41 / 64
第四十二話 初めて触れる温度
しおりを挟む
医療室は、清潔で、どこか冷たい空気に満ちていた。
壁一面に並んだ薬品棚。白い布がかけられた寝台。そして、部屋の中央に置かれた一張りの椅子。微かに漂う薬草の匂いが、ここが治療のための場所であることを示している。
ゼノン公爵は、その中央の椅子に無言で腰を下ろした。ギルバートが用意させたのだろう、脇のテーブルには真新しい包帯や消毒薬、清潔な布と水差しが整然と並べられていた。
私は、深呼吸を一つして、彼の前に立った。
これから、彼の傷に触れる。その事実に、心臓が大きく脈打った。
「…失礼、いたします」
私は、震える声でそう言うと、彼の左腕の軽装鎧に手をかけた。硬い革と金属でできたそれは、複雑な留め金で固定されている。不慣れな手つきで、一つ一つそれを外していく。指先が、思うように動かない。
彼は、ただ黙って、私のされるがままになっていた。その金色の瞳が、私の手元をじっと見つめている。
ようやく、鎧を取り外す。
次に、血で染まった黒いシャツの袖を、慎重に捲り上げた。
そして、彼の傷が、露わになった。
「…あっ」
思わず、息を呑む。
それは、彼が言ったような「掠り傷」などではなかった。敵の短剣が、彼の腕の肉を深く抉っている。傷口は赤黒く腫れ上がり、そこからまだ、じわりと血が滲み出ていた。
その生々しい光景が、私の罪悪感を再び掻き立てる。
私のせいで、彼が、これほどの傷を。
視界が、涙で滲みそうになるのを、必死で堪えた。泣いている場合ではない。私が、これを手当てするのだ。
私は、テーブルの上の水差しを取り、布を濡らして固く絞った。そして、彼の傷口の周りの血を、そっと拭い始める。
指先が、震えた。
その震えが、彼に伝わってしまうのが怖くて、私は腕に力を込めた。
彼の腕の筋肉が、ぴくりと硬直するのが分かった。
そして、私の指先が、初めて彼の素肌に、直接触れた。
その瞬間、時間が止まったかのような錯覚に陥った。
熱い。
氷の仮面を被り、常に冷たい静寂を纏う彼。その肌が、こんなにも温かいなんて。
それは、当たり前のことのはずなのに、私にとっては天地がひっくり返るほどの衝撃だった。
彼の肌は、鍛え上げられた鋼のように硬く、そして滑らかだった。その下で、力強い血管が微かに脈打っているのが、指先を通して伝わってくる。
これが、生きている人間の、温度。
これが、ゼノン・エルヴァインという男の、生命そのもの。
私は、拭う手も忘れて、その温かさに、しばし心を奪われていた。
「…続けろ」
彼の、低く、少しだけ掠れた声が、私を我に返らせた。
「は、はい…!」
私は、慌てて作業を再開した。
傷口を丁寧に清め、消毒薬を染み込ませた布を、そっと押し当てる。
「…っ」
彼の体が、一瞬だけ、微かに強張った。消毒薬が、傷口に染みたのだろう。彼は、歯を食いしばり、痛みに耐えている。
その顔は、相変わらずの無表情。
けれど、彼の静かな呼吸のリズムが、ほんの少しだけ乱れたのを、私の耳は確かに捉えていた。
彼は、痛いのだ。
当たり前だ。これほどの深手を負っているのだから。
その事実が、私の胸を締め付けた。
「…痛みますか」
私は、尋ねずにはいられなかった。
彼は、答えなかった。
ただ、その金色の瞳で、真っ直ぐに私を見つめ返してくるだけ。
その瞳の奥に、私が今まで見たことのない、複雑な色が揺らめいていた。
それは、痛みであり、戸惑いであり、そして、もっと別の、名前のない感情。
私は、その視線から逃れるように、俯いた。
そして、最後の仕上げとして、清潔な包帯を手に取った。
彼の腕に、包帯を巻いていく。その作業は、必然的に、私たちの距離を極限まで近づけた。
私の顔が、彼の胸元に触れそうなほど近くにある。彼の、静かな呼吸。その息遣いが、私の髪を優しく揺らした。
医療室の静寂の中で、聞こえるのは、互いの呼吸音と、布が擦れる微かな音だけ。
そのあまりにも親密な空気に、私の心臓は、もう破裂してしまいそうだった。
ようやく、最後の一巻きを終え、包帯の端を丁寧に結ぶ。
「…終わり、ました」
私が、顔を上げた時。
彼の顔が、すぐそこにあった。
ほんの少し顔を傾ければ、唇が触れ合ってしまいそうなほどの、至近距離。
彼の金色の瞳が、すぐ間近で、私を捉えていた。その瞳の奥の、熱を帯びた揺らめきが、今ははっきりと見て取れる。
私たちは、見つめ合ったまま、動けなかった。
時間が、再び止まる。
このまま、何かが起きてしまうのではないか。
そんな、甘く、そして恐ろしい予感が、私の全身を駆け巡った。
先に、その沈黙を破ったのは、彼だった。
彼は、ゆっくりと、本当にゆっくりと、私から視線を逸らした。そして、何事もなかったかのように、平坦な声で言った。
「…ご苦労だった」
その一言で、魔法は解けた。
私は、はっと我に返ると、慌てて彼から身を引いた。顔が、火が出そうなほど熱い。
「い、いえ…!とんでもないです…!」
私は、しどろもどろにそう言うと、テーブルの上の道具を片付け始めた。その指先は、まだ微かに震えている。
彼は、椅子から静かに立ち上がった。そして、私が巻いた包帯を、一瞥する。
その仕上がりは、お世辞にも上手いとは言えない、不格好なものだった。
しかし、彼は何も言わなかった。
ただ、その白い包帯を、傷ついた腕を庇うように、反対の手で、そっと撫でただけだった。
その仕草が、何を意味するのか。
私には、まだ分からなかった。
「もう、休め」
彼は、それだけを私に残し、静かに医療室を後にしていった。
一人残された部屋で、私はしばらくの間、その場に立ち尽くしていた。
私の指先には、まだ、彼の肌の温かさが、生々しく残っている。
それは、この静寂の城の主が、ただの主人でも、取引相手でもなく、一人の「男性」であることを、私に強烈に意識させる、消えない感触だった。
私たちの関係は、もう元には戻れない。
この、初めて触れた温度が、私たち二人を、新たな、そしてもっと危険な領域へと、静かに導き始めていた。
壁一面に並んだ薬品棚。白い布がかけられた寝台。そして、部屋の中央に置かれた一張りの椅子。微かに漂う薬草の匂いが、ここが治療のための場所であることを示している。
ゼノン公爵は、その中央の椅子に無言で腰を下ろした。ギルバートが用意させたのだろう、脇のテーブルには真新しい包帯や消毒薬、清潔な布と水差しが整然と並べられていた。
私は、深呼吸を一つして、彼の前に立った。
これから、彼の傷に触れる。その事実に、心臓が大きく脈打った。
「…失礼、いたします」
私は、震える声でそう言うと、彼の左腕の軽装鎧に手をかけた。硬い革と金属でできたそれは、複雑な留め金で固定されている。不慣れな手つきで、一つ一つそれを外していく。指先が、思うように動かない。
彼は、ただ黙って、私のされるがままになっていた。その金色の瞳が、私の手元をじっと見つめている。
ようやく、鎧を取り外す。
次に、血で染まった黒いシャツの袖を、慎重に捲り上げた。
そして、彼の傷が、露わになった。
「…あっ」
思わず、息を呑む。
それは、彼が言ったような「掠り傷」などではなかった。敵の短剣が、彼の腕の肉を深く抉っている。傷口は赤黒く腫れ上がり、そこからまだ、じわりと血が滲み出ていた。
その生々しい光景が、私の罪悪感を再び掻き立てる。
私のせいで、彼が、これほどの傷を。
視界が、涙で滲みそうになるのを、必死で堪えた。泣いている場合ではない。私が、これを手当てするのだ。
私は、テーブルの上の水差しを取り、布を濡らして固く絞った。そして、彼の傷口の周りの血を、そっと拭い始める。
指先が、震えた。
その震えが、彼に伝わってしまうのが怖くて、私は腕に力を込めた。
彼の腕の筋肉が、ぴくりと硬直するのが分かった。
そして、私の指先が、初めて彼の素肌に、直接触れた。
その瞬間、時間が止まったかのような錯覚に陥った。
熱い。
氷の仮面を被り、常に冷たい静寂を纏う彼。その肌が、こんなにも温かいなんて。
それは、当たり前のことのはずなのに、私にとっては天地がひっくり返るほどの衝撃だった。
彼の肌は、鍛え上げられた鋼のように硬く、そして滑らかだった。その下で、力強い血管が微かに脈打っているのが、指先を通して伝わってくる。
これが、生きている人間の、温度。
これが、ゼノン・エルヴァインという男の、生命そのもの。
私は、拭う手も忘れて、その温かさに、しばし心を奪われていた。
「…続けろ」
彼の、低く、少しだけ掠れた声が、私を我に返らせた。
「は、はい…!」
私は、慌てて作業を再開した。
傷口を丁寧に清め、消毒薬を染み込ませた布を、そっと押し当てる。
「…っ」
彼の体が、一瞬だけ、微かに強張った。消毒薬が、傷口に染みたのだろう。彼は、歯を食いしばり、痛みに耐えている。
その顔は、相変わらずの無表情。
けれど、彼の静かな呼吸のリズムが、ほんの少しだけ乱れたのを、私の耳は確かに捉えていた。
彼は、痛いのだ。
当たり前だ。これほどの深手を負っているのだから。
その事実が、私の胸を締め付けた。
「…痛みますか」
私は、尋ねずにはいられなかった。
彼は、答えなかった。
ただ、その金色の瞳で、真っ直ぐに私を見つめ返してくるだけ。
その瞳の奥に、私が今まで見たことのない、複雑な色が揺らめいていた。
それは、痛みであり、戸惑いであり、そして、もっと別の、名前のない感情。
私は、その視線から逃れるように、俯いた。
そして、最後の仕上げとして、清潔な包帯を手に取った。
彼の腕に、包帯を巻いていく。その作業は、必然的に、私たちの距離を極限まで近づけた。
私の顔が、彼の胸元に触れそうなほど近くにある。彼の、静かな呼吸。その息遣いが、私の髪を優しく揺らした。
医療室の静寂の中で、聞こえるのは、互いの呼吸音と、布が擦れる微かな音だけ。
そのあまりにも親密な空気に、私の心臓は、もう破裂してしまいそうだった。
ようやく、最後の一巻きを終え、包帯の端を丁寧に結ぶ。
「…終わり、ました」
私が、顔を上げた時。
彼の顔が、すぐそこにあった。
ほんの少し顔を傾ければ、唇が触れ合ってしまいそうなほどの、至近距離。
彼の金色の瞳が、すぐ間近で、私を捉えていた。その瞳の奥の、熱を帯びた揺らめきが、今ははっきりと見て取れる。
私たちは、見つめ合ったまま、動けなかった。
時間が、再び止まる。
このまま、何かが起きてしまうのではないか。
そんな、甘く、そして恐ろしい予感が、私の全身を駆け巡った。
先に、その沈黙を破ったのは、彼だった。
彼は、ゆっくりと、本当にゆっくりと、私から視線を逸らした。そして、何事もなかったかのように、平坦な声で言った。
「…ご苦労だった」
その一言で、魔法は解けた。
私は、はっと我に返ると、慌てて彼から身を引いた。顔が、火が出そうなほど熱い。
「い、いえ…!とんでもないです…!」
私は、しどろもどろにそう言うと、テーブルの上の道具を片付け始めた。その指先は、まだ微かに震えている。
彼は、椅子から静かに立ち上がった。そして、私が巻いた包帯を、一瞥する。
その仕上がりは、お世辞にも上手いとは言えない、不格好なものだった。
しかし、彼は何も言わなかった。
ただ、その白い包帯を、傷ついた腕を庇うように、反対の手で、そっと撫でただけだった。
その仕草が、何を意味するのか。
私には、まだ分からなかった。
「もう、休め」
彼は、それだけを私に残し、静かに医療室を後にしていった。
一人残された部屋で、私はしばらくの間、その場に立ち尽くしていた。
私の指先には、まだ、彼の肌の温かさが、生々しく残っている。
それは、この静寂の城の主が、ただの主人でも、取引相手でもなく、一人の「男性」であることを、私に強烈に意識させる、消えない感触だった。
私たちの関係は、もう元には戻れない。
この、初めて触れた温度が、私たち二人を、新たな、そしてもっと危険な領域へと、静かに導き始めていた。
15
あなたにおすすめの小説
聖女解任ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はマリア、職業は大聖女。ダグラス王国の聖女のトップだ。そんな私にある日災難(婚約者)が災難(難癖を付け)を呼び、聖女を解任された。やった〜っ!悩み事が全て無くなったから、2度と聖女の職には戻らないわよっ!?
元聖女がやっと手に入れた自由を満喫するお話しです。
【完結】大聖女は無能と蔑まれて追放される〜殿下、1%まで力を封じよと命令したことをお忘れですか?隣国の王子と婚約しましたので、もう戻りません
冬月光輝
恋愛
「稀代の大聖女が聞いて呆れる。フィアナ・イースフィル、君はこの国の聖女に相応しくない。職務怠慢の罪は重い。無能者には国を出ていってもらう。当然、君との婚約は破棄する」
アウゼルム王国の第二王子ユリアンは聖女フィアナに婚約破棄と国家追放の刑を言い渡す。
フィアナは侯爵家の令嬢だったが、両親を亡くしてからは教会に預けられて類稀なる魔法の才能を開花させて、その力は大聖女級だと教皇からお墨付きを貰うほどだった。
そんな彼女は無能者だと追放されるのは不満だった。
なぜなら――
「君が力を振るうと他国に狙われるし、それから守るための予算を割くのも勿体ない。明日からは能力を1%に抑えて出来るだけ働くな」
何を隠そう。フィアナに力を封印しろと命じたのはユリアンだったのだ。
彼はジェーンという国一番の美貌を持つ魔女に夢中になり、婚約者であるフィアナが邪魔になった。そして、自らが命じたことも忘れて彼女を糾弾したのである。
国家追放されてもフィアナは全く不自由しなかった。
「君の父親は命の恩人なんだ。私と婚約してその力を我が国の繁栄のために存分に振るってほしい」
隣国の王子、ローレンスは追放されたフィアナをすぐさま迎え入れ、彼女と婚約する。
一方、大聖女級の力を持つといわれる彼女を手放したことがバレてユリアンは国王陛下から大叱責を食らうことになっていた。
【完結】慰謝料は国家予算の半分!?真実の愛に目覚めたという殿下と婚約破棄しました〜国が危ないので返して欲しい?全額使ったので、今更遅いです
冬月光輝
恋愛
生まれつき高い魔力を持って生まれたアルゼオン侯爵家の令嬢アレインは、厳しい教育を受けてエデルタ皇国の聖女になり皇太子の婚約者となる。
しかし、皇太子は絶世の美女と名高い後輩聖女のエミールに夢中になりアレインに婚約破棄を求めた。
アレインは断固拒否するも、皇太子は「真実の愛に目覚めた。エミールが居れば何もいらない」と口にして、その証拠に国家予算の半分を慰謝料として渡すと宣言する。
後輩聖女のエミールは「気まずくなるからアレインと同じ仕事はしたくない」と皇太子に懇願したらしく、聖女を辞める退職金も含めているのだそうだ。
婚約破棄を承諾したアレインは大量の金塊や現金を規格外の収納魔法で一度に受け取った。
そして、実家に帰ってきた彼女は王族との縁談を金と引き換えに破棄したことを父親に責められて勘当されてしまう。
仕事を失って、実家を追放された彼女は国外に出ることを余儀なくされた彼女は法外な財力で借金に苦しむ獣人族の土地を買い上げて、スローライフをスタートさせた。
エデルタ皇国はいきなり国庫の蓄えが激減し、近年魔物が増えているにも関わらず強力な聖女も居なくなり、急速に衰退していく。
騎士団長を追放した平和ボケ王国は、七日で滅びました
藤原遊
ファンタジー
長らく戦のなかった王国で、
騎士団長の父を病で失った令嬢は、その座を引き継いだ。
だが王城に呼び出された彼女に告げられたのは、
騎士団の解体と婚約破棄。
理由はただ一つ――
「武力を持つ者は危険だから」。
平和ボケした王子は、
非力で可愛い令嬢を侍らせ、
彼女を“国の火種”として国外追放する。
しかし王国が攻められなかった本当の理由は、
騎士団長家が持つ“戦況を覆す力”への恐れだった。
追放された令嬢は、即座に隣国帝国へ迎えられ、
軍人として正当に評価され、安泰な地位を得る。
――そして一週間後。
守りを捨てた王国は、あっけなく陥落した。
これは、
「守る力」を理解しなかった国の末路と、
追放された騎士団長令嬢のその後の物語。
【完結】無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました
よどら文鳥
恋愛
エウレス皇国のラファエル皇太子から突然婚約破棄を告げられた。
どうやら魔道士のマーヤと婚約をしたいそうだ。
この国では王族も貴族も皆、私=リリアの聖女としての力を信用していない。
元々砂漠だったエウレス皇国全域に水の加護を与えて人が住める場所を作ってきたのだが、誰も信じてくれない。
だからこそ、私のことは不要だと思っているらしく、隣の砂漠の国カサラス王国へ追放される。
なんでも、カサラス王国のカルム王子が国の三分の一もの財宝と引き換えに迎え入れたいと打診があったそうだ。
国家の持つ財宝の三分の一も失えば国は確実に傾く。
カルム王子は何故そこまでして私を迎え入れようとしてくれているのだろうか。
カサラス王国へ行ってからは私の人生が劇的に変化していったのである。
だが、まだ砂漠の国で水など殆どない。
私は出会った人たちや国のためにも、なんとしてでもこの国に水の加護を与えていき住み良い国に変えていきたいと誓った。
ちなみに、国を去ったエウレス皇国には距離が離れているので、水の加護はもう反映されないけれど大丈夫なのだろうか。
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
【完結】 ご存知なかったのですね。聖女は愛されて力を発揮するのです
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
本当の聖女だと知っているのにも関わらずリンリーとの婚約を破棄し、リンリーの妹のリンナールと婚約すると言い出した王太子のヘルーラド。陛下が承諾したのなら仕方がないと身を引いたリンリー。
リンナールとヘルーラドの婚約発表の時、リンリーにとって追放ととれる発表までされて……。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる