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第61話:ギルド『アルカディア』始動
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看板を掲げた翌日の朝。俺は、これまで感じたことのないほどの高揚感と共に目を覚ました。ここが今日から、俺たちのギルドハウスであり、俺たちの家だ。
一階の広大なホールに下りると、そこにはすでに三人の仲間たちが集まっていた。朝日が大きな窓から差し込み、磨き上げられた床を黄金色に照らしている。まだ誰もいないホールは静かだが、これからここで繰り広げられるであろう多くの冒険者たちの喧騒と熱気を思うと、自然と胸が躍った。
「おはよう、マスター」
シルフィが少しからかうような口調で言った。
「その呼び方はやめてくれ。アレンでいい」
「あら、良いではありませんか、マスター。今日からあなたはこのアルカディアの主ですもの」
フィオナが優雅にお辞儀をしながら微笑む。彼女はすでに、ギルドの事務員のようなきっちりとした服装に着替えていた。
「アレン様はマスターです! 私、一番弟子として頑張ります!」
ルナは元気いっぱいに宣言し、ぴんと背筋を伸ばした。
俺は苦笑しながら、三人の顔を見渡した。最高の仲間たち。彼女たちがいれば、どんな困難も乗り越えられるだろう。
「さて、まずはラトナの冒険者ギルドへ挨拶に行くぞ。ギルド設立の正式な届け出をしなければ、活動は始められないからな」
俺たちは四人で街の冒険者ギルドへと向かった。俺たちが『アルカディア』の看板を掲げたという噂は、すでに街中に広まっているようだった。道行く人々が、好奇心と期待に満ちた眼差しを俺たちに向けてくる。
ギルドに到着すると、ギルドマスター自らが俺たちを出迎えてくれた。
「待っていたぞ、アレン君。いや、アレン・マスターと呼ぶべきかな」
彼は豪快に笑い、俺の肩を力強く叩いた。
「ラトナに新しいギルドが誕生するのは実に五十年ぶりのことだ。しかも、君たちのような若く、そして実力のある者たちが立ち上げてくれるとは。この街にとって、これ以上ない朗報だよ」
ギルド設立の手続きは、驚くほどスムーズに進んだ。領主からの推薦状もあったおかげで、何の滞りもなく『アルカディア』はラトナで二番目の冒険者ギルドとして正式に認可された。
「ただし」
手続きを終えた後、ギルドマスターは真剣な表情で俺に言った。
「既存のギルドとしては、君たちのやり方には期待もしているが懸念もある。他の冒険者たちとの軋轢や、無用な縄張り争いだけは避けてもらいたい。この街の冒険者たちは、皆、家族のようなものだからな」
「ご心配なく」
俺は、きっぱりと答えた。
「俺たちのギルドは、既存のギルドと競い合うつもりはありません。むしろ協力し合いたいと考えています。俺たちの目的は、この街全体の冒険者のレベルを底上げし、ラトナをより豊かで安全な場所にすることですから」
俺の言葉に、ギルドマスターは感心したように目を細めた。隣で話を聞いていたミリーも、尊敬の眼差しを俺に向けている。
俺たちはラトナのギルドとの友好な関係を約束し、自分たちの城へと戻った。
「さあ、いよいよここからが本番だ」
真新しいギルドハウスのホールで、俺は仲間たちに向き直った。
「まずは俺たちのギルドが何を目指す場所なのか、街の冒険者たちに知ってもらわなければならない。そのための最初の仕事だ」
俺は、フィオナが用意してくれた新品の依頼掲示板の前に立った。そして、一枚の羊皮紙に俺たちの最初の『依頼』を書き込んでいく。
【アルカディア・特別公開依頼】
依頼内容:ギルド周辺の薬草採取&新人向け戦闘・探索講習会
参加資格:冒険者ランクF~Eの者。経験不問。
報酬:採取した薬草の量に応じた歩合制。講習会参加費は無料。
備考:アルカディアのメンバーが、戦闘の基礎から安全なダンジョン探索のコツまで直接指導します。才能がある者には、特別な育成プランを提示することも……?
「これは……!」
フィオナが、俺の書いた内容を見て感嘆の声を上げた。
「ただの依頼ではありませんわ。これは、未来の冒険者たちへの投資ですのね!」
「そういうことだ。いきなり高難易度の依頼を掲げても誰もついてこない。まずは、俺たちが新人育成に本気だという姿勢を見せるんだ」
シルフィも依頼書の内容を見て、ふむ、と頷いた。
「なるほどな。戦闘指南役は私が引き受けてやろう。生半可な覚悟の奴らは門前払いだがな」
「私は、斥候としての索敵や罠の見つけ方を教えます! 私にできること、頑張ります!」
ルナもやる気に満ち溢れている。
俺は完成した依頼書を、掲示板の一番目立つ場所に貼り付けた。
そして、ギルドハウスの重厚な扉を大きく開け放つ。
「ようこそ、『アルカディア』へ。俺たちの理想郷は、常に門戸を開いている」
俺の言葉は、これからこの場所を訪れるであろう多くの冒険者たちに向けられていた。
その日の午後、早速噂を聞きつけた者たちが、恐る恐る、しかし期待に満ちた目で俺たちのギルドハウスを訪れ始めた。
その中には、俺が以前ギルドで見かけた、あのちぐはぐな新人パーティーの三人の姿もあった。彼らは入り口でためらうように立ち尽くしていたが、やがて意を決したようにギルドの中へと、その第一歩を踏み出した。
俺はそんな彼らを、ギルドマスターとしての穏やかな笑みで静かに迎え入れた。
アルカディアの歴史は、今、確かにその最初のページをめくったのだ。
一階の広大なホールに下りると、そこにはすでに三人の仲間たちが集まっていた。朝日が大きな窓から差し込み、磨き上げられた床を黄金色に照らしている。まだ誰もいないホールは静かだが、これからここで繰り広げられるであろう多くの冒険者たちの喧騒と熱気を思うと、自然と胸が躍った。
「おはよう、マスター」
シルフィが少しからかうような口調で言った。
「その呼び方はやめてくれ。アレンでいい」
「あら、良いではありませんか、マスター。今日からあなたはこのアルカディアの主ですもの」
フィオナが優雅にお辞儀をしながら微笑む。彼女はすでに、ギルドの事務員のようなきっちりとした服装に着替えていた。
「アレン様はマスターです! 私、一番弟子として頑張ります!」
ルナは元気いっぱいに宣言し、ぴんと背筋を伸ばした。
俺は苦笑しながら、三人の顔を見渡した。最高の仲間たち。彼女たちがいれば、どんな困難も乗り越えられるだろう。
「さて、まずはラトナの冒険者ギルドへ挨拶に行くぞ。ギルド設立の正式な届け出をしなければ、活動は始められないからな」
俺たちは四人で街の冒険者ギルドへと向かった。俺たちが『アルカディア』の看板を掲げたという噂は、すでに街中に広まっているようだった。道行く人々が、好奇心と期待に満ちた眼差しを俺たちに向けてくる。
ギルドに到着すると、ギルドマスター自らが俺たちを出迎えてくれた。
「待っていたぞ、アレン君。いや、アレン・マスターと呼ぶべきかな」
彼は豪快に笑い、俺の肩を力強く叩いた。
「ラトナに新しいギルドが誕生するのは実に五十年ぶりのことだ。しかも、君たちのような若く、そして実力のある者たちが立ち上げてくれるとは。この街にとって、これ以上ない朗報だよ」
ギルド設立の手続きは、驚くほどスムーズに進んだ。領主からの推薦状もあったおかげで、何の滞りもなく『アルカディア』はラトナで二番目の冒険者ギルドとして正式に認可された。
「ただし」
手続きを終えた後、ギルドマスターは真剣な表情で俺に言った。
「既存のギルドとしては、君たちのやり方には期待もしているが懸念もある。他の冒険者たちとの軋轢や、無用な縄張り争いだけは避けてもらいたい。この街の冒険者たちは、皆、家族のようなものだからな」
「ご心配なく」
俺は、きっぱりと答えた。
「俺たちのギルドは、既存のギルドと競い合うつもりはありません。むしろ協力し合いたいと考えています。俺たちの目的は、この街全体の冒険者のレベルを底上げし、ラトナをより豊かで安全な場所にすることですから」
俺の言葉に、ギルドマスターは感心したように目を細めた。隣で話を聞いていたミリーも、尊敬の眼差しを俺に向けている。
俺たちはラトナのギルドとの友好な関係を約束し、自分たちの城へと戻った。
「さあ、いよいよここからが本番だ」
真新しいギルドハウスのホールで、俺は仲間たちに向き直った。
「まずは俺たちのギルドが何を目指す場所なのか、街の冒険者たちに知ってもらわなければならない。そのための最初の仕事だ」
俺は、フィオナが用意してくれた新品の依頼掲示板の前に立った。そして、一枚の羊皮紙に俺たちの最初の『依頼』を書き込んでいく。
【アルカディア・特別公開依頼】
依頼内容:ギルド周辺の薬草採取&新人向け戦闘・探索講習会
参加資格:冒険者ランクF~Eの者。経験不問。
報酬:採取した薬草の量に応じた歩合制。講習会参加費は無料。
備考:アルカディアのメンバーが、戦闘の基礎から安全なダンジョン探索のコツまで直接指導します。才能がある者には、特別な育成プランを提示することも……?
「これは……!」
フィオナが、俺の書いた内容を見て感嘆の声を上げた。
「ただの依頼ではありませんわ。これは、未来の冒険者たちへの投資ですのね!」
「そういうことだ。いきなり高難易度の依頼を掲げても誰もついてこない。まずは、俺たちが新人育成に本気だという姿勢を見せるんだ」
シルフィも依頼書の内容を見て、ふむ、と頷いた。
「なるほどな。戦闘指南役は私が引き受けてやろう。生半可な覚悟の奴らは門前払いだがな」
「私は、斥候としての索敵や罠の見つけ方を教えます! 私にできること、頑張ります!」
ルナもやる気に満ち溢れている。
俺は完成した依頼書を、掲示板の一番目立つ場所に貼り付けた。
そして、ギルドハウスの重厚な扉を大きく開け放つ。
「ようこそ、『アルカディア』へ。俺たちの理想郷は、常に門戸を開いている」
俺の言葉は、これからこの場所を訪れるであろう多くの冒険者たちに向けられていた。
その日の午後、早速噂を聞きつけた者たちが、恐る恐る、しかし期待に満ちた目で俺たちのギルドハウスを訪れ始めた。
その中には、俺が以前ギルドで見かけた、あのちぐはぐな新人パーティーの三人の姿もあった。彼らは入り口でためらうように立ち尽くしていたが、やがて意を決したようにギルドの中へと、その第一歩を踏み出した。
俺はそんな彼らを、ギルドマスターとしての穏やかな笑みで静かに迎え入れた。
アルカディアの歴史は、今、確かにその最初のページをめくったのだ。
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