ログインしたら人外でした。 ~VRMMOで最恐の魔物になる~

夏見ナイ

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第六十八話 マッドサイエンティストの実験室

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古代研究所の動力炉を完全に掌握したオブシディアン。彼の意思一つで、この施設のエネルギー供給は自在にコントロールできるようになった。まずは、不要な警備システムやトラップを次々と停止させていく。通路を塞いでいたエネルギー障壁が消え、巡回していた警備ロボットが動きを止め、監視カメラのレンズが闇へと沈む。かつて古代文明の叡智が詰まっていたであろう研究所は、今や侵入者であるオブシディアンの支配下に置かれつつあった。

(これで、中央制御室までの道は開かれた)

オブシディアンは、核(コア)に記録された構造図と、感知したドクター・ギア自身の微弱な生体反応(おそらくサイボーグ化などにより希薄になっているのだろう)を頼りに、研究所の上層階にある中央制御室へと向かった。動力炉周辺の戦闘で消耗したMPは、【深淵の心臓 Lv.1】による自動回復と、動力炉から直接エネルギーを吸収することで、既に全快している。

通路を進むと、所々に破壊された研究設備や、失敗作と思われる歪な機械の残骸、そして培養槽のようなものの中に浮かぶ不気味な生物組織などが散見された。クロノス・オルデンは、ここで古代技術の解析だけでなく、独自の危険な研究も行っていたようだ。

(生命創造…アーク・メイジもまた、この領域に踏み込んでいたな)

オブシディアンは、アーク・メイジの日誌の内容を思い出す。古代の知識は、使い方を誤れば容易に破滅を招く。このドクター・ギアという人物もまた、その危険な知識に魅入られた者なのかもしれない。

中央制御室へと続く最後の通路には、特殊な防御機構が施されていた。それは、物理的な障壁ではなく、空間そのものを歪ませ、侵入者の方向感覚や距離感を狂わせる時空間トラップだった。通常の生物やプレイヤーならば、永遠に目的地にたどり着けずに彷徨い続けることになるだろう。

しかし、オブシディアンには【空間歪曲耐性(小) Lv.1】と、新たに獲得した【短距離転移(微) Lv.1】、そして【因果歪曲(微) Lv.2】がある。彼は空間の歪みを感知し、時には【短距離転移】で歪みを飛び越え、時には【因果歪曲】で「正しいルートを偶然見つける確率」を上昇させながら、この難解なトラップを突破した。

そして、ついに中央制御室の扉の前にたどり着いた。重厚な金属製の扉には、複雑な電子ロックと魔術的な封印が施されている。

(これも、力ずくで開けるよりは…)

オブシディアンは【混沌変異 Lv.3】で自身の体の一部を極細のワイヤー状に変化させ、扉の隙間から内部へと侵入させる。そして、【古代魔法技術知識 Lv.3】と【光学兵器制御 Lv.1】(電子回路への応用)を駆使し、内部からロックシステムを解除した。カオス・アビスの変幻自在な能力は、物理的な防御だけでなく、このような技術的な障壁すらも無力化しうる。

プシュッ…という音と共に扉が開き、内部の光景が露わになった。

そこは、広々とした円形の部屋だった。壁一面には無数のモニターが設置され、研究所内の各区画の映像や、様々なデータ、そして「創世戦争」の戦況などがリアルタイムで表示されている。部屋の中央には、巨大な球状の演算装置のようなものが浮遊し、青白い光を放っている。そして、その演算装置の前にあるコントロールパネルの前に、一人の人物が立っていた。

白衣を纏い、眼鏡をかけた、痩身の男。髪は無造作に伸び、目の下には深い隈(くま)ができている。一見すると、ただの研究者のようだが、その身体の半分近くは、鈍い光沢を放つ機械へと置換されていた。右腕は多機能なマニピュレーターアームに、左目は赤い光を放つサイバーアイに。そして、背中からは何本ものケーブルが伸び、中央の演算装置へと接続されている。

彼こそが、クロノス・オルデンのリーダー、ドクター・ギアだろう。レベルは表示されないが、その身に纏う魔力と技術的なオーラは、そこらの幹部プレイヤーとは比較にならないほど強力だ。

ドクター・ギアは、オブシディアンの侵入に気づくと、ゆっくりと振り返った。その表情には、驚きや恐怖ではなく、むしろ強い好奇心と、歪んだ歓喜の色が浮かんでいた。

「フフ…フハハハ! やはり来たか、イレギュラー! カオス・アビス、Obsidian! 我が研究所の警備を突破し、動力炉を掌握するとは…予想以上の性能だ!」

彼は、まるで待ち望んでいたかのように、オブシディアンを歓迎する(?)言葉を口にした。

「貴様の存在は、実に興味深い! スライムという原始的な存在から、深淵の力を取り込み、さらには古代技術すら吸収・進化する…まさに究極の生命体! 我が研究の集大成に、これほどふさわしいサンプルはない!」

ドクター・ギアは、マニピュレーターアームを掲げ、その先端からエネルギーを集束させ始める。

「さあ、大人しく我がコレクションに加わるがいい! 貴様のその特異な身体と能力、隅々まで解析させてもらうぞ!」

(やはり、まともな対話は不可能か。ならば、こちらも全力でいくまでだ)

オブシディアンは【混沌変異】で、対機械・対エネルギー攻撃に特化した戦闘形態――例えば、電磁パルスを吸収・無効化する特殊な装甲と、エネルギー兵器の出力を一時的に増幅させる回路を組み込んだ形態――へと変化した。

オブシディアンとドクター・ギア。混沌の化身と、狂気の科学者。古代研究所の中枢で、異質にして究極とも言える二つの存在が、互いの知識と技術、そして存在そのものを賭けて、激突しようとしていた。

ドクター・ギアがマニピュレーターアームから高出力のレーザーを発射する。オブシディアンはそれを【金剛鱗 Lv.1】(変異形態)で受け止めつつ、【天翔ける翼 Lv.1】で高速機動し、反撃の【電撃ブレス Lv.1】を放つ。

レーザーと稲妻が交差し、激しい火花が散る。中央制御室を舞台とした、技術と混沌の戦いの火蓋が、今、切って落とされた。

名前: オブシディアン
種族: カオス・アビス (ユニーク種族)
称号: 影に潜む者 (効果向上), 墓守殺し, 深淵の使徒, 竜殺し, 風を征す者, 炎心を識る者, ヒュドラ・ベイン, 叡智を探求する者, 英雄殺し, 聖域侵犯者, 天門を破りし者, 巨獣を制す者, 星読みの民の記憶, 理を識る者, 時詠みに認められし者
所属: 未定義(調律者からミッション受諾)

【能力値】
体力: 60
魔力容量: 85
物理攻撃力: 22
物理防御力: 39
魔法攻撃力: 30
魔法防御力: 50
素早さ: 42

【スキル】
(変化なし)
・虚無捕食 Lv.3
・混沌変異 Lv.3
・生物発光 Lv.1
・闇視 Lv.1
・噛みつき耐性(微) Lv.1
・跳躍 Lv.1
・嗅覚強化 Lv.1
・糸生成 Lv.2
・毒耐性(大) Lv.1
・金剛鱗 Lv.1
・爪撃 Lv.2
・腐食溶解液 Lv.1
・物理耐性(小) Lv.1
・万物創造(中級) Lv.2
・アンデッド耐性(微) Lv.1
・死霊魔術(初級) Lv.1
・精神耐性(大) Lv.1
・ブレス耐性(大) Lv.1
・怨念耐性(小) Lv.1
・深淵の心臓 Lv.1
・軍団指揮 Lv.1
・水中浮遊機動 Lv.1
・粘液噴射 Lv.1
・麻痺耐性(小) Lv.1
・壁面歩行(小) Lv.1
・鎌鼬 Lv.1
・蟲の共鳴 Lv.1
・王者のカリスマ Lv.1
・猛禽の目 Lv.1
・古代言語完全解読
・魅了耐性(微) Lv.1
・突風耐性(小) Lv.1
・風操作(大) Lv.1
・火炎耐性(極) Lv.1
・熱源感知 Lv.1
・エレメンタル知識(五大) Lv.2
・超再生(小) Lv.1
・火炎ブレス Lv.1
・墨噴射 Lv.1
・三叉槍術(初級) Lv.1
・古代魔術耐性(微) Lv.1
・見張り Lv.1
・電撃耐性(中) Lv.1
・聖属性耐性(小) Lv.1
・光学兵器制御 Lv.1
・古代戦略知識 Lv.1 -> Lv.2
・固有スキル【深淵領域 Lv.2】
・固有スキル【因果歪曲(微) Lv.2】
・光合成(微) Lv.1
・聖光 Lv.1
・森との同調 Lv.1
・魅了の花粉 Lv.1
・天翔ける翼 Lv.1
・電撃ブレス Lv.1
・エレメンタル知識(雷) Lv.1
・空気抵抗軽減 Lv.1
・古代魔法技術知識 Lv.2 -> Lv.3
・砂中潜行 Lv.1
・乾燥耐性(中) Lv.1
・幻覚耐性(微) Lv.1
・消化液分泌 Lv.1
・強酸耐性(中) Lv.1
・無機物捕食 Lv.1
・生体制御(小) Lv.1
・自然エネルギー同調 Lv.1
・空間歪曲耐性(小) Lv.1
・短距離転移(微) Lv.1
・重力耐性(小) Lv.1
・重力操作(微) Lv.1
・時間感覚麻痺 Lv.1
・未来予知(断片) Lv.1
・時間操作耐性(小) Lv.1
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