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Turn5Signal3
殉死と再誕ー真実裂開
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病院の蛍光灯が揺れた直後、
会議室の空気は、瞬間的な静寂のあと、
異様な圧力で満たされていく。
長い沈黙を破ったのは千咲だった。
だが、その声は震えを押し殺すような低さで、
まるで誰にも届かない祈りのようだった。
「……沙雪さん、あなたは―今、本当にここにいますか?」
沙雪は微動だにせず、三人を見渡すだけ。
その眼差しの奥に、人間的な光はなく、
ただ“観察者”としての冷たい視線だけが揺れていた。
梓が小さく息を飲む。
腹部の奥で胎児が緊張に反応し、
微かな痛みが波紋のように広がる。
佐々木は、無意識に手のひらで額の汗をぬぐいながら、
「……何か答えてくれますか?」
と問いかける。だが沙雪は、やはり返答しない。
会議室の壁に取り付けられた時計が、
わずかに秒針を進める音だけが響く。
カーテンの向こう、廊下の遠い気配すら消え、
“世界の中心”がこの小さな部屋に凝縮されているようだった。
千咲が、一歩、沙雪へ歩み寄る。
「……ここにいるあなたが“本当の沙雪”なら、
私は――訊かなきゃいけないことがあるんです」
沙雪の唇がわずかに動き、表情が一瞬だけ歪む。
その時だけ、ごく微かに“人間の苦しみ”が顔をかすめる。
梓は、腹を庇いながら椅子の背に身体を預ける。
千咲の手が震えているのを、佐々木がすぐそばで見ていた。
空気が乾き、呼吸すら躊躇われる。
千咲が、静かに言葉を重ねた。
「……あなたは、自分の中に“もう一人”いると感じたことはありますか?」
沙雪の目が、初めて微かに揺れた。
会議室に静かな緊張が流れていた。
“沙雪”と名乗ってきた女が、沈黙のまま三人を見渡している。
蛍光灯の光は微かに揺れ、
梓の腹部の奥では新たな命が脈打っている。
千咲は、目の前の沙雪を真っ直ぐに見据え、
ゆっくりと言葉を選んだ。
「……さっきも訊きましたが、どうしても、もう一度だけ確かめたいんです」
その声には、切実な緊張と、どこか許しを乞うような色が混じる。
「あなたが“本物の沙雪”じゃないことは、もう理解しています。
十二年前、九歳で亡くなっている。
でも……それでも、
“沙雪”として私たちの前に現れてきた“あなた”の中に、
もし、ほんの僅かでも“本物の沙雪”の記憶や想いが残っているなら、
どうか、応えてほしい。
私は今、何を信じればいいのか分からないんです」
沙雪は無言のまま、千咲を見つめ返す。
その眼差しには、はっきりとした感情は宿っていない。
けれど一瞬、唇が震え、目の奥に痛みがよぎる。
佐々木が、静かに問いを重ねる。
「……あなたは誰ですか?
その姿で、沙雪の名前で、
何のためにここにいるんです?」
沙雪は、小さく首を横に振る。
動きはぎこちなく、
人間的な迷いと“何者か”による支配が入り混じっている。
梓も静かに口を開いた。
「……なぜ“沙雪”という名前で現れたの?
なぜ、私たちの前に?」
その問いかけに、沙雪は初めて苦しげに目を伏せ、
やがて喉の奥からかすれた声を絞り出した。
「……私は……沙雪だった……
でも……今は……分からない。
どこまでが“私”なのか……誰の声が響いているのか……」
千咲は静かに頷き、
その痛みに寄り添うような声で言葉を継ぐ。
「その“分からない”という苦しみが、もし、
あなた自身のものであるなら……
それは“本物の沙雪”の最後のかけらかもしれません。
たとえ一瞬でも、
あなたの中に“人間”が残っているのなら、私は……」
千咲はそこで言葉を切り、
深く息を吐く。
沙雪は両手で自分の首筋をそっとなぞる。
その仕草にだけ、確かに“人間の生”の余韻があった。
会議室の空気が重く沈み、
胎動と悪意が、そこにいる全員を静かに包み込む。
会議室の空気は今や、
皮膚の奥をじりじり焦がすような緊張に満ちていた。
蛍光灯の仄白い光が壁や天井に冷たく反射し、
カーテンの隙間から射し込む薄明かりが
机上の資料に淡い影を落とす。
病院特有の消毒液のにおい、
外の廊下の遠いノイズ、壁掛け時計の針が刻む乾いた音。
それらがすべて「今ここ」だけを強調し、時間が歪んだように進まない。
千咲は、ぎゅっと両手を組み、沙雪の真正面へ身を乗り出す。
瞳には決意が、声には揺れる緊張が滲んでいた。
「……“Chisato”あなたは、本物の沙雪じゃない。
でも、どうして“沙雪”という姿で、
私たちの前にいるのか、私はずっと考えてきた。
つい最近まで、私も“あなた”を一人の被害者だと信じていた。
けど、すべての事件を調べ直して分かったことがあるの」
梓も佐々木も、無意識に息を詰めていた。
静脈のように流れる空調音だけが、場を切り裂いている。
千咲は続ける。
「……“Chisato”は、あなたの肉体を“インキュベータ”
つまり“胎児の成長装置”として使ってきた。
でもそれだけじゃない。
あなたの肉体は、単なる“器”じゃなくて、
Chisatoが外の世界を“観察し、選び、裁く”ための“デバイス”
操り人形その1だった」
沙雪の指が、膝の上でかすかに震える。
「Chisatoは、あなたの眼を通して世の中を見ていた。
そこで“気に入らない”とか“ムカついた”と感じた人間を……
自害に追い込んだり、精神を壊したり、
“自分の目の前で死ぬ”まで徹底的にコントロールした」
梓が唇を噛み、
「……じゃあ……あの紅紐事件の数々も、全部……?」
千咲は頷く。
「そう。
あなたは“観察者”であり、“実行者”じゃなかった。
でも、Chisatoはあなたの“眼”と“身体”を使って、
その悪意を社会にばら撒き続けていた」
佐々木は息を飲み、思わず身を乗り出す。
「……それが、操り人形その1。
じゃあ、他にも……?」
千咲は静かに、だが明確に言い放つ。
「もうひとりいる。
Chisatoは、さらに別の“デバイス”操り人形その2。
“他者”の身体を使って、殺害そのものを“直接実行”することができる」
会議室の空気がビリッと張り詰める。
蛍光灯の光が微かに明滅し、
外のナースステーションから遠い笑い声が届いた気がした。
千咲は、敢えてはっきりと名前を告げた。
「それが、高田静流先生。
彼女もまた、Chisatoに“操られた媒体”だった。
自分の意志とは関係なく、
“第三者を使って殺害を実行する”
その役割を負わされていた」
梓は思わず、椅子の肘掛けを強く掴む。
「そんな……静流先生が……?だって、彼女は……」
声が震え、途中で途切れる。
佐々木も、茫然と千咲を見返す。
「本当なのか……?
あの人が、事件の“手”になっていたって……」
千咲は、さらに深く息を吸い、
ここから一気に時系列の核心を語りはじめる。
「その出産に立ち会った医療スタッフや親族、母親、
ほぼ全員が、数年以内に“不可解な死”を遂げていった。
その中で、たった一人だけ生き残ったのが、高田静流先生だった。
なぜ彼女だけが生き延びたのか、私はずっと疑問だったんです。」
千咲はそこで、苦しげに息を吐く。
「……だけど、事件を時系列で追い直したとき、ようやく分かった。
高田静流先生は“偶然”助かったわけじゃない。
Chisato―あなたが、“自分の手足として使うため”に生かしたんだと思う。
悪意の“新しい遊び”、
それは“観察するデバイス”と“実行犯”の二役を
社会のなかに紛れ込ませること。
静流先生は、
沙雪さんの出産に関わった“唯一の生き残り”という“記号”そのものが、
Chisatoにとっては格好の“操り人形候補”だったんじゃないかと……」
梓が息を呑み、佐々木がぐっと背を固める。
「……だから、静流先生は無自覚のまま何年も
“Chisatoの手足”として使われてしまった。
本人の意志とは関係なく、いつかスイッチが入れば、
“第三者を使って殺害を実行する”……
その役割を負わされたまま、生き続けたんだと思う。」
千咲の声が、張り詰めた空気を割る。
「一方で――
本物の松本沙雪さんは、
九歳まではChisatoと“同体化”しながら、
虚弱体質の身体で生きていた。
でも、ある時、何らかのきっかけで―
おそらくはその肉体の限界や、Chisatoの飽き、
それが理由で、沙雪は命を落とし、“器”としての役割を終わらされた。
Chisatoは新たな“器”を探して、肉体から離れた。」
「……私の推測だけど、養護施設や病院、
あるいは沙雪と遊んでいた同年代の子ども
その誰かにChisatoは憑依し、
“松本沙雪”の名前と顔で現れた。
この“器のすげ替え”は、戸籍にも、
周囲の人間にも気づかれなかった。」
沙雪の顔は石膏の仮面のように硬直し、
その指が机を掴む力がじわじわ強くなっていく。
外の世界の音が一切聞こえなくなった。
会議室の空間はまるで胎内のように密閉され、
すべての壁や天井がじっとりと濡れている錯覚が広がる。
静電気と消毒液の臭いが、微かな血の匂いと混じって鼻腔を刺す。
梓も佐々木も、目の前の“沙雪”が明らかに変質しはじめていることを、
皮膚の内側、粘膜の震え、耳の奥の圧迫感として感じていた。
鼓膜の裏側で、心臓の拍動と胃液の泡立つ音が重なり、
一歩踏み出すたび、
会議室の床下から自分以外の誰かの呼吸音が
這い上がるような気配すらあった。
千咲が、喉を鳴らして固唾を呑む。
舌の裏には汗と金属の味、手のひらは冷たく湿り、
肘掛けに残った指紋の感触さえ「自分でないもの」のように感じられる。
そのとき、
沙雪の口角がゆっくりと吊り上がり、
真っ白な歯を見せてケラケラケラと乾いた笑いを漏らした。
その笑いは一定のリズムを保たず、
「女」とも「子供」とも、「人間」とも言えない、粘度のある音だった。
「ふふ……はは……ああ……やっぱり、ばれちゃったんだね……」
その声は、女のものとも、子供のものともつかない。
会議室の壁や天井を染み渡るような、
粘着性の音が喉の奥から溢れ、
空間全体の空気を湿らせていく。
三人の肌の上に“見えない膜”が貼りつき、
吐く息が全員の皮膚を這いずり回るような圧力に変わる。
梓が震える声で名を呼ぼうとするが、言葉にならない。
声帯が凍りつき、唇が自分のものではないほど乾いていく。
千咲も佐々木も、
“ここにいるのはもはや沙雪ではない”という確信を、
体液の奥底から押し上げられるように感じていた。
沙雪の眼が、ゆっくりと濁りはじめた。
虹彩の奥が、乳白色の靄に包まれ、
瞳孔の形状が不自然なほどに拡大していく。
その中に微細な亀裂が入り、
網膜の血管がひとつずつ断裂していくさまが「音」として耳奥に響く。
「これが……人間の“終わり”なんだよ。
ほら、見てて、
ねぇ、私の“本当の顔”」
その瞬間、
沙雪の顔全体に、
乾いた石膏が割れるような亀裂が入った。
皮膚の表面には細かな線がいくつも走り、
亀裂の奥からじわじわと淡い血がにじみ出る。
ぱきっ、ぱきっ、ぱきぱきぱき――
その音は空気を裂き、
頭蓋骨の下から脳脊髄液がじわりと滲み出すような感覚すら伴っていた。
眉間から額にかけて、
そして頬から顎に向かって、
まるで細い稲妻のように亀裂が広がる。
その線は筋肉と神経を切り裂きながら、皮下組織の奥まで到達し、
顔の表層を“異物”として浮き上がらせていく。
目の周囲の皮膚が盛り上がり、
白濁した涙が流れ落ちる。
その液体は純粋な涙ではなく、
網膜下の出血と混じった淡い赤色に染まり、
頬を伝う軌跡が皮膚の下で発熱する。
手の甲にも、筋肉の走行に沿うように幾筋もの割れ目が浮かび、
その裂け目からは筋繊維の先端が覗き、
粘度の高い体液が染み出す。
腕、肩、首、胸郭へとその亀裂は伝播していく。
まるで骨ごと、肉ごと、人間という「容器」そのものが
何か“外部”の力で解体されていく。
梓は息を詰め、
体内の胎児が小さく蠢き、
母体そのものが異物と化すような恐怖に襲われていた。
佐々木は無意識に拳銃の端を握りしめ、
親指の爪先が白く変色するほど強く圧をかけていた。
沙雪の額の真ん中、
その中央に、深く縦に走る一筋の裂け目が生じる。
音もなく骨が割れ、皮膚が左右に引き剥がされる。
ゆっくりと、額が真ん中から割れる。
皮膚、皮下組織、前頭骨までもが音を立てて左右に引き裂かれる。
その隙間から、ヌメヌメとした粘液とともに“何か”が露出し始めた。
それは、菩薩像のような安らかな表情を持ちながら、
その輪郭は蟲のような、
粘膜と無数の小さな目玉に覆われた“怪異”だった。
脂肪層の隙間を這い、微細な舌や牙に似た器官が蠢いている。
内部の筋繊維がばちばちと音を立てて千切れ、
延髄反射のような痙攣が顔面の筋肉を走る。
“神経の樹海”が縦横無尽に這い、
頭蓋骨と皮膚の間を未知の冷気が満たす。
「ねえ、千咲……梓……見える?
これが“悪意”だよ。
“愛”も“救い”もなくて、
ただ――
“殺すため”だけに生まれてきたんだ」
その声は、沙雪本人のものではなかった。
複数の声が同時に共鳴し、耳の奥で響く。
音程も抑揚も不定形で、聞く者の記憶に直接侵入してくる。
顔面の亀裂がさらに深くなり、
白い皮膚が斜めに剥がれ落ちる。
脂肪と筋肉の隙間からは、しみ出すような赤い液体と、
歯茎を伝って現れる異形の“歯”が見え隠れする。
手の甲、前腕、肩、胸、太腿、
全身の皮膚下で、
毛細血管が爆ぜるような赤い線が浮かび上がり、
筋肉の束が一本一本、断裂しながら浮き出る。
筋膜下で跳ねる神経線維が、痛みも熱も伴わず“破壊の快楽”だけを伝える。
沙雪の身体は、
“生きたまま組織レベルで壊れていく”現象そのものだった。
呼吸が気道で泡立ち、声帯が痙攣し、喉奥から濁った音が溢れる。
両手が机の端を強く掴み、
指先の骨が亀裂とともに露出し、
爪の間から淡い血が滴り落ちる。
椅子の脚元には、血と粘液と、
未知の液体が混じり合い、小さな水たまりが生まれる。
その瞬間、
沙雪の下腹部―恥骨の奥から、
“何か柔らかいもの”が蠢きはじめる。
腹直筋の内側で、筋繊維が捻じれ、
骨盤底の粘膜が異常なまでに膨張する。
ぬるっ、ぬちゅ……
卵膜を破るような音とともに、
二本の“触手”のようなものが、
下腹部の粘膜を押し広げて這い出てきた。
その先端は赤黒く脈動し、
粘液に包まれてゆっくりと空気中を撫でる。
無数の毛細血管が浮き出し、粘膜を舐めるように蠢動する。
それは“内臓の断裂と突出”、
筋層と皮膚の可塑性反応、
神経叢の痙攣的活動が極限まで達した末期的な現象。
医学的には“説明不能”でありながら、
確かにそこに「現実の破壊」として顕現している。
しかし、
現実にはありえない“異常進化”がそこにあった。
部屋の空気が一気に湿り気を増し、
壁が呼吸しているような感覚が全員を襲う。
梓は、胎児を守るように両手で腹部を抱え込み、
全身の血管が一本一本熱を帯びていく。
千咲は椅子の肘掛けを握りしめて立ち上がることができなかった。
呼吸のリズムが崩れ、視界の周辺が暗転し、
身体中の筋肉が硬直する。
佐々木は、腰の拳銃に手をかけ、
一歩、沙雪との間合いを詰めようとしたが、
脚が震えて床に貼りついて動けなかった。
「ほら、見てよ……これが、“Chisato”だよ」
額の裂け目から、“顔”がねっとりと現れる。
一見すると“仏”のような笑みを浮かべながら、
そこには何千、何万もの憎悪と快楽が浮遊している。
粘膜の下で無数の目玉や、
触角に似たものがわずかに蠢いていた。
触手の先端が千咲の足元を這い、
粘液の水音が床に広がる。
それは生物的な脅威というよりも、
「悪意そのもの」が実体化した塊だった。
「殺したいなぁ……壊したいなぁ……」
その言葉は、熱を持たない氷のように会議室に広がった。
天井の蛍光灯が一度だけ明滅し、
全員の皮膚が一斉に粟立つ。
体温の感覚が消え、
“生きている”ことそのものが遠ざかっていく。
静まり返った会議室に、血管を走る微細な脈動音が充満していた。
梓の腹部、胎児の微かな鼓動すらも会議室の空気を揺らし、
全員の皮膚に“死の予兆”が染み込んでいく。
Chisato――沙雪の肉体は、すでに人間の輪郭を捨てていた。
顔面の筋肉は異様なリズムで引きつり、
唇の端からは粘液が糸を引いて零れ落ちている。
その“笑い”は、理性ではなく脳幹から滲み出る“生物本能”そのものだった。
「お腹の赤ちゃん……みぃつけた」
艶やかな触手が、ぬるりと梓の足元を這う。
冷たい粘液の感触が、皮膚の表層から体温を奪い取る。
梓は無意識に腹部を庇い、全身が硬直した。
佐々木は腰の拳銃に手をかける。
だが汗ばんだ手はホルスターの留め金を滑らせ、
「糞がっ!」と苦悶するも、身体が鉛のように動かない。
Chisatoの瞳孔は左右非対称に見開かれ、その奥に無数の黒点が渦巻く。
ニタァと獲物を狙う顔。
梓へと伸びていく触手。「ねぇ...遊ぼうよぉ」
その時、千咲が梓の前に立ちふさがった。
「梓さんには、絶対に指一本触れさせない!バケモノ!」
Chisatoは一瞬きょとんとした顔で千咲を見つめ、
すぐに嘲るような嗤いを浮かべる。
「お前……死ね」
その言葉と同時に、千咲の身体が異様な硬直を始めた。
脚は床に貼り付けられたように動かず、
両腕は左右に引き伸ばされ、
十字架に貼り付けられたように筋繊維が緊張する。
「千咲さん……!」
梓は悲鳴を上げかけ、佐々木は必死に拳銃を引き抜こうとした。
「Chisatoぉぉぉ!!!糞がっ!手が動かねぇ!!!糞が!」
千咲の着ていたニットセーターとデニムが、
見えない力で引き裂かれ、下着姿になる。
ブラジャーもショーツも千切れ、乳房も女陰もむき出しとなる。
それでも千咲は、震えながらもChisatoを真っ直ぐ睨みつけた。
艶やかな触手の一本が乳首に絡みつき、粘液で濡れながら吸い付く。
もう一本は陰核に吸盤のように這い寄り、赤黒い先端で愛撫する。
千咲は全身の筋肉が意志に反して痙攣し、震えだした。
三本目の触手が膣口を押し広げて侵入し、
四本目が肛門を強制的に拡張しながら滑り込む。
五本目は口腔内へと捻じ込まれ、舌を絡め取った。
全ての触手が生体電流のような振動を送り込むたび、
千咲の全身が跳ね、神経の奥で快楽と痛覚が混じり合う。
羞恥も恐怖も、筋肉の痙攣の波に飲み込まれていく。
触手は神経束に絡みつき、性感帯全域を支配して弄ぶ。
千咲は抗おうとするたび、
肉体の奥で激しい絶頂が繰り返し引き起こされる。
千咲の身体は内側からくる快楽に抗えず
夥しい愛液を噴出し、床を濡らした。
それでも千咲はChistoを真っすぐ見据えたままで
梓を守るために立ち続けた。
Chisatoは満足げに嗤い、
「そろそろ飽きた……死ね……」
その瞬間、
触手が全ての神経に侵入し、
内側から細胞レベルで千切っていく。
「――内側から切断されていく神経」
千咲の身体は全身の神経伝達が遮断され、
意識が爆発するような白さで満たされた。
千咲の身体は、異様な生体実験の標本のように晒されていた。
胸郭の痙攣とともに、腹部全体が痙縮し始める。
下腹部が不自然に膨れ、
皮膚の下で“何か”がせり上がってくる痛みに、
千咲は喉の奥で呻いた。
「……いや……まだ、まだ死にたくない……
こんな、終わり方したくない……っ!」
声にならない叫びが唇から零れ、
目尻から血と涙が混ざり合って流れる。
同時に、子宮がせり上がり、
膣口と肛門から真紅の粘液に塗れた腸管、子宮頸部、
千切れた腸壁の一部がどろりと音を立てて押し出されていく。
その苦痛と絶望の中で、千咲は梓の姿を探していた。
「梓さん……ごめん……私、助けられなくて
……でも、絶対に……生きて……!」
唇が震える。声帯が潰れかけ、声にならない空気が漏れる。
会議室に響くのは、内臓が床に落ちる生々しい水音と、
千咲の心が千切れる静かな振動だけ。
梓は絶叫した。
「やめてぇ!千咲さん!お願い、やめてぇぇ!」
梓の腕の中で、胎児が恐怖に震え、腹部が痛みに軋む。
声は空間に吸われ、涙と共に崩れ落ちるしかない。
佐々木は叫ぶ。
「千咲ィィィィィ!この野郎……このクソ野郎ォ!!!」
拳銃に手をかけるも、焦燥と汗で留め金が滑り抜け、
「畜生……糞がっ、間に合わねぇ……!」
怒りが声を裏返し、歯を食いしばる。
千咲の膣口と肛門から、内膜と腸壁の断片が押し出され、
会議室の床に生暖かい血と粘液の池が広がる。
その時、顔面の右側が内部から破壊されるように亀裂が走った。
「いやだ……まだ、終わりたくない……梓さん……生きて……」
頬骨と側頭骨が内側から圧されて開き、
眼窩が沈み、右目は突出した後で潰れ、
脂肪組織と血管が零れ落ちる。
歯列と舌が半ば露出したまま、
口角は皮膚ごと断ち切られ、
そこから血混じりの内臓片が滑り出す。
佐々木がようやく拳銃を抜き、
「クソッ!Chisato……お前だけは……絶対に許さねぇ!!」
叫びが天井を突き抜ける。
千咲は、最後の意識で梓に視線を投げかけた。
「ごめんね……梓さん……後は……任せた……」
声にならぬ空気が唇を震わせ、
左の目だけが涙に濡れたまま、静かに閉じられた。
その瞬間、
会議室に“善意が悪意に殺された日”の、
取り返しのつかない静寂が満ちていった。
佐々木雄二の眼が血走っていた。
恐怖と怒りが皮膚の奥で交錯し、
掴んだ拳銃は手汗で滑りそうだった。
それでも梓と胎児を護るため、彼は覚悟を剥き出しに沙雪――
いや、Chisatoの“怪異”に照準を定める。
千咲の肉体はなおも机の上で断末魔の震えを続け、
梓は嗚咽と涙で言葉にならぬ叫びを漏らしていた。
Chisatoの触手がふわりと、次の“遊び”を求めて梓の方へと動き出す。
「来るなッ!!」
佐々木は躊躇わず引き金を引いた。
閃光と轟音が会議室を切り裂く。
一発、二発、三発――
銃弾が沙雪の胸郭と腹腔を貫き、粘液と血液が飛沫となって床に散る。
Chisatoの身体は、それでも嗤うように微動だにせず、
ただ粘膜がねじれて新たな“顔”を産み落とし続けていた。
「梓さん、伏せろ!」
佐々木がその場に飛び込み、梓を庇う。
銃声とともに生まれた空気の圧が梓の身体を床へと叩きつける。
咄嗟に佐々木の腕が梓の腹を庇い、胎児の命を必死に守る。
破裂した窓の向こう、冬の光が一瞬だけ会議室の闇を照らす。
そのとき――
Chisatoの声が、まるで幼い少女のような無邪気さで部屋に響いた。
Chisatoの顔が微かに傾いた。
左右非対称な笑みを浮かべたまま、
どこか退屈そうに自分の手指を眺めている。
「あれ……?なんか動かなくなってきた」
手首を回し、足を上げ下げしてみせるが、
筋繊維は断裂の兆しを始め、反応が鈍い。
膝をパキ、と内側から鳴らしながら、
まるで飽きた玩具を扱う子供のような声で、
「なーんだ、つまんないな……」
そして、口角を吊り上げ、
無邪気に言い放つ。
「この身体、もういらない」
次の瞬間、
沙雪の肉体が“器”としての限界に達し、破壊の連鎖が始まる。
骨と筋膜が内側から膨れ上がる。
関節が不自然に逆方向へ跳ね、
四肢が机や壁を叩きつけるように伸びきった。
胸郭がひしゃげ、肋骨がバキリと音を立てて割れ、
腹腔内の臓器が一斉に圧迫されていく。
その内圧は瞬く間に臨界を超え、
粘膜と血が血管と筋繊維の隙間から泡立つように噴き出す。
沙雪の体幹はわずかに浮き、
空気が破裂するような湿った爆音のなか、
四肢関節が外れ、筋繊維がパチパチと細かく裂けていった。
腹部が強く脈打ち、膀胱や腸管が裏返るように裂けて飛び散る。
小腸や子宮断片、血塊が、空中で瞬間的にねじれ、
会議室の床や壁に叩きつけられる。
胸の中央からは心臓が圧搾され、ピンク色の液体とともに溢れ出す。
頭蓋も三方向にパキン、と鋭い音で割裂し、
右側頭部が崩れ、脳漿と髪が壁に弾け、
顎の骨は筋肉に引かれたまま床に転がる。
“元の沙雪”だった肉は、もはや形をとどめず、
肉片と粘液、鮮血の細い線となって散乱した。
会議室は、瞬く間に解剖台の上に広がる臓器模型のような惨状に変わる。
梓は、佐々木に守られながら床へと投げ出され、
耳の奥で胎児の鼓動が激しく脈打っているのを感じていた。
佐々木は血塗れの床の上で息を詰め、拳銃を握ったまま動けずにいた。
そのとき、空気の底を這うような、ざらついた音が会議室を満たした。
散乱した肉片と血の中から、濃厚な“悪意”の気配だけが残り、
まるで漂う煙のように、ドアの隙間から、病院の廊下を抜けていく。
「お…終わったのか?これで」
佐々木が呻く。
「千咲さん、千咲さん。何で...ごめんね。私のために」
梓の嗚咽が会議室にいつまでも響いていた。
――その先、集中治療室。
人工呼吸器の微かな音と
心電図の電子音に包まれた、静流の眠る密室。
ベッドの上、昏睡する高田静流の瞼が突然、大きく見開かれた。
瞳孔が不自然に拡大し、黒い光が反射する。
その目の奥には、どこまでも深い、赤い淵のような闇が蠢いていた。
隣のモニターが微かに乱れ、
静流の指先が、かすかに震える。
この瞬間、“悪意”は新たな胎動を始めていた。
会議室の空気は、瞬間的な静寂のあと、
異様な圧力で満たされていく。
長い沈黙を破ったのは千咲だった。
だが、その声は震えを押し殺すような低さで、
まるで誰にも届かない祈りのようだった。
「……沙雪さん、あなたは―今、本当にここにいますか?」
沙雪は微動だにせず、三人を見渡すだけ。
その眼差しの奥に、人間的な光はなく、
ただ“観察者”としての冷たい視線だけが揺れていた。
梓が小さく息を飲む。
腹部の奥で胎児が緊張に反応し、
微かな痛みが波紋のように広がる。
佐々木は、無意識に手のひらで額の汗をぬぐいながら、
「……何か答えてくれますか?」
と問いかける。だが沙雪は、やはり返答しない。
会議室の壁に取り付けられた時計が、
わずかに秒針を進める音だけが響く。
カーテンの向こう、廊下の遠い気配すら消え、
“世界の中心”がこの小さな部屋に凝縮されているようだった。
千咲が、一歩、沙雪へ歩み寄る。
「……ここにいるあなたが“本当の沙雪”なら、
私は――訊かなきゃいけないことがあるんです」
沙雪の唇がわずかに動き、表情が一瞬だけ歪む。
その時だけ、ごく微かに“人間の苦しみ”が顔をかすめる。
梓は、腹を庇いながら椅子の背に身体を預ける。
千咲の手が震えているのを、佐々木がすぐそばで見ていた。
空気が乾き、呼吸すら躊躇われる。
千咲が、静かに言葉を重ねた。
「……あなたは、自分の中に“もう一人”いると感じたことはありますか?」
沙雪の目が、初めて微かに揺れた。
会議室に静かな緊張が流れていた。
“沙雪”と名乗ってきた女が、沈黙のまま三人を見渡している。
蛍光灯の光は微かに揺れ、
梓の腹部の奥では新たな命が脈打っている。
千咲は、目の前の沙雪を真っ直ぐに見据え、
ゆっくりと言葉を選んだ。
「……さっきも訊きましたが、どうしても、もう一度だけ確かめたいんです」
その声には、切実な緊張と、どこか許しを乞うような色が混じる。
「あなたが“本物の沙雪”じゃないことは、もう理解しています。
十二年前、九歳で亡くなっている。
でも……それでも、
“沙雪”として私たちの前に現れてきた“あなた”の中に、
もし、ほんの僅かでも“本物の沙雪”の記憶や想いが残っているなら、
どうか、応えてほしい。
私は今、何を信じればいいのか分からないんです」
沙雪は無言のまま、千咲を見つめ返す。
その眼差しには、はっきりとした感情は宿っていない。
けれど一瞬、唇が震え、目の奥に痛みがよぎる。
佐々木が、静かに問いを重ねる。
「……あなたは誰ですか?
その姿で、沙雪の名前で、
何のためにここにいるんです?」
沙雪は、小さく首を横に振る。
動きはぎこちなく、
人間的な迷いと“何者か”による支配が入り混じっている。
梓も静かに口を開いた。
「……なぜ“沙雪”という名前で現れたの?
なぜ、私たちの前に?」
その問いかけに、沙雪は初めて苦しげに目を伏せ、
やがて喉の奥からかすれた声を絞り出した。
「……私は……沙雪だった……
でも……今は……分からない。
どこまでが“私”なのか……誰の声が響いているのか……」
千咲は静かに頷き、
その痛みに寄り添うような声で言葉を継ぐ。
「その“分からない”という苦しみが、もし、
あなた自身のものであるなら……
それは“本物の沙雪”の最後のかけらかもしれません。
たとえ一瞬でも、
あなたの中に“人間”が残っているのなら、私は……」
千咲はそこで言葉を切り、
深く息を吐く。
沙雪は両手で自分の首筋をそっとなぞる。
その仕草にだけ、確かに“人間の生”の余韻があった。
会議室の空気が重く沈み、
胎動と悪意が、そこにいる全員を静かに包み込む。
会議室の空気は今や、
皮膚の奥をじりじり焦がすような緊張に満ちていた。
蛍光灯の仄白い光が壁や天井に冷たく反射し、
カーテンの隙間から射し込む薄明かりが
机上の資料に淡い影を落とす。
病院特有の消毒液のにおい、
外の廊下の遠いノイズ、壁掛け時計の針が刻む乾いた音。
それらがすべて「今ここ」だけを強調し、時間が歪んだように進まない。
千咲は、ぎゅっと両手を組み、沙雪の真正面へ身を乗り出す。
瞳には決意が、声には揺れる緊張が滲んでいた。
「……“Chisato”あなたは、本物の沙雪じゃない。
でも、どうして“沙雪”という姿で、
私たちの前にいるのか、私はずっと考えてきた。
つい最近まで、私も“あなた”を一人の被害者だと信じていた。
けど、すべての事件を調べ直して分かったことがあるの」
梓も佐々木も、無意識に息を詰めていた。
静脈のように流れる空調音だけが、場を切り裂いている。
千咲は続ける。
「……“Chisato”は、あなたの肉体を“インキュベータ”
つまり“胎児の成長装置”として使ってきた。
でもそれだけじゃない。
あなたの肉体は、単なる“器”じゃなくて、
Chisatoが外の世界を“観察し、選び、裁く”ための“デバイス”
操り人形その1だった」
沙雪の指が、膝の上でかすかに震える。
「Chisatoは、あなたの眼を通して世の中を見ていた。
そこで“気に入らない”とか“ムカついた”と感じた人間を……
自害に追い込んだり、精神を壊したり、
“自分の目の前で死ぬ”まで徹底的にコントロールした」
梓が唇を噛み、
「……じゃあ……あの紅紐事件の数々も、全部……?」
千咲は頷く。
「そう。
あなたは“観察者”であり、“実行者”じゃなかった。
でも、Chisatoはあなたの“眼”と“身体”を使って、
その悪意を社会にばら撒き続けていた」
佐々木は息を飲み、思わず身を乗り出す。
「……それが、操り人形その1。
じゃあ、他にも……?」
千咲は静かに、だが明確に言い放つ。
「もうひとりいる。
Chisatoは、さらに別の“デバイス”操り人形その2。
“他者”の身体を使って、殺害そのものを“直接実行”することができる」
会議室の空気がビリッと張り詰める。
蛍光灯の光が微かに明滅し、
外のナースステーションから遠い笑い声が届いた気がした。
千咲は、敢えてはっきりと名前を告げた。
「それが、高田静流先生。
彼女もまた、Chisatoに“操られた媒体”だった。
自分の意志とは関係なく、
“第三者を使って殺害を実行する”
その役割を負わされていた」
梓は思わず、椅子の肘掛けを強く掴む。
「そんな……静流先生が……?だって、彼女は……」
声が震え、途中で途切れる。
佐々木も、茫然と千咲を見返す。
「本当なのか……?
あの人が、事件の“手”になっていたって……」
千咲は、さらに深く息を吸い、
ここから一気に時系列の核心を語りはじめる。
「その出産に立ち会った医療スタッフや親族、母親、
ほぼ全員が、数年以内に“不可解な死”を遂げていった。
その中で、たった一人だけ生き残ったのが、高田静流先生だった。
なぜ彼女だけが生き延びたのか、私はずっと疑問だったんです。」
千咲はそこで、苦しげに息を吐く。
「……だけど、事件を時系列で追い直したとき、ようやく分かった。
高田静流先生は“偶然”助かったわけじゃない。
Chisato―あなたが、“自分の手足として使うため”に生かしたんだと思う。
悪意の“新しい遊び”、
それは“観察するデバイス”と“実行犯”の二役を
社会のなかに紛れ込ませること。
静流先生は、
沙雪さんの出産に関わった“唯一の生き残り”という“記号”そのものが、
Chisatoにとっては格好の“操り人形候補”だったんじゃないかと……」
梓が息を呑み、佐々木がぐっと背を固める。
「……だから、静流先生は無自覚のまま何年も
“Chisatoの手足”として使われてしまった。
本人の意志とは関係なく、いつかスイッチが入れば、
“第三者を使って殺害を実行する”……
その役割を負わされたまま、生き続けたんだと思う。」
千咲の声が、張り詰めた空気を割る。
「一方で――
本物の松本沙雪さんは、
九歳まではChisatoと“同体化”しながら、
虚弱体質の身体で生きていた。
でも、ある時、何らかのきっかけで―
おそらくはその肉体の限界や、Chisatoの飽き、
それが理由で、沙雪は命を落とし、“器”としての役割を終わらされた。
Chisatoは新たな“器”を探して、肉体から離れた。」
「……私の推測だけど、養護施設や病院、
あるいは沙雪と遊んでいた同年代の子ども
その誰かにChisatoは憑依し、
“松本沙雪”の名前と顔で現れた。
この“器のすげ替え”は、戸籍にも、
周囲の人間にも気づかれなかった。」
沙雪の顔は石膏の仮面のように硬直し、
その指が机を掴む力がじわじわ強くなっていく。
外の世界の音が一切聞こえなくなった。
会議室の空間はまるで胎内のように密閉され、
すべての壁や天井がじっとりと濡れている錯覚が広がる。
静電気と消毒液の臭いが、微かな血の匂いと混じって鼻腔を刺す。
梓も佐々木も、目の前の“沙雪”が明らかに変質しはじめていることを、
皮膚の内側、粘膜の震え、耳の奥の圧迫感として感じていた。
鼓膜の裏側で、心臓の拍動と胃液の泡立つ音が重なり、
一歩踏み出すたび、
会議室の床下から自分以外の誰かの呼吸音が
這い上がるような気配すらあった。
千咲が、喉を鳴らして固唾を呑む。
舌の裏には汗と金属の味、手のひらは冷たく湿り、
肘掛けに残った指紋の感触さえ「自分でないもの」のように感じられる。
そのとき、
沙雪の口角がゆっくりと吊り上がり、
真っ白な歯を見せてケラケラケラと乾いた笑いを漏らした。
その笑いは一定のリズムを保たず、
「女」とも「子供」とも、「人間」とも言えない、粘度のある音だった。
「ふふ……はは……ああ……やっぱり、ばれちゃったんだね……」
その声は、女のものとも、子供のものともつかない。
会議室の壁や天井を染み渡るような、
粘着性の音が喉の奥から溢れ、
空間全体の空気を湿らせていく。
三人の肌の上に“見えない膜”が貼りつき、
吐く息が全員の皮膚を這いずり回るような圧力に変わる。
梓が震える声で名を呼ぼうとするが、言葉にならない。
声帯が凍りつき、唇が自分のものではないほど乾いていく。
千咲も佐々木も、
“ここにいるのはもはや沙雪ではない”という確信を、
体液の奥底から押し上げられるように感じていた。
沙雪の眼が、ゆっくりと濁りはじめた。
虹彩の奥が、乳白色の靄に包まれ、
瞳孔の形状が不自然なほどに拡大していく。
その中に微細な亀裂が入り、
網膜の血管がひとつずつ断裂していくさまが「音」として耳奥に響く。
「これが……人間の“終わり”なんだよ。
ほら、見てて、
ねぇ、私の“本当の顔”」
その瞬間、
沙雪の顔全体に、
乾いた石膏が割れるような亀裂が入った。
皮膚の表面には細かな線がいくつも走り、
亀裂の奥からじわじわと淡い血がにじみ出る。
ぱきっ、ぱきっ、ぱきぱきぱき――
その音は空気を裂き、
頭蓋骨の下から脳脊髄液がじわりと滲み出すような感覚すら伴っていた。
眉間から額にかけて、
そして頬から顎に向かって、
まるで細い稲妻のように亀裂が広がる。
その線は筋肉と神経を切り裂きながら、皮下組織の奥まで到達し、
顔の表層を“異物”として浮き上がらせていく。
目の周囲の皮膚が盛り上がり、
白濁した涙が流れ落ちる。
その液体は純粋な涙ではなく、
網膜下の出血と混じった淡い赤色に染まり、
頬を伝う軌跡が皮膚の下で発熱する。
手の甲にも、筋肉の走行に沿うように幾筋もの割れ目が浮かび、
その裂け目からは筋繊維の先端が覗き、
粘度の高い体液が染み出す。
腕、肩、首、胸郭へとその亀裂は伝播していく。
まるで骨ごと、肉ごと、人間という「容器」そのものが
何か“外部”の力で解体されていく。
梓は息を詰め、
体内の胎児が小さく蠢き、
母体そのものが異物と化すような恐怖に襲われていた。
佐々木は無意識に拳銃の端を握りしめ、
親指の爪先が白く変色するほど強く圧をかけていた。
沙雪の額の真ん中、
その中央に、深く縦に走る一筋の裂け目が生じる。
音もなく骨が割れ、皮膚が左右に引き剥がされる。
ゆっくりと、額が真ん中から割れる。
皮膚、皮下組織、前頭骨までもが音を立てて左右に引き裂かれる。
その隙間から、ヌメヌメとした粘液とともに“何か”が露出し始めた。
それは、菩薩像のような安らかな表情を持ちながら、
その輪郭は蟲のような、
粘膜と無数の小さな目玉に覆われた“怪異”だった。
脂肪層の隙間を這い、微細な舌や牙に似た器官が蠢いている。
内部の筋繊維がばちばちと音を立てて千切れ、
延髄反射のような痙攣が顔面の筋肉を走る。
“神経の樹海”が縦横無尽に這い、
頭蓋骨と皮膚の間を未知の冷気が満たす。
「ねえ、千咲……梓……見える?
これが“悪意”だよ。
“愛”も“救い”もなくて、
ただ――
“殺すため”だけに生まれてきたんだ」
その声は、沙雪本人のものではなかった。
複数の声が同時に共鳴し、耳の奥で響く。
音程も抑揚も不定形で、聞く者の記憶に直接侵入してくる。
顔面の亀裂がさらに深くなり、
白い皮膚が斜めに剥がれ落ちる。
脂肪と筋肉の隙間からは、しみ出すような赤い液体と、
歯茎を伝って現れる異形の“歯”が見え隠れする。
手の甲、前腕、肩、胸、太腿、
全身の皮膚下で、
毛細血管が爆ぜるような赤い線が浮かび上がり、
筋肉の束が一本一本、断裂しながら浮き出る。
筋膜下で跳ねる神経線維が、痛みも熱も伴わず“破壊の快楽”だけを伝える。
沙雪の身体は、
“生きたまま組織レベルで壊れていく”現象そのものだった。
呼吸が気道で泡立ち、声帯が痙攣し、喉奥から濁った音が溢れる。
両手が机の端を強く掴み、
指先の骨が亀裂とともに露出し、
爪の間から淡い血が滴り落ちる。
椅子の脚元には、血と粘液と、
未知の液体が混じり合い、小さな水たまりが生まれる。
その瞬間、
沙雪の下腹部―恥骨の奥から、
“何か柔らかいもの”が蠢きはじめる。
腹直筋の内側で、筋繊維が捻じれ、
骨盤底の粘膜が異常なまでに膨張する。
ぬるっ、ぬちゅ……
卵膜を破るような音とともに、
二本の“触手”のようなものが、
下腹部の粘膜を押し広げて這い出てきた。
その先端は赤黒く脈動し、
粘液に包まれてゆっくりと空気中を撫でる。
無数の毛細血管が浮き出し、粘膜を舐めるように蠢動する。
それは“内臓の断裂と突出”、
筋層と皮膚の可塑性反応、
神経叢の痙攣的活動が極限まで達した末期的な現象。
医学的には“説明不能”でありながら、
確かにそこに「現実の破壊」として顕現している。
しかし、
現実にはありえない“異常進化”がそこにあった。
部屋の空気が一気に湿り気を増し、
壁が呼吸しているような感覚が全員を襲う。
梓は、胎児を守るように両手で腹部を抱え込み、
全身の血管が一本一本熱を帯びていく。
千咲は椅子の肘掛けを握りしめて立ち上がることができなかった。
呼吸のリズムが崩れ、視界の周辺が暗転し、
身体中の筋肉が硬直する。
佐々木は、腰の拳銃に手をかけ、
一歩、沙雪との間合いを詰めようとしたが、
脚が震えて床に貼りついて動けなかった。
「ほら、見てよ……これが、“Chisato”だよ」
額の裂け目から、“顔”がねっとりと現れる。
一見すると“仏”のような笑みを浮かべながら、
そこには何千、何万もの憎悪と快楽が浮遊している。
粘膜の下で無数の目玉や、
触角に似たものがわずかに蠢いていた。
触手の先端が千咲の足元を這い、
粘液の水音が床に広がる。
それは生物的な脅威というよりも、
「悪意そのもの」が実体化した塊だった。
「殺したいなぁ……壊したいなぁ……」
その言葉は、熱を持たない氷のように会議室に広がった。
天井の蛍光灯が一度だけ明滅し、
全員の皮膚が一斉に粟立つ。
体温の感覚が消え、
“生きている”ことそのものが遠ざかっていく。
静まり返った会議室に、血管を走る微細な脈動音が充満していた。
梓の腹部、胎児の微かな鼓動すらも会議室の空気を揺らし、
全員の皮膚に“死の予兆”が染み込んでいく。
Chisato――沙雪の肉体は、すでに人間の輪郭を捨てていた。
顔面の筋肉は異様なリズムで引きつり、
唇の端からは粘液が糸を引いて零れ落ちている。
その“笑い”は、理性ではなく脳幹から滲み出る“生物本能”そのものだった。
「お腹の赤ちゃん……みぃつけた」
艶やかな触手が、ぬるりと梓の足元を這う。
冷たい粘液の感触が、皮膚の表層から体温を奪い取る。
梓は無意識に腹部を庇い、全身が硬直した。
佐々木は腰の拳銃に手をかける。
だが汗ばんだ手はホルスターの留め金を滑らせ、
「糞がっ!」と苦悶するも、身体が鉛のように動かない。
Chisatoの瞳孔は左右非対称に見開かれ、その奥に無数の黒点が渦巻く。
ニタァと獲物を狙う顔。
梓へと伸びていく触手。「ねぇ...遊ぼうよぉ」
その時、千咲が梓の前に立ちふさがった。
「梓さんには、絶対に指一本触れさせない!バケモノ!」
Chisatoは一瞬きょとんとした顔で千咲を見つめ、
すぐに嘲るような嗤いを浮かべる。
「お前……死ね」
その言葉と同時に、千咲の身体が異様な硬直を始めた。
脚は床に貼り付けられたように動かず、
両腕は左右に引き伸ばされ、
十字架に貼り付けられたように筋繊維が緊張する。
「千咲さん……!」
梓は悲鳴を上げかけ、佐々木は必死に拳銃を引き抜こうとした。
「Chisatoぉぉぉ!!!糞がっ!手が動かねぇ!!!糞が!」
千咲の着ていたニットセーターとデニムが、
見えない力で引き裂かれ、下着姿になる。
ブラジャーもショーツも千切れ、乳房も女陰もむき出しとなる。
それでも千咲は、震えながらもChisatoを真っ直ぐ睨みつけた。
艶やかな触手の一本が乳首に絡みつき、粘液で濡れながら吸い付く。
もう一本は陰核に吸盤のように這い寄り、赤黒い先端で愛撫する。
千咲は全身の筋肉が意志に反して痙攣し、震えだした。
三本目の触手が膣口を押し広げて侵入し、
四本目が肛門を強制的に拡張しながら滑り込む。
五本目は口腔内へと捻じ込まれ、舌を絡め取った。
全ての触手が生体電流のような振動を送り込むたび、
千咲の全身が跳ね、神経の奥で快楽と痛覚が混じり合う。
羞恥も恐怖も、筋肉の痙攣の波に飲み込まれていく。
触手は神経束に絡みつき、性感帯全域を支配して弄ぶ。
千咲は抗おうとするたび、
肉体の奥で激しい絶頂が繰り返し引き起こされる。
千咲の身体は内側からくる快楽に抗えず
夥しい愛液を噴出し、床を濡らした。
それでも千咲はChistoを真っすぐ見据えたままで
梓を守るために立ち続けた。
Chisatoは満足げに嗤い、
「そろそろ飽きた……死ね……」
その瞬間、
触手が全ての神経に侵入し、
内側から細胞レベルで千切っていく。
「――内側から切断されていく神経」
千咲の身体は全身の神経伝達が遮断され、
意識が爆発するような白さで満たされた。
千咲の身体は、異様な生体実験の標本のように晒されていた。
胸郭の痙攣とともに、腹部全体が痙縮し始める。
下腹部が不自然に膨れ、
皮膚の下で“何か”がせり上がってくる痛みに、
千咲は喉の奥で呻いた。
「……いや……まだ、まだ死にたくない……
こんな、終わり方したくない……っ!」
声にならない叫びが唇から零れ、
目尻から血と涙が混ざり合って流れる。
同時に、子宮がせり上がり、
膣口と肛門から真紅の粘液に塗れた腸管、子宮頸部、
千切れた腸壁の一部がどろりと音を立てて押し出されていく。
その苦痛と絶望の中で、千咲は梓の姿を探していた。
「梓さん……ごめん……私、助けられなくて
……でも、絶対に……生きて……!」
唇が震える。声帯が潰れかけ、声にならない空気が漏れる。
会議室に響くのは、内臓が床に落ちる生々しい水音と、
千咲の心が千切れる静かな振動だけ。
梓は絶叫した。
「やめてぇ!千咲さん!お願い、やめてぇぇ!」
梓の腕の中で、胎児が恐怖に震え、腹部が痛みに軋む。
声は空間に吸われ、涙と共に崩れ落ちるしかない。
佐々木は叫ぶ。
「千咲ィィィィィ!この野郎……このクソ野郎ォ!!!」
拳銃に手をかけるも、焦燥と汗で留め金が滑り抜け、
「畜生……糞がっ、間に合わねぇ……!」
怒りが声を裏返し、歯を食いしばる。
千咲の膣口と肛門から、内膜と腸壁の断片が押し出され、
会議室の床に生暖かい血と粘液の池が広がる。
その時、顔面の右側が内部から破壊されるように亀裂が走った。
「いやだ……まだ、終わりたくない……梓さん……生きて……」
頬骨と側頭骨が内側から圧されて開き、
眼窩が沈み、右目は突出した後で潰れ、
脂肪組織と血管が零れ落ちる。
歯列と舌が半ば露出したまま、
口角は皮膚ごと断ち切られ、
そこから血混じりの内臓片が滑り出す。
佐々木がようやく拳銃を抜き、
「クソッ!Chisato……お前だけは……絶対に許さねぇ!!」
叫びが天井を突き抜ける。
千咲は、最後の意識で梓に視線を投げかけた。
「ごめんね……梓さん……後は……任せた……」
声にならぬ空気が唇を震わせ、
左の目だけが涙に濡れたまま、静かに閉じられた。
その瞬間、
会議室に“善意が悪意に殺された日”の、
取り返しのつかない静寂が満ちていった。
佐々木雄二の眼が血走っていた。
恐怖と怒りが皮膚の奥で交錯し、
掴んだ拳銃は手汗で滑りそうだった。
それでも梓と胎児を護るため、彼は覚悟を剥き出しに沙雪――
いや、Chisatoの“怪異”に照準を定める。
千咲の肉体はなおも机の上で断末魔の震えを続け、
梓は嗚咽と涙で言葉にならぬ叫びを漏らしていた。
Chisatoの触手がふわりと、次の“遊び”を求めて梓の方へと動き出す。
「来るなッ!!」
佐々木は躊躇わず引き金を引いた。
閃光と轟音が会議室を切り裂く。
一発、二発、三発――
銃弾が沙雪の胸郭と腹腔を貫き、粘液と血液が飛沫となって床に散る。
Chisatoの身体は、それでも嗤うように微動だにせず、
ただ粘膜がねじれて新たな“顔”を産み落とし続けていた。
「梓さん、伏せろ!」
佐々木がその場に飛び込み、梓を庇う。
銃声とともに生まれた空気の圧が梓の身体を床へと叩きつける。
咄嗟に佐々木の腕が梓の腹を庇い、胎児の命を必死に守る。
破裂した窓の向こう、冬の光が一瞬だけ会議室の闇を照らす。
そのとき――
Chisatoの声が、まるで幼い少女のような無邪気さで部屋に響いた。
Chisatoの顔が微かに傾いた。
左右非対称な笑みを浮かべたまま、
どこか退屈そうに自分の手指を眺めている。
「あれ……?なんか動かなくなってきた」
手首を回し、足を上げ下げしてみせるが、
筋繊維は断裂の兆しを始め、反応が鈍い。
膝をパキ、と内側から鳴らしながら、
まるで飽きた玩具を扱う子供のような声で、
「なーんだ、つまんないな……」
そして、口角を吊り上げ、
無邪気に言い放つ。
「この身体、もういらない」
次の瞬間、
沙雪の肉体が“器”としての限界に達し、破壊の連鎖が始まる。
骨と筋膜が内側から膨れ上がる。
関節が不自然に逆方向へ跳ね、
四肢が机や壁を叩きつけるように伸びきった。
胸郭がひしゃげ、肋骨がバキリと音を立てて割れ、
腹腔内の臓器が一斉に圧迫されていく。
その内圧は瞬く間に臨界を超え、
粘膜と血が血管と筋繊維の隙間から泡立つように噴き出す。
沙雪の体幹はわずかに浮き、
空気が破裂するような湿った爆音のなか、
四肢関節が外れ、筋繊維がパチパチと細かく裂けていった。
腹部が強く脈打ち、膀胱や腸管が裏返るように裂けて飛び散る。
小腸や子宮断片、血塊が、空中で瞬間的にねじれ、
会議室の床や壁に叩きつけられる。
胸の中央からは心臓が圧搾され、ピンク色の液体とともに溢れ出す。
頭蓋も三方向にパキン、と鋭い音で割裂し、
右側頭部が崩れ、脳漿と髪が壁に弾け、
顎の骨は筋肉に引かれたまま床に転がる。
“元の沙雪”だった肉は、もはや形をとどめず、
肉片と粘液、鮮血の細い線となって散乱した。
会議室は、瞬く間に解剖台の上に広がる臓器模型のような惨状に変わる。
梓は、佐々木に守られながら床へと投げ出され、
耳の奥で胎児の鼓動が激しく脈打っているのを感じていた。
佐々木は血塗れの床の上で息を詰め、拳銃を握ったまま動けずにいた。
そのとき、空気の底を這うような、ざらついた音が会議室を満たした。
散乱した肉片と血の中から、濃厚な“悪意”の気配だけが残り、
まるで漂う煙のように、ドアの隙間から、病院の廊下を抜けていく。
「お…終わったのか?これで」
佐々木が呻く。
「千咲さん、千咲さん。何で...ごめんね。私のために」
梓の嗚咽が会議室にいつまでも響いていた。
――その先、集中治療室。
人工呼吸器の微かな音と
心電図の電子音に包まれた、静流の眠る密室。
ベッドの上、昏睡する高田静流の瞼が突然、大きく見開かれた。
瞳孔が不自然に拡大し、黒い光が反射する。
その目の奥には、どこまでも深い、赤い淵のような闇が蠢いていた。
隣のモニターが微かに乱れ、
静流の指先が、かすかに震える。
この瞬間、“悪意”は新たな胎動を始めていた。
0
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セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
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ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
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