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第2章
31 相談
ジグルズ様は視線を落とし、指に絡んだ私の髪を静かに解いた。
「悪い」
「いえ……。ジグルズ様はお父さんみたいですよね」
「お父さん!?」
「おれも思ってました!」
ハリルは同感とばかりに、うんうんと首を縦に振った。
「ジグルズ様はみんなのお父さん的存在だと思うんです」
「……なるほど」
気のせいでなければ、ジグルズ様が苦笑しているように見えた。
「あっ! お父さんとお母さんだぁ!」
女の子は誰よりも早く、両親を見つけ、明るい表情に変わった。
私の予想通り、町役場の前に女の子の両親と思われる男女が、心配そうな顔をして待っていた。
「ああ! 無事でよかった!」
「ごめんなさい……。運河の船がどこまでいくのか、見たくて……」
女の子はどうやら、船を眺め、追いかけているうちに、迷子になってしまったようだ。
二人は泣きながら、女の子を抱き締めていた。
「あまり叱らないでやってくれ。大人ですら迷う町だ」
「もしや、ベルクヴァイン公爵様でいらっしゃいますか!?」
「ああ」
「こ、光栄です。そっ、そのっ……一度、遠くからでも拝見できたらと思っていました!」
「娘が迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございません……」
必死になって頭を下げる女の子の両親に、ジグルズ様は笑って答えた。
「迷惑をかけているのは、こちらのほうだ。誰もが安全に過ごせる町にしたいと思っている。これに懲りず、また訪れてくれ」
「は、はい」
「もちろんです」
女の子は満面の笑みで、私のところまで走ってきた。
「お妃さま、ありがとう!」
お礼を言って、私の頬にキスをすると、また両親の元へ走って戻っていった。
「こ、こらっ! そんな気軽に触れていいお方じゃないんだぞ!」
「えぇ~! だって、親切にしてもらったら、ありがとうって言いなさいって、お父さんとお母さん、いつも言ってるよ?」
「も、申し訳ございません!」
女の子の両親は、最後まで頭を下げていた。
私は家族を見送り、見えなくなるまで手を振った。
「素敵な家族ですね」
「どこにでもいる普通の家族だが、俺もそう思う」
ジグルズ様の本心はわからない。
でも、並んで見送った私たちは、同じ気持ちでいるような気がした。
――あんな家族になりたかった。
遠く手に入らない世界が、私の前から消えていく。
命が尽きる前に、私は家族を持てるのだろうか。
左胸に手を置いた。
私は後どれくらい生きていられるのかわからない。
自分の命であって、自分の命ではない。
私の命は父と夫のもの。
ずっと【契約】に縛られ、生きていくのは苦しすぎる――
「さて、レフィカ」
「は、はいっ!」
ジグルズ様に名前を呼ばれ。顔を上げた。
私を呼んだのに。ジグルズ様の視線はなぜか、私のほうでなく、暗い路地のほうに向いている。
路地の陰に、一瞬だけ人影が見えたような気がしたけれど、今はいない。
――誰かこちらを見ていたような気がしたわ。でも、ジグルズ様に変わった様子はないし、私の気のせい?
