男女に友情は無いと私は思うけど、どう思う？

二次会の中間は地獄です。

「かおり、蓮と何かあった？」


えーありましたよ。二人がいちゃこらプロレスをしていた時にね。


「片無さんの彼女死んじゃったって言うからさ、悪い冗談だと思って」
「パーーーン！！！！」



さーが言えなかったよ。何で？
同時に鋭い痛みが頬を襲った。


それに、夏海を見ていたのに別の方向を見てる。


改めて夏海を見ると怒りと悲しみがないまぜになった表情をしていた。


「本当だよ！！！」


「えっ？」


「美穂は死んだの！交通事故で！！」
「えっ、でも片無さん嘘だって。。。」
「二人は結婚もするはずだったの！！」


結婚！？


「かおり、蓮の事信じなかったでしょ！！」


知り合ったばかりの人を信じる事なんて出来るわけ無いじゃん。


「そんなの無理に決まってるじゃん！！。私は片無さんの事、全然知らないんだから、だから知ろうと思ってここに」
「なら、蓮の事を信じてあげてよ！！」


恋人が死んだなんて話、ドラマやマンガなどの2次元的なモノでしょ。


それに、彼女と別れた理由を聞くと、大抵、彼女が悪いみたいな事を言って、俺は、悪くないと主張する奴らばかりだ。



そんな男が多いから嫌いだ。。。


だけど、片無さんは。。。


一瞬驚いた顔をした片無さんを思い出す。


何で驚いたんだろう？


私が疑っていた事に気がついたからかなぁ。


「ちょっと聞いてる？」
「う、うん。ごめん。考えてた」
「何を？」
「答えは出てないけど、片無さんが来たら、謝る」　


「片無さんが、そこらの男と違うのは、分かってたから」
「当たり前でしょう！美穂が選んだ男だよ」
「その美穂さんを知らないけど、あんな顔をさせた私が悪いの」
「かおりー良い子だねー」


夏海が抱きついてきた。


ちょっとどさくさに紛れて、胸を揉むな！


「ただいまー」


片無さんと夏海の旦那さんが帰ってきた。夏海を引き剥がそうとするが、離れない。


夏海の旦那さんが私達の状態を見て。


「夏海は、そっちが好きなんだな」
「ちっがうわ！」


夏海と夏海の旦那の二人がまた言い争い始めた。所々デレがあるのが気になるけど、今は片無さんに謝ろう。


「片無さん。先程はごめんなさい」


「ん？南波さんどうしたの？見て、夏海とケンチャンの痴話喧嘩が始まったよ」


無かった事にしようとしてる。


「彼女さんが亡くなった事、信じなくて、ごめんなさい」
「えっ？」


驚いた顔をした片無さんが私を見ている。。。今度はやたらと長いぞ。は、恥ずかしい。


「傷つけた事を謝りたいんです。嘘までつかせてしまって」


「違いますよ」
「えっ？」
「本当は、この事を言うつもり無かったんですよ。ただ、自然と言っていた自分に驚いただけです」


あの一瞬の驚きは、それだったんだ。


「だって、ドラマやマンガみたいでしょ」


「それに、お互いまだ何も知らないのに、こんな事話されても信用なんて出来ませんよね。それなのに僕は」


考え方が似てるのかな？


「どこかで南波さんに僕を知って欲しかったと思う。それに驚いて、嘘をつきました。だから、謝らなくて大丈夫ですよ」


微笑む片無さんに二の次の言葉が出なかった。


「こちらこそ、嫌な思いをさせてごめんね」


片無さんに自分の事を知ってほしいな。


「片無さん。私の話を聞いてもらっても良いですか?」
「もちろん」


夏海と夏海の旦那が、ニヤニヤしながら見ているのが分かるがスルーした。