皇女だからって嘗めないで貰えます?

kuroneko

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皇女様は旅に出る

皇女様は旅立つ

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『失礼します。旅の準備をさせて頂きますぅ。』


4の刻丁度に
ノックをしてアナが部屋に入ってきた。
寝坊しなくてよかったぁ…。
1刻後にレイと【シス】が来るから、早めに着替えないとね。


『アナ、おはよう。
ん?メイド服だけど、アナもここで着替えるの?』

『はい。メイドの朝礼に出ていましたので、
 さすがに平民服ですと悪目立ちするので
 そのままメイド服で来ました。
 申し訳ないですが、
 お姉様が準備されている間に着替えさせてください。』

『了解。それじゃあ、私はシャワー浴びるわね。
 その間に着替えちゃって。』

『かしこまりました。メイク等の準備もしておきますね。』

『お願いするわ。』


それじゃあ、アナが気を使わない様
さっさと、バスルームに移動しますか。

すっきりして、平民服のワンピースに着替え終わった頃に
レイと【シス】が部屋に入ってきた。


『おはようございます、お嬢様。』

『おはよう。ちょっと待ってて、今メイクしてるから。』

『かしこまりました。それでは朝食の準備をしておきます。』

『よろしく。』


いつも朝食を食べているテーブルに
レイが朝食をサーブしていく。

『本日は移動がございますので
 軽めの物を準備いたしました。
 一口大のサンドウィッチ、クロワッサン、トーストの
 どれに致しましょう?』

『クロワッサンとヨーグルト、フルーツでいいわ。』

『かしこまりました。
 今日の紅茶はダージリンにベルガモットの香りをつけた
 フレーバーティーをご用意いたしました。』

『ありがとう。テーブルに着いてから楽しむわ。』


相変わらず、アナのメイクは早くて正確。
今日は平民に見えるようにメイクをするから、
肌をワントーン暗くして
日常から日に当たっている雰囲気を出していく。
アイラインも少しキツメに引いて、
意志が強そうな仕事ができる風にアイメイクも仕上がっていく。


『お姉様の透き通る素肌を隠したくないぃぃぃ。
 お姉様の優しい目元も変えたくなぃぃぃぃ。』

『…アナ、それじゃあアリア皇女のままになってしまうわ。』

『分かっていますけれど、
 ノーブス皇国の華を隠してしまうのは
 どうしても抵抗があるんですぅ。』


後ろで、レイと【シス】が
笑いをかみ殺している雰囲気が伝わってくる。


『…ところでアナ、メイクは終わった様だけど?』

『はい。あとはカツラを被って頂きます。
 ヘアセットは完了しているので、髪を纏めて被るだけです。
 その後、違和感をなくすためファンデーションでなじませます。』


そう言いながらアナは私の髪を綺麗に纏めていく。
纏まった髪をカツラについているネットに入れながら
カツラをつけカツラとの境目をファンデーションで埋め、
仕上げにフェイスパウダーをのせていく。


『はいっお姉さまは完了です。
 うちもカツラを被った後は、【シス】の番ですからねぇ。』

『ありがとう、アナ。』


わたしと入れ違いに【シス】が席に着く。
私はこれから【シス】がメイクするのを見つつ、
朝食を頂きましょう。



朝食後、皇城の人目が付きにくい道を選んで
馬車に乗る待ち合わせの場所に歩いていく。

そこにはすでにお父様とお母様、ソリエル様が待っていて
出迎えてくれた。


『お父様、お母様、ソリエル様お見送りありがとうございます。』

『アリアちゃんが、2年弱もの間皇城を離れるのは初めてだもの、
 見送るぐらいしますよ。』

『儀式の初めには立ち会わないといけんだろう。』

『…サミュエルとサリスタも来たがってのだけれど、
 さすがにお忍びだから遠慮してもらったわ。
 だからというわけではないのだけれど、
 無事に帰ってきてくださいね。』


お母様、お父様、ソリエル様と順に
見送りの言葉を掛けてくれる。


『…それでは、行ってまいりますね。
公務ではご迷惑をおかけしますがよろしくお願い致します。』


3人にお別れのハグをして、馬車に乗り込む。


『それでは、出発致します。』
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