ジグルズ様が町や人を観察するのは、いつものことである。
動じてないジグルズ様を見て、私の気にしすぎだったかもしれないと、思い直した。
「俺からレフィカに相談がある」
「ジグルズ様からの相談ですか!?」
いったいどんなすごい相談なのだろう。
ジグルズ様の考えを探るように、琥珀色の瞳を覗き込んだ。
「そんな嬉しそうな顔で、聞いたらがっかりするかもしれないぞ」
「ジグルズ様が初めての相談者なんです。はりきって聞かせてもらいます!」
待ちに待った相談者第一号である。
猫探しでも、草むしりでも、なんでもやる所存だ。
「では、相談させてもらおうか」
「はい。どんな些細なことでも構いません!」
私の必死すぎる態度がおかしかったのか、ジグルズ様は笑いをこらえながら言った。
「町が大きくなり、新しい道が増えた。よそから来た人間でも、迷わず歩けるようにしてもらいたい」
ジグルズ様の目は町を見ていた。
そういえば、小さな子が狙われ、さらわれるという事件も起きていると、ハリルが先ほど言っていた。
町が発展し、豊かになっても、いいことばかりではないようだ。
「住んでいる人間でさえ、すぐに変わる町に戸惑うくらいだ。治安を良くするためにも、協力してくれ」
「もちろん、協力させていただきます」
私たちが話している間も、木材や石材を加工する音、資材が荷車で運ばれていくのを目にした。
シャルク・ホジャという町は、まだまだ大きくなる。
今、住んでいる人だけで終わらない。
「ハリル。レフィカの力になってやってくれ」
「わかりましたっ!」
ジグルズ様に頼まれ、ハリルは嬉しかったのか、力強く返事をした。
「レフィカ様。おれにできることがあったら、なんでも言ってくださいっ!」
「本当ですか? 助かります」
――迷わず歩くには地図が必要……。地図はわかるけど、よそから来た人が、すぐにわかる地図って、どんなものがいいかしら。
シャルク・ホジャは大陸の東西南北を結ぶ町で、この町にいるのは、様々な国の人間である。
異国の人でも、わかりやすい地図でなくてはならない。
「考えてみます」
「ああ。よろしく頼む。それから、屋敷の外へ出る時は、必ず供をつけるように。特に夜は屋敷の外は危険だからな」
夜のシャルク・ホジャの町は、昼の顔と違って、羽目をはずした旅人や酔っぱらいが多くて、治安が悪いと屋敷の人間から聞いていた。
女性が一人で歩いてはいけないと、門番から言われている。
「夜に出歩きたい時は、俺が一緒に行こう。夜の散歩も悪くない」
ジグルズ様は『絶対に駄目だ』とは言わない。
私の意思を無視せず、人の自由を――私の自由を奪うことのない人だ。
初めて出会った時から、お父様ともイーザック様とも違うと思った。
「……はい。ありがとうございます」
少しだけ泣きそうになっていたのをジグルズ様は、見て見ぬふりをしてくれた。
「レフィカは花火を見たことがあるか? 夜にしか見れないものだ」
「花火ですか? 花火は見たことがありません」
「それなら、今度、大きな花火を打ち上げよう」
ジグルズ様が語る未来の話は、私の不自由さを忘れさせてくれる。
――私に未来があると、信じていいですか?
【契約】が刻まれた自分の心臓がある左胸に手をおき、私は問いかけた。
神様か――ここにはいない父とイーザック様に。
「悪い」
「いえ……。ジグルズ様はお父さんみたいですよね」
「お父さん!?」
「おれも思ってました!」
ハリルは同感とばかりに、うんうんと首を縦に振った。
「ジグルズ様はみんなのお父さん的存在だと思うんです」
「……なるほど」
気のせいでなければ、ジグルズ様が苦笑しているように見えた。
「あっ! お父さんとお母さんだぁ!」
女の子は誰よりも早く、両親を見つけ、明るい表情に変わった。
私の予想通り、町役場の前に女の子の両親と思われる男女が、心配そうな顔をして待っていた。
「ああ! 無事でよかった!」
「ごめんなさい……。運河の船がどこまでいくのか、見たくて……」
女の子はどうやら、船を眺め、追いかけているうちに、迷子になってしまったようだ。
二人は泣きながら、女の子を抱き締めていた。
「あまり叱らないでやってくれ。大人ですら迷う町だ」
「もしや、ベルクヴァイン公爵様でいらっしゃいますか!?」
「ああ」
「こ、光栄です。そっ、そのっ……一度、遠くからでも拝見できたらと思っていました!」
「娘が迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございません……」
必死になって頭を下げる女の子の両親に、ジグルズ様は笑って答えた。
「迷惑をかけているのは、こちらのほうだ。誰もが安全に過ごせる町にしたいと思っている。これに懲りず、また訪れてくれ」
「は、はい」
「もちろんです」
女の子は満面の笑みで、私のところまで走ってきた。
「お妃さま、ありがとう!」
お礼を言って、私の頬にキスをすると、また両親の元へ走って戻っていった。
「こ、こらっ! そんな気軽に触れていいお方じゃないんだぞ!」
「えぇ~! だって、親切にしてもらったら、ありがとうって言いなさいって、お父さんとお母さん、いつも言ってるよ?」
「も、申し訳ございません!」
女の子の両親は、最後まで頭を下げていた。
私は家族を見送り、見えなくなるまで手を振った。
「素敵な家族ですね」
「どこにでもいる普通の家族だが、俺もそう思う」
ジグルズ様の本心はわからない。
でも、並んで見送った私たちは、同じ気持ちでいるような気がした。
――あんな家族になりたかった。
遠く手に入らない世界が、私の前から消えていく。
命が尽きる前に、私は家族を持てるのだろうか。
左胸に手を置いた。
私は後どれくらい生きていられるのかわからない。
自分の命であって、自分の命ではない。
私の命は父と夫のもの。
ずっと【契約】に縛られ、生きていくのは苦しすぎる――
「さて、レフィカ」
「は、はいっ!」
ジグルズ様に名前を呼ばれ。顔を上げた。
私を呼んだのに。ジグルズ様の視線はなぜか、私のほうでなく、暗い路地のほうに向いている。
路地の陰に、一瞬だけ人影が見えたような気がしたけれど、今はいない。
――誰かこちらを見ていたような気がしたわ。でも、ジグルズ様に変わった様子はないし、私の気のせい?
