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第一章 エルフの少女
44話 「ドライアドの森の戦い」その3
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「皆の者!妾達の勝利だ!」
ワアアアアアアアア!!!ウオオオオオオ!!!
ドライアドの森に勝利の雄叫びが響き渡る!
エルフって戦いになるとワイルドで怖いんですね知りませんでした。
そう、ゴルド王国の誤算は本当にここにあった。
人間がエルフより肉弾戦が強いなんて根拠の無い事を誰が言い出した物やら。
当然、弓矢だけで無く接近戦も強いし戦士のエルフは筋骨隆々で普通にバトルアックスを振り回します。
世の中は俺強ええ!なら、相手も強ええ!ものなんですよ。
こうして初戦を制したラーデンブルク軍。
この勝利で東西の反ゴルド勢力が活発に動くだろう。
今回の勝利、イリス達の功績が大きい。
勝利の立役者達はどこに居るかと言うと・・・森の陰でダウンしていた。
「「もっ・・・無理、動けないっす」」
「私も身体が痛いよぉ・・・」2人共魔力枯渇の反動が出ていた。
特にイリスはシルフェリアの霊視の魔力を担保しているので被害甚大だ。
あれだけのチート能力をノーリスクで使える訳が無いのだ。
全快するまで1か月以上掛かるだろう。
シルフェリアもイリスの魔力枯渇でまた昏睡状態だ。
「大丈夫か?無理をさせてすまぬな」
クレアが戦勝会を抜け出して2人の様子を見に来た。
「大丈夫です、シルフィーナから大量の魔力を奪っちゃいましたけど・・・」
もう1人の契約精霊のシルフィーナの不参戦の理由だ。
イリスの不足分の魔力を供給し続けていたのだ、今頃はイリスと同じ様に指一本動かす事も出来ない状態だろう。
一連のイリスの攻撃はチーム戦、集団魔法に近かったと言える。
しかしクレアはプロパガンダで龍騎士イリスの活躍と喧伝するつもりだ。
こちらには単騎でこれだけの強者居るんだぞ!と言う奴だ。
実際に龍騎士イリスは1か月は戦闘不能になったがゴルド軍は知らない。
警戒に人員を割き続けるハメになるだろう。
味方にも現在のイリス達の姿を見せる訳にはいかず戦勝会も不参加だ。
「眠いので・・・寝ます・・・」
それだけ言うとイリスは深い眠りについた、しばらくは起きないだろう。
ブリックリンもイリスを守る様に丸まって眠りについたのだった。
「・・・子供達の努力を無駄には出来ぬな」
クレアは悲しそうに呟いてイリスとブリックリンを撫でた。
龍騎士イリスは戦闘不能になったが戦争は始まったばかりだ。
この優勢を維持してゴルド軍をとことん追い込むのがクレアの役目になる。
今回の大惨敗でゴルド軍の基本的な戦略が根底から崩れた。
しかしドライアドの森を落とせないと士気に甚大な影響が出る。
東部方面を放棄し再編成をしてドライアドの森とフィジー方面の攻略に全力を注ぐ事になった。
その隙をヴィアール領の勢力が突いて中央地帯の制圧に成功する。
その地名から「ピアツェンツェア王国」の設立を宣言する。
この国は100年後に滅びるので500年後に誕生するピアツェンツェア王国とは別の国になる。
西の大陸でもヴィグル帝国とエルフの連合軍が攻勢をかけて南部全てと中央部の一部の制圧に成功する。
徐々に勢力図が固定されつつあるのだ。
そのきっかけが龍騎士イリスが作ったと言われて本人が寝ている間に「英雄」と呼ばれるのであった。
「え?な・・・なにそれ?」1週間眠り続け目を覚ましたらそんな事になっていたイリスが呆然と呟いたが時既に遅し。
これからは戦意向上の為に世界各地に飛ぶハメになるイリスだった。
そんな中で第二次ドライアドの森の戦いが行われようとしていた。
前回と違いゴルド軍は防御陣形のまま、お互いにカバーをしながらドライアドの森へ慎重に行軍して来る。
「後が無いからな・・・慎重にもなろうか。予定通り一撃を加えたら引くぞ」
出来れば森に侵入させたくはないが仕方ない、クレアは岩山が多い城塞防衛線まで引く事にする。
無論そこまで引くまでにゲリラ線を仕掛けて数減らしは怠らない。
ワアアアアアアアア!!!
