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「とりあえず、これでも着とけ」
放り投げられたものを受け取って広げる。生成り色の生地は硬く、ティオが日頃から身につけているワイシャツよりも着心地が悪そうだ。だが、破れたシャツのまま船内を歩くのは嫌だった。
ティオは破れたワイシャツを脱いで、手にしているワイシャツを着た。案の定、ワイシャツはゴワゴワしてどうにもしっくりこない。
「あとこれもだな」
ついでとばかりに紺色に近い黒いバンダナを手渡される。それを掴んで首を傾げた。
「バンダナ? なんで?」
「面倒事に巻き込まれるのはゴメンだからな。それでもつけて灯台みたいな頭を少しは隠せ」
「わかったよ」
とはいっても、バンダナなど頭に巻いたことなどない。ティオの髪を褒め称え華美に飾られたことはあっても、その逆はないのだ。バンダナを広げたままチラチラとアスルトンを見る。
「どうした。さっさとつけろ」
「これ、どうやってつけるの?」
眉を下げて尋ねる。アスルトンは器用に片眉だけあげた。
「おいおい、冗談だろ」
「冗談なわけない。身の回りの世話は使用人が全部やってくれたから」
下着はともかく身につけるものはつねに使用人が手伝ってくれた。むしろ、ティオはなにもしなくていいと言わんばかりにされるがままになっていたのだ。
アスルトンはため息をつくと「貸せ」と言って手を差し出した。
「今回は特別に俺が直々に結んでやる。次からは自分で結べるようになれよ」
「うん」
バンダナをアスルトンに返すと、アスルトンはバンダナをティオの頭にかぶせて布の端を後頭部で結んだ。すると、結び目の足がだいぶ余ったおかげで項まで隠れた。すっぽりと頭を覆われる初めての感覚にティオは思わず感嘆の息を漏らした。
そんなティオを鼻で笑ったアスルトンは片手を腰に当てた。
「ほら簡単だろ」
「うん、これなら俺一人でもできるよ」
思っていたよりもずっと簡単につけれることにホッとする。そのせいか、張り詰めていた緊張も解け、向き合っているアスルトンに頬を緩めて微笑んだ。
「それで、俺はなにをすればいい?」
「ついてこい」
アスルトンが船長室からでると、甲板に向かう。その後をティオも続いた。
「今日から船員が増えた。適当に仲良くしてやれ」
船員を全員甲板に集めたアスルトンはもう役目は終わったと言わんばかりにメインマストの見張り台にあがってしまう。
頼りにしていただけに、急に放り出されてティオはあっけにとられた。そして、同じように残された船員たちの方へとためらいがちに向く。
「まったく、彼には困ったものだね」
船員の中から、幸薄そうな男がティオの方へと歩み寄ってきた。
死人のような青白い肌にひょろりと細長い手足は青い髪もあいまって不健康そうに見える。男の纏う陰鬱さを増す落ち窪んだヘーゼルの瞳はまるで深海を覗いているような不気味さすらある。
「ようこそ、私達の船――シーフォレストへ。私はイオラ。船医と副船長を担っているんだ」
イオラはうっすらと微笑み、骨ばった手を差しだしてくる。
どんな人間でもティオは偏見を持たないようにしているが、目の前のイオラにはなぜか不快感に似たなにかを感じた。そんな感情を抱いたことがないティオは初めてのことに戸惑った。同時に、ティオの良心がはっきりとしない気持ちで相手を判断するのは失礼だと叫ぶ。
「はじめまして、俺のことはティオと呼んでください。これからよろしくおねがいします」
良心の叱責に背中を押されたこともあり、差し伸べられた手を握り返す。やはりイオラの手は強く握ったらポキリと折れてしまいそうだ。
引きつってしまいそうな口元に無理やり笑みを浮かべれば、イオラの手がやんわりと握り返してくる。
「彼が望んだだけあって、美しい輝きだ」
「え?」
目の前のイオラがぶれて見えた。だが、目をこすってもう一度見た時には、最初に感じたとおりひょろりとした幸薄い男がいるだけだ。困惑を隠しきれないティオをよそにイオラは淡々と続けた。
「悩みごとや傷を負ったら、気兼ねなく私のところに来なさい」
そういってヘーゼルの瞳を細めた。
イオラの顔は確かに笑っている。笑っているが、本当の笑顔とは思えなかった。まるで笑顔を知らない存在が、形だけの笑みを貼り付けてるような不気味さが拭えない。
手がじっとり汗ばむのを感じながら、ティオもそっと微笑み返す。
「ぜひ、そうさせていただきます」
するりと手が離れれば、イオラが周りにいる船員に声をかけた。
「彼は私が案内するから、みんなは持ち場に戻るように」
「りょーかい」
イオラの発言に船員たちはあっという間に散り散りになった。
二人だけになると、イオラは「少し散歩をしようか」と言って歩き出す。
「まず、この船のルールは二つだけだ。一つは船長であるアスルトンの指示は従うこと。これはなにがあっても絶対に守るんだ。いいね?」
語気を強めた言葉にティオはぎこちなく頷いた。そうすれば、イオラも小さく頷いて続けた。
「もう一つは船内での暴力沙汰はどんな理由であれ禁止だ」
「それだけ?」
てっきりたくさん決まり事があると思っていた。肩透かしを食らった気分でいると、イオラは「それだけだよ」と返す。
「つまり、それ以外に関しては船員同士でうまく折り合いをつけろって意味さ」
さらりと続けられた言葉にティオは納得する。とはいえ、アスルトンに腹を蹴られ、前髪を掴まれて痛い思いをしたティオは理不尽だなとひっそり思った。
階段を降りれば、そこでは大砲を磨いているものやロープのチェックをしているもののほか、船尾の方で木箱に入っている砲弾を確認しているものもいた。
「お、新人じゃん! 昨日は悪かったな!」
「あとでこっちに手伝いに来いよ! ロープの扱い方教えてやっから!」
「副船長ー、お疲れ様!」
船員たちは口々に言うと、軽く手を振ってくる。
イオラは慣れた様子で手を振り返した。昨日と打って変わって、落ち着いている船員たちにティオは面を食らった。
「普通に暴力沙汰が横行していると思っていたけど、結構穏やかというか……」
「船はみんなで動かすものだからね。それを彼らはわかっているんだよ。まあ、そんな彼らもまれに昨日みたいに暴走するけどね」
さらに降りると、今度は木でできた丸いテーブルとイスが等間隔で床に打ち付けてある。船尾には厨房があり、その反対側には扉があった。
イオラは船頭の方にある扉に近寄ると扉を開けた。室内はそれなりに広く、ハンモックがずらりと並んでいる。
「ここが、船員の寝室だよ。それでこっちが厨房と食事をするスペースだ」
船員の寝室のドアを締めて振り返れば、なるほどと納得する。船尾にある扉の傍には厨房があり、中から物音が聞こえた。
「ビネット、いるかい?」
イオラが厨房に近寄って中を覗き込むと、ビネットと呼ばれた大柄な浅黒い男がぬっと顔を出した。
「イオラじゃねえか。ついにてめえも消毒以外で酒をたかりに来たか?」
だるそうに立ち上がったビネットは鉤爪のような鼻の上にシワをよせながら、鋭い緑の瞳を細めた。イオラはビネットを見上げると「違うよ」と微笑み、隣にいるティオを前へと押し出した。
「ティオを紹介しに来たんだ。君はこの船の中でも、数少ない良心の塊だからね」
「はっ、そんなこというのはてめえぐらいだ」
ビネットは筋肉で盛り上がった肩を窮屈そうにすくめた。そして、ティオの方を向くと太い眉を寄せて腕を組んだ。
「噂はかねがね聞いてるぜ。さすが王子様、うちのクズどもと違って上品さが溢れてんな。まったくこんな船に乗り込んでくるなんてどうかしてやがる」
「俺にも色々事情があるんだ。あと、その王子様っていうのはやめてほしい。俺にはティオって呼び名があるし、この船ではビネットさんのほうが先輩だろ?」
ビネットはじっとティオを見た後、厨房に引っ込んだ。そして「ほらよ」となにやら包みを投げてくる。慌ててそれを受け取れば、ビネットが厨房から出ずに言った。
「てめえの口にゃあわんねえだろうけど、昨日からなにも食ってないんだろ。空きっ腹でいるのはよくねえからそれでも胃に詰めておけ。あと、そこの扉は食料庫だから勝手に入るなよ」
「わかった。それからありがとう」
ビネットの返答はなかった。
下の階に行く間際「ほら、彼は優しいだろ?」とイオラが耳元で囁いてきた。その言葉にティオは小さく頷いた。
包みを広げれば、干し肉とピクルスをはさんだサンドイッチだ。パンはパサパサで、肉は硬い上挟んであるピクルスは酸味が効きすぎている。だが、噛めば噛むほど肉の味が広がっていく。
「なんだか不思議な感触だ……。でも、おいしい」
「ビネットもその言葉を聞いたらきっと喜ぶよ」
サンドイッチを食べ終えて包みをきっちりとたたむと、ポケットに突っ込む。最後に船底である船倉を軽く見た後、一番上の甲板へと出た。
甲板にでると、潮風がティオとイオラの頬をなでていった。イオラは心地よさそうに目を閉じ、風が遠くへと去ると、そっと目を見開いてティオの方へと振り返った。
「船の中はざっとこんなものかな。それじゃ、あとはがんばって」
「は、はい」
イオラは甲板の後方にある部屋へと入っていく。その部屋はちょうど船長室の真上に位置する場所だ。
とりあえず、先ほどロープの扱い方を教えてくれると言った船員のもとへと行くことにした。下の階に降りれば、船員がティオに気づくなり大きく手を振った。
「おーい、こっちこっち!」
船員が隣に座るようぽんぽんと床を叩いた。呼ばれるがままに近づいて気さくな船員の隣に腰を下ろすと「ほい」とロープを手渡される。
「なにこれ」
「見りゃわかるだろ。ロープだよ、ロープ。船じゃいろんなことに使うからな。んじゃ、まずロープの結び方だけど、こうやってこうな」
「え、待った。もう一回っ! もっとゆっくり!」
瞬く間に結び目が出来上がっているロープに声が自然と大きくなってしまう。だが、船員は気に留めないのかにやりと黄ばんだ歯を見せて「よーく見ておけよ?」とロープの結び目を解いた。
その言葉に頷いて、しっかりと船員の手元を睨む。船員はゆっくりと、しかしあっという間にきれいな結び目を作ってみせた。
さっきと違い、結び方をきちんと目にした。だから自分も同じようにできると思った。
いざやってみると細いロープは思っていたよりも芯があった。結べたとしても妙に隙間ができてしまう。たまたま船員が結んだ部分が柔らかいのではと思って、船員が使っていたロープで結んでみるが、やはり微妙に隙間ができてしまう。
「おかしいなあ。きちんと結んでるんだけど……」
「もっと強く引っ張るんだよ」
「これよりも?」
「そうそう」
船員の言葉にティオは深呼吸をすると、思いっきり力を入れて結んだ。その瞬間、手の内にピリッと痛みが走った。とっさに力を抜いてしまうと、隙間を残した結び目がまた出来上がった。
だが、ティオはロープの結び目よりも自分の手のひらが気になり、視線を落とした。傷とは無縁だった手のひらにはロープが擦れたのだろう。赤い擦り傷ができていた。
「どうした、ティオ」
「手、傷ができた」
ピリピリとした慣れない痛みに眉を寄せながら、手のひらを船員に見せる。すると、船員はティオの手のひらに視線を落として目を眇めた。
「傷なんてないじゃないか」
「ある。ここ」
船員の言葉にムッとしながら、赤くなっている手のひらを指差せば船員は小さく吹き出して腹を抱えた。船員の反応にティオはますますムキになると、唇を尖らせた。
「笑わなくたっていいのに」
「そりゃ笑うだろ! そんなの傷の内に入らないって!」
「で、でもっ、ピリピリして痛いんだ!」
必死になって言い返せば、船員はヒーヒーと引き笑いをしながら目尻に溜まった涙を拭った。
「そんな傷で大騒ぎするなんて、ほんとなんにもしたことがないんだな。明日になれば気にならないって。どうしても気になるなら、副船長のところに行って消毒してもらってこいよ」