ジグルズ様が町や人を観察するのは、いつものことである。
動じてないジグルズ様を見て、私の気にしすぎだったかもしれないと、思い直した。
「俺からレフィカに相談がある」
「ジグルズ様からの相談ですか!?」
いったいどんなすごい相談なのだろう。
ジグルズ様の考えを探るように、琥珀色の瞳を覗き込んだ。
「そんな嬉しそうな顔で、聞いたらがっかりするかもしれないぞ」
「ジグルズ様が初めての相談者なんです。はりきって聞かせてもらいます!」
待ちに待った相談者第一号である。
猫探しでも、草むしりでも、なんでもやる所存だ。
「では、相談させてもらおうか」
「はい。どんな些細なことでも構いません!」
私の必死すぎる態度がおかしかったのか、ジグルズ様は笑いをこらえながら言った。
「町が大きくなり、新しい道が増えた。よそから来た人間でも、迷わず歩けるようにしてもらいたい」
ジグルズ様の目は町を見ていた。
そういえば、小さな子が狙われ、さらわれるという事件も起きていると、ハリルが先ほど言っていた。
町が発展し、豊かになっても、いいことばかりではないようだ。
「住んでいる人間でさえ、すぐに変わる町に戸惑うくらいだ。治安を良くするためにも、協力してくれ」
「もちろん、協力させていただきます」
私たちが話している間も、木材や石材を加工する音、資材が荷車で運ばれていくのを目にした。
シャルク・ホジャという町は、まだまだ大きくなる。
今、住んでいる人だけで終わらない。
「ハリル。レフィカの力になってやってくれ」
「わかりましたっ!」
ジグルズ様に頼まれ、ハリルは嬉しかったのか、力強く返事をした。
「レフィカ様。おれにできることがあったら、なんでも言ってくださいっ!」
「本当ですか? 助かります」
――迷わず歩くには地図が必要……。地図はわかるけど、よそから来た人が、すぐにわかる地図って、どんなものがいいかしら。
シャルク・ホジャは大陸の東西南北を結ぶ町で、この町にいるのは、様々な国の人間である。
異国の人でも、わかりやすい地図でなくてはならない。
「考えてみます」
「ああ。よろしく頼む。それから、屋敷の外へ出る時は、必ず供をつけるように。特に夜は屋敷の外は危険だからな」
夜のシャルク・ホジャの町は、昼の顔と違って、羽目をはずした旅人や酔っぱらいが多くて、治安が悪いと屋敷の人間から聞いていた。
女性が一人で歩いてはいけないと、門番から言われている。
「夜に出歩きたい時は、俺が一緒に行こう。夜の散歩も悪くない」
ジグルズ様は『絶対に駄目だ』とは言わない。
私の意思を無視せず、人の自由を――私の自由を奪うことのない人だ。
初めて出会った時から、お父様ともイーザック様とも違うと思った。
「……はい。ありがとうございます」
少しだけ泣きそうになっていたのをジグルズ様は、見て見ぬふりをしてくれた。
「レフィカは花火を見たことがあるか? 夜にしか見れないものだ」
「花火ですか? 花火は見たことがありません」
「それなら、今度、大きな花火を打ち上げよう」
ジグルズ様が語る未来の話は、私の不自由さを忘れさせてくれる。
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神様か――ここにはいない父とイーザック様に。
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