追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る

夏見ナイ

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第81話:深淵の決戦、三つの力

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「――お前を、ここで止める!!」

俺の宣戦布告は、静寂に満ちた遺跡最深部に響き渡った。それに呼応するかのように、祭壇の上に浮かぶ巨大な黒水晶――汚染エーテル凝集核(マスターコア)――の禍々しい脈動が、一気に激しさを増した! 周囲の空間がぐにゃりと歪み、空気がビリビリと震えるほどの、圧倒的なプレッシャーが俺たちを襲う!

ゴオオオオオオォォォッ!!

マスターコアが、声なき咆哮を上げたかのように、その中心から濁流のような闇属性のエネルギー波を放った! それは広範囲を薙ぎ払う、純粋な破壊の奔流!

「シルフィ、防御を!」
「はいっ! 【エアロ・シールド・マキシマム】!」

シルフィが即座に反応し、俺たちの前面に最大出力の風の盾を展開する! 闇の波動が風の盾に激突し、凄まじい衝撃と轟音が発生! 盾は激しくきしみ、ひび割れていくが、なんとか直撃だけは防いでくれた。だが、その余波だけで俺たちの体は後方へと吹き飛ばされそうになる!

「くっ…なんて威力だ…!」
レナが歯を食いしばる。

闇の波動が収まったかと思うと、マスターコアは次なる手に出た。周囲に満ちる汚染された魔力を吸収し、その黒い体から影のような不定形の下級魔物を次々と生み出し始めたのだ!

「シャドウ・サーヴァント…! 石版にあったやつか!」

影の魔物は、実体があるのかないのか判別しにくい動きで、複数体が同時に俺たちへと襲いかかってくる!

「レナ、シャドウを頼む!」
「おうよ! チマチマうぜぇんだよ!」

レナは月光狼の力を部分的に解放し、そのスピードをさらに加速させる! 影の群れの中へと突撃し、鋭い爪と牙、そして改良された短剣で、次々とシャドウ・サーヴァントを引き裂き、蹴散らしていく! その動きはまさに赤い旋風だ。

「風よ、清浄なれ! 光を纏いて、闇を払え!」

シルフィもレナを援護する。彼女は風の精霊に呼びかけ、聖域のようなこの空間に満ちる清浄な(しかしマスターコアによって汚染されつつある)気を集め、浄化の力を持つ風を生み出す。その風はシャドウ・サーヴァントの動きを鈍らせ、さらに、彼女が習得したばかりの微弱な光の矢を風に乗せて放ち、影の体を霧散させていく!

俺はその間、【万物解析】をマスターコア本体に集中させていた。奴の攻撃パターン、エネルギーの流れ、そして弱点を必死に探る。圧倒的な力を持つ相手だが、必ずどこかに隙があるはずだ。

(…見つけた!)

解析の結果、マスターコアが強力な闇の波動を放った直後、ほんの一瞬だけ、そのエネルギー循環が不安定になり、コア本体の防御力が低下することを発見した! さらに、シャドウ・サーヴァントは、マスターコアからの魔力供給がなければ存在を維持できないことも確認できた。

「レナ! シャドウの相手はそこまでだ! 次の波動が来る前に、コアを叩くぞ!」
「シルフィ! 次の波動を防いだ後、レナがコアに到達するまでの援護を頼む! 光の魔法でシャドウの再生を阻害してくれ!」

俺は二人に指示を飛ばす! 再びマスターコアが闇の波動を放つ! シルフィが渾身の力で風の盾を展開し、それを耐えきる!

「今だ! 行け、レナ!」

波動が収まった、まさにその瞬間! レナはシャドウ・サーヴァントを振り切り、一直線にマスターコアへと突撃する!

だが、マスターコアも黙ってはいない! その表面から、黒く鋭い触手のようなものが無数に伸び、レナの行く手を阻む! さらに、新たなシャドウ・サーヴァントを次々と召喚し、壁となって立ちはだかる!

「邪魔だぁっ!」
レナは触手を切り裂き、シャドウを蹴散らしながら突き進むが、コアまでの距離がなかなか縮まらない!

「レナさん!」
シルフィが杖を掲げ、浄化の風と光の矢を連続で放ち、レナの進路を切り開こうとする! しかし、マスターコアから供給される闇のエネルギーはあまりに強大で、シャドウは倒しても倒しても湧いてくる! シルフィの魔力も、急速に消耗していく!

俺も短剣を手に取り、レナの側面から迫るシャドウを斬り伏せ、援護する! だが、マスターコア本体から放たれる牽制の闇の弾丸が、俺たちの連携を妨害する!

(くそっ…! コアに近づけない…!)

圧倒的な再生力と、多彩な攻撃。そして、あの巨大なエネルギーの塊そのものであるマスターコア本体。その力の前に、俺たちの攻撃はなかなか決定打とならない。徐々に、しかし確実に、俺たちは消耗し、追い詰められていく。

後方では、エリスが苦しそうに胸を押さえながら、必死に俺たちの戦いを見守っていた。彼女の瞳には、恐怖だけでなく、何か強い感情が揺らめいているようにも見えた。

(まだだ…! 諦めるな!)

俺は【万物解析】の精度をさらに上げ、マスターコアのエネルギー循環の、ほんの僅かな乱れ、防御の薄い瞬間を捉えようと、全神経を集中させる。必ず、突破口はあるはずだ。

辺境の未来を賭けた最終決戦。それは、始まったばかりだというのに、すでに俺たちに絶望的なまでの力の差を見せつけていた。だが、俺たちの心は、まだ折れていない。仲間との絆を力に変えて、この深淵の闇に、一筋の光をこじ開けてみせる!

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