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第四十九話 混沌の戦場、境界門の先へ
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創世戦争の第一次会戦「境界門攻防戦」は、オブシディアンという予測不能な存在の介入によって、混沌の度合いを深めていた。秩序陣営は総指揮官と予備戦力のゴーレム部隊を失い、指揮系統は麻痺、士気も低下している。一方、混沌陣営は勢いづいているものの、オブシディアンという共通の脅威の存在に、警戒と恐怖を隠せないでいた。
オブシディアン自身は、そんな両陣営の動向を高みの見物と決め込み、次なる行動を模索していた。秩序陣営の大物は喰った。次は混沌陣営か? それとも、この混乱に乗じて、本来の目的である「境界門」を抜け、新大陸アストライアへと渡るか?
(アストライア…アーク・メイジが求めた「始原の石板」があるという大陸。世界の根源に関わる知識が眠っている可能性が高い。優先すべきは、そちらか)
オブシディアンは、アストライア大陸への進出を決断した。境界門は現在、両陣営の激戦区となっているが、【混沌変異 Lv.2】と【影潜行】(混沌変異の基本機能)を駆使すれば、誰にも気づかれずに突破することは可能だろう。
オブシディアンは【混沌変異】で、今度は混沌陣営の雑兵、一体のゴブリンに姿を変えた。小柄で、みすぼらしい装備。戦場の混乱に紛れて境界門に近づくには、この姿が最も都合が良い。
ゴブリンに擬態したオブシディアンは、混沌陣営の兵士たちの流れに乗り、境界門へと近づいていく。周囲のオークやアンデッドたちは、彼を仲間と認識しているようで、特に警戒する様子はない。オブシディアンは、彼らの会話や鬨の声から、混沌陣営の士気の高さと、同時にオブシディアンに対する恐怖が蔓延していることを感じ取った。
「あの黒いスライム、どこ行ったんだ?」
「さっき秩序のゴーレムぶっ壊してたって話だが…」
「味方なら心強いが、敵に回ったら終わりだぜ…」
「下手に刺激すんなよ。次は俺らが喰われるかもしれねえ…」
(都合が良い。俺への警戒が、彼らの動きを鈍らせている)
オブシディアンはほくそ笑みながら、境界門へと到達した。巨大な石造りの門は、激しい戦闘によって一部が破損し、その奥には空間の歪みのような、不安定なエネルギーの渦が見える。あれが、アストライア大陸へと繋がるポータルなのだろう。
門の周辺は、両陣営のプレイヤーとNPCが入り乱れての大混戦となっていた。魔法が飛び交い、剣が打ち鳴らされ、爆発音が絶え間なく響く。オブシディアン(ゴブリン擬態)は、戦闘の余波を避けながら、混乱に紛れてポータルへと近づく。
しかし、ポータルのすぐ手前には、両陣営の精鋭部隊が陣取り、互いに牽制しあっていた。秩序陣営側には、銀翼騎士団の生き残りと思われる数名と、パラディン・ゴーレムを失ったものの、なおも奮戦する騎士団。混沌陣営側には、巨大な体躯を持つオーガの戦士や、強力な呪詛を操るダークエルフの魔術師、そして、あのPKギルド「スカル・ブレイド」の別働隊らしき姿も見えた。彼らは、オブシディアンが近くにいることには気づいていないようだが、互いへの警戒心は極めて高い。
(ここを突破するのは、少し骨が折れるか…)
オブシディアンは、正面突破は避けたいと考えた。そこで、【万物創造(中級) Lv.1】スキルを使い、ある「仕掛け」を施すことにした。
オブシディアンは、周囲の瓦礫や地面に【混沌変異】で同化しながら、密かに複数の小型アビス・ドローンを生成し、戦場の各所に配置した。そして、それらのドローンに、オブシディアン本体の魔力パターンを微弱に放出し、あたかもオブシディアンが複数箇所に同時に出現したかのように偽装する命令を与えた。
さらに、【因果歪曲(微) Lv.2】を発動。MPを大きく消費するが、「両陣営の精鋭部隊の間で、誤解や偶発的な衝突が発生する確率」をわずかに上昇させた。
仕掛けは完了した。オブシディアンは息を潜め、状況の変化を待つ。
やがて、オブシディアンの思惑通り、戦場に混乱が生じ始めた。
「なんだ!? あっちにもObsidianの気配が!」
「いや、こっちにもいるぞ! 包囲されているのか!?」
混沌陣営の索敵役が叫ぶ。
「馬鹿な! ヤツは一人のはずだ!」
秩序陣営の指揮官が怒鳴る。
「おい、スカル・ブレイド! てめえら、勝手に攻撃してんじゃねえ!」
オーガの戦士が、隣で魔法を放ったスカル・ブレイドの魔術師に詰め寄る。
「はあ? 俺たちはまだ撃ってねえよ! そっちこそ、こっちの流れ弾に文句つけんのか!」
魔術師も応戦する。
些細な誤解と疑心暗鬼が連鎖し、ついに偶発的な衝突が発生した。混沌陣営の内輪揉めが始まり、それに乗じて秩序陣営が攻撃を仕掛ける。境界門前は、敵味方の区別なく、互いを攻撃しあう大混乱状態へと陥った。
(よし…計算通りだ)
オブシディアンは、この混沌を好機と捉えた。【混沌変異】で再びゴブリンの姿になると、混乱の中を駆け抜け、誰にも気づかれることなく、境界門の先にあるエネルギーの渦――アストライア大陸へのポータル――へと飛び込んだ。
再び、空間が捻じれ、引き伸ばされる感覚。しかし、カオス・アビスとしての強靭な精神と身体は、それに耐えうる。そして、次の瞬間、オブシディアンは全く新しい世界の光景を目の当たりにしていた。
そこは、これまでのどの場所とも異なる、幻想的で美しい、そして同時にどこか神秘的な雰囲気を纏った土地だった。空には巨大な浮遊島がいくつも浮かび、そこから滝のように水が流れ落ちている。大地には色とりどりの巨大な植物が生い茂り、見たこともない生物たちが闊歩している。空気は清浄で、満ちている魔力も、地上や深海とは異なる、生命力に溢れた優しい質のものだった。
(ここが…新大陸アストライアか…)
オブシディアンは、アーク・メイジが求めた「始原の石板」や、新たな知識、そして更なる進化の可能性を秘めたこの地に、強い期待を感じていた。
『警告:周辺環境との魔力同調率が低下しています』
『スキル【深淵の心臓】による魔力吸収効率が一時的に低下します』
核(コア)からの警告。この大陸の魔力は、オブシディアンが持つ深淵の力とは性質が異なるらしい。MPの自動回復効率は落ちるが、問題ない。【深淵の心臓】は依然として強力であり、いざとなれば【虚無捕食】で補えばいい。
(さて、どこから探索を始めるか…)
オブシディアンは、まず【猛禽の目】と【蟲の共鳴】で周囲の情報を収集し始めた。広大な新大陸には、どんな秘密が、どんな獲物が待ち受けているのだろうか。
黒曜石の影は、創世戦争の喧騒を後にし、未知なる新大陸アストライアへと降り立った。それは、彼の孤独な探求の旅における、新たな章の始まりを告げていた。世界の根源へと、一歩近づいたのかもしれない。
名前: オブシディアン
種族: カオス・アビス (ユニーク種族)
称号: 影に潜む者 (効果向上), 墓守殺し, 深淵の使徒, 竜殺し, 風を征す者, 炎心を識る者, ヒュドラ・ベイン, 叡智を探求する者, 英雄殺し, 聖域侵犯者
所属: 未定義
【能力値】
体力: 48
魔力容量: 65
物理攻撃力: 15
物理防御力: 30
魔法攻撃力: 23
魔法防御力: 40
素早さ: 33
【スキル】
・虚無捕食 Lv.2
・混沌変異 Lv.2
・生物発光 Lv.1
・闇視 Lv.1
・噛みつき耐性(微) Lv.1
・跳躍 Lv.1
・嗅覚強化 Lv.1
・糸生成 Lv.2
・毒耐性(大) Lv.1
・金剛鱗 Lv.1
・爪撃 Lv.2
・腐食溶解液 Lv.1
・物理耐性(小) Lv.1
・万物創造(中級) Lv.1
・アンデッド耐性(微) Lv.1
・死霊魔術(初級) Lv.1
・精神耐性(中) Lv.1
・ブレス耐性(大) Lv.1
・怨念耐性(小) Lv.1
・深淵の心臓 Lv.1
・軍団指揮 Lv.1
・水中浮遊機動 Lv.1
・粘液噴射 Lv.1
・麻痺耐性(小) Lv.1
・壁面歩行(小) Lv.1
・鎌鼬 Lv.1
・蟲の共鳴 Lv.1
・王者のカリスマ Lv.1
・猛禽の目 Lv.1
・古代言語完全解読
・魅了耐性(微) Lv.1
・突風耐性(小) Lv.1
・風操作(小) Lv.1
・火炎耐性(極) Lv.1
・熱源感知 Lv.1
・エレメンタル知識(四大) Lv.1
・自己再生(小) Lv.1 -> Lv.2
・火炎ブレス Lv.1
・墨噴射 Lv.1
・三叉槍術(初級) Lv.1
・古代魔術耐性(微) Lv.1
・見張り Lv.1
・電撃耐性(小) Lv.1
・聖属性耐性(微) Lv.1
・光学兵器制御 Lv.1
・古代戦略知識 Lv.1
・固有スキル【深淵領域 Lv.2】
・固有スキル【因果歪曲(微) Lv.2】
オブシディアン自身は、そんな両陣営の動向を高みの見物と決め込み、次なる行動を模索していた。秩序陣営の大物は喰った。次は混沌陣営か? それとも、この混乱に乗じて、本来の目的である「境界門」を抜け、新大陸アストライアへと渡るか?
(アストライア…アーク・メイジが求めた「始原の石板」があるという大陸。世界の根源に関わる知識が眠っている可能性が高い。優先すべきは、そちらか)
オブシディアンは、アストライア大陸への進出を決断した。境界門は現在、両陣営の激戦区となっているが、【混沌変異 Lv.2】と【影潜行】(混沌変異の基本機能)を駆使すれば、誰にも気づかれずに突破することは可能だろう。
オブシディアンは【混沌変異】で、今度は混沌陣営の雑兵、一体のゴブリンに姿を変えた。小柄で、みすぼらしい装備。戦場の混乱に紛れて境界門に近づくには、この姿が最も都合が良い。
ゴブリンに擬態したオブシディアンは、混沌陣営の兵士たちの流れに乗り、境界門へと近づいていく。周囲のオークやアンデッドたちは、彼を仲間と認識しているようで、特に警戒する様子はない。オブシディアンは、彼らの会話や鬨の声から、混沌陣営の士気の高さと、同時にオブシディアンに対する恐怖が蔓延していることを感じ取った。
「あの黒いスライム、どこ行ったんだ?」
「さっき秩序のゴーレムぶっ壊してたって話だが…」
「味方なら心強いが、敵に回ったら終わりだぜ…」
「下手に刺激すんなよ。次は俺らが喰われるかもしれねえ…」
(都合が良い。俺への警戒が、彼らの動きを鈍らせている)
オブシディアンはほくそ笑みながら、境界門へと到達した。巨大な石造りの門は、激しい戦闘によって一部が破損し、その奥には空間の歪みのような、不安定なエネルギーの渦が見える。あれが、アストライア大陸へと繋がるポータルなのだろう。
門の周辺は、両陣営のプレイヤーとNPCが入り乱れての大混戦となっていた。魔法が飛び交い、剣が打ち鳴らされ、爆発音が絶え間なく響く。オブシディアン(ゴブリン擬態)は、戦闘の余波を避けながら、混乱に紛れてポータルへと近づく。
しかし、ポータルのすぐ手前には、両陣営の精鋭部隊が陣取り、互いに牽制しあっていた。秩序陣営側には、銀翼騎士団の生き残りと思われる数名と、パラディン・ゴーレムを失ったものの、なおも奮戦する騎士団。混沌陣営側には、巨大な体躯を持つオーガの戦士や、強力な呪詛を操るダークエルフの魔術師、そして、あのPKギルド「スカル・ブレイド」の別働隊らしき姿も見えた。彼らは、オブシディアンが近くにいることには気づいていないようだが、互いへの警戒心は極めて高い。
(ここを突破するのは、少し骨が折れるか…)
オブシディアンは、正面突破は避けたいと考えた。そこで、【万物創造(中級) Lv.1】スキルを使い、ある「仕掛け」を施すことにした。
オブシディアンは、周囲の瓦礫や地面に【混沌変異】で同化しながら、密かに複数の小型アビス・ドローンを生成し、戦場の各所に配置した。そして、それらのドローンに、オブシディアン本体の魔力パターンを微弱に放出し、あたかもオブシディアンが複数箇所に同時に出現したかのように偽装する命令を与えた。
さらに、【因果歪曲(微) Lv.2】を発動。MPを大きく消費するが、「両陣営の精鋭部隊の間で、誤解や偶発的な衝突が発生する確率」をわずかに上昇させた。
仕掛けは完了した。オブシディアンは息を潜め、状況の変化を待つ。
やがて、オブシディアンの思惑通り、戦場に混乱が生じ始めた。
「なんだ!? あっちにもObsidianの気配が!」
「いや、こっちにもいるぞ! 包囲されているのか!?」
混沌陣営の索敵役が叫ぶ。
「馬鹿な! ヤツは一人のはずだ!」
秩序陣営の指揮官が怒鳴る。
「おい、スカル・ブレイド! てめえら、勝手に攻撃してんじゃねえ!」
オーガの戦士が、隣で魔法を放ったスカル・ブレイドの魔術師に詰め寄る。
「はあ? 俺たちはまだ撃ってねえよ! そっちこそ、こっちの流れ弾に文句つけんのか!」
魔術師も応戦する。
些細な誤解と疑心暗鬼が連鎖し、ついに偶発的な衝突が発生した。混沌陣営の内輪揉めが始まり、それに乗じて秩序陣営が攻撃を仕掛ける。境界門前は、敵味方の区別なく、互いを攻撃しあう大混乱状態へと陥った。
(よし…計算通りだ)
オブシディアンは、この混沌を好機と捉えた。【混沌変異】で再びゴブリンの姿になると、混乱の中を駆け抜け、誰にも気づかれることなく、境界門の先にあるエネルギーの渦――アストライア大陸へのポータル――へと飛び込んだ。
再び、空間が捻じれ、引き伸ばされる感覚。しかし、カオス・アビスとしての強靭な精神と身体は、それに耐えうる。そして、次の瞬間、オブシディアンは全く新しい世界の光景を目の当たりにしていた。
そこは、これまでのどの場所とも異なる、幻想的で美しい、そして同時にどこか神秘的な雰囲気を纏った土地だった。空には巨大な浮遊島がいくつも浮かび、そこから滝のように水が流れ落ちている。大地には色とりどりの巨大な植物が生い茂り、見たこともない生物たちが闊歩している。空気は清浄で、満ちている魔力も、地上や深海とは異なる、生命力に溢れた優しい質のものだった。
(ここが…新大陸アストライアか…)
オブシディアンは、アーク・メイジが求めた「始原の石板」や、新たな知識、そして更なる進化の可能性を秘めたこの地に、強い期待を感じていた。
『警告:周辺環境との魔力同調率が低下しています』
『スキル【深淵の心臓】による魔力吸収効率が一時的に低下します』
核(コア)からの警告。この大陸の魔力は、オブシディアンが持つ深淵の力とは性質が異なるらしい。MPの自動回復効率は落ちるが、問題ない。【深淵の心臓】は依然として強力であり、いざとなれば【虚無捕食】で補えばいい。
(さて、どこから探索を始めるか…)
オブシディアンは、まず【猛禽の目】と【蟲の共鳴】で周囲の情報を収集し始めた。広大な新大陸には、どんな秘密が、どんな獲物が待ち受けているのだろうか。
黒曜石の影は、創世戦争の喧騒を後にし、未知なる新大陸アストライアへと降り立った。それは、彼の孤独な探求の旅における、新たな章の始まりを告げていた。世界の根源へと、一歩近づいたのかもしれない。
名前: オブシディアン
種族: カオス・アビス (ユニーク種族)
称号: 影に潜む者 (効果向上), 墓守殺し, 深淵の使徒, 竜殺し, 風を征す者, 炎心を識る者, ヒュドラ・ベイン, 叡智を探求する者, 英雄殺し, 聖域侵犯者
所属: 未定義
【能力値】
体力: 48
魔力容量: 65
物理攻撃力: 15
物理防御力: 30
魔法攻撃力: 23
魔法防御力: 40
素早さ: 33
【スキル】
・虚無捕食 Lv.2
・混沌変異 Lv.2
・生物発光 Lv.1
・闇視 Lv.1
・噛みつき耐性(微) Lv.1
・跳躍 Lv.1
・嗅覚強化 Lv.1
・糸生成 Lv.2
・毒耐性(大) Lv.1
・金剛鱗 Lv.1
・爪撃 Lv.2
・腐食溶解液 Lv.1
・物理耐性(小) Lv.1
・万物創造(中級) Lv.1
・アンデッド耐性(微) Lv.1
・死霊魔術(初級) Lv.1
・精神耐性(中) Lv.1
・ブレス耐性(大) Lv.1
・怨念耐性(小) Lv.1
・深淵の心臓 Lv.1
・軍団指揮 Lv.1
・水中浮遊機動 Lv.1
・粘液噴射 Lv.1
・麻痺耐性(小) Lv.1
・壁面歩行(小) Lv.1
・鎌鼬 Lv.1
・蟲の共鳴 Lv.1
・王者のカリスマ Lv.1
・猛禽の目 Lv.1
・古代言語完全解読
・魅了耐性(微) Lv.1
・突風耐性(小) Lv.1
・風操作(小) Lv.1
・火炎耐性(極) Lv.1
・熱源感知 Lv.1
・エレメンタル知識(四大) Lv.1
・自己再生(小) Lv.1 -> Lv.2
・火炎ブレス Lv.1
・墨噴射 Lv.1
・三叉槍術(初級) Lv.1
・古代魔術耐性(微) Lv.1
・見張り Lv.1
・電撃耐性(小) Lv.1
・聖属性耐性(微) Lv.1
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