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Chain_0
Message_Zero
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《ねえ、誰か、お願い……
もし、これを見てるなら、今すぐ返事して。
わたし、おかしくなりそうなの……誰も信じてくれない。
みんな、死んでいった。次は、わたしなの……!
“あれ”がいるの。ずっと見てるの。
何でわたしなの? どうして?
お願い……お願いだから……誰か……助けて……!
今、わたしのすぐ近くに“あれ”がいる。
わたしのところに来る……もう、逃げられない。
誰か……誰か、誰かッ!!
これを読んでる、あなた。
お願い、まだ間に合うなら——
私の代わりに、“この記録”を止めて。
私が“次”になる前に。》
神谷 千咲
≪登場人物≫
■ 神谷千咲(かみや ちさき)
南秋大学・文学部3年生。都市伝説研究会の部長。冷静さと優しさを併せ持ち、仲間からの信頼も厚いが、どこか影のある存在。
■ 宇田川梓(うだがわ あずさ)
南秋大学・文学部3年生。都市伝説研究会に所属。
真面目で頭脳明晰な性格。物語を通して調査の中心人物として描かれる。
■ 松本沙雪(まつもと さゆき)
東雲大学の2年生で、宇田川梓の高校時代の後輩。
行動力と柔軟な発想を武器に調査に協力する。
■ 伊藤歩夢(いとう あゆむ)
南秋大学・社会学部3年。都市伝説研究会のメンバー。
穏やかで好奇心旺盛な性格。
■ 堀川菜月(ほりかわ なつき)
南秋大学・社会学部3年。都市伝説研究会のメンバー。
飄々としたムードメーカー的存在。
■ 佐原真央(さはら まお)
南秋大学・教育学部2年。神谷千咲の後輩。
■ 芦原茉莉(あしはら まり)
南秋大学・外国語学部2年。都市伝説研究会のメンバー。
佐原真央と仲が良い。明るく活発な性格で、千咲たちと親交がある。
■鷹野 柊真(たかの ひゅうま)
南秋大学・法学部3年 千咲に好意を寄せる。
■ 野瀬簾(のせ れん)
南秋大学・理学部4年。
無口で神秘的な雰囲気を持ち、行動の意図が読めない。
■ 南雲拓(なぐも たく)
南秋大学・文学部の助手。
論理的で冷静な性格で、学生の研究活動をサポートしている。
■ 高田実(たかだ みのる)
東雲日報の記者。
穏やかながら鋭い視点を持ち、学生たちの調査にときおり協力する。
■ 神谷麻里子(かみや まりこ)
神谷千咲の姉。
現在は社会人として生活しており、千咲との関係性に謎が残されている。
■ 神谷正彦(かみや まさひこ)
神谷千咲の父。
寡黙な人物で、家庭内で強い存在感を持つ。
■ 神谷智恵(かみや ちえ)
千咲の母。
穏やかさと不安定さを併せ持ち、精神的に不安定な様子が描かれる。
■ 小瀬将人(こせ まさと)
大学構内交番の警察官。
業務に対しては怠慢。些細な異変には鈍感な一面も。
■ 町田(まちだ)
南秋大学の守衛。
■ 三木正人(みき まさと)
南秋大学・理学部の非常勤講師。
***
──《Message_Zero:芦原茉莉》──
2025年12月11日(木) 午後9時17分。
「何これ……マジで気持ち悪い」
スマホを持つ指がわずかに震えていた。
芦原茉莉は、唇の内側を軽く噛みながら画面を見下ろした。
そこにはたった一行のメッセージと、
1本の短い動画リンクが添えられていた。
次に、誰かを絞めてください。
24時間以内に証拠を提出してください。
発信者は不明。返信不可。ブロックもできない。
URLをタップしてみると、
古びた紙封筒のような画像が一瞬だけ表示されて、強制終了した。
「悪質系のチェーンメッセージじゃん
……令和にもまだあるんだ、こういうの」
呟いた茉莉は、スクリーンショットを撮ってから、
スマホのホームに戻り――そのままメッセージを削除した。
翌朝。
大学構内の交番、午前8時18分。
「すみません、昨日こんなDMが来て……
一応、通報だけでもしておこうと思って」
茉莉は、友人の佐原真央を連れて交番に来ていた。
制服姿の若い警官はちらりと画面を見て、小さく鼻を鳴らした。
「……ああ、よくあるやつね。昔で言う“不幸の手紙”ってやつ。
変なリンクとか動画は踏まない方がいいですよー。スパムスパム」
「でもこれ、“絞めてください”って……完全に殺害教唆じゃないですか?
見た目も犯罪的で……」
佐原が食ってかかるように言った。
「事件が起きたら、また来てください。はい、以上です。お大事に」
「……は? 誰かが死んでからじゃないと、警察は動かないんですか?」
「ええ、基本的にそうです。警察ですから」
茉莉は言葉を失った。
そのやり取りを横で聞いていた真央は、唇の端をかすかに歪めた。
「ねぇ茉莉……あんたさ、本当に“絞められる”と思ってるの?」
茉莉は戸惑いながらも、小さく頷いた。
真央はスマホを取り出し、カメラを起動すると小声で呟いた。
「じゃあ、“証拠”を作っとこう。——“犯人”は、私ってことで」
それが冗談だったのか、本気だったのかはわからない。
けれど、あの動画が届いた夜。
“首に紅い紐を巻いた女”の映像に、
千咲はかすかに真央の声を聞いた気がした。
画面の中で、通知が一度だけ震えた。再送信:未読メッセージ(1)
その日の午後、14時32分。
芦原茉莉は、文学部棟の3階女子トイレの個室内で、
首を吊った状態で発見された。
目撃した学生の証言によれば、
個室のドア下から流れ出た赤黒い液体を不審に思い、
上から覗き込んだところ――
「笑ってたんです……死んでるのに……目、片方なかった。
口もなんか、裂けてて……」
「LANケーブルみたいなのが、首に食い込んでて
……あんなの、自分でできるわけないって……」
その夜。
神谷千咲のスマホに、通知が届く。
【Message_REVERB】
未読メッセージ(1)
通知のヘッダーに、わずかな違和感を覚えた。
“Unknown”ではなかった。
けれど、画面に表示された文字列は、どこか既視感がある。
……何かの記憶と、微かに重なるような。
それが何だったのか、自分でも思い出せないまま——
添付ファイル:《matrimurder_final_send.mp4》
タップする指がかすかに震えた。
映像は、粗い画質で始まった。
暗い部屋。呻くような声。
そして、若い女性と思われる声で
「ごめんなさい……助けて……」と繰り返される。
最後に、画面の端に名前が映った。
「To Kamiya Chisaki」
――すべては、そこから始まった。
彼女がその”メッセージ”を受け取った瞬間から。
もし、これを見てるなら、今すぐ返事して。
わたし、おかしくなりそうなの……誰も信じてくれない。
みんな、死んでいった。次は、わたしなの……!
“あれ”がいるの。ずっと見てるの。
何でわたしなの? どうして?
お願い……お願いだから……誰か……助けて……!
今、わたしのすぐ近くに“あれ”がいる。
わたしのところに来る……もう、逃げられない。
誰か……誰か、誰かッ!!
これを読んでる、あなた。
お願い、まだ間に合うなら——
私の代わりに、“この記録”を止めて。
私が“次”になる前に。》
神谷 千咲
≪登場人物≫
■ 神谷千咲(かみや ちさき)
南秋大学・文学部3年生。都市伝説研究会の部長。冷静さと優しさを併せ持ち、仲間からの信頼も厚いが、どこか影のある存在。
■ 宇田川梓(うだがわ あずさ)
南秋大学・文学部3年生。都市伝説研究会に所属。
真面目で頭脳明晰な性格。物語を通して調査の中心人物として描かれる。
■ 松本沙雪(まつもと さゆき)
東雲大学の2年生で、宇田川梓の高校時代の後輩。
行動力と柔軟な発想を武器に調査に協力する。
■ 伊藤歩夢(いとう あゆむ)
南秋大学・社会学部3年。都市伝説研究会のメンバー。
穏やかで好奇心旺盛な性格。
■ 堀川菜月(ほりかわ なつき)
南秋大学・社会学部3年。都市伝説研究会のメンバー。
飄々としたムードメーカー的存在。
■ 佐原真央(さはら まお)
南秋大学・教育学部2年。神谷千咲の後輩。
■ 芦原茉莉(あしはら まり)
南秋大学・外国語学部2年。都市伝説研究会のメンバー。
佐原真央と仲が良い。明るく活発な性格で、千咲たちと親交がある。
■鷹野 柊真(たかの ひゅうま)
南秋大学・法学部3年 千咲に好意を寄せる。
■ 野瀬簾(のせ れん)
南秋大学・理学部4年。
無口で神秘的な雰囲気を持ち、行動の意図が読めない。
■ 南雲拓(なぐも たく)
南秋大学・文学部の助手。
論理的で冷静な性格で、学生の研究活動をサポートしている。
■ 高田実(たかだ みのる)
東雲日報の記者。
穏やかながら鋭い視点を持ち、学生たちの調査にときおり協力する。
■ 神谷麻里子(かみや まりこ)
神谷千咲の姉。
現在は社会人として生活しており、千咲との関係性に謎が残されている。
■ 神谷正彦(かみや まさひこ)
神谷千咲の父。
寡黙な人物で、家庭内で強い存在感を持つ。
■ 神谷智恵(かみや ちえ)
千咲の母。
穏やかさと不安定さを併せ持ち、精神的に不安定な様子が描かれる。
■ 小瀬将人(こせ まさと)
大学構内交番の警察官。
業務に対しては怠慢。些細な異変には鈍感な一面も。
■ 町田(まちだ)
南秋大学の守衛。
■ 三木正人(みき まさと)
南秋大学・理学部の非常勤講師。
***
──《Message_Zero:芦原茉莉》──
2025年12月11日(木) 午後9時17分。
「何これ……マジで気持ち悪い」
スマホを持つ指がわずかに震えていた。
芦原茉莉は、唇の内側を軽く噛みながら画面を見下ろした。
そこにはたった一行のメッセージと、
1本の短い動画リンクが添えられていた。
次に、誰かを絞めてください。
24時間以内に証拠を提出してください。
発信者は不明。返信不可。ブロックもできない。
URLをタップしてみると、
古びた紙封筒のような画像が一瞬だけ表示されて、強制終了した。
「悪質系のチェーンメッセージじゃん
……令和にもまだあるんだ、こういうの」
呟いた茉莉は、スクリーンショットを撮ってから、
スマホのホームに戻り――そのままメッセージを削除した。
翌朝。
大学構内の交番、午前8時18分。
「すみません、昨日こんなDMが来て……
一応、通報だけでもしておこうと思って」
茉莉は、友人の佐原真央を連れて交番に来ていた。
制服姿の若い警官はちらりと画面を見て、小さく鼻を鳴らした。
「……ああ、よくあるやつね。昔で言う“不幸の手紙”ってやつ。
変なリンクとか動画は踏まない方がいいですよー。スパムスパム」
「でもこれ、“絞めてください”って……完全に殺害教唆じゃないですか?
見た目も犯罪的で……」
佐原が食ってかかるように言った。
「事件が起きたら、また来てください。はい、以上です。お大事に」
「……は? 誰かが死んでからじゃないと、警察は動かないんですか?」
「ええ、基本的にそうです。警察ですから」
茉莉は言葉を失った。
そのやり取りを横で聞いていた真央は、唇の端をかすかに歪めた。
「ねぇ茉莉……あんたさ、本当に“絞められる”と思ってるの?」
茉莉は戸惑いながらも、小さく頷いた。
真央はスマホを取り出し、カメラを起動すると小声で呟いた。
「じゃあ、“証拠”を作っとこう。——“犯人”は、私ってことで」
それが冗談だったのか、本気だったのかはわからない。
けれど、あの動画が届いた夜。
“首に紅い紐を巻いた女”の映像に、
千咲はかすかに真央の声を聞いた気がした。
画面の中で、通知が一度だけ震えた。再送信:未読メッセージ(1)
その日の午後、14時32分。
芦原茉莉は、文学部棟の3階女子トイレの個室内で、
首を吊った状態で発見された。
目撃した学生の証言によれば、
個室のドア下から流れ出た赤黒い液体を不審に思い、
上から覗き込んだところ――
「笑ってたんです……死んでるのに……目、片方なかった。
口もなんか、裂けてて……」
「LANケーブルみたいなのが、首に食い込んでて
……あんなの、自分でできるわけないって……」
その夜。
神谷千咲のスマホに、通知が届く。
【Message_REVERB】
未読メッセージ(1)
通知のヘッダーに、わずかな違和感を覚えた。
“Unknown”ではなかった。
けれど、画面に表示された文字列は、どこか既視感がある。
……何かの記憶と、微かに重なるような。
それが何だったのか、自分でも思い出せないまま——
添付ファイル:《matrimurder_final_send.mp4》
タップする指がかすかに震えた。
映像は、粗い画質で始まった。
暗い部屋。呻くような声。
そして、若い女性と思われる声で
「ごめんなさい……助けて……」と繰り返される。
最後に、画面の端に名前が映った。
「To Kamiya Chisaki」
――すべては、そこから始まった。
彼女がその”メッセージ”を受け取った瞬間から。
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