桜葬ー八神翔子、散華すー

不幸中の幸い

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第三章第三節collapse7

襲い来る影

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翔子が全裸徘徊で果てた翌日
ポストに投函されたものをあの家に届けるために。
彼の足は、意識よりも先に、
ゆっくりと八神家の方角へ向いていた。
まもなく、その“男”は、八神家の玄関を叩くことになる。

初夏の終わり。夕暮れの空気には、
まだ夏の湿気が残っていた。
蒸した風が街路樹の葉を揺らし、
男の着ていた半袖のフードシャツが背中に貼りつく。

男は八神家の前に立ち止まり、足を止めた。
U Wish-Xの中で“夜翔”としての彼女は、
あれだけの声を、あれだけの色香を撒き散らしながらも、
決してその正体を見せない。
乳首は見せても、表情も肝心な場所も、
すべてがモニター外と照明の向こう。

けれど、男は気づいてしまった。
たまに映る口元のエクボと八重歯が、
翔子と酷似していることに。
夜翔の“部屋”と、翔子の家のカーテンと照明、
インテリアの配置が完全に一致していることに。

 夜翔は彼女だ。
 夜翔の正体は、八神翔子だ。

 男はインターホンを押した。
……ピンポーン。

沈黙。

……沈黙。

(不在か……?いや、さっき帰ってきたのは見た……絶対いる……)

山根は玄関前の花壇に身を隠し、
手元の録音機を握りしめながら待っていた。

1分……2分……3分。

(……なにしてる……今、なにしてる……?)

山根の頭の中で、ありもしない妄想が爆発を始めていた。

4分……5分。

ようやく、

「はい。あ……山根さん」

モニター越しに、息を殺したような声が響いた。
あの“夜翔”の、あの声だった。
 
モニター越しに聞こえる声は、確かに翔子のものだった。
 「こんにちは、回覧板お持ちしました」

 玄関に現れた翔子は、にこやかに微笑んだ。
 山根は、その場に足を止めたまま、彼女を見つめた。
 その笑顔が、夜翔の笑みと重なって見えた。

 「最近、事件が続いてて物騒ですよね。
柿本さんの件とか……早く捕まればいいんですけど。
加賀美さんのお宅、騒ぎになってますね。何かあったんですか?」
翔子がそう言いながら、少しだけ肩をすくめた。

「加賀美さんのお宅の玄関の壁に便がまき散らかされていたんです。
加賀美さん大騒ぎで、警察まで呼んで・・大騒ぎですよ。
でも、八神さん、あなたも充分に注意してくださいよ。
最近、物騒な事多すぎる。
柿本さん殺害の犯人は猟奇的な殺人を犯して、
まだ逮捕されてないんですから。」

「ありがとうございます。気をつけますね。
でも……わたしみたいなおばちゃん、襲われたりなんてしませんよ」

その言葉に、山根の中で何かが弾けた。

 「そんなことはない!……アンタは、この町の“三つ折りソックスの女神”だ。
……有名なんだよ!大事な存在なんだよ!」

 「え? 有名って……
インタビューに答えただけで、持てはやし過ぎなんですよ。
マスコミの悪いところですよね」
 
翔子は照れたように笑う。

 「それに、わたし襲っても……
多分面白くもなんともないですよ?
 ……もし襲われたら、その犯人さんにお礼しないとね……なんてね」

山根の心はあらぬ方に弾けた。

(犯されたらお礼?
……誰にも見せないのに、なんで……
ネットではあんなに見せるんだよ。……なら……俺が……)
 
山根の目が、微笑む翔子の顔をじっと射抜いた。
次の瞬間、彼の手が翔子の肩を掴み、
玄関の中へ押し込んだ。

 「なっ、何するんですか!? 
やめてっ……やめてくださいよ!」

抵抗する翔子を玄関の床に押し倒し、
その上に山根が覆いかぶさる。
シャツ越しに乳房を揉みしだき、その感触に喉を鳴らす山根。

 「だ……誰か……やめて、お願い……っ」

服の上から乳首を擦られただけで、
敏感になり過ぎている翔子の身体は震え、吐息が漏れた。

 (ダメ……イヤなのに……気持ちよくなって……っ)

シャツを捲られ、ブラが引き剥がされる。
Hカップの乳房が露わになり、
大きく黒ずみモントゴメリー腺が浮き出た乳輪、
怒張した乳首があらわになる。

 「……これだ。これこそが、俺の見たかった“夜翔”だ……八神翔子だ」

「……どうして、それを……」
「部屋の構造、照明、カーテンの影。
……それに、アンタの口元の八重歯とエクボ」

 山根の舌が乳首を這い、軽く吸い上げ、歯で引っ張るたびに翔子は悶え、呻く。
 「ひっ……ああっ……そんなとこ、吸われたら……っ」

(結婚して、康人以外の男性に初めて乳首を吸われてる。
いけないことなのに……たまらなく気持ちいい)

山根の指で乳首は引っ張られ、捩じられ、
さらに乳首は堅く大きくなり、乳輪に無数の皴が現れる。
右手で左乳首を捩じられたまま、口で右乳首を吸い上げられる

「翔子さんまだ母乳でそうだね。甘い汁でそうだ・・・」

翔子は想像する。
(もし・・・母乳でたら・・・・凄くいやらしいよね・・・)

そう思うと乳房が張ってきて、乳首がさらに熱く感じてきた。

「気持ち・・・イイ・・・母乳だしたい・・・吸われたい」

「あああ、本当に母乳出そうだ・・・
 ほら、、左乳首の先、、、濡れてきてる」

「え・・・嘘。何で??」

山根は左乳首を捻り上げる、さらに乳首から乳汁が出てくる。
透明な体液はやがて・・・・白濁した液に徐々に変わってきた。

「おお!母乳出た!!!」

乳首から白い体液が流れ落ちる。

むしゃブリ吸い付く山根。

「甘い・・・・母乳だぁ・・・・」
その言葉と同時に乳首から子宮に快感の電流が走る

「イク!!!!乳首で逝っちゃう!逝っちゃう!」

噴乳しながら・・・翔子は激しい絶頂と痙攣を迎えた。
 
性欲がピークを迎えた時、
山根は翔子のスカートが捲り上げ、ショーツを下ろした。
濡れたヴァギナとクリトリスが露わになる。
翔子は脚を閉じて拒もうとするが、山根の手が内腿を開いた。

「こんなに陰毛がびっしりと生えているなんて。肛門の周囲もふさふさして」

その瞬間、鼻を突くような、甘く腐敗したような匂いが立ち上った。

「……これは……」

ふと見れば、陰毛の根元に何かが絡みついている。  
乾いた白い液体、乾きかけた褐色の汚れ。  
肛門の周囲には、うっすらと便のこびりついた跡。  
太ももの内側にまで、液体が流れた痕がまだ残っている。

(……こいつ……さっき……いや、直前まで……)

その異様な生々しさに、山根の興奮は頂点を超えて、  
“夜翔”では絶対に見ることのできなかった“本物”がここにいると確信した。

 「やっ……ダメ……お願い……ダメぇっ……」

山根の手で、弄られるヴァギナとクリトリス。
乳首絶頂を迎えた翔子には抵抗する力はなく、
むしろ、このまま犯されるのを望んだ。

翔子は自らの手で剛毛に覆われた陰唇を割き、
桃色の膣口を拡げていた。

「おいおい……見ろよこれ……反ってる……ちんちんみてぇだ……」  
「女がこんな勃ち方して……翔子さん、アンタ本当に、女か……?」  

山根の視線が陰核に釘付けになった。
まるで“挿れられる前に、挿れたがってる”ように見えた。  

 「ちが……う、見ないで……そこは……ダメ……っ」  
 
でも心とは裏腹に、脚は開かれたままだった。

 「……入れて……ください……入れて……ぇ……」

 涙と唾液に濡れた顔で、懇願する翔子。
 怒張した男根の先端が膣口に触れた、その瞬間——

 「そこでやめなさい!!」

 鋭く響いた声が玄関に轟き、山根の動きが止まった。
 翔子の下半身を覆う影の肩越しにスーツ姿の男が立っていた。

 「……山路先生……?」

我に返り、慌てて露わになった部分を隠す翔子。
 「警察に連絡しました。もう逃げられませんよ、山根さん」

 「な、なんで……っ、先生……どうして……っここに?」

山根の身体を引き剥がし、取り押さえた山路。
その視線は、
ショーツの脱がされたまま先ほどまで喘でいた翔子の身体にも、
一瞬だけ静かに注がれたが、
直ぐに山根の身柄確保に全力を注いだ。

 「昴流君の件で、報告に伺っただけです。
……物音がしたので……大丈夫ですか?八神さん」

呆然としたまま、翔子は床に座り込んだ。
「わたし……何してたんだろう……」

下着は床に散らばり、服は捲れたまま、乳房は露出したまま
山路はそっと自分の着ていたジャケットを翔子に覆い被せた。

翔子はただ、震える体を抱きしめながら、
翔子は初めて、自らの“狂気”を恐れた。

間もなくして、山根は警察に逮捕連行された。
丸まった背中の惨めな後ろ姿が印象的だった。

「大丈夫。もう警察が逮捕してくれました。
彼が翔子さんを見る目が異常だったので気になってたんです。
怪我はありませんよね?」

山路の優しさが翔子に少しだけ安心と安らぎをもたらしていた。
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