81 / 100
第81話:深淵の決戦、三つの力
しおりを挟む
「――お前を、ここで止める!!」
俺の宣戦布告は、静寂に満ちた遺跡最深部に響き渡った。それに呼応するかのように、祭壇の上に浮かぶ巨大な黒水晶――汚染エーテル凝集核(マスターコア)――の禍々しい脈動が、一気に激しさを増した! 周囲の空間がぐにゃりと歪み、空気がビリビリと震えるほどの、圧倒的なプレッシャーが俺たちを襲う!
ゴオオオオオオォォォッ!!
マスターコアが、声なき咆哮を上げたかのように、その中心から濁流のような闇属性のエネルギー波を放った! それは広範囲を薙ぎ払う、純粋な破壊の奔流!
「シルフィ、防御を!」
「はいっ! 【エアロ・シールド・マキシマム】!」
シルフィが即座に反応し、俺たちの前面に最大出力の風の盾を展開する! 闇の波動が風の盾に激突し、凄まじい衝撃と轟音が発生! 盾は激しくきしみ、ひび割れていくが、なんとか直撃だけは防いでくれた。だが、その余波だけで俺たちの体は後方へと吹き飛ばされそうになる!
「くっ…なんて威力だ…!」
レナが歯を食いしばる。
闇の波動が収まったかと思うと、マスターコアは次なる手に出た。周囲に満ちる汚染された魔力を吸収し、その黒い体から影のような不定形の下級魔物を次々と生み出し始めたのだ!
「シャドウ・サーヴァント…! 石版にあったやつか!」
影の魔物は、実体があるのかないのか判別しにくい動きで、複数体が同時に俺たちへと襲いかかってくる!
「レナ、シャドウを頼む!」
「おうよ! チマチマうぜぇんだよ!」
レナは月光狼の力を部分的に解放し、そのスピードをさらに加速させる! 影の群れの中へと突撃し、鋭い爪と牙、そして改良された短剣で、次々とシャドウ・サーヴァントを引き裂き、蹴散らしていく! その動きはまさに赤い旋風だ。
「風よ、清浄なれ! 光を纏いて、闇を払え!」
シルフィもレナを援護する。彼女は風の精霊に呼びかけ、聖域のようなこの空間に満ちる清浄な(しかしマスターコアによって汚染されつつある)気を集め、浄化の力を持つ風を生み出す。その風はシャドウ・サーヴァントの動きを鈍らせ、さらに、彼女が習得したばかりの微弱な光の矢を風に乗せて放ち、影の体を霧散させていく!
俺はその間、【万物解析】をマスターコア本体に集中させていた。奴の攻撃パターン、エネルギーの流れ、そして弱点を必死に探る。圧倒的な力を持つ相手だが、必ずどこかに隙があるはずだ。
(…見つけた!)
解析の結果、マスターコアが強力な闇の波動を放った直後、ほんの一瞬だけ、そのエネルギー循環が不安定になり、コア本体の防御力が低下することを発見した! さらに、シャドウ・サーヴァントは、マスターコアからの魔力供給がなければ存在を維持できないことも確認できた。
「レナ! シャドウの相手はそこまでだ! 次の波動が来る前に、コアを叩くぞ!」
「シルフィ! 次の波動を防いだ後、レナがコアに到達するまでの援護を頼む! 光の魔法でシャドウの再生を阻害してくれ!」
俺は二人に指示を飛ばす! 再びマスターコアが闇の波動を放つ! シルフィが渾身の力で風の盾を展開し、それを耐えきる!
「今だ! 行け、レナ!」
波動が収まった、まさにその瞬間! レナはシャドウ・サーヴァントを振り切り、一直線にマスターコアへと突撃する!
だが、マスターコアも黙ってはいない! その表面から、黒く鋭い触手のようなものが無数に伸び、レナの行く手を阻む! さらに、新たなシャドウ・サーヴァントを次々と召喚し、壁となって立ちはだかる!
「邪魔だぁっ!」
レナは触手を切り裂き、シャドウを蹴散らしながら突き進むが、コアまでの距離がなかなか縮まらない!
「レナさん!」
シルフィが杖を掲げ、浄化の風と光の矢を連続で放ち、レナの進路を切り開こうとする! しかし、マスターコアから供給される闇のエネルギーはあまりに強大で、シャドウは倒しても倒しても湧いてくる! シルフィの魔力も、急速に消耗していく!
俺も短剣を手に取り、レナの側面から迫るシャドウを斬り伏せ、援護する! だが、マスターコア本体から放たれる牽制の闇の弾丸が、俺たちの連携を妨害する!
(くそっ…! コアに近づけない…!)
圧倒的な再生力と、多彩な攻撃。そして、あの巨大なエネルギーの塊そのものであるマスターコア本体。その力の前に、俺たちの攻撃はなかなか決定打とならない。徐々に、しかし確実に、俺たちは消耗し、追い詰められていく。
後方では、エリスが苦しそうに胸を押さえながら、必死に俺たちの戦いを見守っていた。彼女の瞳には、恐怖だけでなく、何か強い感情が揺らめいているようにも見えた。
(まだだ…! 諦めるな!)
俺は【万物解析】の精度をさらに上げ、マスターコアのエネルギー循環の、ほんの僅かな乱れ、防御の薄い瞬間を捉えようと、全神経を集中させる。必ず、突破口はあるはずだ。
辺境の未来を賭けた最終決戦。それは、始まったばかりだというのに、すでに俺たちに絶望的なまでの力の差を見せつけていた。だが、俺たちの心は、まだ折れていない。仲間との絆を力に変えて、この深淵の闇に、一筋の光をこじ開けてみせる!
俺の宣戦布告は、静寂に満ちた遺跡最深部に響き渡った。それに呼応するかのように、祭壇の上に浮かぶ巨大な黒水晶――汚染エーテル凝集核(マスターコア)――の禍々しい脈動が、一気に激しさを増した! 周囲の空間がぐにゃりと歪み、空気がビリビリと震えるほどの、圧倒的なプレッシャーが俺たちを襲う!
ゴオオオオオオォォォッ!!
マスターコアが、声なき咆哮を上げたかのように、その中心から濁流のような闇属性のエネルギー波を放った! それは広範囲を薙ぎ払う、純粋な破壊の奔流!
「シルフィ、防御を!」
「はいっ! 【エアロ・シールド・マキシマム】!」
シルフィが即座に反応し、俺たちの前面に最大出力の風の盾を展開する! 闇の波動が風の盾に激突し、凄まじい衝撃と轟音が発生! 盾は激しくきしみ、ひび割れていくが、なんとか直撃だけは防いでくれた。だが、その余波だけで俺たちの体は後方へと吹き飛ばされそうになる!
「くっ…なんて威力だ…!」
レナが歯を食いしばる。
闇の波動が収まったかと思うと、マスターコアは次なる手に出た。周囲に満ちる汚染された魔力を吸収し、その黒い体から影のような不定形の下級魔物を次々と生み出し始めたのだ!
「シャドウ・サーヴァント…! 石版にあったやつか!」
影の魔物は、実体があるのかないのか判別しにくい動きで、複数体が同時に俺たちへと襲いかかってくる!
「レナ、シャドウを頼む!」
「おうよ! チマチマうぜぇんだよ!」
レナは月光狼の力を部分的に解放し、そのスピードをさらに加速させる! 影の群れの中へと突撃し、鋭い爪と牙、そして改良された短剣で、次々とシャドウ・サーヴァントを引き裂き、蹴散らしていく! その動きはまさに赤い旋風だ。
「風よ、清浄なれ! 光を纏いて、闇を払え!」
シルフィもレナを援護する。彼女は風の精霊に呼びかけ、聖域のようなこの空間に満ちる清浄な(しかしマスターコアによって汚染されつつある)気を集め、浄化の力を持つ風を生み出す。その風はシャドウ・サーヴァントの動きを鈍らせ、さらに、彼女が習得したばかりの微弱な光の矢を風に乗せて放ち、影の体を霧散させていく!
俺はその間、【万物解析】をマスターコア本体に集中させていた。奴の攻撃パターン、エネルギーの流れ、そして弱点を必死に探る。圧倒的な力を持つ相手だが、必ずどこかに隙があるはずだ。
(…見つけた!)
解析の結果、マスターコアが強力な闇の波動を放った直後、ほんの一瞬だけ、そのエネルギー循環が不安定になり、コア本体の防御力が低下することを発見した! さらに、シャドウ・サーヴァントは、マスターコアからの魔力供給がなければ存在を維持できないことも確認できた。
「レナ! シャドウの相手はそこまでだ! 次の波動が来る前に、コアを叩くぞ!」
「シルフィ! 次の波動を防いだ後、レナがコアに到達するまでの援護を頼む! 光の魔法でシャドウの再生を阻害してくれ!」
俺は二人に指示を飛ばす! 再びマスターコアが闇の波動を放つ! シルフィが渾身の力で風の盾を展開し、それを耐えきる!
「今だ! 行け、レナ!」
波動が収まった、まさにその瞬間! レナはシャドウ・サーヴァントを振り切り、一直線にマスターコアへと突撃する!
だが、マスターコアも黙ってはいない! その表面から、黒く鋭い触手のようなものが無数に伸び、レナの行く手を阻む! さらに、新たなシャドウ・サーヴァントを次々と召喚し、壁となって立ちはだかる!
「邪魔だぁっ!」
レナは触手を切り裂き、シャドウを蹴散らしながら突き進むが、コアまでの距離がなかなか縮まらない!
「レナさん!」
シルフィが杖を掲げ、浄化の風と光の矢を連続で放ち、レナの進路を切り開こうとする! しかし、マスターコアから供給される闇のエネルギーはあまりに強大で、シャドウは倒しても倒しても湧いてくる! シルフィの魔力も、急速に消耗していく!
俺も短剣を手に取り、レナの側面から迫るシャドウを斬り伏せ、援護する! だが、マスターコア本体から放たれる牽制の闇の弾丸が、俺たちの連携を妨害する!
(くそっ…! コアに近づけない…!)
圧倒的な再生力と、多彩な攻撃。そして、あの巨大なエネルギーの塊そのものであるマスターコア本体。その力の前に、俺たちの攻撃はなかなか決定打とならない。徐々に、しかし確実に、俺たちは消耗し、追い詰められていく。
後方では、エリスが苦しそうに胸を押さえながら、必死に俺たちの戦いを見守っていた。彼女の瞳には、恐怖だけでなく、何か強い感情が揺らめいているようにも見えた。
(まだだ…! 諦めるな!)
俺は【万物解析】の精度をさらに上げ、マスターコアのエネルギー循環の、ほんの僅かな乱れ、防御の薄い瞬間を捉えようと、全神経を集中させる。必ず、突破口はあるはずだ。
辺境の未来を賭けた最終決戦。それは、始まったばかりだというのに、すでに俺たちに絶望的なまでの力の差を見せつけていた。だが、俺たちの心は、まだ折れていない。仲間との絆を力に変えて、この深淵の闇に、一筋の光をこじ開けてみせる!
36
あなたにおすすめの小説
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~
名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」
「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」
「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」
「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」
「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」
「くっ……」
問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。
彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。
さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。
「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」
「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」
「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」
拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。
これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。
外れスキル【削除&復元】が実は最強でした~色んなものを消して相手に押し付けたり自分のものにしたりする能力を得た少年の成り上がり~
名無し
ファンタジー
突如パーティーから追放されてしまった主人公のカイン。彼のスキルは【削除&復元】といって、荷物係しかできない無能だと思われていたのだ。独りぼっちとなったカインは、ギルドで仲間を募るも意地悪な男にバカにされてしまうが、それがきっかけで頭痛や相手のスキルさえも削除できる力があると知る。カインは一流冒険者として名を馳せるという夢をかなえるべく、色んなものを削除、復元して自分ものにしていき、またたく間に最強の冒険者へと駆け上がっていくのだった……。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
防御力ゼロと追放された盾使い、実は受けたダメージを100倍で反射する最強スキルを持ってました
黒崎隼人
ファンタジー
どんな攻撃も防げない【盾使い】のアッシュは、仲間から「歩く的」と罵られ、理不尽の限りを尽くされてパーティーを追放される。長年想いを寄せた少女にも裏切られ、全てを失った彼が死の淵で目覚めたのは、受けたダメージを百倍にして反射する攻防一体の最強スキルだった!
これは、無能と蔑まれた心優しき盾使いが、真の力に目覚め、最高の仲間と出会い、自分を虐げた者たちに鮮やかな鉄槌を下す、痛快な成り上がり英雄譚! 「もうお前たちの壁にはならない」――絶望の底から這い上がった男の、爽快な逆転劇が今、始まる。
なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?
名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」
「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」
「それは貴様が無能だからだ!」
「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」
「黙れ、とっととここから消えるがいい!」
それは突然の出来事だった。
SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。
そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。
「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」
「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」
「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」
ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。
その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。
「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる