26 / 100
第26話 学園祭準備とクラスの出し物
しおりを挟む
初めてのデートの翌日。
俺はどこかふわふわとした心地で、学園へと続く道を歩いていた。
昨日の出来事がまだ夢のように感じられる。繋いだ手の温もり、夕日に染まる湖畔で交わした約束、そして別れ際にかわした小指の感触。
その一つ一つを思い出すたびに胸の奥が温かくなり、自然と口元が緩んでしまう。
校門の前には見慣れた光景があった。
桜の木の下で、一人の少女が俺を待っている。
銀色の髪を朝の光に輝かせる、ルナリア・フォン・シルフィード。
俺の姿を認めると、彼女はぱあっと顔を輝かせ、小さな駆け足でこちらへやってきた。
「おはようございます、ユウキ様!」
「おはよう、ルナリアさん。今日も早いな」
「はい! ユウキ様にお会いできると思うと、昨夜は嬉しくてなかなか眠れませんでしたの」
さらりと言われた言葉に、俺の心臓がどきりと跳ねる。
彼女は昨日までと何も変わらない。だが、俺の中の彼女に対する認識は昨日を境に大きく変わってしまっていた。
制服姿の彼女をまともに見ることができない。
「ユウキ様? どうかされましたか? お顔が少し赤いですわ」
「な、なんでもない! さあ、行こう!」
俺は誤魔化すように早口で言うと、歩き出した。
ルナリアは不思議そうに小首を傾げたが、すぐににこりと微笑むと、昨日までと同じように俺の腕にそっと自分の腕を絡めてきた。
その感触に、俺の心臓はまた一つ大きな音を立てた。
もうダメだ。俺は彼女の一挙手一投足に、完全に心をかき乱されている。
◇
その日のホームルームは、いつもとは少し違う空気に包まれていた。
教壇に立ったギルバート先生が、一枚の羊皮紙を掲げながら言った。
「知っている者も多いと思うが、来月開催される創立記念祭…学園祭についてだ。各クラス、出し物を決めて準備に入るように。申請の締め切りは今週末だ」
その一言で教室は一気に活気づいた。
「学園祭か!」「今年はなにやる?」「去年は演劇だったよな!」
あちこちから期待に満ちた声が上がる。
俺は異世界に来て初めて経験する学園祭というイベントに、少しだけ興味を惹かれた。もちろん、面倒なことにならなければという条件付きだが。
そして放課後。
早速、クラスの出し物を決めるための話し合いが始まった。
日直が黒板の前に立ち、次々と意見を募っていく。
「模擬店はどうだ? 焼きそばとか、いかにも学園祭って感じで!」
「演劇にしましょうよ! 私、去年隣のクラスがやった『ロミオとジュリエット』に感動したんです!」
「お化け屋敷なんてどうかな? 意外性があって面白いと思うんだけど」
様々な案が出るがどれも決め手に欠け、話し合いは平行線を辿っていた。
俺はできれば準備が楽な展示系のものがいいな、などと他人事のように考えていた。
その時だった。
すっくと一人の生徒が立ち上がった。燃えるような真紅のポニーテールが、夕日を受けて鮮やかに輝く。
クラリス・フォン・ヴァレンシュタインだ。
彼女は応援団長としての自信に満ちた表情で教室全体を見渡すと、高らかに宣言した。
「皆様! わたくしに一つ提案がございますわ!」
その声に、全員の視線が集中する。
「今年の出し物は『メイド&執事喫茶』というのはいかがでしょう!」
その提案に教室は一瞬静まり返った。
そして次の瞬間、爆発的な歓声が巻き起こった。
「それだ!」「最高じゃないか!」「クラリス様、天才!」
特に男子生徒たちの熱狂ぶりは凄まじいものがあった。女子生徒たちも、可愛いメイド服が着られるとあって満更でもない様子だ。
クラリスは満足そうに頷くと、ちらりと俺とルナリアに視線を送った。
その目は、完全に獲物を狙う狩人の目をしていた。
「そして、この企画を成功させるためには強力な『看板』が必要ですわ。皆様、もうお分かりですわね?」
彼女の言葉に、クラスメイトたちがにやりと笑いながら一斉にこちらを向いた。
まずい。
俺の心に最大級の警報が鳴り響く。
これは完全に俺たちを巻き込むための筋書きだ。
「看板メイドには、もちろんこの学園の至宝、我らがルナリア様を!」
クラリスがそう言うと、「おおおお!」という地鳴りのような歓声が上がった。
ルナリアは突然自分の名前を呼ばれて、きょとんとした顔で目を瞬かせている。
「そして!」
クラリスは今度は俺をビシッと指さした。
「そのルナリア様にお仕えする看板執事には、ユウキ様しかおりませんわ!」
再び割れんばかりの拍手と歓声。
もはやクラスの総意は決定していた。
俺たちの意見など聞く気もないらしい。
俺はなんとかこの流れを断ち切ろうと、必死に断る理由を探した。
「い、いや、俺はそういうの柄じゃないし…もっと他に相応しいやつがいるだろ!」
「何をおっしゃいますか、ユウキ様!」
俺のささやかな抵抗は、クラリスによって一蹴された。
「ルナリア様の隣に立つことが許されるのは、この学園広しといえど貴方様をおいて他に存在しませんわ! これは、クラスの、いえ、学園全体の総意ですのよ!」
その無茶苦-茶な理論に、なぜかクラスメイトたちが力強く頷いている。
もうダメだ。打つ手がない。
俺が最後の望みをかけて隣を見ると、ルナリアが俺の袖をくいと引いた。
そしてキラキラと輝く瞳で、俺を見上げてきたのだ。
「ユウキ様…」
その声は期待に満ちていた。
「メイドさんと執事さん…ですの? ユウキ様の執事服姿、きっとすごく素敵ですわ…。それに、ユウキ様とご一緒に出し物ができるなんて、とても楽しそうです…!」
その純粋すぎる笑顔と期待に満ちた言葉。
それは俺の最後の抵抗を打ち砕くには、十分すぎるほどの威力を持っていた。
こんな顔をされて「嫌だ」なんて言えるはずがない。
俺は天を仰いだ。
そして力なく、一言だけ呟いた。
「…分かりました」
その瞬間、教室は今日一番の歓声に包まれた。
クラリスは「さすがですわ、ユウキ様!」と満足そうに頷き、クラスメイトたちはハイタッチを交わして喜んでいる。
まるで何か大きな戦いに勝利したかのようだ。
こうして、俺たちのクラスの出し物は「メイド&執事喫茶」に決定した。
そして俺とルナリアは、満場一致、というかもはや強制的にその看板役へと選ばれたのだった。
これから始まるであろう怒涛の準備期間を想像して、俺の胃は久しぶりに鋭い痛みを訴え始めた。
俺の平穏は、どこだ。
心の中でそう叫びながら、俺は隣で「どんなお給仕をしましょうか」と嬉しそうに呟くルナリアの横顔を、ただ見つめることしかできなかった。
学園祭は、どうやら俺にとって新たな試練の舞台となるらしい。
俺はどこかふわふわとした心地で、学園へと続く道を歩いていた。
昨日の出来事がまだ夢のように感じられる。繋いだ手の温もり、夕日に染まる湖畔で交わした約束、そして別れ際にかわした小指の感触。
その一つ一つを思い出すたびに胸の奥が温かくなり、自然と口元が緩んでしまう。
校門の前には見慣れた光景があった。
桜の木の下で、一人の少女が俺を待っている。
銀色の髪を朝の光に輝かせる、ルナリア・フォン・シルフィード。
俺の姿を認めると、彼女はぱあっと顔を輝かせ、小さな駆け足でこちらへやってきた。
「おはようございます、ユウキ様!」
「おはよう、ルナリアさん。今日も早いな」
「はい! ユウキ様にお会いできると思うと、昨夜は嬉しくてなかなか眠れませんでしたの」
さらりと言われた言葉に、俺の心臓がどきりと跳ねる。
彼女は昨日までと何も変わらない。だが、俺の中の彼女に対する認識は昨日を境に大きく変わってしまっていた。
制服姿の彼女をまともに見ることができない。
「ユウキ様? どうかされましたか? お顔が少し赤いですわ」
「な、なんでもない! さあ、行こう!」
俺は誤魔化すように早口で言うと、歩き出した。
ルナリアは不思議そうに小首を傾げたが、すぐににこりと微笑むと、昨日までと同じように俺の腕にそっと自分の腕を絡めてきた。
その感触に、俺の心臓はまた一つ大きな音を立てた。
もうダメだ。俺は彼女の一挙手一投足に、完全に心をかき乱されている。
◇
その日のホームルームは、いつもとは少し違う空気に包まれていた。
教壇に立ったギルバート先生が、一枚の羊皮紙を掲げながら言った。
「知っている者も多いと思うが、来月開催される創立記念祭…学園祭についてだ。各クラス、出し物を決めて準備に入るように。申請の締め切りは今週末だ」
その一言で教室は一気に活気づいた。
「学園祭か!」「今年はなにやる?」「去年は演劇だったよな!」
あちこちから期待に満ちた声が上がる。
俺は異世界に来て初めて経験する学園祭というイベントに、少しだけ興味を惹かれた。もちろん、面倒なことにならなければという条件付きだが。
そして放課後。
早速、クラスの出し物を決めるための話し合いが始まった。
日直が黒板の前に立ち、次々と意見を募っていく。
「模擬店はどうだ? 焼きそばとか、いかにも学園祭って感じで!」
「演劇にしましょうよ! 私、去年隣のクラスがやった『ロミオとジュリエット』に感動したんです!」
「お化け屋敷なんてどうかな? 意外性があって面白いと思うんだけど」
様々な案が出るがどれも決め手に欠け、話し合いは平行線を辿っていた。
俺はできれば準備が楽な展示系のものがいいな、などと他人事のように考えていた。
その時だった。
すっくと一人の生徒が立ち上がった。燃えるような真紅のポニーテールが、夕日を受けて鮮やかに輝く。
クラリス・フォン・ヴァレンシュタインだ。
彼女は応援団長としての自信に満ちた表情で教室全体を見渡すと、高らかに宣言した。
「皆様! わたくしに一つ提案がございますわ!」
その声に、全員の視線が集中する。
「今年の出し物は『メイド&執事喫茶』というのはいかがでしょう!」
その提案に教室は一瞬静まり返った。
そして次の瞬間、爆発的な歓声が巻き起こった。
「それだ!」「最高じゃないか!」「クラリス様、天才!」
特に男子生徒たちの熱狂ぶりは凄まじいものがあった。女子生徒たちも、可愛いメイド服が着られるとあって満更でもない様子だ。
クラリスは満足そうに頷くと、ちらりと俺とルナリアに視線を送った。
その目は、完全に獲物を狙う狩人の目をしていた。
「そして、この企画を成功させるためには強力な『看板』が必要ですわ。皆様、もうお分かりですわね?」
彼女の言葉に、クラスメイトたちがにやりと笑いながら一斉にこちらを向いた。
まずい。
俺の心に最大級の警報が鳴り響く。
これは完全に俺たちを巻き込むための筋書きだ。
「看板メイドには、もちろんこの学園の至宝、我らがルナリア様を!」
クラリスがそう言うと、「おおおお!」という地鳴りのような歓声が上がった。
ルナリアは突然自分の名前を呼ばれて、きょとんとした顔で目を瞬かせている。
「そして!」
クラリスは今度は俺をビシッと指さした。
「そのルナリア様にお仕えする看板執事には、ユウキ様しかおりませんわ!」
再び割れんばかりの拍手と歓声。
もはやクラスの総意は決定していた。
俺たちの意見など聞く気もないらしい。
俺はなんとかこの流れを断ち切ろうと、必死に断る理由を探した。
「い、いや、俺はそういうの柄じゃないし…もっと他に相応しいやつがいるだろ!」
「何をおっしゃいますか、ユウキ様!」
俺のささやかな抵抗は、クラリスによって一蹴された。
「ルナリア様の隣に立つことが許されるのは、この学園広しといえど貴方様をおいて他に存在しませんわ! これは、クラスの、いえ、学園全体の総意ですのよ!」
その無茶苦-茶な理論に、なぜかクラスメイトたちが力強く頷いている。
もうダメだ。打つ手がない。
俺が最後の望みをかけて隣を見ると、ルナリアが俺の袖をくいと引いた。
そしてキラキラと輝く瞳で、俺を見上げてきたのだ。
「ユウキ様…」
その声は期待に満ちていた。
「メイドさんと執事さん…ですの? ユウキ様の執事服姿、きっとすごく素敵ですわ…。それに、ユウキ様とご一緒に出し物ができるなんて、とても楽しそうです…!」
その純粋すぎる笑顔と期待に満ちた言葉。
それは俺の最後の抵抗を打ち砕くには、十分すぎるほどの威力を持っていた。
こんな顔をされて「嫌だ」なんて言えるはずがない。
俺は天を仰いだ。
そして力なく、一言だけ呟いた。
「…分かりました」
その瞬間、教室は今日一番の歓声に包まれた。
クラリスは「さすがですわ、ユウキ様!」と満足そうに頷き、クラスメイトたちはハイタッチを交わして喜んでいる。
まるで何か大きな戦いに勝利したかのようだ。
こうして、俺たちのクラスの出し物は「メイド&執事喫茶」に決定した。
そして俺とルナリアは、満場一致、というかもはや強制的にその看板役へと選ばれたのだった。
これから始まるであろう怒涛の準備期間を想像して、俺の胃は久しぶりに鋭い痛みを訴え始めた。
俺の平穏は、どこだ。
心の中でそう叫びながら、俺は隣で「どんなお給仕をしましょうか」と嬉しそうに呟くルナリアの横顔を、ただ見つめることしかできなかった。
学園祭は、どうやら俺にとって新たな試練の舞台となるらしい。
55
あなたにおすすめの小説
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
【完結】不遇スキル『動物親和EX』で手に入れたのは、最強もふもふ聖霊獣とのほっこり異世界スローライフでした
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が異世界エルドラで授かったのは『動物親和EX』という一見地味なスキルだった。
日銭を稼ぐので精一杯の不遇な日々を送っていたある日、森で傷ついた謎の白い生き物「フェン」と出会う。
フェンは言葉を話し、実は強力な力を持つ聖霊獣だったのだ!
フェンの驚異的な素材発見能力や戦闘補助のおかげで、俺の生活は一変。
美味しいものを食べ、新しい家に住み、絆を深めていく二人。
しかし、フェンの力を悪用しようとする者たちも現れる。フェンを守り、より深い絆を結ぶため、二人は聖霊獣との正式な『契約の儀式』を行うことができるという「守り人の一族」を探す旅に出る。
最強もふもふとの心温まる異世界冒険譚、ここに開幕!
異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜
キノア9g
ファンタジー
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」
20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。
一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。
毎日19時更新予定。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
異世界転移したら、神の力と無敵の天使軍団を授かったんだが。
猫正宗
ファンタジー
白羽明星は気付けば異世界転移しており、背に純白の六翼を生やした熾天使となっていた。
もともと現世に未練などなかった明星は、大喜びで異世界の大空を飛び回る。
すると遥か空の彼方、誰も到達できないほどの高度に存在する、巨大な空獣に守られた天空城にたどり着く。
主人不在らしきその城に入ると頭の中にダイレクトに声が流れてきた。
――霊子力パターン、熾天使《セラフ》と認識。天界の座マスター登録します。……ああ、お帰りなさいルシフェル様。お戻りをお待ち申し上げておりました――
風景が目まぐるしく移り変わる。
天空城に封じられていた七つの天国が解放されていく。
移り変わる景色こそは、
第一天 ヴィロン。
第二天 ラキア。
第三天 シャハクィム。
第四天 ゼブル。
第五天 マオン。
第六天 マコン。
それらはかつて天界を構成していた七つの天国を再現したものだ。
気付けば明星は、玉座に座っていた。
そこは天の最高位。
第七天 アラボト。
そして玉座の前には、明星に絶対の忠誠を誓う超常なる存在《七元徳の守護天使たち》が膝をついていたのだった。
――これは異世界で神なる権能と無敵の天使軍団を手にした明星が、調子に乗ったエセ強者を相手に無双したり、のんびりスローライフを満喫したりする物語。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる