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第1章
5 私に残されたもの①
雪の中、傘もささずに長い坂道を歩いたのが悪かったのか、熱を出してしまった。
しかも、こじらせて肺炎になり、二週間以上寝込み、お店も手伝えないまま、三月が終わろうとしていた。
連絡を絶った私は、玲我さんの旅立つ日を知らない。
返すことができなくなった黒のマフラーと指輪をぼんやり眺めた。
――理由もはっきり言わないまま、一方的に別れを告げた私に、玲我さんはきっと怒ってる。
でも、私は有近家の都久山における影響力を身をもって知った。
私と玲我さんが付き合っていたという事実は一切噂にならず、なかったことにされた。
噂好きな都久山の人々を黙らせる『有近』の名前の力は絶大で、こんな些細な話くらい簡単にもみ消せる。
すべて一人息子の玲我さんの経歴に傷をつけないためだとわかるけど――
――有近家に認められるような女性だったら、別れなくてよかった……?
考えないようにしていたけど、どうしても考えてしまう。
春休みの間に片付けようと思っていた高校の教科書をようやく段ボールに詰め、マフラーと指輪は箪笥の引き出しの奥へ隠した。
目の届かないところに片付けたのは、これが誰にも見つからないほうがいいと思ったから。
私と玲我さんのことを有近家が『なかったことにする』と決めたのなら、私も隠さなくてはいけない。
叔父さんが経営しているデリカテッセン『オグラ』に、叔父家族に迷惑をかけたくなかった。
部屋を片付けていると、階下から声が聞こえてきた。
「夕愛~! 元気になったなら、お店の手伝いを代わって! 私、明日のために美容院へ行きたいの!」
「美容院? 光華。明日はなにがあるの?」
入学式はまだ先で、明日ではないのに、光華はなぜか張り切っている。
部屋のドアを開けて階段を降りると、すでに私の返事を待たずにメイクをし、でかける準備を済ませた光華がいた。
丈の短いスカートにロングブーツ、ブランドもののバッグを手にして機嫌がいい。
叔父夫婦の一人娘である光華は、私と同じ年で、春から女子大へ通う。
名の知れた女子大で、お嬢様が多く通うので有名な大学だ。
光華は都久山のお嬢様に憧れて、どうしてもお嬢様が通うような学校へ行きたいと駄々をこねた。
叔父夫婦は反対していたけど、女の子なら都久山の華やかな暮らしに憧れる。
有名な私立の制服を着て、運転手付きの車に乗って通う彼女たちの優雅な雰囲気に、都久山の麓に住む私たちはお姫様みたいだと思っていた。
そして、お姫様がいるなら――
「明日、空港まで見送りに行く計画があるの」
「見送り? 誰の?」
「そんなの決まってるじゃない! 都久山に住む王子様たちの見送りに行くの!」
都久山には王子様と呼ばれる存在もいる。
『都久山の王子様』は隣町の私たちにとって憧れの存在で、私たちの年頃だと、王子様と呼ばれる存在は二人。
一人は玲我さん。
もう一人は有近家と犬猿の仲である鷹沢家の一人息子の海寿さん。
「二人とも同じ飛行機だって情報を手に入れたのよ」
「そう……」
「だから、夕愛! 明日の店番は絶対やらないから!」
デリカテッセン『オグラ』の店番と言うけど、光華は遊びに行くのを優先するから、働いているというより、誰もいない時に叔父さんが頼む程度。
でも、私は両親を亡くしていて、父の遺した店を守りたいという思いがある。
もし、普通に育っていたら、光華みたいに友達とでかけることを優先していたはずだ。
光華は自分の気持ちに正直で嘘がない。
――私は時々、そんな光華が羨ましくなる。
自分の気持ちに嘘をついている私は……
「わかったわ。いってらっしゃい」
「夕愛は興味ないかもしれないけど、もし行きたいなら一緒に行く?」
「……ううん。ありがとう、光華。楽しんできて」
光華は同じ年齢だけど、私の妹みたいな存在で、光華も私を姉のように思ってくれている。
「そう? じゃあ、空港に行ったついでにバームクーヘン買ってくるわ」
以前、私が美味しいと言ったバームクーヘンを覚えているらしい。
光華のすごいところは、一度聞いた人の趣味嗜好を全部覚えていられるところだ。
「美容院にいってきまーす」
光華は軽い足取りで出かけていった。
私は久しぶりの接客で、仕事の準備を始める。
髪を結び、黒のベレー帽をかぶって同色のエプロンをつけた。
デリカテッセン『オグラ』の本店は自宅と繋がっていて、店の裏と二階に自宅部分がある。
店に入ると、去年の春から働いてもらっているバイトの女の子が驚いた顔で私を見た。
バイトの女の子の名前は笑茉ちゃんといって、高校一年生。
明るく元気なしっかり者。
はきはきした態度が厨房スタッフから評判がよく、いい子が入ってくれたと叔父夫婦も喜んでいる。
「夕愛さん! 肺炎だって聞きましたよ? 店に出て平気なんですか?」
「もう平気。長く休んでごめんなさい」
「そうですか? でも、復帰してくれて助かりました」
休んでいる間、なにがあったのか、笑茉ちゃんは深いため息をついた。
「光華さんに悪気はないってわかってるんです。でも、注文を聞き間違えるし、お客様にお渡しする商品の包装もできないし……」
私がいなかった二週間の苦労がしのばれる。
光華は私に『夕愛がいなくても私がいるわ! 私でじゅうぶんよ!』なんて張り切っていたけど、とても大変だったようだ。
「社長でさえ、げんなりしてました」
社長というのは光華の父親、叔父さんのことだ。
最近、百貨店との打ち合わせや他店も忙しく、帰りも遅い。
「光華は一生懸命なのよ。ただ……張り切り過ぎて暴走気味なだけで……」
「そうなんです。だから、怒れないんですよ!」
――わかる。
簡単に想像できてしまい、額に手をあてた。
「あ、それから、社長が本店を任せられる料理人を探しているって話を聞きました」
「料理人を? 支店を増やしたら、ますます忙しくなるもの」
最近、寝込んでいたせいで、あまり会話ができていなかった。
バイトとはいえ、笑茉ちゃんは別格だ。
しっかりしていて、頼りになる彼女は叔父も信頼している。
笑茉ちゃんにも百貨店への出店は知らされていて、応援で支店のほうに応援へ行ってもらうことになっていた。
「笑茉ちゃん、ありがとう。私一人で大丈夫だから、休憩に入って」
「はい。休憩いただきます。わっ! 今日のまかないはミックスフライにタルタルソースがついてる! お店の手作りマヨネーズ、好きなんですよね」
まかない用のお弁当を厨房から受け取り、笑茉ちゃんは休憩室へ入っていった。
「忙しくなる前に備品の不足を確認して発注しなきゃ……。その前に商品の補充もしないと」
ショーケースの中身を確認し、メモをとる。
サーモンとグレープフルーツ、レッドオニオンのマリネサラダは人気メニューだから、今のうちに増やしておく。
菜の花を使ったキッシュ、じゃがいもとクレソンの粒マスタードサラダ。
野菜が多めなのは、都久山の奥様たちからの要望だからだ。
おじいちゃんがやっていた頃は、町のお総菜店という雰囲気だったけど、今ではおしゃれな料理やデザート類も豊富で、客層も若い人がやってくるようになった。
変えたのは私のお父さんで、焼き菓子や季節のイベントもやっていたのを覚えてる。
楽しいことが大好きな人で、都久山だけでなく、他からも足を運んでもらえるような店を目指していた。
叔父さんが都久山以外に店を出してくれたことで、お父さんの夢は叶ったようなもの。
――おじいちゃんもお父さんももういない。でも、二人の味は店に残ってる。
私にとって、この店は叔父さんが父に代わって経営してくれた店というだけじゃなくて、懐かしい味が残る場所だった。
二人の味を受け継ぐ店をどうしても守りたかった。
ショーケースのガラスに映った自分の顔が泣きそうになっていることに気づき、慌てて別のほうを向く。
ちょうど店に入ってきたお客様と目があった。
「あ、夕愛ちゃんだ。やっと会えた」
「海寿さん!」
年齢より若く見える童顔で、黒髪に黒の瞳。人懐っこい笑みを浮かべて、明るい声で話す。
「会いたいって思ってたんだ」
品の良さがあり、貴公子なんて呼ばれている男性で、私に笑顔を向けている。
このお客様は有近家と双璧、犬猿の仲である鷹沢家の一人息子鷹沢海寿さんだった。
しかも、こじらせて肺炎になり、二週間以上寝込み、お店も手伝えないまま、三月が終わろうとしていた。
連絡を絶った私は、玲我さんの旅立つ日を知らない。
返すことができなくなった黒のマフラーと指輪をぼんやり眺めた。
――理由もはっきり言わないまま、一方的に別れを告げた私に、玲我さんはきっと怒ってる。
でも、私は有近家の都久山における影響力を身をもって知った。
私と玲我さんが付き合っていたという事実は一切噂にならず、なかったことにされた。
噂好きな都久山の人々を黙らせる『有近』の名前の力は絶大で、こんな些細な話くらい簡単にもみ消せる。
すべて一人息子の玲我さんの経歴に傷をつけないためだとわかるけど――
――有近家に認められるような女性だったら、別れなくてよかった……?
考えないようにしていたけど、どうしても考えてしまう。
春休みの間に片付けようと思っていた高校の教科書をようやく段ボールに詰め、マフラーと指輪は箪笥の引き出しの奥へ隠した。
目の届かないところに片付けたのは、これが誰にも見つからないほうがいいと思ったから。
私と玲我さんのことを有近家が『なかったことにする』と決めたのなら、私も隠さなくてはいけない。
叔父さんが経営しているデリカテッセン『オグラ』に、叔父家族に迷惑をかけたくなかった。
部屋を片付けていると、階下から声が聞こえてきた。
「夕愛~! 元気になったなら、お店の手伝いを代わって! 私、明日のために美容院へ行きたいの!」
「美容院? 光華。明日はなにがあるの?」
入学式はまだ先で、明日ではないのに、光華はなぜか張り切っている。
部屋のドアを開けて階段を降りると、すでに私の返事を待たずにメイクをし、でかける準備を済ませた光華がいた。
丈の短いスカートにロングブーツ、ブランドもののバッグを手にして機嫌がいい。
叔父夫婦の一人娘である光華は、私と同じ年で、春から女子大へ通う。
名の知れた女子大で、お嬢様が多く通うので有名な大学だ。
光華は都久山のお嬢様に憧れて、どうしてもお嬢様が通うような学校へ行きたいと駄々をこねた。
叔父夫婦は反対していたけど、女の子なら都久山の華やかな暮らしに憧れる。
有名な私立の制服を着て、運転手付きの車に乗って通う彼女たちの優雅な雰囲気に、都久山の麓に住む私たちはお姫様みたいだと思っていた。
そして、お姫様がいるなら――
「明日、空港まで見送りに行く計画があるの」
「見送り? 誰の?」
「そんなの決まってるじゃない! 都久山に住む王子様たちの見送りに行くの!」
都久山には王子様と呼ばれる存在もいる。
『都久山の王子様』は隣町の私たちにとって憧れの存在で、私たちの年頃だと、王子様と呼ばれる存在は二人。
一人は玲我さん。
もう一人は有近家と犬猿の仲である鷹沢家の一人息子の海寿さん。
「二人とも同じ飛行機だって情報を手に入れたのよ」
「そう……」
「だから、夕愛! 明日の店番は絶対やらないから!」
デリカテッセン『オグラ』の店番と言うけど、光華は遊びに行くのを優先するから、働いているというより、誰もいない時に叔父さんが頼む程度。
でも、私は両親を亡くしていて、父の遺した店を守りたいという思いがある。
もし、普通に育っていたら、光華みたいに友達とでかけることを優先していたはずだ。
光華は自分の気持ちに正直で嘘がない。
――私は時々、そんな光華が羨ましくなる。
自分の気持ちに嘘をついている私は……
「わかったわ。いってらっしゃい」
「夕愛は興味ないかもしれないけど、もし行きたいなら一緒に行く?」
「……ううん。ありがとう、光華。楽しんできて」
光華は同じ年齢だけど、私の妹みたいな存在で、光華も私を姉のように思ってくれている。
「そう? じゃあ、空港に行ったついでにバームクーヘン買ってくるわ」
以前、私が美味しいと言ったバームクーヘンを覚えているらしい。
光華のすごいところは、一度聞いた人の趣味嗜好を全部覚えていられるところだ。
「美容院にいってきまーす」
光華は軽い足取りで出かけていった。
私は久しぶりの接客で、仕事の準備を始める。
髪を結び、黒のベレー帽をかぶって同色のエプロンをつけた。
デリカテッセン『オグラ』の本店は自宅と繋がっていて、店の裏と二階に自宅部分がある。
店に入ると、去年の春から働いてもらっているバイトの女の子が驚いた顔で私を見た。
バイトの女の子の名前は笑茉ちゃんといって、高校一年生。
明るく元気なしっかり者。
はきはきした態度が厨房スタッフから評判がよく、いい子が入ってくれたと叔父夫婦も喜んでいる。
「夕愛さん! 肺炎だって聞きましたよ? 店に出て平気なんですか?」
「もう平気。長く休んでごめんなさい」
「そうですか? でも、復帰してくれて助かりました」
休んでいる間、なにがあったのか、笑茉ちゃんは深いため息をついた。
「光華さんに悪気はないってわかってるんです。でも、注文を聞き間違えるし、お客様にお渡しする商品の包装もできないし……」
私がいなかった二週間の苦労がしのばれる。
光華は私に『夕愛がいなくても私がいるわ! 私でじゅうぶんよ!』なんて張り切っていたけど、とても大変だったようだ。
「社長でさえ、げんなりしてました」
社長というのは光華の父親、叔父さんのことだ。
最近、百貨店との打ち合わせや他店も忙しく、帰りも遅い。
「光華は一生懸命なのよ。ただ……張り切り過ぎて暴走気味なだけで……」
「そうなんです。だから、怒れないんですよ!」
――わかる。
簡単に想像できてしまい、額に手をあてた。
「あ、それから、社長が本店を任せられる料理人を探しているって話を聞きました」
「料理人を? 支店を増やしたら、ますます忙しくなるもの」
最近、寝込んでいたせいで、あまり会話ができていなかった。
バイトとはいえ、笑茉ちゃんは別格だ。
しっかりしていて、頼りになる彼女は叔父も信頼している。
笑茉ちゃんにも百貨店への出店は知らされていて、応援で支店のほうに応援へ行ってもらうことになっていた。
「笑茉ちゃん、ありがとう。私一人で大丈夫だから、休憩に入って」
「はい。休憩いただきます。わっ! 今日のまかないはミックスフライにタルタルソースがついてる! お店の手作りマヨネーズ、好きなんですよね」
まかない用のお弁当を厨房から受け取り、笑茉ちゃんは休憩室へ入っていった。
「忙しくなる前に備品の不足を確認して発注しなきゃ……。その前に商品の補充もしないと」
ショーケースの中身を確認し、メモをとる。
サーモンとグレープフルーツ、レッドオニオンのマリネサラダは人気メニューだから、今のうちに増やしておく。
菜の花を使ったキッシュ、じゃがいもとクレソンの粒マスタードサラダ。
野菜が多めなのは、都久山の奥様たちからの要望だからだ。
おじいちゃんがやっていた頃は、町のお総菜店という雰囲気だったけど、今ではおしゃれな料理やデザート類も豊富で、客層も若い人がやってくるようになった。
変えたのは私のお父さんで、焼き菓子や季節のイベントもやっていたのを覚えてる。
楽しいことが大好きな人で、都久山だけでなく、他からも足を運んでもらえるような店を目指していた。
叔父さんが都久山以外に店を出してくれたことで、お父さんの夢は叶ったようなもの。
――おじいちゃんもお父さんももういない。でも、二人の味は店に残ってる。
私にとって、この店は叔父さんが父に代わって経営してくれた店というだけじゃなくて、懐かしい味が残る場所だった。
二人の味を受け継ぐ店をどうしても守りたかった。
ショーケースのガラスに映った自分の顔が泣きそうになっていることに気づき、慌てて別のほうを向く。
ちょうど店に入ってきたお客様と目があった。
「あ、夕愛ちゃんだ。やっと会えた」
「海寿さん!」
年齢より若く見える童顔で、黒髪に黒の瞳。人懐っこい笑みを浮かべて、明るい声で話す。
「会いたいって思ってたんだ」
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*こちらは元の小説の途中に、エピソードを追加したものです。
文字数が倍になっています。