天災魔人は普通を望む

天霧 ロウ

文字の大きさ
6 / 13

6*

しおりを挟む
 それから昼は農園と家畜の世話のほか見張りをし、夜はセルカの相手をした。昼間は落ち着いたセルカだが、夜になると欲情のままにザクベルを欲して乱れる様はギャップも相まってますますザクベルの心を虜にした。
 一方で、ザクベルとしてはせっかく抱き合うならお互いに心地よくありたいと思っていた。そのため要望があれば、答えると伝えていた。
 はじめてセルカを抱いて一週間経った今日はセルカの要望とあって、背を向けて膝の上へ座ったセルカに高ぶりを嵌めつつ乳首をいじりながら、もどかしそうに動く腰を固定するようにしっかりと手で腰を押さえていた。

「ぁあっ! またイ――っ」
「いいですよ、たくさん気持ちよくなってください」

 ぎゅうぎゅうとザクベルの高ぶりを締め付けながら、腰をのけぞらして絶頂するセルカに囁く。セルカの中心は達せないよう細長い棒が入っており、これもセルカからの要望だ。
 搾り取るような動きで達しそうになるが、なんとかこらえてふーっと熱のこもった息を吐く。腰を掴んでいる手を一度離すと、しっとりと汗ばんだセルカの脇腹を撫で、掴み直す。
 かすかに身じろげば、敏感に感じ取ったセルカの体がビクンっと震え、鼻にかかった声を漏らした。少し動いただけで絶頂しかけているセルカの痴態に腰を動かしたくなるが、ぐっとこらえた。

「すみません、セルカ様。勝手に動いたお詫びにもっと乳首いじりますね」
「それなら、いいよ」

 最初は控えめだった薄紅色の乳首は今日の調教だけで、すっかり紅色に染まってツンと主張するようになった。
 ここに控えめなリングのピアスをつけたらさぞ映えるだろうと思いながら、乳輪を撫でて乳首をつまむと優しく引っ張ったり、指の腹でなで回す。そうすれば、セルカは汗で濡れた髪を乱しながら、心地よさそうに喘いだ。

「ぁ゛、ざくべる、ぁああっ!」

 より高みに登れるように腰を押さえるのをやめ、その手でセルカの中心から少しだけ顔をのぞかせる銀の棒を抜き取る。セルカの体が不意の刺激で足を突っぱねて腰を突き出してビクッビクッと大きく跳ねる。

「~~~~っ! ――っ!!」

 声にならない嬌声をあげて、射精の仕方を忘れた高ぶりの先がパクパクと震え、ぎゅううっとザクベルの高ぶりを締め付けてくる。強烈な絶頂に涙するセルカをなだめるようしっかり抱きしめる。
 やがて長い絶頂から降りてきたセルカが舌をだしながら肩で息を繰り返す。火照って汗ばんでいるうなじや肩にキスしたい気持ちを抑えつけながら、努めて冷静に告げた。

「セルカ様。今日は疲れたでしょう? もう休んだ方がいいじゃないんでしょうか?」
「だったら、もう我慢しなくていいから私の中に出してくれ」

 見せつけるようにぐりぐりと腰を動かしてザクベルの高ぶりを刺激する。ぐうっとザクベルは呻き、歯を食いしばる。正直に言えばすぐにだしたいが、もう少しセルカと一つでありたいのも本音だ。
 必死に耐えるザクベルをあざ笑うようにセルカが腰を上下に動かしはじめた。

「はっ…、んぅ、ザクベルのガチガチおちんぽっ、きもちぃい」

 わざとふしだらな言葉で煽ってくる。抗いたい気持ちもあったが、せっかくセルカが自ら腰を動かしてザクベルに気持ちいい思いをさせようとしているのだ。であれば、ザクベルは素直に受け入れるだけだ。
 改めてセルカを抱きしめ直すとザクベルはセルカの中へ我慢していた熱を吐き出した。長い吐精がおわれば、どちらとともなく満足げに息をつく。
 ザクベルに背中を向けたままセルカが「ザクベル」と呼んだ。

「どうしました?」

 うつむくセルカが心配になって顔をのぞき込む。セルカの手がザクベルの頬に触れる。顔を近づけすぎたとザクベルが認識すると同時に唇が重なった。
 しっとりと柔らかな感触はザクベルのかさついて荒れた唇とは真逆だ。突然の感触に思考が停止している間も、セルカは角度を変えてキスをしてくる。三度ほど交わしてようやくセルカが唇を離した。
 硬直していたがハッとするなり、眉を下げてセルカへ尋ねた。

「セルカ様、どうしてキスを……?」
「キス、はじめてだった?」
「は、はい」

 ザクベルの質問を無視して逆に聞き返されたが、ザクベルは素直に頷いた。セルカはザクベルの返答に、目を細めると色香を乗せて微笑んだ。
 戸惑いと興奮が入り乱れ凝視するザクベルの視線を受け止めつつも、セルカはきゅうきゅうとザクベルの高ぶりを締めつけ、とろけた声でさらに言ってきた。

「セックスも?」
「はい」

 恋愛経験もセックスもなにもかもセルカがはじめてなためセルカの質問の意図がわからない。それどころか、萎えずに勃起してしまった自分が恥ずかしくなるぐらいだ。
 セルカの視線を受け止めて見つめ返していると、セルカが腹に回っているザクベルの手へそっと手を重ねた。ぎこちなくほどかれ指を絡められる。かつて町で恋人同士がやっていた恋人繋ぎだ。
 自分には縁がない繋ぎ方だともの悲しさと冷めた気持ちで眺めていたそれを、まさか意中の相手からされるとは思っていなかった。

「ザクベルの手、何度触っても大きくてゴツゴツしてていい手だね」
「あ、りがとう…、ございます」

 ぎこちなく指を絡めて握り返せば、セルカの白い肌がいっそう赤く染まった。不意に訪れた穏やかな時間だが、欲望に素直なザクベルの体はまたセルカの中に出したいと訴えていた。
 ゆっくり息を吐いてセルカに顔を寄せると、耳元で囁いた。

「すみません、セルカ様。我慢できそうにないです」
「じゃあ、こうして手を繋いだままキスしてくれたらだしていいよ」

 まさかの要求にザクベルは溢れてきた唾液をゴクッと飲み込んだ。

「い、いいんですか? 俺からセルカ様にキスしても」
「してくれなきゃ、だしちゃだめ」

 ふふっと微笑みながら、きゅうきゅうと締めて挑発してくる。限界だったザクベルには心地いいながらもつらい刺激だ。セルカの考えは読めないものの、ザクベルにとって嬉しいおねだりでしかない。
 緊張で複数の心臓と核がうるさい。ザクベルは唇を引き結び、セルカへ顔を寄せて誘われるがまま唇を当てた。スマートさもへったくれもない、文字通り唇を当てただけの行為だが、それでも正真正銘ザクベルからはじめてのキスだ。
 セルカが絡めていた手をきゅっと強く握り、唇が離れると共にとろけた声で呟いた。

「とても上手だよ」
「ありがとうございます」
「キスも上手にできたザクベルなら、こっちはもっと上手にできるよね?」

 セルカはふーふーと興奮しながら、ぐちゅっと音を立てて腰を動かした。
 動きを促されたザクベルは最初ゆっくり腰を動かしはじめた。セルカの弱いところをとちゅ、とちゅと優しく突き上げる。そのたびにセルカがもどかしそうに腰を揺らした。

「ザクベル、もっと乱暴にしていいからっ」
「俺は、セルカ様を傷つけたくありません」

 と返しつつも、セルカのおねだりはすべて叶えてやりたい。一度腰を引くとばちゅんっと少し強めに腰を打ち付けた。そうすれば、セルカは舌を突き出しながら嬉しそうに喘いだ。
 荒れそうになる呼吸を飲み込み、突き出されている舌ごと口に含むとセルカの唇を塞ぐ。セルカの目がこれでもかと見開かれたが、すぐにとろんと目尻が下がった。深い絶頂へ導くと少し遅れてザクベルも熱を解放した。
 どちらとともなく唇を離し、荒れた呼吸を整えれば、セルカがぎゅうっと絡めている手を握りしめてくる。

「今日はこのまま寝たいな」
「さすがに体は綺麗にした方がいいと思います」

 いくらザクベルの魔法でベッドを綺麗にできるとはいえ、様々な体液で汚れたまま寝るのは気が引ける。だがセルカは気にしていないようだ。すでに意識は夢の中らしくザクベルに背を預けたまま寝息を立てている。
 あまりの早業であっけにとられた。目尻に事後の残り香を漂わせるセルカをしばし見つめた後、ザクベルはセルカの目尻にそっと唇を当てた。

「要望に応えられなくてすみません」

 セルカの感覚を魔法で一時的に遮断させると、努めて冷静な気持ちでセルカから高ぶりを引き抜く。そして、自分とセルカに浄化の魔法をかけて綺麗にした。さながら風呂に上がった後のようなさっぱりとした気分だ。
 ついでにセルカのクローゼットと繋いだ空間へ手を突っ込んで寝間着を手に取るとセルカへ着せた。そこまでしてようやくセルカの感覚を戻した。
 しばしセルカの寝顔を見つめていたザクベルはそっとセルカを四つの腕で優しく抱きしめると目を閉じた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

抑制剤の効かない薬師オメガは森に隠れる。最強騎士団長に見つかり、聖なるフェロモンで理性を溶かされ、国を捨てた逃避行の果てに番となる

水凪しおん
BL
「この香りを嗅いだ瞬間、俺の本能は二つに引き裂かれた」 人里離れた森で暮らす薬師のエリアルは、抑制剤が効かない特異体質のオメガ。彼から放たれるフェロモンは万病を癒やす聖なる力を持つが、同時に理性を失わせる劇薬でもあった。 ある日、流行り病の特効薬を求めて森を訪れた最強の騎士団長・ジークフリートに見つかってしまう。エリアルの香りに強烈に反応しながらも、鋼の理性で耐え抜くジークフリート。 「俺が、貴方の剣となり盾となる」 国を救うための道具として狙われるエリアルを守るため、最強の騎士は地位も名誉も投げ捨て、国を敵に回す逃避行へと旅立つ。 シリアスから始まり、最後は辺境での幸せなスローライフへ。一途な騎士と健気な薬師の、運命のBLファンタジー。

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *不定期連載です。

好きなだけじゃどうにもならないこともある。(譲れないのだからどうにかする)

かんだ
BL
魔法使いが存在する世界。 皇太子の攻めと学生時代から付き合っていた受けは、皇帝からの許しも得て攻めと結婚した。だが、魔法使いとしても次期皇帝としても天才的な攻めに、後継を望む周囲は多い。 好きなだけではどうにもならないと理解している受けは、攻めに後継を作ることを進言するしかなく…。

転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される

Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。 中1の雨の日熱を出した。 義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。 それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。 晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。 連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。 目覚めたら豪華な部屋!? 異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。 ⚠️最初から義父に犯されます。 嫌な方はお戻りくださいませ。 久しぶりに書きました。 続きはぼちぼち書いていきます。 不定期更新で、すみません。

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

【8話完結】俺は推しじゃない!ただの冒険者だ!

キノア9g
BL
ごく普通の中堅冒険者・イーサン。 今日もほどほどのクエストを探しにギルドを訪れたところ、見慣れない美形の冒険者・アシュレイと出くわす。 最初は「珍しい奴がいるな」程度だった。 だが次の瞬間── 「あなたは僕の推しです!」 そう叫びながら抱きついてきたかと思えば、つきまとう、語りかける、迫ってくる。 挙句、自宅の前で待ち伏せまで!?  「金なんかねぇぞ!」 「大丈夫です! 僕が、稼ぎますから!」 平穏な日常をこよなく愛するイーサンと、 “推しの幸せ”のためなら迷惑も距離感も超えていく超ポジティブ転生者・アシュレイ。 愛とは、追うものか、追われるものか。 差し出される支援、注がれる好意、止まらぬ猛アプローチ。 ふたりの距離が縮まる日はくるのか!? 強くて貢ぎ癖のあるイケメン転生者 × 弱めで普通な中堅冒険者。 異世界で始まる、ドタバタ&ちょっぴり胸キュンなBLコメディ、ここに開幕! 全8話

助けた竜がお礼に来ました

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
☆6話完結済み☆ 前世の記憶がある僕が、ある日弱った子供のぽっちゃり竜を拾って、かくまった。元気になった竜とはお別れしたけれど、僕のピンチに現れて助けてくれた美丈夫は、僕のかわいい竜さんだって言い張るんだ。それで僕を番だって言うんだけど、番ってあのつがい?マッチョな世界で野郎たちに狙われて男が苦手な無自覚美人と希少種の竜人との異種間恋愛。 #ほのぼのしてる話のはず  ☆BLランキング、ホットランキング入り本当に嬉しいです♡読者の皆さんがこの作品で楽しんで頂けたのかなととても励みになりました♪

処理中です...