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第2章
15 ふさわしくない相手 ※妃莉視点
玲我さんが結婚するなんて、信じれない。
それも総菜屋の娘と!
小椋夕愛が現れるまで、玲我さんは私だけのものだった。
結婚相手に一番近い女性は私――そう思っていた。
四年前、夕愛さんと二人でいるのを目撃するまでは。
「妃莉。玲我さんが結婚するというのは本当なの?」
「総菜屋の娘だと? この目で確かめるまでは、納得できん!」
両親に玲我さんが釣り合わない相手と結婚すると教えた。
あり得ない決定をした本家に腹を立てている。
――当然の反応よ!
「お父様。結婚じゃなくて、お見合いよ。まだ結婚していないわ」
「本家の当主が同席するお見合いである以上、結婚が決まったようなものだ」
「なんてこと! 玲我さんが結婚するなら、うちの妃莉でしょうに!」
うちは有近の分家で、都久山では本家に次ぐ家として扱われている。
お父様とお母様は、それを誇りに思っていた。
もちろん、私も。
「幼い頃から妃莉にはバレエにピアノ、お茶と日舞だってさせてきたわ。玲我さんの妻になっても恥をかかないようにね!」
それが全部無駄になる。
お母様は信じられないという顔をし、ブツブツ呟いた。
「私以外の女性と結婚を認めるなんて、おじ様ったらひどいわ」
目に涙をためて両親に訴えると、さらに二人の怒りは燃え上がった。
「うちの妃莉は四月から有近の本社で働いて、本家に尽くしているっていうのに!」
「名のある家の娘ならともかく、総菜屋の娘にうちの娘が負けるわけがない。しかも、玲我君から結婚の相談を一度もされてないとは、どういうことだ!」
お父様と玲我さんは会社でも頻繁に顔を合わせる関係だし、会話もする親しい仲。
それなのに、お見合いについて一度も触れられてないなんておかしい。
まるで、私たちに隠すみたいにして、決まったお見合い。
――玲我さんは有近の親戚から認めてもらえないってわかっていたから、黙っていたんだわ。
「都久山のおかげで繁盛している店のくせに、有近の本家に取り入って娘を嫁がせるなんてずうずうしい!」
私たちは偶然を装って、お見合い予定のホテルへやってきた。
ここで、私と夕愛さんの差を見せつける作戦だ。
「ん? もう玲我君はいないのか」
席を見ると、空席が二つ。
玲我さんと夕愛さんがいたであろう席が、ぽっかり空いていた。
玲我さんを問い詰めるつもりだったお父様は残念そうな顔をした。
「お相手の方もいないみたいね」
席を立ち、ティールームからいなくなっていた。
残っていたのは、本家のおじ様とおば様。
そして、小椋夫妻。
小椋夫妻はおどおどしていて、会話も弾んでいる様子がない。
釣り合いがとれてないくせに、本家のおじ様たちと同席しているだけでも腹が立つ。
――いいわ。どちらが玲我さんにふさわしいかハッキリさせてやるわ!
テーブルに近づいた。
「おじ様、おば様。ごきげんよう」
「あらっ! 妃莉さん!」
おじ様がちらりとおば様を横目で見る。
私にお見合いの日時を教えてくれたのはおば様で、おじ様は隠したかったのか、少し不満そうだ。
「あらぁ~、小椋さんもいらっしゃいましたの? わたくしの家では、いつもそちらのお惣菜を購入していますのよ」
まずはお母様の先制パンチ。
お母様がそれとなく、『お惣菜屋が有近家に釣り合うと思っているの?』と遠回しに言った。
――これで少しは自分たちの立場がわかるでしょ。
けれど、小椋夫妻は接客になれているからか、お母様の嫌みをうまくかわした。
「お店の常連様でいらっしゃいますよね。いつもありがとうございます」
都久山の奥様であれば、嫌みに気づいて顔を赤らめて沈黙したはず。
でも、小椋夫妻には通用せず、笑顔で応じる。
「春キャベツが美味しい時期です。ロールキャベツなどのキャベツを使ったものがおすすめですよ」
デリカテッセン『オグラ』の主人がイキイキとした表情をし、さっきまで小さくなっていたのが嘘のよう。
――お母様ったら、なにをしてるの?
敵に塩を送るような真似をして、場の雰囲気をよくしただけ。
「小椋シェフは修行先のフランスの店でも評判がよかった。昔、店に立ち寄ったことがある」
「覚えてます。鷹沢様と一緒に来店されるとは思っていなかったので驚きました」
――おじ様が鷹沢と?
鷹沢の名前で、なごやかだった空気が一変した。
なにか考えがあるのか、重い空気になっても小椋夫妻は動じてない。
ティーカップの紅茶を揺らしながら、おじ様が苦笑する。
不仲だと知られているのに、名前を出すなんてどうかしている。
「たまたま食事をすることになっただけだ」
「そうですか。海外で見知った顔に偶然出会うと、また違った気持ちになるものですよ」
本家のおじ様がわずかに動揺していた。
こんな姿は見たことがない。
そもそも、誰かにやり込められるところを見たことがなかった。
「いや、食事はあれっきりだ。鷹沢はやはり好きにはなれん」
有近と鷹沢の不仲の歴史は長い。
同じ頃に貿易商を始め、気に入らない商売敵となった両家。
そこまでなら、普通の不仲な家同士。
屋敷を建てる際、同じ都久山の土地を購入していた。
向かい同士になり、家の大きさ、子供の年齢も同じ――なんなら、妻の年齢も同じで、気に入る店も同じ。
ここまで重なると、気が合うというよりは、煩わしい存在。
張り合う条件が多すぎた。
現在においても、両家の当主、玲我さんと海寿さんも同級生。
神様はよほど二つの家を争わせたいらしい。
「有近様にひとつお断りしておきたいのですが、店をやっている以上、鷹沢様の家とも関わることになります」
「もちろん、客は選べない。商売は自由だ」
「それなら、安心しました」
つまり、さきほど鷹沢の名前を出したのは、本題を語りたかったためだったらしい。
デリカテッセン『オグラ』を大きくしただけあって、抜け目がない。
私たちの前で、おじ様から了承をもらい、鷹沢と関わっても文句を言われないようにしたのだ。
――ずうずうしいわ!
そう思ったのは私だけでなく、両親も同じ。
有近の本家に鷹沢との関係を了承させるなんて!
おじ様とおば様は政略結婚で、おば様の実家の会社は有近を優先している。
町の小さなデリカテッセンごときが、条件を出すなんてあり得ない。
「不満があるようだが、これは決定済みだ。玲我の気持ちを尊重した」
「ずいぶん子供に甘いようですな」
「あなた……!」
不満を抑えられなくなったお父様が嫌みを言ったけれど、おじ様は顔色ひとつ変えなかった。
「そうかね? 玲我もいい年だ。自分の立場を理解しているはずだ」
余裕たっぷりで静かに笑う――決定を変える気はないってこと?
本当に玲我さんの気持ちを優先したと思えないわ。
だって、私は四年前を知っているもの。
あの時のおじ様は総菜屋の娘と玲我さんを結婚させるつもりはなかった。
――四年の間になにがあったの?
海外支店にいた玲我さんは仕事ばかりだった。
私は留学して大学に通っていたけど、同じアパートを借りていたし、卒業してからはお父様のコネで本社に入社して、秘書室に入ることが決まった。
玲我さんの行動はだいたい把握できている。
「では、妃莉は……」
「玲我が結婚したいと言うのならと言ったはずだ」
おじ様とお父様の間に交わされていた約束を知った。
「玲我の相手として考えている女性は何人かいる。今となっては、何人かいただが」
おじ様の口ぶりからいって、その候補者は私より上か、同じくらいの家柄だと思う。
「おじ様。そのご令嬢たちより、夕愛さんでいいと認めたのはなぜですか?」
「玲我から話を聞いて決めた。少なくとも、有近にとって悪い話ではなかった。それだけは言っておこう」
おかしなことをするなと釘を刺された。
「そんな説明で納得できると思わないでいただきたい! 失礼する!」
「妃莉、行きましょ!」
お父様とお母様は怒り心頭という様子で、ティールームを後にした。
小椋夫妻は呆然として私たちを見ていた。
あの後、どんな会話がされるだろう。
「本家が認めても分家や親戚は、夕愛さんを玲我さんの妻として認めないと、今のやりとりでわかったでしょうから、辞退されるかもしれないわ」
お母様はとても楽観的で、私とお父様は呆れてしまった。
「ふん。金目当てで嫁がせるに決まっている」
「嫁がせるに決まってるわ! 辞退するなら、お見合いから辞退していたはずだもの」
お父様は冷ややかな目で、ティールームのほうを見た。
「このまま放っておけるか」
「ええ。総菜屋の娘との結婚を阻止しましょう!」
認められることのない結婚。
こうなるとわかていたはず。
「お母様。夕愛さんを都久山の集まりに招待したらどうかしら?」
「いいわね。本人から辞退するかもしれないわね」
都久山には住んでいる奥様たちやお嬢様たちのお付き合いがある。
それが夕愛さんにできる?
「妃莉なら皆様と親しいけど、夕愛さんは知り合いさえいないわ」
「ええ、お母様。有近の奥様になるなら、当然、都久山でうまく振る舞えないといけないわ」
お父様はふっと笑った。
「お前たちに任せておいたほうがよさそうだ」
お見合いしたからといって、結婚が決まったわけじゃないわ。
婚約から結納まで、まだ時間はある。
絶対、二人を結婚させない。
有近家のためにも――!
それも総菜屋の娘と!
小椋夕愛が現れるまで、玲我さんは私だけのものだった。
結婚相手に一番近い女性は私――そう思っていた。
四年前、夕愛さんと二人でいるのを目撃するまでは。
「妃莉。玲我さんが結婚するというのは本当なの?」
「総菜屋の娘だと? この目で確かめるまでは、納得できん!」
両親に玲我さんが釣り合わない相手と結婚すると教えた。
あり得ない決定をした本家に腹を立てている。
――当然の反応よ!
「お父様。結婚じゃなくて、お見合いよ。まだ結婚していないわ」
「本家の当主が同席するお見合いである以上、結婚が決まったようなものだ」
「なんてこと! 玲我さんが結婚するなら、うちの妃莉でしょうに!」
うちは有近の分家で、都久山では本家に次ぐ家として扱われている。
お父様とお母様は、それを誇りに思っていた。
もちろん、私も。
「幼い頃から妃莉にはバレエにピアノ、お茶と日舞だってさせてきたわ。玲我さんの妻になっても恥をかかないようにね!」
それが全部無駄になる。
お母様は信じられないという顔をし、ブツブツ呟いた。
「私以外の女性と結婚を認めるなんて、おじ様ったらひどいわ」
目に涙をためて両親に訴えると、さらに二人の怒りは燃え上がった。
「うちの妃莉は四月から有近の本社で働いて、本家に尽くしているっていうのに!」
「名のある家の娘ならともかく、総菜屋の娘にうちの娘が負けるわけがない。しかも、玲我君から結婚の相談を一度もされてないとは、どういうことだ!」
お父様と玲我さんは会社でも頻繁に顔を合わせる関係だし、会話もする親しい仲。
それなのに、お見合いについて一度も触れられてないなんておかしい。
まるで、私たちに隠すみたいにして、決まったお見合い。
――玲我さんは有近の親戚から認めてもらえないってわかっていたから、黙っていたんだわ。
「都久山のおかげで繁盛している店のくせに、有近の本家に取り入って娘を嫁がせるなんてずうずうしい!」
私たちは偶然を装って、お見合い予定のホテルへやってきた。
ここで、私と夕愛さんの差を見せつける作戦だ。
「ん? もう玲我君はいないのか」
席を見ると、空席が二つ。
玲我さんと夕愛さんがいたであろう席が、ぽっかり空いていた。
玲我さんを問い詰めるつもりだったお父様は残念そうな顔をした。
「お相手の方もいないみたいね」
席を立ち、ティールームからいなくなっていた。
残っていたのは、本家のおじ様とおば様。
そして、小椋夫妻。
小椋夫妻はおどおどしていて、会話も弾んでいる様子がない。
釣り合いがとれてないくせに、本家のおじ様たちと同席しているだけでも腹が立つ。
――いいわ。どちらが玲我さんにふさわしいかハッキリさせてやるわ!
テーブルに近づいた。
「おじ様、おば様。ごきげんよう」
「あらっ! 妃莉さん!」
おじ様がちらりとおば様を横目で見る。
私にお見合いの日時を教えてくれたのはおば様で、おじ様は隠したかったのか、少し不満そうだ。
「あらぁ~、小椋さんもいらっしゃいましたの? わたくしの家では、いつもそちらのお惣菜を購入していますのよ」
まずはお母様の先制パンチ。
お母様がそれとなく、『お惣菜屋が有近家に釣り合うと思っているの?』と遠回しに言った。
――これで少しは自分たちの立場がわかるでしょ。
けれど、小椋夫妻は接客になれているからか、お母様の嫌みをうまくかわした。
「お店の常連様でいらっしゃいますよね。いつもありがとうございます」
都久山の奥様であれば、嫌みに気づいて顔を赤らめて沈黙したはず。
でも、小椋夫妻には通用せず、笑顔で応じる。
「春キャベツが美味しい時期です。ロールキャベツなどのキャベツを使ったものがおすすめですよ」
デリカテッセン『オグラ』の主人がイキイキとした表情をし、さっきまで小さくなっていたのが嘘のよう。
――お母様ったら、なにをしてるの?
敵に塩を送るような真似をして、場の雰囲気をよくしただけ。
「小椋シェフは修行先のフランスの店でも評判がよかった。昔、店に立ち寄ったことがある」
「覚えてます。鷹沢様と一緒に来店されるとは思っていなかったので驚きました」
――おじ様が鷹沢と?
鷹沢の名前で、なごやかだった空気が一変した。
なにか考えがあるのか、重い空気になっても小椋夫妻は動じてない。
ティーカップの紅茶を揺らしながら、おじ様が苦笑する。
不仲だと知られているのに、名前を出すなんてどうかしている。
「たまたま食事をすることになっただけだ」
「そうですか。海外で見知った顔に偶然出会うと、また違った気持ちになるものですよ」
本家のおじ様がわずかに動揺していた。
こんな姿は見たことがない。
そもそも、誰かにやり込められるところを見たことがなかった。
「いや、食事はあれっきりだ。鷹沢はやはり好きにはなれん」
有近と鷹沢の不仲の歴史は長い。
同じ頃に貿易商を始め、気に入らない商売敵となった両家。
そこまでなら、普通の不仲な家同士。
屋敷を建てる際、同じ都久山の土地を購入していた。
向かい同士になり、家の大きさ、子供の年齢も同じ――なんなら、妻の年齢も同じで、気に入る店も同じ。
ここまで重なると、気が合うというよりは、煩わしい存在。
張り合う条件が多すぎた。
現在においても、両家の当主、玲我さんと海寿さんも同級生。
神様はよほど二つの家を争わせたいらしい。
「有近様にひとつお断りしておきたいのですが、店をやっている以上、鷹沢様の家とも関わることになります」
「もちろん、客は選べない。商売は自由だ」
「それなら、安心しました」
つまり、さきほど鷹沢の名前を出したのは、本題を語りたかったためだったらしい。
デリカテッセン『オグラ』を大きくしただけあって、抜け目がない。
私たちの前で、おじ様から了承をもらい、鷹沢と関わっても文句を言われないようにしたのだ。
――ずうずうしいわ!
そう思ったのは私だけでなく、両親も同じ。
有近の本家に鷹沢との関係を了承させるなんて!
おじ様とおば様は政略結婚で、おば様の実家の会社は有近を優先している。
町の小さなデリカテッセンごときが、条件を出すなんてあり得ない。
「不満があるようだが、これは決定済みだ。玲我の気持ちを尊重した」
「ずいぶん子供に甘いようですな」
「あなた……!」
不満を抑えられなくなったお父様が嫌みを言ったけれど、おじ様は顔色ひとつ変えなかった。
「そうかね? 玲我もいい年だ。自分の立場を理解しているはずだ」
余裕たっぷりで静かに笑う――決定を変える気はないってこと?
本当に玲我さんの気持ちを優先したと思えないわ。
だって、私は四年前を知っているもの。
あの時のおじ様は総菜屋の娘と玲我さんを結婚させるつもりはなかった。
――四年の間になにがあったの?
海外支店にいた玲我さんは仕事ばかりだった。
私は留学して大学に通っていたけど、同じアパートを借りていたし、卒業してからはお父様のコネで本社に入社して、秘書室に入ることが決まった。
玲我さんの行動はだいたい把握できている。
「では、妃莉は……」
「玲我が結婚したいと言うのならと言ったはずだ」
おじ様とお父様の間に交わされていた約束を知った。
「玲我の相手として考えている女性は何人かいる。今となっては、何人かいただが」
おじ様の口ぶりからいって、その候補者は私より上か、同じくらいの家柄だと思う。
「おじ様。そのご令嬢たちより、夕愛さんでいいと認めたのはなぜですか?」
「玲我から話を聞いて決めた。少なくとも、有近にとって悪い話ではなかった。それだけは言っておこう」
おかしなことをするなと釘を刺された。
「そんな説明で納得できると思わないでいただきたい! 失礼する!」
「妃莉、行きましょ!」
お父様とお母様は怒り心頭という様子で、ティールームを後にした。
小椋夫妻は呆然として私たちを見ていた。
あの後、どんな会話がされるだろう。
「本家が認めても分家や親戚は、夕愛さんを玲我さんの妻として認めないと、今のやりとりでわかったでしょうから、辞退されるかもしれないわ」
お母様はとても楽観的で、私とお父様は呆れてしまった。
「ふん。金目当てで嫁がせるに決まっている」
「嫁がせるに決まってるわ! 辞退するなら、お見合いから辞退していたはずだもの」
お父様は冷ややかな目で、ティールームのほうを見た。
「このまま放っておけるか」
「ええ。総菜屋の娘との結婚を阻止しましょう!」
認められることのない結婚。
こうなるとわかていたはず。
「お母様。夕愛さんを都久山の集まりに招待したらどうかしら?」
「いいわね。本人から辞退するかもしれないわね」
都久山には住んでいる奥様たちやお嬢様たちのお付き合いがある。
それが夕愛さんにできる?
「妃莉なら皆様と親しいけど、夕愛さんは知り合いさえいないわ」
「ええ、お母様。有近の奥様になるなら、当然、都久山でうまく振る舞えないといけないわ」
お父様はふっと笑った。
「お前たちに任せておいたほうがよさそうだ」
お見合いしたからといって、結婚が決まったわけじゃないわ。
婚約から結納まで、まだ時間はある。
絶対、二人を結婚させない。
有近家のためにも――!
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