大きく深呼吸をして息を整えた船員は下手くそなティオの結び目を解いた。船員の提案は最もだが、イオラの顔を思い出すとどうにも気分が重くなる。なにより過保護に育てられたことを指摘されて、手のひらの痛みよりも恥ずかしさと悔しさが勝った。
「ちょっと驚いただけで、このぐらい平気だっ。続きやるからロープ返してくれ」
「はい、どうぞ」
恭しく差し出されたロープにティオはやや乱暴に受け取る。しかし、その日は最後までロープをきちんと結べなかった。そんなティオに船員は「不器用だなあ」と笑った。
夕食時になり、食堂である階へ向かうと、テーブルの上にはメインと思われる料理が山のように大皿に盛られていた。
「すごい量だ」
「今日はティオの歓迎会があるからだよ」
通りすがりの船員の指摘にティオは目をパチパチと瞬く。
そうこうしている間に各々皿を手にとると、大皿に盛られている料理を自分の皿に取り始めた。ティオも真似して、自分の取り分を皿に乗せると、隅の方のテーブルについて食べ始める。
酒がいい具合に入ったこともあり、あたりは一気にどんちゃん騒ぎになる。肩を組んで歌い出すものもいれば、合いの手を打つものもいた。
盛り上がっている船員たちを眺めながら食事をつまんでいると、不意に影がかかった。
「おいおい、どうして主役がこんな隅にいるんだ」
「アスルトン……」
料理を持った皿とワインが入ったジョッキを手に、アスルトンがティオの向かいに腰を下ろした。並々と注がれているジョッキを煽り、ワイン臭い息を吐きながら口元を拭う。
「ビネットのやつ、いい酒を切ったな」
「アスルトンはどうして俺の向かいに来たんだよ」
船員たちを見れば、アスルトンがきたことに気づいていないのか、あいかわらず騒いでいる。アスルトンはティオの指摘に器用に片眉をあげた。
「どこに座ろうが俺の勝手だろ。なあ、シェリー」
アスルトンの声に変わった鳴き声が答えるように一鳴きした。
アスルトンに注目して気づかなかったが、アスルトンの肩にはほのかに紫がかった尾羽根が長い黒い小さな鳥が止まっていた。
「はじめて見る鳥だ。なんていう鳥?」
「サンコウチョウっていう鳥だ。船の中ではイオラと同じくらい古参だから、お前の大先輩だぞ」
アスルトンがティオに視線を向ければ、シェリーはティオの肩に飛び乗った。
目の周りは丸く瑠璃色に縁どられていて、嘴も同じ色をしている。小さく首を傾げて、ティオを見上げるシェリーの愛らしさにささくれていた気持ちもほつれていく気がした。そっと指先で頭を撫でれば、うっとりとシェリーは目を閉じた。
「かわいいな」
「おまけに賢いぞ」
食事を平らげたアスルトンはティオを見ずに笑う。ティオが口をへの字にすれば、アスルトンは残っていたワインを飲み干した。
「で、王子様はあの後なにしてたんだ?」
「王子様じゃなくて、ティオだってば。えっと、イオラさんに船内を案内してもらった。そのあと船員からロープの使い道と結び方を教えてもらってた」
「で? うまく結べたか」
アスルトンの形のいい薄い唇がニヤニヤと笑みを浮かべる。ティオは唇を尖らしてそっぽを向いた。
「明日はきっとうまく結べるようになるし」
「だといいがな。ま、しばらくは覚えることがいっぱいで退屈しない日々が過ごせるぞ」
楽しげに言ったアスルトンはカラになったジョッキと皿を手に立ち上がった。歩き出したアスルトンの後を追うようにティオの肩に乗っていたシェリーが羽ばたいていく。
だいぶ時間が経っていたのか、船員たちは床やテーブルに突っ伏して寝ているものばかりだ。ティオはカラになった皿を厨房に置いておくと、イオラに教えてもらった船員室に入った。
ずらりと並んだハンモックを見て悩んだ末、窓に一番近いハンモックに寝そべった。ベッドと違い無重力感は面白い。だが、薄い布を強いただけの網が服越しに体に食い込みどうにも寝心地悪い。
けれど、思ったよりも体は疲弊していたのか仰向けになって目を閉じれば、意識は沈んでいった。
放り投げられたものを受け取って広げる。生成り色の生地は硬く、ティオが日頃から身につけているワイシャツよりも着心地が悪そうだ。だが、破れたシャツのまま船内を歩くのは嫌だった。
ティオは破れたワイシャツを脱いで、手にしているワイシャツを着た。案の定、ワイシャツはゴワゴワしてどうにもしっくりこない。
「あとこれもだな」
ついでとばかりに紺色に近い黒いバンダナを手渡される。それを掴んで首を傾げた。
「バンダナ? なんで?」
「面倒事に巻き込まれるのはゴメンだからな。それでもつけて灯台みたいな頭を少しは隠せ」
「わかったよ」
とはいっても、バンダナなど頭に巻いたことなどない。ティオの髪を褒め称え華美に飾られたことはあっても、その逆はないのだ。バンダナを広げたままチラチラとアスルトンを見る。
「どうした。さっさとつけろ」
「これ、どうやってつけるの?」
眉を下げて尋ねる。アスルトンは器用に片眉だけあげた。
「おいおい、冗談だろ」
「冗談なわけない。身の回りの世話は使用人が全部やってくれたから」
下着はともかく身につけるものはつねに使用人が手伝ってくれた。むしろ、ティオはなにもしなくていいと言わんばかりにされるがままになっていたのだ。
アスルトンはため息をつくと「貸せ」と言って手を差し出した。
「今回は特別に俺が直々に結んでやる。次からは自分で結べるようになれよ」
「うん」
バンダナをアスルトンに返すと、アスルトンはバンダナをティオの頭にかぶせて布の端を後頭部で結んだ。すると、結び目の足がだいぶ余ったおかげで項まで隠れた。すっぽりと頭を覆われる初めての感覚にティオは思わず感嘆の息を漏らした。
そんなティオを鼻で笑ったアスルトンは片手を腰に当てた。
「ほら簡単だろ」
「うん、これなら俺一人でもできるよ」
思っていたよりもずっと簡単につけれることにホッとする。そのせいか、張り詰めていた緊張も解け、向き合っているアスルトンに頬を緩めて微笑んだ。
「それで、俺はなにをすればいい?」
「ついてこい」
アスルトンが船長室からでると、甲板に向かう。その後をティオも続いた。
「今日から船員が増えた。適当に仲良くしてやれ」
船員を全員甲板に集めたアスルトンはもう役目は終わったと言わんばかりにメインマストの見張り台にあがってしまう。
頼りにしていただけに、急に放り出されてティオはあっけにとられた。そして、同じように残された船員たちの方へとためらいがちに向く。
「まったく、彼には困ったものだね」
船員の中から、幸薄そうな男がティオの方へと歩み寄ってきた。
死人のような青白い肌にひょろりと細長い手足は青い髪もあいまって不健康そうに見える。男の纏う陰鬱さを増す落ち窪んだヘーゼルの瞳はまるで深海を覗いているような不気味さすらある。
「ようこそ、私達の船――シーフォレストへ。私はイオラ。船医と副船長を担っているんだ」
イオラはうっすらと微笑み、骨ばった手を差しだしてくる。
どんな人間でもティオは偏見を持たないようにしているが、目の前のイオラにはなぜか不快感に似たなにかを感じた。そんな感情を抱いたことがないティオは初めてのことに戸惑った。同時に、ティオの良心がはっきりとしない気持ちで相手を判断するのは失礼だと叫ぶ。
「はじめまして、俺のことはティオと呼んでください。これからよろしくおねがいします」
良心の叱責に背中を押されたこともあり、差し伸べられた手を握り返す。やはりイオラの手は強く握ったらポキリと折れてしまいそうだ。
引きつってしまいそうな口元に無理やり笑みを浮かべれば、イオラの手がやんわりと握り返してくる。
「彼が望んだだけあって、美しい輝きだ」
「え?」
目の前のイオラがぶれて見えた。だが、目をこすってもう一度見た時には、最初に感じたとおりひょろりとした幸薄い男がいるだけだ。困惑を隠しきれないティオをよそにイオラは淡々と続けた。
「悩みごとや傷を負ったら、気兼ねなく私のところに来なさい」
そういってヘーゼルの瞳を細めた。
イオラの顔は確かに笑っている。笑っているが、本当の笑顔とは思えなかった。まるで笑顔を知らない存在が、形だけの笑みを貼り付けてるような不気味さが拭えない。
手がじっとり汗ばむのを感じながら、ティオもそっと微笑み返す。
「ぜひ、そうさせていただきます」
するりと手が離れれば、イオラが周りにいる船員に声をかけた。
「彼は私が案内するから、みんなは持ち場に戻るように」
「りょーかい」
イオラの発言に船員たちはあっという間に散り散りになった。
二人だけになると、イオラは「少し散歩をしようか」と言って歩き出す。
「まず、この船のルールは二つだけだ。一つは船長であるアスルトンの指示は従うこと。これはなにがあっても絶対に守るんだ。いいね?」
語気を強めた言葉にティオはぎこちなく頷いた。そうすれば、イオラも小さく頷いて続けた。
「もう一つは船内での暴力沙汰はどんな理由であれ禁止だ」
「それだけ?」
てっきりたくさん決まり事があると思っていた。肩透かしを食らった気分でいると、イオラは「それだけだよ」と返す。
「つまり、それ以外に関しては船員同士でうまく折り合いをつけろって意味さ」
さらりと続けられた言葉にティオは納得する。とはいえ、アスルトンに腹を蹴られ、前髪を掴まれて痛い思いをしたティオは理不尽だなとひっそり思った。
階段を降りれば、そこでは大砲を磨いているものやロープのチェックをしているもののほか、船尾の方で木箱に入っている砲弾を確認しているものもいた。
「お、新人じゃん! 昨日は悪かったな!」
「あとでこっちに手伝いに来いよ! ロープの扱い方教えてやっから!」
「副船長ー、お疲れ様!」
船員たちは口々に言うと、軽く手を振ってくる。
イオラは慣れた様子で手を振り返した。昨日と打って変わって、落ち着いている船員たちにティオは面を食らった。
「普通に暴力沙汰が横行していると思っていたけど、結構穏やかというか……」
「船はみんなで動かすものだからね。それを彼らはわかっているんだよ。まあ、そんな彼らもまれに昨日みたいに暴走するけどね」
さらに降りると、今度は木でできた丸いテーブルとイスが等間隔で床に打ち付けてある。船尾には厨房があり、その反対側には扉があった。
イオラは船頭の方にある扉に近寄ると扉を開けた。室内はそれなりに広く、ハンモックがずらりと並んでいる。
「ここが、船員の寝室だよ。それでこっちが厨房と食事をするスペースだ」
船員の寝室のドアを締めて振り返れば、なるほどと納得する。船尾にある扉の傍には厨房があり、中から物音が聞こえた。
「ビネット、いるかい?」
イオラが厨房に近寄って中を覗き込むと、ビネットと呼ばれた大柄な浅黒い男がぬっと顔を出した。
「イオラじゃねえか。ついにてめえも消毒以外で酒をたかりに来たか?」
だるそうに立ち上がったビネットは鉤爪のような鼻の上にシワをよせながら、鋭い緑の瞳を細めた。イオラはビネットを見上げると「違うよ」と微笑み、隣にいるティオを前へと押し出した。
「ティオを紹介しに来たんだ。君はこの船の中でも、数少ない良心の塊だからね」
「はっ、そんなこというのはてめえぐらいだ」
ビネットは筋肉で盛り上がった肩を窮屈そうにすくめた。そして、ティオの方を向くと太い眉を寄せて腕を組んだ。
「噂はかねがね聞いてるぜ。さすが王子様、うちのクズどもと違って上品さが溢れてんな。まったくこんな船に乗り込んでくるなんてどうかしてやがる」
「俺にも色々事情があるんだ。あと、その王子様っていうのはやめてほしい。俺にはティオって呼び名があるし、この船ではビネットさんのほうが先輩だろ?」
ビネットはじっとティオを見た後、厨房に引っ込んだ。そして「ほらよ」となにやら包みを投げてくる。慌ててそれを受け取れば、ビネットが厨房から出ずに言った。
「てめえの口にゃあわんねえだろうけど、昨日からなにも食ってないんだろ。空きっ腹でいるのはよくねえからそれでも胃に詰めておけ。あと、そこの扉は食料庫だから勝手に入るなよ」
「わかった。それからありがとう」
ビネットの返答はなかった。
下の階に行く間際「ほら、彼は優しいだろ?」とイオラが耳元で囁いてきた。その言葉にティオは小さく頷いた。
包みを広げれば、干し肉とピクルスをはさんだサンドイッチだ。パンはパサパサで、肉は硬い上挟んであるピクルスは酸味が効きすぎている。だが、噛めば噛むほど肉の味が広がっていく。
「なんだか不思議な感触だ……。でも、おいしい」
「ビネットもその言葉を聞いたらきっと喜ぶよ」
サンドイッチを食べ終えて包みをきっちりとたたむと、ポケットに突っ込む。最後に船底である船倉を軽く見た後、一番上の甲板へと出た。
甲板にでると、潮風がティオとイオラの頬をなでていった。イオラは心地よさそうに目を閉じ、風が遠くへと去ると、そっと目を見開いてティオの方へと振り返った。
「船の中はざっとこんなものかな。それじゃ、あとはがんばって」
「は、はい」
イオラは甲板の後方にある部屋へと入っていく。その部屋はちょうど船長室の真上に位置する場所だ。
とりあえず、先ほどロープの扱い方を教えてくれると言った船員のもとへと行くことにした。下の階に降りれば、船員がティオに気づくなり大きく手を振った。
「おーい、こっちこっち!」
船員が隣に座るようぽんぽんと床を叩いた。呼ばれるがままに近づいて気さくな船員の隣に腰を下ろすと「ほい」とロープを手渡される。
「なにこれ」
「見りゃわかるだろ。ロープだよ、ロープ。船じゃいろんなことに使うからな。んじゃ、まずロープの結び方だけど、こうやってこうな」
「え、待った。もう一回っ! もっとゆっくり!」
瞬く間に結び目が出来上がっているロープに声が自然と大きくなってしまう。だが、船員は気に留めないのかにやりと黄ばんだ歯を見せて「よーく見ておけよ?」とロープの結び目を解いた。
その言葉に頷いて、しっかりと船員の手元を睨む。船員はゆっくりと、しかしあっという間にきれいな結び目を作ってみせた。
さっきと違い、結び方をきちんと目にした。だから自分も同じようにできると思った。
いざやってみると細いロープは思っていたよりも芯があった。結べたとしても妙に隙間ができてしまう。たまたま船員が結んだ部分が柔らかいのではと思って、船員が使っていたロープで結んでみるが、やはり微妙に隙間ができてしまう。
「おかしいなあ。きちんと結んでるんだけど……」
「もっと強く引っ張るんだよ」
「これよりも?」
「そうそう」
船員の言葉にティオは深呼吸をすると、思いっきり力を入れて結んだ。その瞬間、手の内にピリッと痛みが走った。とっさに力を抜いてしまうと、隙間を残した結び目がまた出来上がった。
だが、ティオはロープの結び目よりも自分の手のひらが気になり、視線を落とした。傷とは無縁だった手のひらにはロープが擦れたのだろう。赤い擦り傷ができていた。
「どうした、ティオ」
「手、傷ができた」
ピリピリとした慣れない痛みに眉を寄せながら、手のひらを船員に見せる。すると、船員はティオの手のひらに視線を落として目を眇めた。
「傷なんてないじゃないか」
「ある。ここ」
船員の言葉にムッとしながら、赤くなっている手のひらを指差せば船員は小さく吹き出して腹を抱えた。船員の反応にティオはますますムキになると、唇を尖らせた。
「笑わなくたっていいのに」
「そりゃ笑うだろ! そんなの傷の内に入らないって!」
「で、でもっ、ピリピリして痛いんだ!」
必死になって言い返せば、船員はヒーヒーと引き笑いをしながら目尻に溜まった涙を拭った。
「そんな傷で大騒ぎするなんて、ほんとなんにもしたことがないんだな。明日になれば気にならないって。どうしても気になるなら、副船長のところに行って消毒してもらってこいよ」
大きく深呼吸をして息を整えた船員は下手くそなティオの結び目を解いた。船員の提案は最もだが、イオラの顔を思い出すとどうにも気分が重くなる。なにより過保護に育てられたことを指摘されて、手のひらの痛みよりも恥ずかしさと悔しさが勝った。
「ちょっと驚いただけで、このぐらい平気だっ。続きやるからロープ返してくれ」
「はい、どうぞ」
恭しく差し出されたロープにティオはやや乱暴に受け取る。しかし、その日は最後までロープをきちんと結べなかった。そんなティオに船員は「不器用だなあ」と笑った。
夕食時になり、食堂である階へ向かうと、テーブルの上にはメインと思われる料理が山のように大皿に盛られていた。
「すごい量だ」
「今日はティオの歓迎会があるからだよ」
通りすがりの船員の指摘にティオは目をパチパチと瞬く。
そうこうしている間に各々皿を手にとると、大皿に盛られている料理を自分の皿に取り始めた。ティオも真似して、自分の取り分を皿に乗せると、隅の方のテーブルについて食べ始める。
酒がいい具合に入ったこともあり、あたりは一気にどんちゃん騒ぎになる。肩を組んで歌い出すものもいれば、合いの手を打つものもいた。
盛り上がっている船員たちを眺めながら食事をつまんでいると、不意に影がかかった。
「おいおい、どうして主役がこんな隅にいるんだ」
「アスルトン……」
料理を持った皿とワインが入ったジョッキを手に、アスルトンがティオの向かいに腰を下ろした。並々と注がれているジョッキを煽り、ワイン臭い息を吐きながら口元を拭う。
「ビネットのやつ、いい酒を切ったな」
「アスルトンはどうして俺の向かいに来たんだよ」
船員たちを見れば、アスルトンがきたことに気づいていないのか、あいかわらず騒いでいる。アスルトンはティオの指摘に器用に片眉をあげた。
「どこに座ろうが俺の勝手だろ。なあ、シェリー」
アスルトンの声に変わった鳴き声が答えるように一鳴きした。
アスルトンに注目して気づかなかったが、アスルトンの肩にはほのかに紫がかった尾羽根が長い黒い小さな鳥が止まっていた。
「はじめて見る鳥だ。なんていう鳥?」
「サンコウチョウっていう鳥だ。船の中ではイオラと同じくらい古参だから、お前の大先輩だぞ」
アスルトンがティオに視線を向ければ、シェリーはティオの肩に飛び乗った。
目の周りは丸く瑠璃色に縁どられていて、嘴も同じ色をしている。小さく首を傾げて、ティオを見上げるシェリーの愛らしさにささくれていた気持ちもほつれていく気がした。そっと指先で頭を撫でれば、うっとりとシェリーは目を閉じた。
「かわいいな」
「おまけに賢いぞ」
食事を平らげたアスルトンはティオを見ずに笑う。ティオが口をへの字にすれば、アスルトンは残っていたワインを飲み干した。
「で、王子様はあの後なにしてたんだ?」
「王子様じゃなくて、ティオだってば。えっと、イオラさんに船内を案内してもらった。そのあと船員からロープの使い道と結び方を教えてもらってた」
「で? うまく結べたか」
アスルトンの形のいい薄い唇がニヤニヤと笑みを浮かべる。ティオは唇を尖らしてそっぽを向いた。
「明日はきっとうまく結べるようになるし」
「だといいがな。ま、しばらくは覚えることがいっぱいで退屈しない日々が過ごせるぞ」
楽しげに言ったアスルトンはカラになったジョッキと皿を手に立ち上がった。歩き出したアスルトンの後を追うようにティオの肩に乗っていたシェリーが羽ばたいていく。
だいぶ時間が経っていたのか、船員たちは床やテーブルに突っ伏して寝ているものばかりだ。ティオはカラになった皿を厨房に置いておくと、イオラに教えてもらった船員室に入った。
ずらりと並んだハンモックを見て悩んだ末、窓に一番近いハンモックに寝そべった。ベッドと違い無重力感は面白い。だが、薄い布を強いただけの網が服越しに体に食い込みどうにも寝心地悪い。
けれど、思ったよりも体は疲弊していたのか仰向けになって目を閉じれば、意識は沈んでいった。
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