ゴルド軍の最前衛部隊が防御結界に取り付いて結界破壊を開始する。
動きを止めたゴルド軍に矢を撃ちかけるが今回は思う様に被害を与えられない。
結界が破壊されるのは時間の問題だが、予想に反してなかなか突破口を開けない。
ドライアドのシルヴァーナの結界だ、そんな簡単な物ではない。
壊しても壊しても新しい結界を張られてゴルド軍にも焦りが出始める。
その間にも少しずつ被害が拡大する。
シルヴァーナの魔力が尽きるかゴルド軍の先鋒部隊が壊滅するかの序盤戦になった。
「限界です!引いて下さい!」シルヴァーナが叫ぶと結界の一部が破られて敵兵が侵入して来た!
「思い通りに行くかよ!」侵入して来た敵兵を次々と斬り捨てるエルフの戦士達。
「クソ!なんでエルフがこんなに接近戦が強いんだ?!」
ゴルド軍の兵士が剣ならエルフの兵士はバトルアックスだ、地味に森の中での斬り合いではバトルアックスの効果は絶対だ!
何せ剣を振るうのには邪魔な草木諸共斬り捨ててしまうからだ。
想像もしてなかったエルフの脳筋攻撃にゴルド軍の兵士は面を喰らう。
簡単に数で押し切れるはずの序盤戦で苦戦するゴルド軍、その間に後方の迎撃の準備は整いつつある。
これから先は人間には地獄の森林戦になって行く。
ワアアアアアアアア!!!ウオオオオオオ!!!
ドライアドの森に勝利の雄叫びが響き渡る!
エルフって戦いになるとワイルドで怖いんですね知りませんでした。
そう、ゴルド王国の誤算は本当にここにあった。
人間がエルフより肉弾戦が強いなんて根拠の無い事を誰が言い出した物やら。
当然、弓矢だけで無く接近戦も強いし戦士のエルフは筋骨隆々で普通にバトルアックスを振り回します。
世の中は俺強ええ!なら、相手も強ええ!ものなんですよ。
こうして初戦を制したラーデンブルク軍。
この勝利で東西の反ゴルド勢力が活発に動くだろう。
今回の勝利、イリス達の功績が大きい。
勝利の立役者達はどこに居るかと言うと・・・森の陰でダウンしていた。
「「もっ・・・無理、動けないっす」」
「私も身体が痛いよぉ・・・」2人共魔力枯渇の反動が出ていた。
特にイリスはシルフェリアの霊視の魔力を担保しているので被害甚大だ。
あれだけのチート能力をノーリスクで使える訳が無いのだ。
全快するまで1か月以上掛かるだろう。
シルフェリアもイリスの魔力枯渇でまた昏睡状態だ。
「大丈夫か?無理をさせてすまぬな」
クレアが戦勝会を抜け出して2人の様子を見に来た。
「大丈夫です、シルフィーナから大量の魔力を奪っちゃいましたけど・・・」
もう1人の契約精霊のシルフィーナの不参戦の理由だ。
イリスの不足分の魔力を供給し続けていたのだ、今頃はイリスと同じ様に指一本動かす事も出来ない状態だろう。
一連のイリスの攻撃はチーム戦、集団魔法に近かったと言える。
しかしクレアはプロパガンダで龍騎士イリスの活躍と喧伝するつもりだ。
こちらには単騎でこれだけの強者居るんだぞ!と言う奴だ。
実際に龍騎士イリスは1か月は戦闘不能になったがゴルド軍は知らない。
警戒に人員を割き続けるハメになるだろう。
味方にも現在のイリス達の姿を見せる訳にはいかず戦勝会も不参加だ。
「眠いので・・・寝ます・・・」
それだけ言うとイリスは深い眠りについた、しばらくは起きないだろう。
ブリックリンもイリスを守る様に丸まって眠りについたのだった。
「・・・子供達の努力を無駄には出来ぬな」
クレアは悲しそうに呟いてイリスとブリックリンを撫でた。
龍騎士イリスは戦闘不能になったが戦争は始まったばかりだ。
この優勢を維持してゴルド軍をとことん追い込むのがクレアの役目になる。
今回の大惨敗でゴルド軍の基本的な戦略が根底から崩れた。
しかしドライアドの森を落とせないと士気に甚大な影響が出る。
東部方面を放棄し再編成をしてドライアドの森とフィジー方面の攻略に全力を注ぐ事になった。
その隙をヴィアール領の勢力が突いて中央地帯の制圧に成功する。
その地名から「ピアツェンツェア王国」の設立を宣言する。
この国は100年後に滅びるので500年後に誕生するピアツェンツェア王国とは別の国になる。
西の大陸でもヴィグル帝国とエルフの連合軍が攻勢をかけて南部全てと中央部の一部の制圧に成功する。
徐々に勢力図が固定されつつあるのだ。
そのきっかけが龍騎士イリスが作ったと言われて本人が寝ている間に「英雄」と呼ばれるのであった。
「え?な・・・なにそれ?」1週間眠り続け目を覚ましたらそんな事になっていたイリスが呆然と呟いたが時既に遅し。
これからは戦意向上の為に世界各地に飛ぶハメになるイリスだった。
そんな中で第二次ドライアドの森の戦いが行われようとしていた。
前回と違いゴルド軍は防御陣形のまま、お互いにカバーをしながらドライアドの森へ慎重に行軍して来る。
「後が無いからな・・・慎重にもなろうか。予定通り一撃を加えたら引くぞ」
出来れば森に侵入させたくはないが仕方ない、クレアは岩山が多い城塞防衛線まで引く事にする。
無論そこまで引くまでにゲリラ線を仕掛けて数減らしは怠らない。
ワアアアアアアアア!!!
ゴルド軍の最前衛部隊が防御結界に取り付いて結界破壊を開始する。
動きを止めたゴルド軍に矢を撃ちかけるが今回は思う様に被害を与えられない。
結界が破壊されるのは時間の問題だが、予想に反してなかなか突破口を開けない。
ドライアドのシルヴァーナの結界だ、そんな簡単な物ではない。
壊しても壊しても新しい結界を張られてゴルド軍にも焦りが出始める。
その間にも少しずつ被害が拡大する。
シルヴァーナの魔力が尽きるかゴルド軍の先鋒部隊が壊滅するかの序盤戦になった。
「限界です!引いて下さい!」シルヴァーナが叫ぶと結界の一部が破られて敵兵が侵入して来た!
「思い通りに行くかよ!」侵入して来た敵兵を次々と斬り捨てるエルフの戦士達。
「クソ!なんでエルフがこんなに接近戦が強いんだ?!」
ゴルド軍の兵士が剣ならエルフの兵士はバトルアックスだ、地味に森の中での斬り合いではバトルアックスの効果は絶対だ!
何せ剣を振るうのには邪魔な草木諸共斬り捨ててしまうからだ。
想像もしてなかったエルフの脳筋攻撃にゴルド軍の兵士は面を喰らう。
簡単に数で押し切れるはずの序盤戦で苦戦するゴルド軍、その間に後方の迎撃の準備は整いつつある。
これから先は人間には地獄の森林戦になって行く。
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