アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

新居編

片付け問題②

「しかしルーナ達でも片付けられるようにしないとっすね」
「空間魔法で収納するだけってのはずるいぜ。それならアタイにだって出来るのに‥‥‥」
　ルーナがミリアを見てぶーたれる。

「同じような何かがあればいいのですがね」
　アリウスがポロッと呟く。

「そうか、魔法バッグ‥‥‥！　アリウス、『ふくろスライム』って何処に現れるかわかるか？」

　以前調べた時の魔法道具で見た目の何十倍ものいろんな物を大きさ重さに関わらず入れておける便利なアイテム。

「なるほど、魔法バッグですか。ふくろスライム自体がなかなかのレアモンスターですからね。そこからのレアドロップというと相当難しいですよ」
「『ふくろスライムゼリー』ならたしか持っていたっすけど」
　そうか、レアモンスターのレアドロップじゃ難しいよな。

　ん？　ふくろスライムゼリー？

「ジャック、それ今も持ってるの？」
「あぁ、特に使い途もなくて引き取りもできなかったっすから‥‥‥」
　ごそごそと鞄を探るジャック。

「あった、コレっすよ」
　ビンに入ったゼリー状のもの。

「‥‥‥これ使ってみても？」
「もちろんいいっすよ」

　俺はエルドラグラブを装備してビンの蓋を開けてゼリーを手に取る。スライムゼリーと同様の感触だ。

【ふくろスライムゼリー+冒険者バックパック＝？？？】

　レシピが浮かんできたぞ、やはり合成で何かは作れそうだ。
　冒険者バックパック自体はほとんどみんな誰でも持っている冒険者の荷物入れ。大きさはいろいろあるが冒険者の体格に合わせた作りになっている。

「ルーナ、バックパックの荷物を出して俺に渡してくれ」
「ん、あぁ。いいぜ、別に大したものは入ってないからな」

　ふくろスライムゼリーを半分程取り出して手にした状態でルーナのバックパックも手にすると、

【合成しますか？】　【はい　いいえ】
　【はい】一択だろ。

パシュッ！！

　出来たのは見た目はほぼ変わらないバックパック。
「アリウス！　鑑定頼む」
「はいはい、お任せを」
　アリウスは俺のする事が読めていたらしく鑑定のモノクルを着けて待っていた。

「【魔法リュック　許容量・3m×3m×3m程の収納力】だそうですよ」

　よっしゃーー！　
　魔法バッグ（みたいなもの）が自作出来たぞ！！

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

　まずは個人的な荷物の多いルーナに渡して使ってもらうことにした。もともとルーナのバックパックを素材として使ったしな。
　
　ルーナの荷物は全て魔法リュックに入れるように徹底させた。

　ソフィアの分の魔法リュックも残りのゼリーで作れた。同じように徹底させた。

　これでムーからは怒られずに済みそうだな。