のすぐ前へ」
彼の判断は的確だった。レンたちは頷き、警戒しながらも素早く動き出す。俺はセバスチャンに支えられるようにして立ち上がり、相沢が落としたデータチップを慎重にポケットにしまい込んだ。
研究セクションを出て、地下通路を戻る。道中、新たな警備兵やキメラに遭遇することはなかった。おそらく、リーダーと主力キメラが倒されたことで、施設全体の指揮系統が混乱しているのだろう。あるいは、セバスチャンが言っていたように、リンドバーグ家による外部からのハッキングが、敵の動きを鈍らせているのかもしれない。
それでも、俺たちは警戒を緩めなかった。破壊された隔壁、散乱する戦闘の痕跡。それらが生々しく残る通路を、息を殺して進む。
道中、レンが俺の隣に並び、低い声で言った。
「…譲。さっきの…相沢とかいう奴のことだが…」
「……」
「…辛いだろうが、お前は間違ってない。あいつは…敵だった。そして、最後は…お前に何かを託そうとしていたように見えた」
レンなりの、不器用な慰めの言葉だったのかもしれない。あるいは、彼自身も、家との確執や過去のしがらみの中で、似たような痛みを抱えているのかもしれない。
「…ああ。分かってる」
俺は短く答えた。今は、それ以上の言葉を交わす気にはなれなかった。
栞とミナも、時折心配そうに俺を振り返る。彼女たちの無言の気遣いが、今はありがたかった。
地下排水路まで戻り、侵入時とは逆のルートで地上へと脱出する。森の中を抜け、待機させていた装甲車両に乗り込んだ時には、東の空が白み始めていた。
フロンティアへの帰路は、行きとは打って変わって重い沈黙に包まれていた。誰もが、今回の潜入作戦で経験したこと、目にしたものの重さを、それぞれの胸の中で受け止めようとしていた。
研究工房に戻ると、俺たちはまず、それぞれの疲労を癒すために休息を取ることにした。シャワーを浴び、仮眠を取る。だが、俺の眠りは浅く、相沢の最後の言葉と表情が、何度も夢の中に現れた。
数時間後、少しだけ回復した俺は、工房のメインコンソールに向かい、あのデータチップを挿入した。他のメンバーも、いつの間にか集まってきており、固唾を飲んでモニターを見守っている。
データチップの暗号化は強固だったが、高村研究室由来のものと思われる、俺にも馴染みのあるプロトコルが使われていた。俺は、『法則干渉ツール』と自身の知識を組み合わせ、慎重にアクセスを開始する。
数分の解析の後、ついにデータへのアクセスに成功した。モニターに表示されたのは、膨大な量の研究データと、いくつかの個人的な記録ファイルだった。
「これは…!」
研究データは、高村教授が進めていた『時空制御理論』の核心部分だった。そこには、時間と空間の相互作用、多次元構造、そして…プライマル・コードやグラビティ・コードにも繋がる、世界の根源的な法則に関する、驚くべき理論が記述されていた。それは、現代物理学の遥か先を行く、まさに異次元の知見だった。
(先生は…ここまで到達していたのか…!)
そして、個人的な記録ファイル。それは、相沢自身が遺したものだった。彼が『ノア』に接触した経緯、協力する中で抱いた葛藤、そして改造され、意識を奪われていく過程での、断片的な苦悩の記録。
『…譲、すまない…。僕は、道を踏み外した…。だが、このままでは終われない…。ノアの目的は…世界の『再編』…いや、それは破壊だ…。彼らは、古代の力を悪用し、世界を…自分たちの都合の良い形に作り変えようとしている…。高村先生の理論も、そのために…』
『…僕の意識は、もう長くは保たないだろう…。だが、この情報だけは、君に託さなければ…。ノアの計画…その中核となる『アーク計画』…その座標データが、このチップの深層部に隠されているはずだ…。僕にはもう、それを解読する力は残っていないが…君なら…』
『…最後に…もう一度だけ…君と…話したかった…』
記録は、そこで途切れていた。
俺は、モニターに映し出された相沢の言葉を、ただ呆然と見つめていた。涙が、再び溢れてくるのを止められなかった。彼は、最後まで親友であろうとしていた。そして、最後の最後に、世界を救うための情報を、俺に託そうとしていたのだ。
「…相沢…」
他のメンバーも、言葉を失っていた。相沢の苦悩と、託された情報の重さに、誰もが打ちのめされていた。
「『ノア』…世界の再編…『アーク計画』…」
セバスチャンが、低い声で呟いた。彼の表情も、いつになく険しい。
「座標データ…? それを見つけ出せば、ノアの本拠地や、計画の核心に迫れるかもしれないということか?」
レンが、怒りと決意の入り混じった表情で言った。
「だが、そのデータはチップの深層部に隠されている…解読できるのか、譲?」
栞が、心配そうに俺を見た。
俺は、涙を拭い、モニターに向き直った。相沢が遺した最後の希望。それを無駄にするわけにはいかない。
「…やってみるしかない。高村先生の理論、クロノスの刻印から得た知識、そして俺の『法則干渉』。それらを総動員すれば、あるいは…」
俺は、データチップの深層解析を開始した。それは、これまでのどのハッキングよりも複雑で、高度な作業になるだろう。だが、俺にはもう、迷いはなかった。
解析作業は、再び数日間に及んだ。工房には、静かな、しかし確かな決意に満ちた空気が流れていた。レンたちは、俺の解析作業をサポートしつつ、それぞれが今回の経験を糧にして、新たな訓練や研究に取り組んでいた。セバスチャンは、リンドバーグ家の情報網を駆使し、『ノア』に関するさらなる情報収集と、アトラス社への牽制を続けている。
そして、ついに。
「…見つけたぞ!」
俺は、歓喜とも疲労ともつかない声を上げた。データチップの暗号化された深層領域から、一つの座標データと、いくつかの断片的なキーワード(『揺り籠』、『始祖粒子』、『調律の日』など)を抽出することに成功したのだ。
座標が示す場所は…フロンティアから遠く離れた、未踏の極地。あるいは、地図に載っていない、隠された場所か。
「これが、『ノア』の…『アーク計画』の場所…?」
俺たちは、モニターに表示された座標データを、固唾を飲んで見つめていた。
それは、新たな冒険の始まりを示す座標であると同時に、世界の運命を左右する、最終決戦の地へと繋がる道標なのかもしれない。
遺されたデータは、俺たちに新たな道を示した。過去への決着、そして未来への選択。俺たちの戦いは、ここからさらに激化し、世界の真実へと迫っていく。その先に待ち受けるものが何であれ、俺たちは進むしかない。託された意志と、自らの法則を信じて。物語は、最終章へと向かう、大きな転換点を迎えた。
3
あなたにおすすめの小説
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜
大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。
広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。
ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。
彼の名はレッド=カーマイン。
最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。
※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる