皇女だからって嘗めないで貰えます?

kuroneko

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皇女様は旅に出る

皇女様は観戦する

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『よろしくお願いします【シス】』

『こちらこそよろしくお願いします。アナ嬢。』


冒険者ギルドに着いて
【シス】の冒険者カードを作成後、
実技試験を行うにあたって
試験官が出来るランクの人が不在とのことだったので、
冒険者ランクAのアナが試験官を務めることになった。

まぁ、試験が出来る人間がいないならしょうがない。
元々試合形式で戦ってもらうつもりだったし…。


『アナ嬢、Aランクだったんですか?!』

『ええ、特に意味も無いので公言してませんが
 …言ってなかったでしたっけ?』

『聞いてないですよ!!』

『でも、大したことないですよ?お姉様はSランクですし。』

『お姉様って、【アクア】さん以外にお姉様
 と呼ばれている方がいらっしゃるんですか?』

『いませんよ?うちのお姉様は【アクア】お姉様だけです。』

『ということは【アクア】さんがSランク?!』

『そうですよ!!この国のギルドに5名しか在籍されていないという
 Sランクですっ!!ですよね、お姉様!!』

『…そんな大層なものでもないけれど、Sランクではあるわね。』

『大層なことですよ、冒険者ギルドのトップランクですよ??』


【シス】は驚きながらも、Sランクの凄さを話している。
…確かに一般的にはSランクは優秀な冒険者として
尊敬されているけれど、
そんなにいい物じゃないのよね。
だって、冒険者自体が野蛮なイメージがあるからか、
ランクを名乗らなければ
不愉快な態度をとられることもしばしばあるし、
ランクを名乗っても貴族とかは
所詮成り上がりという下に見る視線や態度だし
街に何かあれば、
緊急招集でほぼほぼ死地の最前線に追いやられるんですもの。
まぁ、報酬は悪くはないけれど、
命を張ってまで得る値段じゃないかと思うのよね。


『…そんなことより、さっさと実技試験をしなさい。
 いくら時間があっても終わらないわよ。』

『はぁーい。それじゃあ【シス】の実技試験始めますよー。』


アナが声を発した瞬間から、
ゆっくりとした雰囲気から戦闘する際のピリッとした
緊張感がある雰囲気に変わる。

開始直後、【シス】が上段から切りかかる。

マジシャンには詠唱をさせる隙を作らないのが定石だから、
悪い動きではないけれど、
実力のあるマジシャンに対しては悪手かな?
アナは事前にAランクの冒険者、
火のマジシャンという2つの情報を与えているのに、
…蒼銀騎士はAランクよりも強いという傲慢かな?
それとも、小柄な体形のアナだから
防ぎきれないと読んでの速攻かしら?

…甘いなぁ。
マジシャンが筋力で差がある近接職に近接されたら
しんどい戦いになることが分かっているから
対策してるのは当然なのに…
アナも当然、対策をしている。

上段から切りかかる【シス】に対して、
アナはファイヤーウォール(火の壁)を作り出して
【シス】が近寄らせないようにしているとともに
ファイヤーウォールで見えなくなっている手元から
ファイヤーボール(火球)を出し、
発射させるときに風魔法でブーストさせて
【シス】目掛けて発射させた。

案の定、【シス】はファイヤーウォールに阻まれて、
手前で鎮火しようと
剣を上段から斜めに振り下げた所をファイヤーウォールから
飛び出してきたファイヤーボールに対応できず、
被弾してしまう。

ただ、反動で倒れることもなく、
そのままアナに向かって
剣を逆袈裟に切り上げてきた。
アナは後方に飛び、剣を避ける。

【シス】の剣先が途中で切り替わり
横なぎに振り抜き追撃を仕掛けるが
アナは身を伏せる形で避ける。

そのまま、アナは足を絡ませるように
【シス】に足払いを仕掛けるが
【シス】振り抜いた勢いを殺さず回転し
アナの足払いを避ける。

一進一退の攻防をしている様に見えるけれど、
アナは被弾していない分、動きが敏捷で捉えにくい。
【シス】は被弾している分、攻撃に移る速度が遅くなっているので、
その差で追いつめられるかが微妙なところね…。

【シス】は回転の勢いを殺さず、再度アナに切りかかるが、
アナの手元にはサバイバルナイフが握られており
サバイバルナイフには火を纏っている。

サバイバルナイフで受け流された
【シス】が体勢を崩しているところに
アナはサバイバルナイフを首元に添えた。


『…参りました』
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