御伽の国

素うどん

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万里(ばんり)の国編

第10話

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「ゴメン、勘違いしてて…」
「大丈夫です!落ち込まないで下さい!」相棒はさっきの誤解を謝った。
ユズハは、勘違いされても気にしていなかった。

「で、何処に行ってた?」
「んー?いつもの事情聴取だよ。強制的のね」
「またか!俺様のせいで…」
「ううん、気にしないでよ。3年も続けられてもそんな苦じゃ無いから」
「何で、苦じゃ無いんですか?」
「それはね、俺の相棒を護る事が使命だから。」
「使命?」
「昔、俺様が勝手に決めた決まり事だ。それを今も守ってるなんて…」
「そりゃあ、守るよ。それに、裏切り者だ何だと言われながらもこの国を陰ながら支えてくれるし。」
「気付いてたのか!?」
「勿論だよ。万里が来たって事も、手助けしてくれた事も全部。いつか住人達が万里に感謝してくれれば良いなーって思ってる。」
「感謝…されるかな」
「されるよ!だって、この国の王子だろ?それに、あの女は女王の座に相応しくない。」
「!!」
キッパリと言い切る相棒に、万里は少し瞳が潤んだ。
「泣いてる暇あるならさ、作戦立てようよ。あの女王にギャフンッて言わせよう?」
「そうだな!」
「私も出来る限り手伝います!」
「うんうん、人が多いと作戦が立てやすいね!」

相棒と名乗る人は、何処からか紙を取り出し、サラサラッと筆を走らせた。

「計画はコレ。失敗したら、皆あの世行きだよ。」
「は、はい!」
ゴクリッと唾を飲み込む。
失敗したら、あの世行き…
考えるだけで身体が震えだす。
「大丈夫だ、相棒の作戦は失敗した事がない。料理以外だが」
「ちょっとー!料理は別でしょ!」
「分かっている、ワザとだ」
「フフッ、緊張和らぎました!」
「そう。なら、明日は早起きね」
「はい!」
「分かった」

この国の女王に会える事になった。
ただ、不安が募るのは何故だろうか。
ユズハは不安をかき消し、寝た。
この不安が明日悲劇を生む。
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